Oracle Loyalty Cloud
の新機能
  1. アップデート19B
  1. 改訂履歴
  2. 概要
  3. 機能のサマリー
    1. Loyalty Cloud
      1. ロイヤルティ・プログラム
        1. タイム・ゾーンの使用
      2. ロイヤルティ・トランザクション
        1. イベント駆動特典
      3. ロイヤルティ・メンバーシップの管理
        1. Engagement Cloudへのロイヤルティ統合
        2. ロイヤルティ・メンバーのための動的かつネストされたUIの取込み
        3. ロイヤルティ・メンバーの埋込み分析
        4. ロイヤルティ・メンバー・マージREST API

アップデート19B

改訂履歴

本書は、既存の項の変更と、新規情報の追加に伴って、今後も引き続き更新されます。これまでの更新内容は次の表のとおりです。

日付 機能 備考
2019年3月22日 初版作成。

概要

Oracle Loyalty Cloudでは、チャネル全体にわたる包括的なエンタープライズ・クラスのロイヤルティ・ソリューションを提供します。これにより、組織は完全なロイヤルティ・プログラム・ライフサイクルを管理できます。

Oracle Loyalty Cloudを使用すると、製品とサービスのリピート購入、友人や家族への紹介、望ましい社会的行動などの顧客行動を追跡、対応および把握し、ロイヤルティ・プログラムのパートナとともにビジネスを実行できます。企業は、報酬プログラムおよびプロモーションを作成することにより、メンバーの望ましい行動を促し、長期にわたる顧客ロイヤルティを高めることができます。

ロイヤルティ・プログラムでは、Oracle Loyalty Cloudにより高価値の顧客を獲得および維持できます。また、インセンティブを他の顧客に提供して購入を増やし、顧客がブランドの影響力のある支持者になることにより、これらの顧客を高価値の顧客にすることもできます。

すべてのチャネルで一貫した顧客満足度を得るために、すべての重要なロイヤルティ・プログラム、メンバーシップおよびトランザクション機能もREST APIを介して使用できます。

このガイドでは、今回の更新の新機能と機能向上を理解するうえで必要な情報の概要を示し、更新のために実行する必要があるタスクについて説明します。このガイドは本アップデートでの新規・改善機能の概要を理解するのに必要な情報およびアップデートに必要なタスクについて説明します。個々のセクションは機能の概略説明、その機能を実装に必要なステップ、ヒントおよび考慮点、他に必要なリソースが記述されています。

リリース12からアップグレードするお客様

リリース12からリリース13にアップグレードする場合は、リリース13で使用可能なすべての機能を理解するために、リリース13 (アップデート17B - 17D、18A - 18Cおよびアップデート19A - 19B)のリリース・レディネス・コンテンツのすべてをレビューしてください。

機能のサマリー

列の定義:

レポート = 新規または変更され、Oracleで提供される、実行準備が完了したレポート。

UIまたはプロセスベース: 小規模 = これらのUIまたはプロセスベースの機能は通常、フィールド、検証またはプログラムの小さな変更で構成されています。したがって、ユーザーに対する潜在的な影響は最小限になります。

UIまたはプロセスベース: 大規模* = これらのUIまたはプロセスベースの機能は、より複雑に設計されています。したがって、ユーザーに対する潜在的な影響は高くなります。


顧客による処理が必要 = エンド・ユーザーがこれらの機能を使用する前に処理を実行する必要があります。これらの機能は提供時には使用不可になっているため、機能を使用可能にするかどうかおよび使用可能にする時期を選択してください。たとえば、a)新規または拡張BIサブジェクト領域は、レポートにまず組み込む必要があり、b)新規Webサービスは使用する前に統合する必要があり、c)ユーザー・ロールに機能を割り当てないと機能にアクセスできません。

エンド・ユーザーにより使用可能
(すぐ使用できる状態で提供される機能)

レポートおよび小規模なUIまたはプロセスベースの新機能は、更新後のユーザーに対する影響を最小限に抑えます。したがって、顧客受入れテストでは、大規模なUIまたはプロセスベース*の新機能に焦点を当ててください。

エンド・ユーザーが使用する前に顧客による処理が必要
(すぐ使用できない状態で提供される機能)

これらの機能の使用準備を完了するには処理が必要なため、中断されません。選択的に使用するよう選択すると、テストおよびロールアウトのタイミングを設定できます。

機能

レポート

UIまたは
プロセスベース:
小規模

UIまたは
プロセスベース:
大規模*

顧客による処理が必要

Loyalty Cloud

ロイヤルティ・プログラム

タイム・ゾーンの使用

ロイヤルティ・トランザクション

イベント駆動特典

ロイヤルティ・メンバーシップの管理

Engagement Cloudへのロイヤルティ統合

ロイヤルティ・メンバーのための動的かつネストされたUIの取込み

ロイヤルティ・メンバーの埋込み分析

ロイヤルティ・メンバー・マージREST API

Loyalty Cloud

ロイヤルティ・プログラム

タイム・ゾーンの使用

Oracle Loyalty Cloudでは、プログラム・レベルで定義できるタイムゾーンが導入されており、日付および時刻により有効なエンティティがロイヤルティ・プログラムのタイム・ゾーンに従うようにしています。

