5.3 インストールのためのプロパティ・ファイルの準備

OAA、OARMおよびOUAのインストールは、installOAA.propertiesファイルでプロパティを設定してカスタマイズできます。installOAA.propertiesは、管理コンテナのインストール・スクリプトで使用され、管理コンテナ・ポッドのインストール中に<NFS_CONFIG_PATH>にコピーされます。installOAA.propertiesファイルは、後で、OAA、OARMおよびOUAのデプロイ時にOAA.shスクリプトに引数として渡されます。

次の各項では、「サポートされているアーキテクチャ」のOracle推奨サンドボックス・アーキテクチャを使用したデプロイに基づいてinstallOAA.propertiesファイルを準備する方法を示します:

5.3.1 変数の収集

変数のリスト

「OAA、OARMおよびOUAをインストールするための前提条件の構成」の章全体を通して、「構成のチェックポイント」の各項で変数を収集しておく必要があります。これらの変数は、installOAA.propertiesのパラメータの移入に使用されます。完全を期すために、installOAA.propertiesに必要な変数を次に示します:

ノート:

これらの変数は、「構成のチェックポイント」の各項で収集された順序で記載しています。
変数 構成する値 サンプル値 説明
<NFS_HOST>   nfs.example.com Kubernetesクラスタで使用されるNFSサーバーの完全修飾ホスト名。
<NFS_CONFIG_PATH>   /nfs/mountOAApv/OAAConfig NFSサーバー上の<NFS_CONFIG_PATH>へのパス
<NFS_CREDS_PATH>   /nfs/mountOAApv/OAACreds NFSサーバー上の <NFS_CREDS_PATH>へのパス
<NFS_LOGS_PATH>   /nfs/mountOAApv/OAALogs NFSサーバー上の<NFS_LOGS_PATH>へのパス
<NFS_VAULT_PATH>   /nfs/mountOAApv/OAAVault NFSサーバー上の<NFS_VAULT_PATH>へのパス
<INSTALL_HOST> install.example.com インストール・ホストの完全修飾ホスト名。
<WORKDIR>   /workdir インストール・ホストに作成される作業ディレクトリ。
<DB_HOST>   db.example.com データベース・サーバーの完全修飾ホスト名。
<DB_PORT>   1521 データベース・リスナー・ポート。
<DB_SERVICE>   orcl.example.com データベース・サービス名
<DB_NAME>   orcl データベース名。
<SYS_PWD>   password データベースのSYSユーザーのパスワード。
<WEB_HOST>   https://ohs.oracle.com

