9 プロビジョニング・タスクの管理
この章では、次の各項でプロビジョニング・タスクの使用について説明します。
9.1 プロビジョニング・タスクについて
プロビジョニング・タスク機能は管理者およびユーザーが使用します。たとえば、従業員にラップトップ・コンピュータを配送するIT管理の担当者は、Oracle Identity Manager管理者ではありませんが、プロビジョニング・タスクを表示および変更する必要があります。
Identity Self Serviceの「プロビジョニング・タスク」ページには、自分に割り当てられているプロビジョニング・タスクが表示されます。さらに、修正アクションを実行するために確認する必要がある失敗した自動プロビジョニング・タスクが表示され、それらのタスクに対して、再試行や手動完了などの修正アクションを実行する必要があります。
アカウントの作成や更新、権限の付与や取消しなどのプロビジョニング操作は、次のいずれかの原因で失敗する可能性があります。
-
プロビジョニング・タスクに関連付けられているプロセス・フォームの必要な情報がない。
-
アカウントに指定されたパスワードが、ターゲット・アプリケーションに設定されているパスワード・ポリシーに準拠していない。
-
ターゲット・システムが使用できない。
-
ITResourceパラメータに指定した接続情報が正しくない、またはパスワードが有効でない。
プロビジョニング操作が失敗した場合、アクションを実行する管理者またはリソース所有者に失敗したタスクを割り当てるプロビジョニング・ワークフローを構成できます。これらのタスクは「プロビジョニング・タスク」ページに表示されます。このページでは、是正のために自分に割り当てられているタスクがすべて表示され、却下されたタスクの詳細の表示や再試行などのアクションを実行できます。タスクが無効になっている場合は、手動で完了できます。詳細は、「保留中のプロビジョニング・タスクの管理」を参照してください。
ノート:
「システム管理者」管理ロールを持つユーザーがプロビジョニング・タスクを再試行できます。
接続解除されたアプリケーション・インスタンスの手動プロビジョニング・タスクは、Identity Self Serviceの「手動履行」ページに表示され、タスクに対してアクションを実行できます。詳細は、「手動履行タスクの管理」を参照してください。
9.2 保留中のプロビジョニング・タスクの管理
「プロビジョニング」ページでは、自分に割り当てられたプロビジョニング・タスクの検索、詳細の表示、レスポンスの設定、ノートの追加、再割当て、タスク割当て履歴の表示、フォームの詳細の表示と管理およびタスクの手動完了を実行できます。
「プロビジョニング・タスク」ページでは、次のタスクを実行できます。
9.2.1 プロビジョニング・タスクの検索
「プロビジョニング」ページでは、自分に割り当てられている、およびアクションが保留中のプロビジョニング・タスクを検索できます。
使用できるプロビジョニング・タスクを検索するには:
9.2.1.2 プロビジョニング・タスクの拡張検索
拡張検索を実行するには:
表9-1に、検索結果表のフィールドを示します。
表9-1 プロビジョニング・タスク検索結果表のフィールド
フィールド | 説明 |
---|---|
タスク名 |
タスクの名前。 |
タスク・ステータス |
タスクのステータス(「保留」または「却下」)。 |
アプリケーション・インスタンス |
このタスクによって影響を受けるアプリケーション・インスタンスの名前。 |
受益者 |
このタスクのために影響を受けるプロビジョニングされたアプリケーション・インスタンスのユーザー。 |
割当て日 |
プロビジョニング・タスクが割当て先に割り当てられた日付と時刻。 |
割当て先 |
タスクが割り当てられたユーザー。 |
リクエストID |
プロビジョニング・リクエスト・タスクのID。 |
アカウント名 |
プロビジョニングするアカウントの名前。 |
9.2.2 プロビジョニング・タスクの詳細の表示
「タスクの詳細」ページでは、タスクの詳細を表示できます。
プロビジョニング・タスクの詳細を表示するには:
表9-2に、「タスクの詳細」ウィンドウのフィールドを示します。
表9-2 「タスクの詳細」ウィンドウのフィールド
フィールド | 説明 |
---|---|
タスク名 |
タスクの名前。 |
リソース名 |
タスクによって影響を受けるリソースの名前。 |
説明 |
タスクの説明。 |
ユーザー |
受益者のユーザー名。 |
ステータス |
タスクのステータス(「保留」または「却下」)。 |
回答 |
「レスポンスの設定」ページでユーザーが設定したレスポンス。 ノート: レスポンス設定の詳細は、「タスクに対するレスポンスの設定」を参照してください。 |
レスポンスの説明 |
Oracle Identity Manager Design Consoleのタスク定義セクションの「レスポンス」タブで定義したレスポンスの説明。 |
ノート |
承認者が入力した追加コメント。 |
ユーザーに割当て済 |
このタスクが割り当てられたユーザーまたはロール。 ノート: タスクがロールに割り当てられた場合、このプロパティは「ロールに割当て済」となり、ロールの詳細が表示されます。 |
エラーの詳細 |
レスポンス設定時のエラー(ある場合)。 |
開始予定 |
タスクの開始が予定されている日付。 |
終了予定 |
タスクの終了が予定されている日付。 |
実際の開始 |
タスクが開始された日付。 |
