5 Oracle Unified Directoryの構成

Oracle Unified Directoryは、Oracle Directory Integration Platformの同期またはプロビジョニングのためにバックエンド・ディレクトリとして構成できます。

トピック:

5.1 Oracle Unified Directoryをバックエンド・ディレクトリとして構成する前に

Oracle Unified Directoryをバックエンド・ディレクトリとして構成する前に、Oracle Directory Integration Platformを構成する必要があります。

Oracle Directory Integration Platformの構成の詳細は、Oracle Internet Directoryのインストールと構成Oracle Directory Integration Platformの構成に関する項を参照してください。

5.2 Oracle Directory Integration Platform用のOracle Unified Directory (非SSL)の構成

次のステップを順番に使用して、Oracle Directory Integration Platform用にOracle Unified Directory (バックエンド・ディレクトリ)の非SSL通信を構成します。

5.2.1 Oracle Unified Directoryのインストール

Oracle Unified Directoryは、コロケート構成またはスタンドアロン構成としてインストールします。

Oracle Unified Directoryをインストールするには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Unified Directoryのインストール』「Oracle Unified Directoryソフトウェアのインストール」を参照してください。

OUD Oracleホームのディレクトリの場所には、ミドルウェア・ホームとしてOracle Directory Integration Platformのホーム・ディレクトリを指定することをお薦めします。

グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)またはコマンド行インタフェース(CLI)を使用してOracle Unified Directoryサーバー・インスタンスを設定する場合、次のいずれかのオプションを必ず選択してください。

  • DIPに対応: このサーバー・インスタンスをOracle Directory Integration Platform (DIP)のみで有効化する場合、このオプションを選択します。

  • EBS (E-Business Suite)、Database Net ServicesおよびDIPに対応: このサーバー・インスタンスをOracle E-Business Suite (EBS)、Oracle Database Net ServicesおよびOracle Directory Integration Platform (DIP)で有効化する場合、このオプションを選択します。

  • EUS (エンタープライズ・ユーザー・セキュリティ)、EBS、Database Net ServicesおよびDIPに対応: このサーバー・インスタンスをOracle Enterprise User Security (EUS)、Oracle E-Business Suite (EBS)、Oracle Database Net ServicesおよびOracle Directory Integration Platform (DIP)で有効化する場合、このオプションを選択します。

ノート:

Oracle Directory Integration Platformでは、前述のすべてのオプションが有効です。Oracle Unified Directoryを、EBS、EUSまたはDatabase Net Serviceには統合せずに、Oracle Directory Integration Platformに統合する場合は、DIPに対応オプションの使用をお薦めします。

5.2.2 Oracle Unified Directoryの構成

Oracle Directory Integration Platformのバックエンド・ディレクトリとして使用する前にOracle Unified Directoryを構成します。

『Oracle Fusion Middleware Oracle Unified Directoryの管理』「Oracle Unified Directoryの概要」を参照してください。

5.2.3 Oracle Unified Directory接尾辞の作成

Oracle Unified Directoryのインストール時に接尾辞を作成していない場合、setup-oracle-contextコマンドを使用してそれらを作成する必要があります。

コマンド行でsetup-oracle-contextコマンドを実行して、cn=oraclecontextおよびcn=oracleschemaversion接尾辞を作成します。

UNIX

$ setup-oracle-context -h localhost -p 4444 -D "cn=directory manager" -j pwd-file --no-prompt --trustAll

Windows

 setup-oracle-context -h localhost -p 4444 -D "cn=directory manager" -j pwd-file --no-prompt --trustAll

5.2.4 外部変更ログの有効化

ディレクトリ・サーバーとレプリケーション・サーバーの両方を含むすべてのサーバー・インスタンスでは、外部変更ログ(ECL)がデフォルトで使用できます。

dsreplicationコマンドを使用して、ユーザー接尾辞およびcn=oraclecontextのECLを有効にします。

ノート:

インストール中にレプリケーションを構成した場合、ECLが有効化されます。詳細は、『Oracle Unified Directoryのインストール』インストール時のレプリケーションの設定に関する項を参照してください。