OAMのエントリ・ポイントとして使用されるOHSサーバーの完全修飾ホスト名。

OHSの前面にロード・バランサを使用している場合は、ロード・バランサ<LBR_HOST>の完全修飾ホスト名も収集します。

<OAM_ADMIN_USER>   oamadmin OAM管理コンソール(/oamconsole)にログインするOAM管理ユーザーのユーザー名。
<OAM_ADMIN_PASSWORD>   password OAM管理ユーザーのパスワード。
<OAM_ADMIN_BASE64>   b2FtYWRtaW46cGFzc3dvcmQ= <OAM_ADMIN_USER>:<OAM_ADMIN_PASSWORD>のBASE64エンコード値
<IDSTORE>   OUDStore OAMで使用されるデフォルト・ユーザー・アイデンティティ・ストア。
<OUA_TAPFILE_LOCATION>   /workdir/OAMOUAKeyStore.jks <INSTALL_HOST><WORKDIR>/OAMOUAKeyStore.jksの場所。
<OUA_TAPFILE_PASSWORD>   cGFzc3dvcmQ= OAMOUAKeyStore.jksのBASE64でエンコードされたパスワード。
<OAA_TAPFILE_LOCATION>   /workdir/ OAMOAAKeyStore.jks <INSTALL_HOST><WORKDIR>/OAMOAAKeyStore.jksの場所。
<OAA_TAPFILE_PASSWORD>   cGFzc3dvcmQ= OAMOAAKeyStore.jksのBASE64でエンコードされたパスワード。
<LDAP_SERVER>   ldap://oud.example.com:1389 LDAPサーバー・プロトコル、ホスト名およびポート。
<LDAP_ADMIN_USER>   cn=oudadmin ディレクトリ管理者のユーザー名。
<LDAP_ADMIN_PWD>   password ディレクトリ管理者のパスワード。
<LDAP_USER_SEARCHBASE>   cn=Users,dc=example,dc=com ユーザーの名前が格納されるディレクトリ内の場所。
<LDAP_GROUP_SEARCHBASE>   cn=Groups,dc=example,dc=com グループ/ロールが格納されるディレクトリ内の場所。
<CIR_HOST> cir.example.com コンテナ・イメージ・レジストリの完全修飾ホスト名
<CIR_REPOSITORY>   cir.example.com/repository/oaa OAAイメージのプッシュ先のリポジトリ。
<USER_CERT_P12> /workdir/cert.p12 <INSTALL_HOST><WORKDIR>/cert.p12の場所。これは、サード・パーティの証明書を生成した場合にのみ必要です。
<USER_CERT_P12_PWD>   password cert.p12のパスワード。これは、サード・パーティの証明書を生成した場合にのみ必要です。
<TRUST_CERT_P12>   /workdir/trust.p12 <INSTALL_HOST><WORKDIR>/trust.p12の場所。これは、サード・パーティの証明書を生成した場合にのみ必要です。
<TRUST_CERT_P12_PWD>   password trust.p12のパスワード。これは、サード・パーティの証明書を生成した場合にのみ必要です。

5.3.2 installOAA.propertiesの編集

次に、「サポートされているアーキテクチャ」のOracle推奨サンドボックス・アーキテクチャを使用するインストールに基づいた、installOAA.propertiesで変更する必要があるプロパティを示します。次のリストにないプロパティは、デフォルト値を変更しないでください。変数が参照されている場合は、対応する値に置き換えてください。

ノート:

「サポートされているアーキテクチャ」のOracle推奨のサンドボックス・アーキテクチャを使用していない場合は、変更するパラメータが異なる可能性があるため、「installOAA.propertiesパラメータの理解」を参照する必要があります。

共通のデプロイメント構成

変数 サンプル値 説明
common.deployment.keystorepassphrase=<USER_CERT_P12_PWD> password

独自の証明書を使用している場合は、これを<USER_CERT_P12_PWD>に設定する必要があります。

インストール中にOAAによって生成された自己署名証明書を使用する場合は、任意のパスワードに設定します。
common.deployment.truststorepassphrase=<TRUST_CERT_P12_PWD> password

独自の証明書を使用している場合は、これを<TRUST_CERT_P12_PWD>に設定する必要があります。

インストール中にOAAによって生成された自己署名証明書を使用する場合は、任意のパスワードに設定します。
common.deployment.mode=<type> Both インストール・タイプを決定します。<type>を、インストールするコンポーネントに応じた値に設定します:
  • Both - OAAおよびOARMがインストールされます
  • OUA - OAA、OARMおよびOUAをインストールします。
  • OAA - OAAのみがインストールされます

データベース構成

変数 サンプル値 説明
database.host=<DB_HOST> db.example.com OAAスキーマを格納するデータベース・サーバーの完全修飾ホスト名。
database.port=<DB_PORT> 1521 データベース・リスナー・ポート。
database.syspassword=<SYS_PWD> password データベースのSYSユーザーのパスワード。
database.schemapassword=<password> password データベースのOAAスキーマに設定するパスワード
database.svc=<DB_SERVICE> orcl.example.com データベース・サービス名
database.name=<DB_NAME> orcl データベース名。

OAUTH構成

変数 サンプル値 説明
oauth.identityprovider=<IDSTORE> OUDStore OAMで使用されるデフォルト・ユーザー・アイデンティティ・ストア。
oauth.redirecturl=<WEB_HOST> https://ohs.example.com

OAMのエントリ・ポイントとして使用されるOHS URL。

ロード・バランサがOHSのフロント・エンドになっている場合、この値はロード・バランサ<LBR_HOST>です。
oauth.applicationid=default default OAAのアプリケーションID。任意の値に設定できます。
oauth.adminurl=<WEB_HOST> https://ohs.example.com

