11 パラメータの作成
この章では、Oracle Business Activity Monitoring (BAM)の問合せ、ビューおよびダッシュボードに表示するデータをフィルタ処理するためのパラメータおよびプロンプトを作成する方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
11.1 パラメータの理解
パラメータは、データ・フィールドの値を表す変数です。
フィルタは、問合せやビューによって取得されるデータに適用される条件であり、1つ以上のパラメータを参照できます。プロンプトは、ユーザーにパラメータの値の指定を求めるリクエストです。たとえば、製品売上の問合せを国でフィルタ処理し、国のパラメータを作成して、その問合せがダッシュボードのビューによって参照されるときに、ユーザーに国の指定を求めることができます。
パラメータには、特定の値や特別な値(ALLやNULLなど)をデフォルト値として設定できます。たとえば、製品売上ビューに、デフォルトですべての国の売上が表示されるようにできます。
パラメータには、値パラメータとリスト・パラメータの2つのタイプがあります。値パラメータでは、1つの値のみを指定でき、特定のデータ・フィールドを明示的に参照することはありません。リスト・パラメータでは、複数の値を提示し、場合によっては複数の値を指定したり、特定のデータ・フィールドを参照することもあります。
ユーザーは、システム日時などの日時パラメータを使用して、期間によってデータを絞り込むことができます。その他の日時値は、ユーザー・プリファレンスで選択されたタイムゾーンに基づきます。
11.2 パラメータの前提条件と用途
パラメータの前提条件は、パラメータが円滑に機能するために、パラメータの作成前に完了する必要がある一連のタスクです。
リスト・パラメータを作成するには、そのパラメータが表すデータ・フィールドを含むデータ・オブジェクトをプロジェクトに事前に追加しておく必要があります。プロジェクトの詳細は、「プロジェクトの計画および作成」を参照してください。データ・オブジェクトの詳細は、「データ・オブジェクトの使用」を参照してください。
作成したパラメータは次の方法で使用できます。
- 問合せの場合
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問合せでは、フィルタでパラメータを参照できます。詳細は、「ビジネス問合せの作成」を参照してください。
- ビューの場合
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ビューでは、パラメータを参照する問合せを参照できます。ただし、個々のビューではパラメータを使用する操作を実行できません。詳細は、「ビジネス・ビューの作成と使用」を参照してください。
- ダッシュボード
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ダッシュボードには、パラメータで問合せを参照するビューを含めることができます。ダッシュボードでは、ユーザーにパラメータ値の指定を求めることができます。詳細は、「ダッシュボードの作成」を参照してください。
- パラメータ化されたメッセージ・アラート・アクション
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問合せまたはビューをパラメータでフィルタ処理する場合、アラート・アクション・オプションは1つのみ使用できます。詳細は、「パラメータ化されたメッセージを送信」を参照してください。
11.5 問合せでのパラメータの使用
使用する場合は、パラメータを問合せフィルタに指定する必要があります。問合せでパラメータを使用する場合、その問合せを参照するビューを含むダッシュボードでユーザーに対してパラメータ値の入力を要求します。
問合せでパラメータを参照するには:
11.6 パラメータの編集
パラメータを編集すると、そのパラメータを参照するすべての問合せ、およびそれらの問合せを参照するすべてのビューとダッシュボードに、変更内容が伝播します。
パラメータを開き、編集および保存するには、次の手順を使用します。
パラメータを編集するには:
11.7 パラメータの名前変更
この項では、パラメータの名前を変更する手順について概説します。
次の手順を使用して、パラメータの「表示名」を変更します。
「表示名」は、大/小文字が区別され、フォルダ・パスを示すスラッシュ(/
)を除く任意の文字を含めることができます。最大128文字を使用できます。いつでも変更できます。
パラメータの名前を変更するには:
パラメータを編集するとき、新しい表示名がタブに表示されます。この名前は、ダッシュボードにパラメータを表示する場合にも表示されます。
ただし、内部名は変更されず、そのままです。パラメータを編集するとき、この名前はヘッダーの左側に表示されます。
11.8 パラメータの削除
パラメータを削除すると、それを参照するすべての問合せ、ビューまたはダッシュボードから削除されます。
パラメータを削除するには、次の手順を使用します。
パラメータを削除するには:
11.9 パラメータの保護
プロジェクトでパラメータを作成すると、そのプロジェクトのセキュリティ設定がパラメータに継承されます。
プロジェクトの詳細は、「プロジェクトの計画および作成」を参照してください。
パラメータのセキュリティ設定を変更するには:
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左側のパネルのナビゲータで、「パラメータ」の左側にある矢印をクリックします。
現在のプロジェクトの保存済パラメータがすべてリストに表示されます。
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パラメータを右クリックし、ポップアップ・メニューから「セキュリティ設定」を選択します。
パラメータのセキュリティ・タブが開きます。
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明示的に権限を付与または拒否するロールまたはグループを追加するには、次のステップを実行します。
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「権限の付与」表または「権限の拒否」表で「追加」アイコンをクリックします。