ユーザー接尾辞のECLの有効化

ユーザー接尾辞のECL (例: dc=example,dc=com)を有効化するには:

UNIX

$ dsreplication enable-changelog -h localhost -p 4444 -D "cn=directory manager" -j pwd-file -r 8989 -b "dc=example,dc=com" --trustAll --no-prompt

Windows

dsreplication enable-changelog -h localhost -p 4444 -D "cn=directory manager" -j pwd-file -r 8989 -b "dc=example,dc=com" --trustAll --no-prompt

cn=oraclecontextのECLの有効化

cn=oraclecontextのECLを有効化するには:

UNIX

$ dsreplication enable-changelog -h localhost -p 4444 -D "cn=directory manager" -j pwd-file -r 8989 -b cn=oraclecontext --trustAll --no-prompt

Windows

dsreplication enable-changelog -h localhost -p 4444 -D "cn=directory manager" -j pwd-file -r 8989 -b cn=oraclecontext --trustAll --no-prompt

外部変更ログを構成するには、スタンドアロン・サーバーでもレプリケーション・ポート(-r)が必要ですが、これは外部変更ログがレプリケーション・メカニズムに依存しているためです。レプリケーション・ポートを指定する必要があるのは、そのサーバーで変更ログ(またはレプリケーション)があらかじめ構成されていない場合のみです。レプリケーション・ポートのデフォルト値は8989です。

ユーザー接尾辞およびcn=oraclecontextのECLの有効化

ディレクトリ・サーバー・インスタンスでECLが構成されていることを確認するには、次の検索コマンドを実行してcn=changelogネーミング・コンテキストを見つけます。

$ ldapsearch -h localhost -p 1389 -D "cn=directory manager" -j pwd-file -s base -b "" "objectclass=*" namingContexts
dn:  
namingContexts: cn=changelog 
namingcontexts: cn=OracleContext
namingcontexts: cn=OracleSchemaVersion
namingcontexts: dc=example,dc=com

5.2.5 Oracle Unified Directoryと組み合せたOracle Directory Integration Platform用のOracle WebLogic Serverドメインの構成

既存または新規のWebLogic ServerドメインでOracle Unified DirectoryとともにOracle Directory Integration Platformを構成する必要があります。

5.2.5.1 既存のWebLogicドメインでのOracle Unified Directoryと組み合せたOracle Directory Integration Platformの構成

次のステップを実行して、既存のWebLogic管理ドメイン内でOracle Unified Directoryと組み合せてOracle Directory Integration Platformを構成します。

  1. ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/config.shスクリプト(UNIX)またはORACLE_HOME\oracle_common\common\bin\config.cmd (Windows)を実行します。

    「構成タイプ」画面が表示されます。

  2. 「既存のドメインの更新」を選択し、「次へ」をクリックします。

    「テンプレート」画面が表示されます。

  3. 「テンプレート」画面で、「製品テンプレートを使用してドメインを更新」を選択し、次にOracle Directory Integration Platform - 12.2.1.3.0[dip]ドメイン構成オプションを選択します。

    ノート:

    Oracle Directory Integration Platform - 12.2.1.3.0 [dip]オプションを選択した場合、Oracle Enterprise Manager 12.2.1.3.0 [em]が自動的に選択されます。

    「次へ」をクリックします。

    「JDBCデータ・ソース」画面が表示されます。

  4. 必要な変更を行って「次へ」をクリックします

    「JDBCデータ・ソース・テスト」画面が表示されます。

  5. テストするデータソースを選択し、「選択された接続のテスト」をクリックします。

    「次へ」をクリックします。

    「データベース構成タイプ」画面が表示されます。

  6. 必要な変更を行って、「RCU構成の取得」をクリックしてスキーマ情報を取得します。スキーマ情報を正常に取得したら、「次へ」をクリックして、続行します。

    「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面が表示されます。

  7. 移入された値がすべてのスキーマで正しいことを確認し、「次へ」をクリックします。

    「JDBCコンポーネント・スキーマ・テスト」画面が表示されます。

  8. テストするコンポーネント・スキーマを選択し、「選択された接続のテスト」をクリックします。1つ以上の接続テストが完了するのを待機します。接続をテストする必要がない場合は、すべてのデータソースを選択解除してください。

