3 モデルの使用

モデルは、ビジネス・パフォーマンスを追跡する際のキーとなるアプリケーション局面を記述し、これらの概念を既存のソフトウェア・アプリケーション実装にマップするための文法を提供します。

一般に、ハイレベルなアプリケーションのモデルは、ビジネス・ユーザーとアーキテクトによる反復的なコラボレーションにより定義します。一般に、ビジネス・ユーザーは統合アプリケーションに関連するハイレベルな概念を記述し、アーキテクトはこれらの概念を調整してアプリケーション実装にマップします。モデルの定義およびマッピングが終わると、ビジネス・モデルのインスタンスに関連付けられたメトリックの収集がシステムによって開始されます。これらのメトリックは、ダッシュボードおよびレポートのレンダリングに使用されます。

モデルの作成には、ペルソナが異なるユーザー(ビジネス・ユーザーおよびアーキテクト)によるコラボレーションが必要になります。ビジネス・ユーザーはマイルストンやインジケータなどの抽象モデルを定義し、アーキテクトはその抽象モデルをサービスやコンポーネントなどの基礎となるアーティファクトにマップします。

モデルには次のものが含まれます。

  • 基本的なメタデータ

  • 識別子 - モデルのインスタンスを識別する一意の識別子で、モデルの定義には必須です。

  • 順序付きマイルストンとその関連するインジケータのセット

マイルストン、インジケータおよび識別子の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Integration Business Insightコンセプトを参照してください。

モデルのライフサイクルおよびアクティブ化

新しく作成したモデルは、アクティブ化されるまでは「ドラフト」状態になります。アクティブ化されたモデルのみがメトリックを収集します。モデルはアクティブ化されている間、一時的に「アクティブ化の進行中」状態になります。アクティブ化に失敗すると、状態は「アクティブ化に失敗しました」に更新されます。アクティブ化が正常に完了すると、状態は「アクティブ」に変わります。基礎となる実装を変更した結果としてモデルが非アクティブ化されることがある他、ユーザーがモデルを非アクティブ化することもできますが、どちらの場合もモデルは「非アクティブ」状態になり、マウス・カーソルを合せると追加情報が表示されます。

アクティブなモデルに変更を加えるために、新しいドラフトが作成され、これは変更の完了後にアクティブ化できます。

図3-1 モデルのライフサイクル状態の遷移

モデルのライフサイクル状態の遷移

モデルが「不明」状態に遷移することがあります。この状態になるのは、ランタイムがモデルの状態を「アクティブ化」または「非アクティブ化」であると判断できない場合です。このような状態のモデルに対してすべてのライフサイクル・アクションを実行できます。

詳細は、モデルのライフサイクル状態を参照してください。

モデルのライフサイクル状態

いずれのモデルも、次のライフサイクル状態を通過します。

  • ドラフト: この状態のときはモデルに変更を加えることができ、メトリックは収集されません。ドラフト・モデルでは「エクスポート」オプションがサポートされているため、モデルをエクスポートし、エクスポートしたモデルを使用してアプリケーションにインポートできます。

  • 進行中: アクティブ化が開始されると、モデルはこの状態になります

  • アクティブ: モデルがこの状態のときはメトリックが収集中であり、変更はできません。アクティブ化されたモデルでは「エクスポート」オプションがサポートされているため、モデルをエクスポートし、エクスポートしたモデルを使用してアプリケーションにインポートできます。

  • 失敗: アクティブ化中に問題が発生した場合、モデルはこの状態になります

  • 非アクティブ化: 基礎となる実装に変更が発生した場合や、ユーザーがモデルを非アクティブ化した場合、モデルはこの状態に移行します。

    • システムを非アクティブ化: 非アクティブ化/アンデプロイ/接続の喪失などのシステムのエラー/しきい値を超えた再試行回数/別のパスへのアプリケーションの再デプロイ/アプリケーションの変更のいずれかのために、統合アプリケーションが変更された場合。モデルはInsightエージェントによって自動的に非アクティブ化され、ユーザーはそれを制御できません。