「アプリケーション・ロール、グループおよびユーザーの追加」ダイアログが開きます。
ユーザーをロールおよびグループに追加する方法の詳細は、「Oracle BAMユーザーの管理」を参照してください。
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追加するロールまたはグループの名前を「名前」に入力します。
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ドロップダウン・リストから「アプリケーション・ロール」または「グループ」を選択します。
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「検索」をクリックして、「選択可能メンバー」リストにデータを移入します。
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「選択済メンバー」リストにメンバーを追加するには、メンバーを選択し、一重の右矢印をクリックします。
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「選択済メンバー」リストにすべてのメンバーを追加するには、メンバーを選択し、二重の右矢印をクリックします。
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「選択済メンバー」リストからメンバーを削除するには、一重および二重の左矢印を使用します。
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「選択済メンバー」リストが完成したら、「OK」をクリックします。
「アプリケーション・ロール、グループおよびユーザーの追加」ダイアログが閉じ、「名前」に指定した名前が表に表示されます。
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ロールまたはグループを削除するには、表の行を選択し、「削除」アイコンをクリックします。
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権限を付与するには、「権限の付与」表にリストされているユーザー、ロールおよびグループに対し、「読取り」、「書込み」、「削除」または「セキュリティ」を選択します。
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権限を拒否するには、「権限の拒否」表にリストされているユーザー、ロールおよびグループに対し、「読取り」、「書込み」、「削除」または「セキュリティ」を選択します。
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「保存」をクリックします。
11.10 ダッシュボードURLでのパラメータの使用
ダッシュボードURLでパラメータ値を指定できます。このURLは、ポータル・サイトのWebページで使用したり、電子メール内のリンクとして使用できます。
デフォルトのダッシュボードURLを表示するには、左側のパネルのナビゲータでダッシュボードを右クリックし、「ダッシュボードURLの表示」を選択します。ポップアップ・ダイアログにURLが表示され、コピーして貼り付けることができます。
BAMダッシュボードURLの構文は次のとおりです。
http://host:port/bam/composer/faces/proxypage?project=project&dashboard=dashboard&DashboardParameters=(parameter;parameter;...)
値パラメータの構文は次のとおりです。
name=value
リスト・パラメータの構文は次のとおりです。
name=[value, value, ...]
たとえば:
http://mycompany.com:80/bam/composer/faces/proxypage?project=Sales&dashboard=Products&DashboardParameters=(Rep=ALL;Country=[US, UK])
複数のパラメータの値をセミコロンで区切って、任意の順序または組合せで定義できます。URLに値が定義されていないパラメータについては、ユーザーに入力を求めます。
プロンプトまたはパラメータをALL、NULLまたは空白に設定するには、次の構文を使用して値を表す必要があります。
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ALL
の場合、すべての値が戻されます。 -
NULL
の場合、null値が戻されます。 -
BLANK
の場合、空白値が戻されます。
11.11 他のビューからのパラメータのドライブ
ダッシュボードで、ビューの内容を別のビューでの選択操作によって変更することをドライブと呼びます。ドライブによって、あるビューの選択内容を使用して、別のビューのパラメータをドライブできます。
たとえば、リスト・ビューの列を使用して、リスト内のデータのサブセットを表示する棒グラフ・ビューをドライブできます。
ドライブするには、フィルタでパラメータを使用している問合せをビューで参照する必要があります。また、ドリルが有効になっていると、ドライブは動作しません。ドリルによりドライブがオーバーライドされます。
ドライバ(他のビューをドライブするビュー)では、パラメータを使用している問合せを参照する必要はありません。
図11-1は、「パラメータ・マッピング・エディタ」が開かれた状態のダッシュボードを示しています。円グラフの「製品」データ・フィールド値により、棒グラフのfruitParamパラメータ値がドライブされています。
パラメータ・ドライブを使用するダッシュボードの他の例は、「BPMプロセス・ビュー・ダッシュボード」を参照してください。
ダッシュボードでドライブを構成するには:
ノート:
ドリルおよびドライブ操作は表示モードでのみサポートされ、デザイナ・モードではサポートされません。新規チャート視覚化の場合、ドライブは右クリック・オプションを介してサポートされます。グラフの場合、このようなメニュー・オプションは使用できません。グラフ要素を直接クリックできます。