    ノート:

    接続をテストするためには、接続しようとしているデータベースが実行されている必要があります。

    「次へ」をクリックします。

    「拡張構成」画面が表示されます。

  9. 「管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン」オプションを選択します。「次へ」をクリックします。

    「管理対象サーバー」画面が表示されます。

  10. 管理対象サーバー名を指定して「次へ」をクリックします。

    「クラスタ」画面が表示されます。

  11. 必要に応じてクラスタを構成し、「次へ」をクリックします。

    「マシン」画面が表示されます。

  12. 「マシン」タブ(Windowsの場合)または「Unixマシン」タブを選択します。「追加」をクリックし、マシン名を指定します。「次へ」をクリックします。
  13. 「マシンの構成」画面でマシンを追加した場合、「サーバーのマシンへの割当」画面が表示されます。「サーバーのマシンへの割当」画面で、管理サーバーと管理対象サーバーを指定したマシンに割り当てます。「次へ」をクリックします。
  14. 「構成のサマリー」画面で、ドメイン構成を確認して「更新」をクリックし、をクリックし、ドメインの拡張を開始します。
  15. ドメインが拡張されたら、「終了」をクリックします。

    既存のOracle Unified DirectoryドメインがOracle Directory Integration Platformをサポートするために拡張されます。

5.2.5.2 新しいOracle WebLogic ServerドメインでのOracle Directory Integration PlatformおよびOracle Unified Directoryの構成
新しいWebLogicドメインでOracle Directory Integration PlatformおよびOracle Unified Directoryを構成するには:
  1. ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/config.shスクリプト(UNIX)またはORACLE_HOME\oracle_common\common\bin\config.cmd (Windows)を実行します。

    「構成タイプ」画面が表示されます。

  2. 「構成タイプ」画面で、「新規ドメインの作成」を選択してドメインのフルパスを入力するか、「参照」ボタンを使用してドメインがあるディレクトリに移動します。「次へ」をクリックします。

    「テンプレート」画面が表示されます。

  3. 「テンプレート」画面で、「製品テンプレートを使用してドメインを作成」が選択されていることを確認し、Oracle Directory Integration Platform - 12.2.1.3.0[dip]を選択します。

    ノート:

    Oracle Directory Integration Platform - 12.2.1.3.0 [dip]オプションを選択した場合、次のコンポーネントが自動的に選択されます。

    • Oracle Enterprise Manager 12.2.1.3.0 [em]

    • Oracle JRF - 12.2.1.3.0[oracle_common]

    • Weblogic Coherence Cluster Extension 12.2.1.3 [wlserver]

    「次へ」をクリックします。

    「アプリケーションの場所」画面が表示されます。

  4. 「参照」をクリックして、ドメインに関連付けられているアプリケーションを格納するディレクトリのフルパスを指定します。

    「次へ」をクリックします。

    「管理者アカウント」画面が表示されます。

  5. ドメインに対するデフォルトのWebLogic管理者アカウントにユーザー名とパスワードを指定します。
    パスワードは8文字以上の長さで、数字または特殊文字を1つ以上含む必要があります。パスワードを確認して、「次へ」をクリックします。
    次の手順でWebLogicドメインの起動または再起動に必要となるため、これらの詳細をノートにとっておいてください。
    「ドメイン・モードおよびJDK」画面が表示されます。
  6. ドメイン・モードとJava Development Kit (JDK)を指定します。
    1. 「ドメイン・モード」フィールドで、「本番」を選択します。

      ノート:

      ドメイン・モードとして「本番」を選択すると、ノード・マネージャによってランダムなユーザー名とパスワードが割り当てられます。WebLogic Server管理コンソールを使用して、パスワードをリセットします。

    2. デフォルトのJDKの場所として、Oracle Hotspotを受け入れます。
    3. 「次へ」をクリックします。
    「データベース構成タイプ」画面が表示されます。
  7. 「RCUデータ」を選択します。このオプションでは、構成ウィザードに対して、データベースのサービス表(STB)スキーマに接続し、ドメインの構成に必要なスキーマのスキーマ情報を自動的に取得するように指示します。