    • ユーザーを非アクティブ化 ユーザーがモデルを非アクティブ化した場合。

モデル・ライフサイクル・アクション

モデルの現在の状態に応じて、モデルに次のアクションを実行できます。

  • アクティブ化: モデルをアクティブ化します。モデルをアクティブ化するには、モデル定義が100%完了している必要があります。ドラフトをアクティブ化して、既存のアクティブ・モデルを置換できます。

    注意:

    InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみがモデルをアクティブ化できます。
  • 非アクティブ化: アクティブ化されたモデルを非アクティブ化します。

    注意:

    InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみがモデルを非アクティブ化できます。
  • 削除: アクティブ化されたモデルを削除します。このアクションは永続的であり、元に戻せません。

    注意:

    InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみがモデルを削除できます。

ライフサイクル・アクションとは別に、モデルに対して他のアクションも実行できます。その他のモデル・アクションを参照してください。

モデルの作成

InsightModelCreatorロールまたはInsightAdminロールを持つユーザーのみがモデルを作成できます。

モデルを作成するには次の手順を実行します。

  1. 「デザイナ」タブをクリックするか、「ホーム」ページのナビゲーション・ショートカットをクリックします。
    「インサイト・モデル」ページが開きます。このページには、モデルの現在の状態に関係なく、すべてのモデルが表示されます。このページに表示されるモデルに対して様々なアクションを実行できます。詳細は、その他のモデル・アクションを参照してください。
  2. 手順3または4を実行します。
  3. 「モデルの作成」をクリックします。
  4. すでにドラフト・モデルがある場合には、モデルの「ドラフト」バージョンをクリックします。
  5. 次の詳細を入力します:
    1. 名前: モデルの適切な名前
    2. 説明: モデルの適切な説明
    3. アイコン: 任意のアイコンを選択します。ここで選択したアイコンは、「インサイト・モデル」ページでモデルの隣に表示されます。
    4. 単一インスタンス・ラベル: モデルの単一インスタンスのために使用される適切なラベル。たとえば、「注文」とします。
    5. 複数インスタンス・ラベル: モデルの複数インスタンスのために使用される適切なラベル。たとえば、「複数の注文」とします。
  6. 「保存」をクリックして、モデルを保存します。
    確認メッセージが表示されます。
モデルが作成され、「ドラフト」状態になります。

モデルの様々な状態の詳細は、モデルのライフサイクル状態を参照してください。

図3-2 ドラフト・モデル

ドラフト・モデル

注意:

モデルの最上部には、「完了するタスク」の数が表示されます。モデルをアクティブ化するには、これらのすべてのタスクを完了する必要があります。

ページの左上隅の「モデル」ボタンをクリックして、「デザイナ」ページに戻ります。

マイルストンの作成

モデルを作成したら、次の重要な手順はモデルのマイルストンを作成することです。マイルストンは、ビジネス進捗のモニタリングに役立つ、ビジネス・プロセス内のポイントです。一般に、マイルストンは反復して作成されます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Integration Business Insightコンセプトマイルストンのタイプに関する項を参照してください。

InsightBusinessUser/InsightIntegrationArchitect/InsightModelCreator/InsightAdminロールを持つユーザーのみがマイルストンを作成できます。

マイルストンを作成するには、次のステップを実行します。
  1. 「デザイナ」ページ(一般に「モデル」ページと呼ばれます)で、マイルストンを作成するモデルのドラフト・バージョンをクリックします。

    図3-3 「デザイナ」ページ

    「デザイナ」ページ
  2. 「マイルストンの作成」をクリックします。

    注意:

    InsightBusinessUser/InsightIntegrationArchitect/InsightModelCreator/InsightAdminロールを持つユーザーのみがマイルストンを作成できます。
  3. マイルストンの適切な名前を指定します。
    マイルストンが展開されます。
  4. マイルストンの適切な説明を入力します。
  5. 適切な「マイルストン・タイプ」を選択します。選択可能なタイプは、「初期」「標準」「エラー」「終了」および「終了/エラー」です。