実際の終了 |
タスクが終了した日付。 |
最終更新日 |
タスクが最後に更新された日付。 |
9.2.3 タスクに対するレスポンスの設定
承認者は、タスクを処理する際にタスクに対するレスポンスを設定できます。
タスクに対するレスポンスを設定するには:
ノート:
対応するタスクにレスポンス・コードが定義されていない場合は、レスポンスを設定できません。レスポンス・コードは、Oracle Identity Manager Design Consoleを使用して定義します。詳細は、『Oracle Identity Governanceのためのアプリケーションの開発とカスタマイズ』の「レスポンス」タブに関する項を参照してください。
- 「セルフ・サービス」タブで、「プロビジョニング・タスク」ボックスをクリックし、「オープン・タスク」を選択します。「プロビジョニング」ページが表示されます。
- レスポンスを設定するタスクを検索して選択します。
- 「アクション」メニューから、「レスポンスの設定」を選択します。または、ツールバーにある「レスポンスの設定」をクリックします。「タスクのレスポンスの指定」ページが表示されます。
- 定義されている複数のレスポンスのいずれかを選択し、「レスポンスの設定」をクリックします。レスポンスが設定されます。
9.2.4 タスクへのノートの追加
ノートは、承認者が入力する追加コメントです。これらのコメントはオプションです。
タスクにノートを追加するには:
- 「プロビジョニング」ページで、ノートを追加するタスクを検索して選択します。
- 「アクション」メニューから「開く」を選択します。または、ツールバーにある「開く」をクリックします。「タスクの詳細」ウィンドウが表示されます。
- 「タスクの詳細」ウィンドウで、「ノートの追加」をクリックします。「タスクへのノートの追加」ウィンドウが表示されます。
- 「追加のノートの入力」フィールドに、タスクに追加するメモを入力します。
- 「ノートの追加」をクリックします。
9.2.5 タスクの再割当て
承認者は、タスクに対して適切なアクションを実行する別のユーザーまたはロールにタスクを再割当てできます。タスクを別のユーザーに再割当てすると、割当て先が承認者になります。タスクをロールに再割当てすると、そのロールのメンバーの1人がタスクを承認または却下できます。
タスクを別のユーザーまたはロールに再割当てするには:
- 「プロビジョニング」ページで、再割当てするタスクを検索して選択します。
- 「アクション」メニューから「開く」を選択します。または、ツールバーにある「開く」をクリックします。「タスクの詳細」ウィンドウが表示されます。
- 「タスクの詳細」ウィンドウで、「再割当て」をクリックします。「オープン・タスクの再割当て」ページが表示されます。
- 検索する内容に従って、「ユーザー」または「ロール」を選択します。選択に応じて、ユーザーまたはロールのリストが表示されます。フィルタ処理の基準を指定するか、「フィルタ条件」フィールドに値を入力して、検索をフィルタ処理することもできます。
- 「再割当て」列で、タスクを割り当てるユーザーまたはロールを選択します。
- 「再割当て」をクリックします。
- 「再割当てするタスクの確認」ページで、実行するアクションの詳細を確認し、「再割当てタスクの確認」を選択してタスクを再割当てするか、「再割当てタスクの取消し」を選択してタスクの再割当てを取り消します。
- 前述の再割当てアクションに従って、「割当て先」セクションの値が適切に更新されているかどうかを確認します。
9.2.7 フォームの詳細の表示
タスクに付加されているプロセス・フォームまたはアカウントの詳細を表示できます。これらは、基礎となるプロセス定義に関連付けられているプロセス・フォームです。タスクは、プロセス定義に埋め込まれています。
タスクに付加されているプロセス・フォームを表示するには:
- 「プロビジョニング・タスク」ページで、プロセス・フォームを表示するタスクを検索して選択します。
- 「アクション」メニューから「フォームの表示」を選択します。または、ツールバーにある「フォームの表示」をクリックします。「フォームの表示」ウィンドウが表示されます。
9.2.8 フォームの詳細の変更
プロビジョニング・ワークフローに関連付けられているプロセス・フォームを編集して、不足情報がある場合は入力できます。
プロセス・フォームの詳細を変更するには:
- 「プロビジョニング・タスク」ページで、プロセス・フォームを変更するタスクを検索して選択します。
- 「アクション」メニューから「フォームの編集」を選択します。または、ツールバーにある「フォームの編集」をクリックします。
- 「フォームの編集」ウィンドウで、必要な詳細を変更し、「保存」をクリックします。
9.2.9 タスクの再試行
承認者は、最初の試行でレスポンスを設定中にエラーが生成されると、タスクを再試行できます。
タスクを再試行するには:
ノート:
再試行できるのは自動タスクのみで、アダプタをタスクに添付する必要があります。手動タスクは再試行できません。
- 「プロビジョニング・タスク」ページで、再試行するタスクを検索して選択します。
- 「アクション」メニューから「再試行」を選択します。または、ツールバーにある「再試行」をクリックします。
- タスクの再試行の確認を要求する警告メッセージが表示されます。
- 「再試行」をクリックします。
9.2.10 タスクの手動完了