    ノート:

    Oracle Unified Directoryに必要なデータベース・スキーマが作成されていることを確認します。『Oracle Fusion Middleware Oracle Unified Directoryのインストール』リポジトリ作成ユーティリティを使用したインフラストラクチャ・ドメイン用のデータベース・スキーマの作成に関する項を参照してください

    「RCUデータ」の選択後、次の操作を実行します。

    1. 「ホスト名」フィールドに、データベースをホストするサーバーの名前を入力します。

      ノート:

      「ホスト名」フィールドにlocalhostを指定していないことを確認します。
    2. 「DBMS/サービス」フィールドに、データベースのDBMS名またはサービス名(サービス・タイプ・ドライバを選択した場合)を入力します。
    3. データベースがリスニングするポート番号を入力します。
    4. データベースのサービス表スキーマに接続するためのユーザー名とパスワードを入力します。
    5. 「RCU構成の取得」をクリックしてスキーマ情報を取得します。スキーマ情報を正常に取得したら、「次へ」をクリックして、続行します。
    「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面が表示されます。
  8. 移入された値がすべてのスキーマで正しいことを確認し、「次へ」をクリックします。
    「JDBCコンポーネント・スキーマ・テスト」画面が表示されます。
  9. 構成したデータソース接続をテストします。
    「ステータス」列に示される緑色のチェック・マークは、テストが成功したことを表します。問題が発生した場合は、この画面の「接続結果ログ」セクションに示されるエラー・メッセージを確認し、問題を修正してから接続テストを再試行してください。

    「拡張構成」画面が表示されます。

  10. ドメイン構成を完了するには、次のいずれかのオプションを選択します。
    • 管理サーバー: 管理サーバーのリスニング・アドレスを適切に構成するために必要です。
    • ノード・マネージャ: ノード・マネージャの構成に必要です。
    • トポロジ: 管理対象サーバーとクラスタを構成し、マシンを構成して管理対象サーバーをマシンにターゲット設定するために必要です。
    • デプロイメントとサービス: サーバーまたはクラスタにターゲット設定するために必要です。
    「次へ」をクリックします。
  11. 「構成のサマリー」画面で各項目を参照し、情報が正しいことを確認します。
    変更するには、「戻る」ボタンをクリックするか、ナビゲーション・ペインの画面を選択していずれかの画面に戻ります。ドメイン作成は、「作成」をクリックするまで開始されません。
    新しいWebLogicドメイン(base_domainなど)が、Oracle Directory Integration PlatformおよびFusion Middleware Controlをサポートするために、<ORACLE_HOME>\user_projects\domainsディレクトリに作成されます(Windowsの場合)。UNIXでは、ドメインは<ORACLE_HOME>/user_projects/domainsディレクトリに作成されます。

5.2.6 サーバーの起動

WebLogicドメインの構成が完了したら、サーバーを起動してドメインを管理できます。

次のタスクを実行します。

  1. 「Oracleスタックの起動と停止」の説明に従って、管理サーバー、ノード・マネージャおよび管理対象サーバーを起動します。
  2. start-dsコマンドを使用してOracle Unified Directoryを起動します。

    UNIX: $ start-ds

    Windows: C:\> start-ds

5.2.7 Oracle Unified Directory用のOracle Directory Integration Platformの構成

Oracle WebLogic Serverドメインを構成したら、Oracle Unified Directory用のOracle Directory Integration Platformを構成する必要があります。

ステップは次のとおりです。
  1. 次のコマンドを実行して、Oracle Unified Directory管理サーバー・インスタンスの証明書をエクスポートします。

    UNIX

    $ keytool -export-cert -alias admin-cert -keystore config/admin-keystore -storepass:file config/admin-keystore.pin -file oud-server-admin-cert.cer
    

    Windows

    keytool -export-cert -alias admin-cert -keystore config\admin-keystore -storepass:file config\admin-keystore.pin -file oud-server-admin-cert.cer 
    
