B 移行したOracle BIインスタンスのトラブルシューティング
この付録では、11gから12cに移行したBIインスタンスのトラブルシューティングの手順について説明します。
- TRANSFORMBAREXCEPTIONでの構成失敗
カタログのオブジェクトがリリース11.1.1.7より古い場合、12cの構成はTRANSFORMBAREEXCEPTIONエラーで失敗する可能性があります。カタログ・アイテムの更新が必要かどうかは、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlでメトリックを表示することによって確認できます。「カタログ」フォルダで、アップグレードが必要であることを示すオブジェクト読取りの数という説明の付いたアップグレードが必要な読取りというメトリックを見つけます。この数が大きい場合は、プレゼンテーション・サービスの「管理」ページを使用してカタログ内のオブジェクトを更新することにより、この問題を解決できます。 - 複数のY軸のHighchartsグラフが表示されない
移行後に複数のY軸のHighchartsグラフがレンダリングされないことがあります。これは、Oracle BI 12cインスタンスに必要なJavaScript (.js)ファイルが含まれていないためです。手動でそれらのファイルをインスタンスにコピーする必要があります。 - NQSConfig.INIファイルでのEVALUATEパラメータの設定
分析でのEVALUATE機能は、データベースをSQLインジェクション攻撃にさらすため、Logical SQL問合せではデフォルトで有効化されていません。Oracle BI 12cへの移行後、ビューの生成中にエラーが発生した場合は、NQSConfig.INIファイルのEVALUATE_SUPPORT_LEVELパラメータの値を適切に設定する必要があります。 - エラー: java.lang.NoClassDefFoundError: クラスsun.awt.X11GraphicsEnvironmentを初期化できませんでした
DISPLAY変数の値を手動で設定した、またはシステムでそれが自動的に行われた場合、java.lang.NoClassDefFoundError: クラスsun.awt.X11GraphicsEnvironmentを初期化できませんでしたのエラーが発生する場合があります。Windowsクライアントを介して64ビットのLinuxインストーラを実行するため、DISPLAY変数の値をWindowsクライアントのシステムIPに変更する場合は、インストールの完了後にそれを元の値にリセットします。DISPLAY変数の値をリセットせずにグラフを含む分析を生成すると、このエラーが発生する可能性があります。 - Oracle BI Publisherでのファイル・データ・ソースの検証
レポートを生成中、oracle.xdo.XDOException: ファイルが存在しないか、読取り不可です。というエラーが発生する場合、サポートしているXMLファイルを12cシステムにコピーしていない可能性があります。問題を解決するには、各データ・ソース・ポイントが12cシステムの該当するディレクトリを指していることを手動で検証します。 - checkSoftLimit失敗に関するエラー
問合せの実行にBI管理者が割り当てた一時領域よりも大きい領域が必要である場合、[nQSError: 43119] 問合せに失敗しました: [nQSError: 46168] 操作RawFile::checkSoftLimitが失敗しました、現在の制限を超過します。1073758528のエラーが表示されます。 - 12cで代理機能の構成に失敗する
代理機能では、別のユーザーのかわりにOracle BI EEの操作を実行できます。この機能は、別のユーザーのダッシュボードやコンテンツを操作する必要がある場合やITサポート・スタッフがユーザー・アカウントのトラブルシューティングを行う必要がある場合などに便利です。Oracle BI 11gから12cに移行しており、12cインスタンスで代理機能を構成できない場合は、最初にファイルを11gインスタンスからコピーする必要があります。 - グローバル・ヘッダーでのカスタム・リンクの置換
Oracle BI 12cへの移行後、11gインスタンスでグローバル・ヘッダーに追加したリンクが使用できなくなっていることがあります。customlinks.xmlファイルが11gから12cインスタンスに移行されていないため、これらのリンクは失われています。ファイルを手動で12cインスタンスにコピーし、instanceconfig.xmlファイルでカスタム・リンク機能を有効化する必要があります。 - 12cへの11g WebLogicユーザーの移行
11gから12cに移行した後、WebLogicユーザーを12cドメインに手動で移行させる必要があります。この移行は、セキュリティ・レルムからセキュリティ・データをエクスポートし、そのデータを別のセキュリティ・レルムにインポートすることにより実行できます。セキュリティ・データには、認証、認可、資格証明マップおよびロール・データが含まれます。 - ビューの表示エラー: オーダー未処理レポートで無効な列が発生