OAMのエントリ・ポイントとして使用されるOHS URL。

ロード・バランサがOHSのフロント・エンドになっている場合、この値はロード・バランサ<LBR_HOST>です。
oauth.basicauthzheader=<OAM_ADMIN_BASE64> b2FtYWRtaW46cGFzc3dvcmQ= <OAM_ADMIN_USER>:<OAM_ADMIN_PASSWORD>のBASE64エンコード値
oauth.identityuri=<WEB_HOST> https://ohs.example.com:443

OAMのエントリ・ポイントとして使用されるOHS URL。ロード・バランサがOHSのフロント・エンドになっている場合、この値はロード・バランサURL <LBR_HOST>です。

この値についてのみ、ポートがデフォルトのSSLポート(443)である場合、そのポートをURLに追加する必要があります。
oauth.clientpassword=<password> password 任意のパスワードに設定します。これは、OAAインストール中に作成されるOAuthクライアントのパスワードになります。

ボールト構成

変数 サンプル値 説明
vault.fks.server=<NFS_HOST> nfs.example.com Kubernetesクラスタで使用されるNFSサーバーの完全修飾ホスト名。
vault.fks.path=<NFS_VAULT_PATH> /nfs/mountOAApv/OAAVault NFSサーバー上の<NFS_VAULT_PATH>へのパス
vault.fks.key=<base64_password> cGFzc3dvcmQ=

任意のパスワードに設定します。パスワードはBASE64でエンコードされている必要があります。

BASE64でエンコードされたバージョンを検索するには:
echo -n <password> | base64

チャート構成

変数 サンプル値 説明
install.global.repo=<CIR_REPOSITORY> cir.example.com/repository/oaa OAAイメージのプッシュ先のリポジトリ。
install.global.uasapikey=<password> password 任意のパスワードに設定します。
install.global.policyapikey=<password> password 任意のパスワードに設定します。
install.global.factorsapikey=<password> password 任意のパスワードに設定します。
install.global.riskapikey=<password> password 任意のパスワードに設定します。
install.global.drssapikey=<password> password 任意のパスワードに設定します。これを設定する必要があるのは、common.deployment.mode=OUAを設定した場合のみです。

オプションの構成

変数 サンプル値 説明
install.global.ingress.enabled=true true 独自のイングレス・コントローラを使用している場合は、trueに設定する必要があります。
install.global.serviceurl=<WEBHOST> https://ohs.example.com

OAMのエントリ・ポイントとして使用されるOHS URL。

ロード・バランサがOHSのフロント・エンドになっている場合、この値はロード・バランサURL <LBR_HOST>です。

このパラメータは、OAAランタイムURLに使用されます。
install.oaa-admin-ui.serviceurl=<WEB_HOST> https://ohs.example.com

OAMのエントリ・ポイントとして使用されるOHS URL。

ロード・バランサがOHSのフロント・エンドになっている場合、この値はロード・バランサURL <LBR_HOST>です。

このパラメータは、OAA管理URLに使用されます。

OAA管理構成

変数 サンプル値 説明
install.mount.config.path=<NFS_CONFIG_PATH> /nfs/mountOAApv/OAAConfig NFSサーバー上の<NFS_CONFIG_PATH>へのパス。
install.mount.config.server=<NFS_HOST> nfs.example.com Kubernetesクラスタで使用されるNFSサーバーの完全修飾ホスト名。
install.mount.creds.path=<NFS_CREDS_PATH> /nfs/mountOAApv/OAACreds NFSサーバー上の<NFS_CREDS_PATH>へのパス。
install.mount.creds.server=<NFS_HOST> nfs.example.com Kubernetesクラスタで使用されるNFSサーバーの完全修飾ホスト名。
install.mount.logs.path=<NFS_LOGS_PATH> /nfs/mountOAApv/OAALogs NFSサーバー上の<NFS_LOGS_PATH>へのパス。
install.mount.logs.server=<NFS_HOST> nfs.example.com Kubernetesクラスタで使用されるNFSサーバーの完全修飾ホスト名。
common.local.sslcert=<WORKDIR>/cert.p12 /workdir/cert.p12 <INSTALL_HOST><WORKDIR>/cert.p12の場所。このパラメータが必要になるのは、「サーバー証明書および信頼証明書の生成」でサード・パーティ証明書を生成した場合のみです。
common.local.trustcert=<WORKDIR>/trust.p12 /workdir/trust.p12 <INSTALL_HOST><WORKDIR>/trust.p12の場所。このパラメータが必要になるのは、「サーバー証明書および信頼証明書の生成」でサード・パーティ証明書を生成した場合のみです。

