1 Oracle Access Manager12c (12.2.1.3.0)へのアップグレードの概要

開始する前に、概要の情報をすべて確認して、Oracle Access Manager 12c (12.2.1.3.0)の標準のアップグレード・トポロジおよびアップグレード・パスを理解します。

ノート:

Fusion Middlewareのアップグレードのプランニングに関する一般情報およびアップグレードのその他の概念およびリソースについては、『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』の次の各項を参照してください。

次の各トピックでは、Oracle Access Managerのアップグレードに関連する概念について説明します:

Oracle Access Managerのアップグレードの開始ポイントについて

ポートされている11gリリースからOracle Access Manager 12c (12.2.1.3.0)にアップグレードできます。

Oracle Access Manager12c (12.2.1.3.0)へのアップグレードがサポートされている開始ポイントは、Oracle Access Manager 11gリリース2 (11.1.2.3.0)です。

11.1.2.3.0バージョンのOracle Access Managerを使用していない場合は、12c (12.2.1.3.0)に移行する前に11.1.2.3.0にアップグレードする必要があります。

11gリリース2 (11.1.2.3.0)へのOracle Access Managerのアップグレードの詳細は、11gリリース2 (11.1.2.3.0)の『Oracle Identity and Access Managementアップグレード・ガイド』Oracle Identity and Access Managementのアップグレードの概要に関する項を参照してください。

このガイドのアップグレード手順では、既存のOracle Access Manager 11gドメインをOracle Access Manager 12c (12.2.1.3.0)にアップグレードする方法について説明します。他のコンポーネントがドメインに含まれている場合は、これらのコンポーネントもアップグレードする必要があります。サポートされているドキュメントへのリンクは必要に応じて提供されます。

アップグレード・プランニングの推奨事項の詳細は、ドキュメントID 2539939.2を参照してください。

Oracle Access Managerのアップグレード・シナリオについて

Oracle Access Manager12c (12.2.1.3.0)へのアップグレード・ステップは、既存の11gリリース2 (11.1.2.3.0)本番トポロジによって異なります。

Oracle Access Managerは様々な方法でデプロイできます。このアップグレード・ドキュメントでは、一般的なデプロイメント・トポロジの手順を説明していますが、一般的でないデプロイメント・トポロジのガイドとしても使用できます。

実際のトポロジは異なる場合がありますが、ここで説明するトポロジで示された例を、他の同様のOracle Access Managerトポロジをアップグレードする際の参考として使用できます。

ノート:

アップグレードを成功させるためのアップグレード・プロセスおよびプランニング・リソースの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』「Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1.3.0)へのアップグレードのプランニング」を参照してください。

このガイドで説明する手順を使用して、次のトポロジまたはデプロイメントをアップグレードできます。

ノート:

Oracle Access Manager Mobile and Socialを使用している場合は、12c (12.2.1.3.0)へのアップグレードを検討する前に、このリリースのOAMでサポートされていない機能について確認してください。Access Manager 12.2.1.3.0でサポートされていない機能に関する項を参照してください。

Oracle Access Manager 12cの新機能について

Oracle Access Managerの11gと12cとの間で、いくつかの変更が加えられました。

Oracle Fusion Middleware 12cの新機能を全般的に理解するには、『Oracle Fusion Middlewareの理解』新機能および変更された機能に関する項を参照してください。

使用している環境にOracle WebLogic ServerとOracle ADFが含まれている場合は、Application Developer 11gとInfrastructure 12cの主な違いに関する項を参照してください。

Oracle Access Manager 12c (12.2.1.3.0)およびその機能の詳細は、Oracle Access Manager管理者ガイドの次の項を参照してください:

アップグレードの制限事項について

サポート対象の単一のOracle Fusion Middleware構成内で、同一バージョンまたは異なるバージョンの複数のOracle Fusion Middleware製品を使用している場合は、アップグレードの計画前に、相互運用性と互換性にかかわる要因について検討する必要があります。

相互運用性

Oracle Fusion Middleware製品のコンテキストでは、相互運用性は、サポート対象のOracle Fusion Middleware構成内で同一バージョン(またはリリース)の2つのOracle Fusion Middleware製品またはコンポーネントを連動(相互運用)できる能力と定義されています。具体的に言うと、相互運用性は、リリース番号またはバージョン番号の最初の4桁が同じ場合に該当します。たとえば、Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1.0)コンポーネントは、通常、他の12c (12.2.1.0)コンポーネントと相互運用性があります。