12cでオーダー未処理レポートをロードする際に無効な列が発生したことを示す「ビューの表示エラー」メッセージが表示される可能性があります。このエラーは、エラーを起こす列のIDがレポートのXML定義に存在するが、サブジェクト領域表には存在しないために表示されます。XML定義を手動で編集し、無効な列を削除する必要があります。 - Oracle RベースのAdvanced Analyticレポート生成時のビューの表示エラー
Oracle BI 12cへのアップグレード後に、Oracle RベースのAdvanced Analyticレポートの生成時に次のエラー・メッセージが表示される場合は、このトピックにある手順を参照して問題を修正します。ビューの表示エラー: ODBCドライバによってエラー(SQLExecDirectW)が返されました。エラー・コードはOPR4ONWY、U9IM8TAC、U9IM8TAC、U9IM8TAC、OI2DL65Pです。
TRANSFORMBAREXCEPTIONでの構成失敗
カタログのオブジェクトがリリース11.1.1.7より古い場合、12cの構成はTRANSFORMBAREEXCEPTIONエラーで失敗する可能性があります。カタログ・アイテムの更新が必要かどうかは、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlでメトリックを表示することによって確認できます。「カタログ」フォルダで、アップグレードが必要であることを示すオブジェクト読取りの数という説明の付いたアップグレードが必要な読取りというメトリックを見つけます。この数が大きい場合は、プレゼンテーション・サービスの「管理」ページを使用してカタログ内のオブジェクトを更新することにより、この問題を解決できます。
- ユーザーGUIDの再生成
このタスクでは、構成ファイルを手動で編集して、再起動時にGUIDを再生成するようOracle BIサーバーおよびOracle BIプレゼンテーション・サーバーに指示する必要があります。処理が完了したら、これらのファイルを再度編集して変更内容を削除します。 - Oracle BIプレゼンテーション・サービス・カタログの更新
11gから移行する際は、Oracle BIプレゼンテーション・サービス・カタログを手動で更新する必要があります。
ユーザーGUIDの再生成
このタスクでは、構成ファイルを手動で編集して、再起動時にGUIDを再生成するようOracle BIサーバーおよびOracle BIプレゼンテーション・サーバー に指示する必要があります。処理が完了したら、これらのファイルを再度編集して変更内容を削除します。
親トピック: TRANSFORMBAREXCEPTIONでの構成失敗
Oracle BIプレゼンテーション・サービス・カタログの更新
11gから移行する際は、Oracle BIプレゼンテーション・サービス・カタログを手動で更新する必要があります。
親トピック: TRANSFORMBAREXCEPTIONでの構成失敗
複数のY軸のHighchartsグラフが表示されない
移行後に複数のY軸のHighchartsグラフがレンダリングされないことがあります。これは、Oracle BI 12cインスタンスに必要なJavaScript (.js)ファイルが含まれていないためです。手動でそれらのファイルをインスタンスにコピーする必要があります。
- 11gシステムで
\AnalyticsRes
ディレクトリに移動します。 - 11gの
\AnalyticsRes
ディレクトリから、次に示すファイルを12c\AnalyticsRes
ディレクトリにコピーします。- highcharts.js
- exporting.js
- jquery-1.8.2.min.js
NQSConfig.INIファイルでのEVALUATEパラメータの設定
分析でのEVALUATE機能は、データベースをSQLインジェクション攻撃にさらすため、Logical SQL問合せでデフォルトで有効化されていません。Oracle BI 12cへの移行後、ビューの生成中にエラーが発生した場合は、NQSConfig.INIファイルのEVALUATE_SUPPORT_LEVELパラメータの値を適切に設定する必要があります。
EVALUATE_SUPPORT_LEVELパラメータのデフォルト値は「0」で、評価がサポートされていないことを意味します。
# EVALUATE_SUPPORT_LEVEL:
# 1: 評価はmanageRepositories権限のあるユーザーでサポートされます。
# 2: 評価はすべてのユーザーでサポートされます。
# その他: その他の値では評価はサポートされません。
EVALUATE_SUPPORT_LEVEL = 0;
EVALUATE_SUPPORT_LEVELパラメータの値に11gのNQSConfig.INIファイルと同じ値を設定するか、組織で必要な値を設定します。
NQSConfig.INIファイルは、次のディレクトリに格納されています。
(UNIX) 12c_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/biconfig/OBISn
(Windows) 12c_DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\biconfig\OBISn