デモのウォッチ

有効化のステップ

この機能を有効化するうえで必要なステップはありません。

主なリソース

タイム・ゾーンの使用の準備状況トレーニングのウォッチ

ロール情報

  • ロイヤルティ・プログラム・マネージャ(ORA_LOY_MANAGER)
  • ロイヤルティ・プログラム管理者(ORA_LOY_PROGRAM_ADMINISTRATOR)

ロイヤルティ・トランザクション

イベント駆動特典

Oracle Loyalty Cloudでは「イベント駆動特典」機能が導入されており、ロイヤルティ・プログラム・マネージャが、「メンバー生年月日」、メンバー・プログラム記念日、メンバー最終発生またはメンバー結婚記念日(拡張フィールド)などの事前定義イベントでメンバーに対する特典をトリガーするためのイベントをプログラムで作成できます。特典の頻度は、ロイヤルティ・プログラム・マネージャが月/週/年に1回として設定できます。このリリースでは、REST APIを介したイベントの作成が許可されています。

有効化のステップ

  1. REST APIを介してPOSTMANまたはFF REST CLIENTを使用した、プログラムでのイベント作成
  2. RESTを使用したイベント属性の作成
  3. タイプが「発生」でサブタイプが「イベント特典」のプロモーションの作成
  4. イベント駆動特典を作成および処理するバッチのトリガー

主なリソース

この機能強化のデモンストレーションは、「ロイヤルティのリリース・レディネス」ページのトレーニングを参照してください。

ロール情報

  • ロイヤルティ・プログラム・マネージャ(ORA_LOY_MANAGER)
  • ロイヤルティ・プログラム管理者(ORA_LOY_PROGRAM_ADMINISTRATOR)

ロイヤルティ・メンバーシップの管理

Engagement Cloudへのロイヤルティ統合

Loyalty CloudがOracle Engagement Cloud Serviceに接続されるようになったため、組織で、ロイヤルティ・プログラムに関連するサービス照会(登録、メンバーシップ更新、トランザクション、係争など)を取得および管理するために、ロイヤルティ・サービス・センターを提供できます。ロイヤルティ・メンバーを、エージェントによって支援されたチャネルに参加させ、照会ステータスの詳細を入力してロイヤルティ・メンバーの透明度を上げることができます。

「ロイヤルティ・メンバー」作業領域が拡張され、「メンバー詳細」ページの新規サブタブを使用して、ロイヤルティ・メンバーに対して記録されたすべてのサービス要求を容易に表示できるようになりました。そこから、ロイヤルティ・マネージャは、メンバーに対する新しいサービス要求を作成したり、既存のサービス要求にドリルダウンできます。また、ロイヤルティ・プログラムのサービス・エージェントは、「サービス要求」作業領域内のすべてのメンバーにわたるサービス要求のキューを管理できます。特定のサービス要求から、エージェントは「ロイヤルティ・メンバー」を動的タブまたはSRの下のネスト・タブとして開くか、「SR」ページからロイヤルティ・メンバーの詳細にドリルダウンしすることで必要なロイヤルティ・メンバーの詳細にアクセスできます。メンバーの詳細から、エージェントは新規メンバーの登録やトランザクションのレビューなど、照会を解決するための様々なタスクを実行できます。

有効化のステップ

デフォルトでは、サービス要求UIにロイヤルティ情報は表示されません。ロイヤルティ・メンバー属性を、アプリケーション・コンポーザ拡張性を使用して「サービス要求」ページ・レイアウトに追加する必要があります。

アプリケーション・コンポーザを使用したアプリケーションの拡張の詳細は、Oracle Help Center > 関心のあるアプリケーション・サービス領域 > Books > Configuration and Extensionを参照してください。

ヒントと考慮事項

  • コンピュータ・テレフォニ統合(CTI)のMCAフレームワークでは、特にロイヤルティ・メンバー・オブジェクトに基づいた逆参照またはスクリーン・ポップアップが提供されないため、インバウンド・コールをメンバーシップ(担当者またはアカウント)に関連付けられたパーティ・オブジェクトで処理する必要があります。
  • 「メンバー」ページに対して実行されるトランザクションはモーダル・ポップアップ内で実行されます。これは、ネストされた動的タブに対してタスク・フローの多くが使用可能でないためです。

主なリソース

この機能強化のデモンストレーションは、「ロイヤルティのリリース・レディネス」ページのトレーニングを参照してください。

ロール情報

  • ロイヤルティ・プログラム管理者(ORA_LOY_PROGRAM_ADMINISTRATOR)
  • ロイヤルティ・マーケティング・マネージャ(ORA_LOY_MARKETING_MANAGER)