OUA構成

この項のパラメータを設定する必要があるのは、OUAをデプロイする場合のみです。

変数 サンプル値 説明
oua.tapAgentFilePass=<OUA_TAPFILE_PASSWORD> cGFzc3dvcmQ= OAMOUAKeyStore.jksのBASE64でエンコードされたパスワード。
oua.tapAgentFileLocation=<OUA_TAPFILE_LOCATION> /workdir/OAMOUAKeyStore.jks <INSTALL_HOST><WORKDIR>/OAMOUAKeyStore.jksの場所。
oua.oamRuntimeEndpoint=<WEB_HOST> https://ohs.example.com

OAMのエントリ・ポイントとして使用されるOHS URL。

ロード・バランサがOHSのフロント・エンドになっている場合、この値はロード・バランサURL <LBR_HOST>です。

LDAP構成

変数 サンプル値 説明
ldap.server=<LDAP_SERVER> ldap://oud.example.com:1389 LDAPサーバー・プロトコル、ホスト名およびポート。
ldap.username=<LDAP_ADMIN_USER> cn=oudadmin ディレクトリ管理者のユーザー名。
ldap.password=<LDAP_ADMIN_PWD> password ディレクトリ管理者のパスワード。
ldap.oaaAdminUser=cn=oaaadmin,<LDAP_USER_SEARCHBASE> cn=oaaadmin,cn=Users,dc=example,dc=com LDAPユーザー検索ベースに作成されるOAA管理ユーザー。
ldap.adminRole=cn=OAA-Admin-Role,<LDAP_GROUP_SEARCHBASE> cn=OAA-Admin-Role,cn=Groups,dc=example,dc=com LDAPグループ検索ベースに作成されるOAA-Admin-Roleグループ。
ldap.userRole=cn=OAA-App-User,cn=<LDAP_GROUP_SEARCHBASE> cn=OAA-App-User,cn=Groups,dc=example,dc=com LDAPグループ検索ベースに作成されるOAA-App-Userグループ。
ldap.oaaAdminUserPwd=<password> password 任意のパスワードに設定します。これはoaaadminユーザーのパスワードになります。
ldap.addExistingUsers=<yes/no> yes

OAAインストールで<LDAP_USER_SEARCHBASE>内のすべての既存のユーザーをOAA-App-Userグループに追加する場合は、この値をyesに設定します。

詳細は、「LDAPストアでのユーザーとグループの作成」を参照してください。

OAA構成

変数 サンプル値 説明
oaa.tapAgentFilePass=<OAA_TAPFILE_PASSWORD> cGFzc3dvcmQ= OAMOAAKeyStore.jksのBASE64でエンコードされたパスワード。
oaa.tapAgentFileLocation=<OAA_TAPFILE_LOCATION> /workdir/OAMOAAKeyStore.jks <INSTALL_HOST><WORKDIR>/OAMOAAKeyStore.jksの場所。

その他の考慮事項

「コンテナ・イメージ・レジストリ(CIR)の設定」で参照されている追加のイメージ(oraclelinux:8-slimおよびoraclelinux7-instantclient:19)をリポジトリにプッシュした場合は、次のパラメータを## 5.Chart configuration#セクションに追加する必要があります:

ノート:

このパラメータはデフォルト・ファイルでは参照されないため、追加する必要があります。
install.global.testrepo=<CIR_REPOSITORY>
次のステップ: 管理コンテナの作成