コンポーネントの12cへの正常なアップグレードを容易にするために、アップグレード中に、Oracle Access Manager 12cはOAM WebGate 11g (11.1.2.3)、RREG11g Client 11g (最新のバンドル・パッチを含む11.1.2.3)およびASDK 11gと互換性があります。

Oracle HTTP Server (OHS)を12.2.1.2.0 (11.1.2.3.0 OAMアーキテクチャに基づくWebGate)からOHS 12.2.1.3.0 (12.2.1.3.0 OAMアーキテクチャに基づくWebGate)にアップグレードした後、OAMコンソールを使用して、UniqueCookieNames=Legacyのユーザー定義パラメータをWebGateエージェント構成に追加する必要があります。パラメータを追加すると、12c (12.2.1.3)へのアップグレード後にOHS WebGateによってWebGate Cookie名の形式が認識されます。手順については、ドキュメントID 2673236.1を参照してください。サポートされているWebGateパラメータのリストは、『Oracle Access Management管理者ガイド』ユーザー定義のWebGateパラメータに関する項を参照してください。

ノート:

exportPolicy、importPolicyなどのツールを使用して他のリリースのOAMポリシーをエクスポートおよびインポートすることは、動作保証されていません。アップグレードは、リリース間でポリシーを移動する、サポートされている唯一のパスです。

互換性

Oracle Fusion Middleware製品のコンテキストでは、互換性は、異なるバージョン(またはリリース)の2つのOracle Fusion Middlewareコンポーネントを相互運用できる能力と定義されています。

Oracle Fusion Middlewareリリース12.2.1.3.0で使用可能な製品と機能のリストは、『相互運用性および互換性の理解』Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1.3.0)で使用可能な製品と機能に関する項を参照してください。

このガイドで使用される用語

一貫性を保つために、このガイドでは次の用語が使用されます。

表1-1 用語

情報 値の例 説明

JAVA_HOME

/home/Oracle/Java/jdk1.8.0_131

Java JDK ホーム・ディレクトリを指す環境変数。

データベース・ホスト

examplehost.exampledomain

データベースを実行しているホストの名前とドメイン。

データベース・ポート

1521

データベースがリスニングしているポート番号。デフォルトのOracleデータベースのリスニング・ポートは1521です。

データベース・サービス名

orcl.exampledomain

Oracleデータベースには一意のサービス名が必要です。デフォルトのサービス名は、orclです。

DBAユーザー名

FMW

データベース管理権限を持つユーザーの名前。OracleデータベースのデフォルトのDBAユーザーは、SYSです。

DBAパスワード

<dba_password>

データベース管理権限を持つユーザーのパスワード。

ORACLE_HOME

/home/Oracle/product/ORACLE_HOME

ソフトウェアをインストールする12cディレクトリ。

このディレクトリには、必要に応じてOracle Fusion Middleware InfrastructureおよびOracle Access Managerが含まれます。

コンソール・ポート

7001

Oracle WebLogic ServerコンソールとOracle Access Managerコンソールのポート。

DOMAIN_HOME

/home/Oracle/config/domains/idm_domain

ドメイン・データの格納場所。

ノート: これはプライマリ管理サーバーが構成されているドメインです。

APPLICATION_HOME

/home/Oracle/config/applications/idm_domain

アプリケーション・データの格納場所。

WebLogicドメインの管理者のユーザー名

weblogic

Oracle WebLogic Serverの管理権限を持つユーザーの名前。デフォルトの管理者ユーザーは、weblogicです。

管理者ユーザーのパスワード

<admin_password>

Oracle WebLogic Server管理権限を持つユーザーのパスワード。

RCU

ORACLE_HOME/oracle_common/bin

リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)へのパス。

RCUスキーマの接頭辞

oam

Oracle Access Managerで使用されるデータベース・スキーマ名の接頭辞。

RCUスキーマのパスワード

<rcu_password>

Oracle Access Managerで使用されるデータベース・スキーマのパスワード。

構成ユーティリティ

ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin

ドメインの作成と構成のための構成ウィザードへのパス。

このマニュアルの使用方法

このガイドでは、様々なアップグレード・シナリオについて説明します。

既存の11.1.2.3.0デプロイメントに応じて、Oracle Access Manager12c (12.2.1.3.0)へのアップグレードに関する各トピックを参照してください:

ノート:

アップグレードを開始する前に、「アップグレード前の要件」を確認し、必要なアップグレード前のタスクを実行してください。