プロビジョニング操作の前または後に管理者に一部のアクションを実行するよう要求する手動ステップを組み込む場合には、手動履行タスクが作成されます。「プロビジョニング」ページでは、タスクを手動で完了できます。
この項では、次の各項で様々なプロビジョニング操作のタイプと手動履行タスクの完了方法について説明します。
9.2.10.1 プロビジョニング操作の様々なタイプ
プロビジョニング操作には、次の2種類があります。
-
自動化: これらは、特定のターゲット・アプリケーションに対してOracle Identity Managerコネクタを使用して自動的に実行されるプロビジョニング操作です。
-
手動: これらは、ユーザーの介入によって手動で実行されるプロビジョニング操作です。
手動完了タスクは、手動プロビジョニング操作中に作成されます。また、プロビジョニング操作の前または後に管理者に一部のアクションを実行するよう要求する手動ステップを組み込む場合には、手動完了タスクは、自動化プロビジョニング操作中に作成されます。たとえば、EBusinessまたはADターゲットでのアカウントの作成がタスクで必要な場合、アカウントを手動で作成した後にそのタスクを手動で履行する必要があります。
9.3 手動履行タスクの管理
Identity Self Serviceの「手動履行」ページには、接続解除されたアプリケーション・インスタンスのプロビジョニング用のタスクがすべてリストされます。
「手動履行」ページでは、次のタスクを実行できます。
9.3.1 手動履行タスクについて
接続解除されたアプリケーション・インスタンスへのプロビジョニングの一環として、タスクが生成されます。タスクは、手動プロビジョニング・ワークフローで指定した割当てルールに基づいてユーザーに割り当てられます。接続解除されたアプリケーション・インスタンスの詳細は、Oracle Identity Governanceの管理の接続解除されたアプリケーション・インスタンスに関する項を参照してください。
手動アクションが実行されると、管理者または割当て先はIdentity Self Serviceにログインし、手動プロビジョニング・タスクを完了します。
9.3.3 タスクの完了
タスクの詳細を確認したり、必要に応じてコメントを提供したり、タスクを完了することができます。
タスクを完了するには:
- 「手動履行」ページで、完了するタスクを検索して選択します。
- 「アクション」メニューから、「完了」を選択します。または、タスクの詳細を開いて「完了」をクリックすることができます。
9.3.4 タスクの却下
タスクの詳細を確認したり、必要に応じてコメントを提供したり、タスクを却下することができます。
タスクを却下するには:
- 「手動履行」ページで、却下するタスクを検索して選択します。
- 「アクション」メニューから、「却下」を選択します。または、タスクの詳細を開いて「却下」をクリックすることができます。
9.3.5 コメントと添付の追加
タスクの詳細を表示した後、リクエストの承認、却下または再割当てなどのタスクに対する操作を実行する前に、コメントと添付を追加できます。
添付にはハイパーリンクまたは実際のファイルのいずれかを指定できます。アップロードする添付ファイルのサイズは2MB未満にすることをお薦めします。2MBを超えるサイズの添付ファイルをアップロードする場合は、ADF構成を変更して、サイズ制限を増やす必要があります。詳細は、Oracle Application Development Framework開発者ガイドを参照してください。
タスクにコメントおよび添付を追加するには:
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「手動履行」ページで、コメントおよび添付を追加するタスクを検索します。
-
タスクをクリックして、タスクの詳細を開きます。
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コメントを追加するには:
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「コメント」セクションで、「作成」アイコンをクリックします。「コメントの作成」ダイアログ・ボックスが表示されます。
-
「コメント」フィールドに、タスクのコメントを入力します。
-
「OK」をクリックします。
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添付を追加するには:
-
「添付」セクションで、「追加」アイコンをクリックします。「添付の追加」ダイアログ・ボックスが表示されます。
-
添付のタイプとして、次のいずれかのオプションを選択します。
-
URL: 添付へのURLを指定する場合に選択します。添付名を「名前」フィールドに入力し、添付へのURLを「URL」フィールドに入力します。
-
デスクトップ・ファイル: デスクトップからファイルをアップロードする場合に選択します。「参照」をクリックし、添付を選択します。
-
-
「OK」をクリックします。
-
-
「タスク」、「保存」の順にクリックします。
9.3.7 タスクの再割当て
承認者は、タスクに対して適切なアクションを実行する別のユーザーまたはロールにタスクを再割当てできます。タスクを別のユーザーに再割当てすると、割当て先が承認者になります。タスクをロールに再割当てすると、そのロールのメンバーの1人がタスクを承認または却下できます。
自分に割り当てられているタスクを再割当てするには: