2 Oracle Unified Directoryソフトウェアのインストール
Oracle Unified Directoryでは主として、2つのドメイン構成をサポートしています。Oracle Unified Directoryは、WebLogic Serverを介して管理するコロケート構成として、またはスタンドアロン構成としてインストールできます。
内容は次のとおりです。
2.1 Oracle Unified Directoryのインストール前に
コマンドラインまたはOracle Unified Directory Services Manager (OUDSM)のグラフィカル・ユーザー・インタフェースのいずれかを使用してOracle Unified Directoryを管理できます。
Oracle Unified Directory Services Manager (OUDSM)にはOracle WebLogic ServerとOracle ADFが必要であるため、OUDSMを使用する場合は、Oracle Unified Directoryを「同じ場所に配置されたOracle Unified Directory Server (WebLogic Server経由で管理)」モードでインストールする必要があります。WebLogic ServerドメインにOracle Unified Directoryを構成する際に、WebLogic Serverドメインの他の要素と同様にOracle Unified Directoryインスタンスを管理できます。WebLogic ServerドメインにOracle Unified Directoryを構成するには、既存のOracle Fusion Middleware Infrastructure OracleホームにOracle Unified Directoryソフトウェアをインストールする必要があります。
ノート:
このマニュアルで説明しているOUDSMのバージョンは、12c (12.2.1.3.0)です。OUDSM 12c (12.2.1.3.0)は、Oracle Unified Directory 12c (12.2.1.3.0)の管理のみに使用できます。
Oracle Unified Directoryを「スタンドアロンOracle Unified Directory Server (WebLogic Serverとは切り離して管理)」モードでインストールすることもできます。スタンドアロンOracle Unified Directoryは、WebLogic Serverドメインで管理されたり、WebLogic Serverドメインに登録されたりしません。スタンドアロンOracle Unified Directory 12c (12.2.1.3.0)トポロジは、Oracle Fusion Middleware Infrastructureがなくてもインストールおよび構成できます。Oracle Unified Directoryソフトウェアを独自のOracleホームにインストールし、Oracle Unified Directoryインスタンスを独自のスタンドアロン・ドメインに構成します。別の場所またはホストにインストールされたOUDSMを使用して、スタンドアロン・モードでインストールされたOracle Unified Directoryを管理できます。
ノート:
OUDとOUDSMの製品テンプレートは相互に関連しておらず、互いに独立しています。したがって、OUDとOUDSMを別個のドメインに別々に構成することができます。このため、OUDSMがなくてもOUDをコロケート・モードにすることができ、OUDなしでOUDSMのみをドメインに構成することもできます。
Oracle Unified DirectoryはOracle Unified Directoryリリース11gから12c (12.2.1.3.0)にアップグレードできます。「Oracle Unified Directoryソフトウェアの更新」を参照してください。
インストール・プロセスでは、ソフトウェアがインストールされる特定のディレクトリを識別する必要があります。インストール・ディレクトリの構造を完全に理解するため、「Oracle Unified Directoryのインストール・ディレクトリの理解」を参照してください。
2.2 Java Development Kitのインストール
Oracle Unified Directory 12c (12.2.1.3.0)のインストールには、ava Development Kit (JDK) 1.8が必要です。
アーカイブ・バイナリ・ファイル(.tar.gz
)は、(rootユーザーだけでなく)誰もが、書込み可能な任意の場所にインストールできます。ただし、システムの場所にJDKをインストールできるのはrootユーザーのみです。
JDKをインストールするためのシステム要件と手順については、LinuxプラットフォームのJDKのインストールに関する項とMicrosoft WindowsのJDKのインストールに関する項を参照してください。
2.3 JAVA_HOME環境変数の設定
Java Development Kit (JDK)のインストール後、JAVA_HOME
環境変数がJavaインストール・ディレクトリを指すように設定する必要があります。
JAVA_HOME
環境変数が設定されていないか、サポートされているJavaインストール(JDK 8)を指していない場合、設定スクリプトは動作しません。
たとえば、UNIXまたはLinuxシステムで、ご使用のシェルに応じて次のようなコマンドを実行します。
JAVA_HOME=/usr/lang/JAVA/jdk1.8.0_121 export JAVA_HOME
WindowsシステムでJAVA_HOME環境変数を設定するには:
2.4 PATH環境変数の設定
Java Development Kitのインストール後、PATH
環境変数がJavaインストール・ディレクトリを指すように設定する必要があります。
たとえば、UNIXまたはLinuxシステムで、ご使用のシェルに応じて次のようなコマンドを実行します。
JAVA_HOME=/usr/lang/JAVA/jdk1.8.0_121 export JAVA_HOME PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH export PATH
WindowsシステムでPATH環境変数を設定する方法の詳細は、『PATHシステム変数を設定または変更するにはどうすればよいですか。』を参照してください。
2.5 製品ディストリビューションの取得
Oracleでは、Oracle Unified Directoryとこれが必要とするソフトウェアをダウンロードするために、複数の場所を用意しています。
ノート:
-
Oracle Unified Directory Services Managerを使用してOracle Unified Directoryを管理することを計画している場合、まずOracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールする必要があります。
-
Oracle Unified DirectoryとOracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールする場合は、同じOracleホーム・ディレクトリを指定する必要があります。この章の例では、
path-to-oracle-home
/ORACLE_HOME
を使用して、Oracleホーム・ディレクトリを示します。
2.5.1 Oracle Fusion Middleware Infrastructureの配布のダウンロード
OUDSMを使用してOracle Unified Directoryを構成および管理することを計画している場合、Oracle WebLogic ServerとOracle Application Development Frameworkもインストールする必要があります。Oracle Fusion Middleware Infrastructureには、Oracle WebLogic ServerやOracle ADFを含め、複数の製品および機能セットが含まれています。
Oracle Fusion Middleware Infrastructureの配布をダウンロードするには:
- Oracle ADFダウンロード・ページからOracle Fusion Middleware Infrastructureの配布をダウンロードします。「Oracle ADFのダウンロード」セクションで、「Application Development Runtime」フィールドから12.2.1.3を選択します。「ファイルのダウンロード」をクリックします。
- ブラウザから
.zip
ファイルをダウンロードするよう求められたら、このファイルをシステムに保存します。 .zip
ファイルのコンテンツをシステムに解凍します。解凍されたファイルfmw_12.2.1.3.0_infrastructure_generic.jar
は、製品のインストーラを実行し、ソフトウェアをシステムにインストールします。
2.6 OUD/OUDSMドメインのインストールおよび構成
OUDとOUDSMの両方を単一ドメインにインストールして構成することも、OUDとOUDSMを別個のドメインに別々にインストールして構成することもできます。
内容は次のとおりです。
2.6.1 OUD/OUDSMソフトウェアのインストール
OUDとOUDSMを別個のドメインに別々にインストールすることも、両方を単一ドメインにインストールすることもできます。この項では、OUDとOUDSMをインストールする方法について説明します。
ノート:
Oracle Directory Integration Platform (DIP) 12cをOUD 12cとともにバックエンド・ディレクトリ・サーバーとしてインストールすることを選択した場合は、DIP 12cと同じOracleホームおよび同じドメインにOUDをインストールして(OUDSMにより)構成できます。この場合、「Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール」および「リポジトリ作成ユーティリティを使用したインフラストラクチャ・ドメインのデータベース・スキーマの作成」のステップをスキップできます。2.6.1.1 Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール
Oracle Unified Directory Services Managerを使用してOracle Unified Directoryを構成および管理する場合、Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールが不可欠です。OUDSMにはOracle WebLogic ServerとOracle ADFが必要であるため、Oracle Fusion Middleware InfrastructureのインストールでWebLogic Server、ADFおよびその他のインフラストラクチャ・コンポーネントのインストールを管理します。
Oracle Unified Directory Services Managerを使用してOracle Unified Directoryを構成および管理する場合、Oracle Unified Directoryを「同じ場所に配置されたOracle Unified Directory Server (WebLogic Server経由で管理)」モードでインストールする必要があります。
Oracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールするには:
2.6.2 OUDとOUDSMを別個のドメインに構成
製品のインストールが完了したら、ドメイン作成プロセスを開始できます。OUDとOUDSMを別個のドメインに構成できます。
ノート:
これが、OUDとOUDSM用のドメインを設定するためのOracleの推奨アプローチです。このアプローチに従えば、Oracleデータベースに依存せずにOUDSMのドメインを作成できます。
2.6.3 OUDとOUDSMを単一のドメインに構成
インストール・タイプとして「同じ場所に配置されたOracle Unified Directory Server (WebLogic Server経由で管理)」を選択した場合、OUDとOUDSMを単一のWebLogicドメインに構成できます。
Fusion Middleware構成ウィザードを使用してOUDSM用のWebLogicドメインを構成することもできます。構成ウィザードではOracle Platform Security Services (OPSS) DBストアのみがサポートされるため、OUDSMは管理者構成を安全に格納するために、DBベースのOPSSセキュリティ・ストアに依存します。
config.sh
を実行してOUDSMを設定する前に、まず動作保証されたデータベースをインストールして構成する必要があります。OPSSセキュリティ・ストアにデータベース・リポジトリを使用するには、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用して必要なスキーマを作成し、一部の初期データをシードする必要があります。
2.6.3.1 リポジトリ作成ユーティリティを使用したインフラストラクチャ・ドメインのデータベース・スキーマの作成
Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール後、ORACLE_HOME/oracle_common/bin
ディレクトリからリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を起動します。リポジトリ作成ユーティリティでは、Oracle Fusion Middleware製品に必要なデータベース・スキーマを作成できます。
ノート:
このデータベース・スキーマ作成手順が必要になるのは、OUDSMテンプレートを選択してOracle Unified Directory Services Manager (OUDSM)をインストールする場合のみです。
リポジトリ作成ユーティリティを使用してスキーマを作成するには:
2.7 管理サーバーの起動
WebLogicドメインの構成が完了したら、管理サーバーを起動してドメインを管理できます。OUDSMはこのWebLogic管理サーバーも使用するため、管理サーバーが起動されて実行されれば、OUDSMも有効に実行されます。
管理サーバーを起動するには:
2.9 Oracle Unified Directoryのサイレント・インストールの実行
サイレント・インストールでは、グラフィック出力がなく、ユーザー入力も要求されないため、製品のインストールを監視する必要がありません。
Oracle Unified Directoryのサイレント・インストールを実行するには:
2.10 Oracle Directory Integration Platformと組み合せたOracle Unified Directoryの構成
Oracle Directory Integration Platformは、ご使用のアプリケーションやディレクトリ(サード・パーティのLDAPディレクトリなど)とOracle Unified Directoryとの統合を可能にするJava EEアプリケーションです。
Oracle Directory Integration Platformは、他のエンタープライズ・リポジトリとともに同期化ソリューションをデプロイできるようにするためのサービスとインタフェースを提供します。Oracle Unified Directoryとサード・パーティのメタディレクトリ・ソリューションとの相互運用性を実現するためにも使用できます。
たとえば、Oracle Fusion Middleware環境では、Oracleコンポーネントへのアクセスは、Oracle Unified Directoryに格納されているデータに基づいて行いますが、企業の中央ディレクトリとしてMicrosoft Active Directoryも使用できます。これらのディレクトリのユーザーがOracleコンポーネントにアクセスできるのは、Oracle Directory Integration Platformにより、Microsoft Active Directory内のデータを、Oracle Unified Directory内のデータと同期化できるためです。
Oracle WebLogic ServerドメインでOracle Unified Directory、Oracle Unified Directory Services Manager、Oracle Directory Integration PlatformおよびFusion Middleware Controlを構成するには、『Oracle Directory Integration Platformの管理』のOracle Unified Directoryの構成に関する項を参照してください。