エラー: java.lang.NoClassDefFoundError: クラスsun.awt.X11GraphicsEnvironmentを初期化できませんでした
DISPLAY変数の値を手動で設定、またはシステムで自動的に設定された場合、java.lang.NoClassDefFoundError: クラスsun.awt.X11GraphicsEnvironmentを初期化できませんでしたのエラーが発生する場合があります。Windowsクライアントを介して64ビットのLinuxインストーラを実行するため、DISPLAY変数の値をWindowsクライアントのシステムIPに変更する場合は、インストールの完了後にそれを元の値にリセットします。DISPLAY変数の値をリセットせずにグラフを含む分析を生成すると、このエラーが発生する可能性があります。
- DISPLAY変数の値をリセットします。
- JavaHostプロセスを再開します。
Oracle BI Publisherでのファイル・データソースの検証
レポートを生成中、oracle.xdo.XDOException: ファイルが存在しないか、読取り不可です。というエラーが発生する場合、サポートしているXMLファイルを12cシステムにコピーしていない可能性があります。問題を解決するには、各データ・ソース・ポイントが12cシステムの該当するディレクトリを指していることを手動で検証します。
checkSoftLimit失敗に関するエラー
問合せの実行にBI管理者が割り当てた一時領域よりも大きい領域が必要である場合、[nQSError: 43119] 問合せに失敗しました: [nQSError: 46168] 操作RawFile::checkSoftLimitが失敗しました、現在の制限を超過します。1073758528のエラーが表示されます。
12cで代理機能の構成に失敗する
代理機能では、別のユーザーのかわりにOracle BI EEの操作を行えます。この機能は、別のユーザーのダッシュボードやコンテンツを操作する必要がある場合やITサポート・スタッフがユーザー・アカウントのトラブルシューティングを行う必要がある場合などに便利です。Oracle BI 11gから12cに移行しており、12cインスタンスで代理機能を構成できない場合は、最初にファイルを11gインスタンスからコピーする必要があります。
グローバル・ヘッダーでのカスタム・リンクの置換
Oracle BI 12cへの移行後、11gインスタンスでグローバル・ヘッダーに追加したリンクが使用できなくなっていることがあります。customlinks.xmlファイルが11gから12cインスタンスに移行されていないため、これらのリンクは失われています。ファイルを手動で12cインスタンスにコピーし、instanceconfig.xmlファイルでカスタム・リンク機能を有効化する必要があります。
『Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』のプレゼンテーション・サービスでのカスタム・リンクの提供に関する項を参照してください。
12cへの11g WebLogicユーザーの移行
11gから12cに移行した後、WebLogicユーザーを12cドメインに手動で移行させる必要があります。この移行は、セキュリティ・レルムからセキュリティ・データをエクスポートし、そのデータを別のセキュリティ・レルムにインポートすることにより実行できます。セキュリティ・データには、認証、認可、資格証明マップおよびロール・データが含まれます。
セキュリティ・データを移行する場合について理解しておきます。セキュリティ・データ移行の概要を参照してください。
セキュリティ・データのインポートとエクスポートに関連する概念について理解しておきます。「移行の概念」を参照してください。
WebLogicセキュリティ・プロバイダでサポートされる形式と制約について理解しておきます。「WebLogicセキュリティ・プロバイダでサポートされるフォーマットと制約」を参照してください。
ノート:
同じWebLogic Serverリリースのセキュリティ・レルムの間でのみ、セキュリティ・データをエクスポートおよびインポートできます。セキュリティ・プロバイダへのセキュリティ・データのインポート
- 管理コンソールの左ペインで、「セキュリティ・レルム」を選択します。
- セキュリティ・データをインポートするセキュリティ・レルムの名前(myrealmなど)を選択します。
- 「プロバイダ」を選択してから、セキュリティ・データのインポート先のプロバイダのタイプ(たとえば、「プロバイダ」の下にある「認証」)を選択します。
- セキュリティ・データのインポート先のセキュリティ・プロバイダを選択し、「移行」の下にある「インポート」を選択します。
- 「サーバー上のインポート・ファイル」フィールドで、エクスポートしたセキュリティ・データを格納したファイルのディレクトリおよびファイル名を指定します。
- 「保存」をクリックします。
ビューの表示エラー: オーダー未処理レポートで無効な列が発生
12cでオーダー未処理レポートをロードする際に、無効な列が発生したことを示す「ビューの表示エラー」メッセージが表示される可能性があります。このエラーは、エラーを起こす列のIDがレポートのXML定義に存在するが、サブジェクト領域表には存在しないために表示されます。XML定義を手動で編集し、無効な列を削除する必要があります。