  2. keytoolを使用してJavaキーストア(JKS)を作成し、前のステップでエクスポートした信頼できる証明書をJKSにインポートします。

    keytool -importcert -trustcacerts -alias Some_alias_name -file Path_to_certificate_file -keystore path_to_keystore

    例:

    keytool -importcert -trustcacerts -alias admin-cert -file /home/Middleware/asinst_1/OUD/admin/oud-server-admin-cert.cer -keystore /home/Middleware/dip.jks

    システムからキーストア・パスワードが要求されます。このキーストアの新しいパスワードを入力します。

  3. 次のコマンドを実行して、Oracle Directory Integration PlatformのJavaキーストアの場所を更新します。

    manageDIPServerConfig set -attribute keystorelocation -val full_path_to_keystore -h weblogic_host -p weblogic_managed_server_port -D weblogic_user

    ノート:

    full_path_to_keystoreはOracle Directory Integration Platformがデプロイされているホストに基づいて、Javaキーストア(JKS)への絶対パスを表します。JKSへの絶対パスを指定する場合は、適切なパス・セパレータを使用します(UNIXおよびLinuxプラットフォームでは「/」、Windowsプラットフォームでは「\」)。

    例:

    $ORACLE_HOME/bin/manageDIPServerConfig set -h localhost -p 7005 -D wlsuser -attribute keystorelocation -val /home/Middleware/dip.jks

    システムからWebLogicパスワードが要求されます。

  4. 次のコマンドを実行してOracle Directory Integration Platform SSL構成を更新します。

    UNIX

    $ORACLE_HOME/bin/manageDIPServerConfig set -attribute sslmode -val 0 -h localhost -p 7005 -D "weblogic"

    Windows

    ORACLE_HOME\bin\manageDIPServerConfig set -attribute sslmode -val 0 -h localhost -p 7005 -D "weblogic"

    詳細は、「manageDIPServerConfigの引数」を参照してください。

  5. 次のコマンドを実行してCSF資格証明を作成し、Javaキーストア・パスワードを更新します。

    1. 次のコマンドを実行して、WLSTプロンプトを開きます。

      $ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/wlst.sh (UNIX)またはORACLE_HOME\oracle_common\common\bin\wlst.cmd (Windows)

    2. WebLogic管理サーバーに接続します。

      connect('Weblogic_User', 'Weblogic_password', 't3://Weblogic_Host:Weblogic_AdminServer_Port')

    3. 資格証明を作成して、Javaキーストア・パスワードを更新します。

      createCred(map="dip", key="jksKey", user="jksuser", password="JKS_password")

  6. Oracle Directory Integration PlatformのWL_HOMEおよびORACLE_HOME環境変数を設定します。

  7. コマンド行でdipConfigurator setup (<ORACLE_HOME>/bin)コマンドを実行して、次の引数を入力します。

    ノート:

    保護されたLDAP (isldapssl=true)に対してdipConfigurator setupを実行する場合、SSL通信モードを使用してOracle Unified Directory用のOracle Directory Integration Platformを構成する必要があります。「Oracle Unified Directory SSL用のOracle Directory Integration Platformの構成」を参照してください。

    表5-1 Oracle Unified DirectoryのdipConfiguratorプロパティ

    プロパティ 説明

    wlshost

    Oracle Directory Integration PlatformがデプロイされているOracle WebLogic Serverのホスト名。デフォルトのホスト名はlocalhostです。

    wlsport

    Oracle Directory Integration PlatformがデプロイされているOracle WebLogic管理サーバーのリスニング・ポート番号。デフォルトのポート番号は7001です。

    wlsuser

    Oracle WebLogic Serverのログイン・ユーザー名。

    ldaphost

    Oracle Unified Directoryのホスト名。デフォルトのホスト名はlocalhostです。

    ldapport

    Oracle Unified Directoryサーバーのポート番号。デフォルト値は、636です。

    isldapssl

    trueまたはfalseを指定してSSLを有効化または無効化します。デフォルト値はtrue

    ldapuser

    ディレクトリに接続するためのバインドDN。

    ldapadminport

    接続するOracle Unified Directoryの管理ポート番号。デフォルトのポート番号は4444です。

    isclustered <BOOLEAN>

    Oracle Directory Integration Platformインスタンスがクラスタ環境内にあるかどうかを指定します。デフォルト値はfalseです。

    clustercheckininterval <INT>

    あるインスタンスがクラスタの他のインスタンスでサーバー・ステータス(障害インスタンスの検出など)を確認する頻度(ミリ秒)を指定します。デフォルト値は120000ミリ秒です。

    :

    UNIX

    $ORACLE_HOME/bin/dipConfigurator setup -wlshost localhost -wlsport 7001 -wlsuser weblogic -ldaphost oudhost -ldapport 1389 -ldapuser "cn=Directory Manager" -isldapssl false -ldapadminport 4444
    

    Windows

    ORACLE_HOME/bin/dipConfigurator setup -wlshost localhost -wlsport 7001 -wlsuser weblogic -ldaphost oudhost -ldapport 1389 -ldapuser "cn=Directory Manager" -isldapssl false -ldapadminport 4444
    

    ノート:

    <ORACLE_HOME>/ldap/log/にあるdipConfig.logファイルを参照できます。

5.2.8 Oracle Unified Directoryのアクセス制御命令(ACI)の追加

ldapmodifyコマンドを使用して、Oracle Unified DirectoryのLDIFファイルにACIを追加します。

コマンド行でldapmodifyコマンドを実行します。

ldapmodify -h localhost -p 1389 -D "cn=Directory Manager" -w <password> <<EOF
dn: dc=example,dc=com
changetype: modify
add: aci
aci: (target="ldap:///dc=example,dc=com")(version 3.0; acl "Entry-level DIP permissions"; allow (all,proxy) groupdn="ldap:///cn=dipadmingrp,cn=DIPadmins,cn=Directory Integration Platform,cn=Products,cn=oraclecontext"; allow (all,proxy) groupdn="ldap:///cn=odipigroup,cn=DIPadmins,cn=Directory Integration Platform,cn=Products,cn=oraclecontext"; )
-
add: aci
aci: (targetattr="*")(version 3.0; acl "Attribute-level DIP permissions"; allow (all,proxy) groupdn="ldap:///cn=dipadmingrp,cn=DIPadmins,cn=Directory Integration Platform,cn=Products,cn=oraclecontext"; allow (all,proxy) groupdn="ldap:///cn=odipigroup,cn=DIPadmins,cn=Directory Integration Platform,cn=Products,cn=oraclecontext";)
EOF

ノート:

これは例のため、dc=example,dc=com ACIは独自のプロファイル構成に置き換える必要があります。

5.3 Oracle Directory Integration Platform用のOracle Unified Directory (SSL)の構成

次のステップを順番に使用して、Oracle Directory Integration Platform用にOracle Unified Directory (バックエンド・ディレクトリ)のSSL通信を構成します。

5.3.1 SSL用のOracle Unified Directoryの構成

Oracle Directory Integration Platform用にOracle Unified Directory (バックエンド・ディレクトリ)のSSL通信を構成するには、次のステップを実行します。

  1. 「Oracle Directory Integration Platform用のOracle Unified Directory (非SSL)の構成」の説明に従って、Oracle Unified Directoryを構成します。
  2. 『Oracle Unified Directoryの管理』SSLの迅速な起動と実行に関する項の説明に従って、自己署名証明書を使用したSSLベースの接続を受け入れるようにOracle Unified Directoryを構成します。
  3. 次のコマンドを実行して、Oracle Unified Directoryインスタンスの秘密キーをエクスポートします。

    UNIX

    $ keytool -exportcert -alias server-cert -file config/server-cert.txt -rfc \
       -keystore config/keystore -storetype JKS
    

    Windows

    keytool -exportcert -alias server-cert -file config/server-cert.txt -rfc \
       -keystore config/keystore -storetype JKS
    

5.3.2 Oracle Unified Directory SSL用のOracle Directory Integration Platformの構成

Oracle Unified Directory (バックエンド・ディレクトリ)のSSL通信を構成したら、Oracle Directory Integration Platformを構成する必要があります。