ロイヤルティ・メンバーのための動的かつネストされたUIの取込み

Oracle Loyalty Cloud UIのロイヤルティ・メンバー・オブジェクトの動的かつネストされたタブを使用すると、UI要素のインスタンスを1つクローズしてから別のインスタンスをオープンするという必要はなく、複数のインスタンスを同時にオープンしてその間でコンテキストを切り替えることができます。つまり、一度に1つのアプリケーションのモードではなく、コンテキスト切替えモードに移ることを意味します。動的タブとは、異なるコンテキストの複数のタブを持つことを示し、ネストされたタブとは、そのネストされたタブ内に1つのフローを持つタブ内のタブを示します。

動的かつネストされたUI

動的かつネストされたUI機能は現在、サービス要求統合に適用可能であり、メンバー情報をサービス要求タブから追加タブの形式で直接取得して、ユーザーがサービス要求タブからあちこちに移動するのを回避できます。これにより、サービス要求のハンドラのナビゲーションが容易になり、ユーザーの操作性が高まります。

有効化のステップ

この機能を有効化するうえで必要なステップはありません。

ロール情報

  • ロイヤルティ・プログラム・マネージャ(ORA_LOY_MANAGER)
  • ロイヤルティ・プログラム管理者(ORA_LOY_PROGRAM_ADMINISTRATOR)

ロイヤルティ・メンバーの埋込み分析

メンバー埋込み分析では、特定のプログラムの特定タイプのメンバーのパフォーマンス、実行したアクティビティ、取得した特典および直面した問題に関する重要な情報のスナップショットがOracle Loyalty Cloudユーザー(ロイヤルティ・プログラム・マネージャ/ロイヤルティ・プログラム管理者)に対して提供されます。これにより、ユーザーがメンバーのロイヤルティの程度を評価し、全体的なプログラムの目標(メンバーへのプロモーションの提供、既存のプロモーションのビジネス・ルールの変更、階層区分の導入または階層のアップグレード、証憑または手動加算の提供など)に基づいて適切なビジネス上の決定を行うことができます。

メンバー埋込み分析

現在、メンバー埋込み分析はメンバーごとに「概要」タブの形式で表示され、「詳細」と「分析」の2つのセクションに分かれています。「詳細」セクションには、名前、番号、タイプ、ステータス、プログラム、担当者、加入日および生年月日、階層など、メンバーに関連する基本的な詳細が提供されます。「分析」セクションには、引換に使用可能な証憑数や、インフォレットの形式の紹介数などのメトリックの詳細が提供されます。

有効化のステップ

この機能を有効化するうえで必要なステップはありません。

主なリソース

詳細は、『19B Loyalty Analyticsガイド』を参照してください。

ロール情報

  • ロイヤルティ・プログラム・マネージャ(ORA_LOY_MANAGER)
  • ロイヤルティ・プログラム管理者(ORA_LOY_PROGRAM_ADMINISTRATOR)

ロイヤルティ・メンバー・マージREST API

メンバーの重複の処理は、管理のオーバーヘッド、誤用の範囲、およびメンバー名のトレーサビリティの問題の観点から見ると課題が多い可能性があります。メンバー・マージを使用すると、管理者は同じプログラムの複数のメンバーを1つのメンバーにマージできます(最大は5)。これにより、関連するすべての側面が新しいメンバーにマージされます。保持するメンバーは、属性および累計がマージされて「アクティブ」として保持されますが、破棄するメンバーの残りは「マージ済」として分類されます。

次に、メンバー・マージREST APIの詳細を示します。

Method: POST

Parameters: survivingMemberNumber (文字列)、memberNumbersToBeMerged (文字列のリスト)

Headers:   Key:Authorization   Value: Basic認証が「認可」で設定されている場合に移入されます            

Key: Content-Type    Value: application/vnd.oracle.adf.action+json            

Key: rest-framework-version    Value: 4 Payload { "name" : "mergeMembers", "parameters" : [    {    "survivingMemberNumber" : "300100169069466"     },   {    "memberNumbersToBeMerged" : ["300100169069468","300100169070390"]    }    ] }

Response: {  "result": "{"\"Status\": \"Success\", \"Surviving Member Number\":\"300100152780595\"}" }

有効化のステップ

利用するには、REST APIガイドのRESTサービス定義をレビューします(Oracle Help Center > 関心のあるアプリケーション・サービス領域 > REST APIから使用可能)。OracleのRESTサービスを初めて利用する場合は、「クイック・スタート」セクションから始めることができます。

主なリソース

  • ロイヤルティ分析のREST APIガイド:

http://ohcrest.doceng.oraclecorp.com/client/fusionapps/loyalty/19b/html/index.html

ロール情報

  • ロイヤルティ・プログラム・マネージャ(ORA_LOY_MANAGER)
  • ロイヤルティ・プログラム管理者(ORA_LOY_PROGRAM_ADMINISTRATOR)