次のステップを実行します。

  1. 「SSL用のOracle Unified Directoryの構成」でエクスポートした信頼できる証明書を、Oracle Directory Integration Platform JKS (ステップ2で作成したJavaキーストア)にインポートします。

    keytool -importcert -trustcacerts -alias Some_alias_name -file Path_to_certificate_file -keystore path_to_keystore

    例:

    keytool -importcert -trustcacerts -alias OUD2 -file /home/Middleware/asinst_1/OUD/config/server-cert.txt -keystore /home/Middleware/dip.jks

    システムからキーストア・パスワードが要求されます。このキーストアのパスワードを入力します(ステップ5で作成したJavaキーストアのパスワードを入力します)。

  2. 次のコマンドを実行してOracle Directory Integration Platform SSL構成を更新します。

    UNIX

    $ORACLE_HOME/bin/manageDIPServerConfig set -attribute sslmode -val 2 -h localhost -p 7005 -D "weblogic"
    
    $ORACLE_HOME/bin/manageDIPServerConfig set -attribute backendhostport -val localhost:1636 -h localhost -p 7005 -D "weblogic"
    

    Windows

    ORACLE_HOME\bin\manageDIPServerConfig set -attribute sslmode -val 2 -h localhost -p 7005 -D "weblogic"
    
    ORACLE_HOME\bin\manageDIPServerConfig set -attribute backendhostport -val localhost:1636 -h localhost -p 7005 -D "weblogic"
    

    詳細は、「manageDIPServerConfigの引数」を参照してください。

    Enterprise Managerにログインして、Oracle Directory Integration PlatformのSSL構成を更新することもできます。

    「DIP」→「サーバー・プロパティ」を選択し、「SSLモード」を2、「ポート値」をOracle Unified DirectoryのSSLポートに設定します。

  3. Oracle WebLogic管理対象サーバーを再起動します。

    Oracle Directory Integration Platformは、SSLサーバー認証モードでOracle Unified Directoryに接続するようになります。

5.4 Oracle Directory Integration Platformの検証

$ORACLE_HOME/bin/ディレクトリにあるdipStatusコマンドを使用して、Oracle Directory Integration Platformのインストールを検証します。

ノート:

環境変数WL_HOMEおよびORACLE_HOMEを設定してから、dipStatusおよびdipConfiguratorコマンドを実行してください。

dipStatusコマンドの構文を次に示します。

$ORACLE_HOME/bin/dipStatus -h localhost -p 7005 -D weblogic [-help]
  • -h | -hostは、Oracle Directory Integration PlatformがデプロイされるOracle WebLogic Serverを識別します。

  • -p | -portには、Oracle Directory Integration Platform管理対象サーバーのリスニング・ポートを指定します。

  • -D | -wlsuserは、Oracle WebLogic ServerログインIDを識別します。

ノート:

Oracle WebLogic Serverのログイン・パスワードを要求されます。パスワードをコマンド行引数として指定することはできません。

最良のセキュリティ・プラクティスは、コマンドからの要求への応答としてのみ、パスワードを入力することです。スクリプトからdipStatusを実行する必要がある場合、Oracle WebLogic Serverパスワードを含むファイルから、入力をリダイレクトできます。ファイル権限を使用してファイルを保護し、不要になったら権限を削除します。

次のようにOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して、Oracle Directory Integration Platformインストールも検証できます。

  1. ブラウザを開き、次のURL形式を使用してOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにアクセスします。
    http://hostname:port/em
  2. 左のナビゲーション・パネルで、「Identity and Access」をクリックするか展開し、DIP(12.2.1.3.0)を選択します。
  3. 「DIPサーバー」メニューをクリックし、「管理」「サーバー・プロパティ」を選択します。
  4. 「接続テスト」をクリックしてインスタンスを検証します。

Oracle Directory Integration Platformをインストールして構成したら、「Oracle Directory Integration Platformスタート・ガイド」を参照してください。

Oracle Directory Integration Platform用にOracle Unified Directory (バックエンド・ディレクトリ)の非SSL通信を構成したら、「Oracle Directory Integration Platformを使用した同期」または「Oracle Directory Integration Platformによるプロビジョニング」の説明に従って、接続ディレクトリを対象に同期またはプロビジョニングできます。