    マイルストンのタイプが表示されているバーは、マイルストン・ツールバーと呼ばれています。このツールバーを誤って閉じた場合には、アプリケーションに再度ログインしてマイルストン・ツールバーを表示する必要があります。

    マイルストンのタイプの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Integration Business Insightコンセプトを参照してください。
  6. マイルストンを実装にマップします。実装へのマイルストンのマップを参照してください。

    注意:

    InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみが実装マッピングを作成できます。

    注意:

    サービス・タイプをスキーマのないメッセージング・リクエスト/応答XMLにした状態で、マイルストン・マッピングをパイプライン/ビジネス・サービスで使用することはできません。
  7. 実装へのマイルストンのマップに説明されているように実装へマイルストンをマップするか、API呼出しの有効化オプションを選択してこのマイルストンでREST APIからイベントを受け取れるようにします。

    注意:

    InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみが実装マッピングを作成できます。

    注意:

    サービス・タイプをスキーマのないメッセージング・リクエスト/応答XMLにした状態で、マイルストン・マッピングをパイプライン/ビジネス・サービスで使用することはできません。
  8. (オプション)マイルストンのインジケータを定義します。「インジケータの定義」を参照してください。

    注意:

    InsightBusinessUser/InsightIntegrationArchitect/InsightModelCreator/InsightAdminロールを持つユーザーのみがインジケータを作成および定義できます。
  9. 手順2から7を繰り返して、モデルに必要なすべてのマイルストンを作成します。
  10. マイルストンを削除する場合は、「削除」アイコンをクリックします。

    注意:

    InsightBusinessUser/InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみがマイルストンを削除できます。
モデルのマイルストンが作成されます。

図3-4 マイルストンの詳細

マイルストンの詳細

実装へのマイルストンのマップ

モデルのマイルストンを定義するときには、既存の実装にマイルストンをマップする必要があります。マッピングを行わないと、マイルストン・マッピングがないことを通知する警告メッセージがマイルストンの隣に表示されます。

InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみが実装マッピングを作成できます。

この製品でサポートされている実装マッピングには、SOAやService Busなど様々なタイプがあります。

注意:

サービス・タイプをスキーマのないメッセージング・リクエスト/応答XMLにした状態で、マイルストン・マッピングをパイプライン/ビジネス・サービスで使用することはできません。Service BusパイプラインへのマップおよびService Busビジネス・サービスへのマップを参照してください。

SOA BPELコンポーネントへのマップ

InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみが実装マッピングを作成できます。

アクティビティにおいて変数が初期化される場合、そのアクティビティのアクティブ化によって、インジケータで値が取得されることはありません。それはアクティビティの完了時のみ取得できます。たとえば、抽出されている変数がreceiveアクティビティにおいて初期化される場合、インジケータでは、receiveのアクティブ化では値は取得されません。そのアクティビティがBPELプロセスの最初の受信である場合、入力変数はreceive内で初期化されます。そのため、receiveのアクティブ化では値は取得されません。

SOA BPELコンポーネントへの実装マッピングを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 実装マッピングを作成するマイルストン内で「マッピングの作成」をクリックします。
    「実装マッピング」ページが開きます。
  2. 「データ接続」ドロップダウン・リストからSOA接続を選択します。ドロップダウン・リストに接続が表示されない場合には、データ接続を作成する必要があります。データ接続の作成を参照してください。

    注意:

    ドロップダウン・リストには、構成された接続のみ表示できます。ドラフト状態にある(まだ構成されていない)接続は、選択肢には表示されません。
    この選択により、そのドメインにデプロイ済のすべてのコンポジットに関する情報がロードされます。
  3. 必要なコンポーネントを展開し、必要なレベルにドリルダウンします。
  4. 必要なエントリを選択し、「BPEL構造」アイコンをクリックしてさらにドリルダウンします。

    図3-5 マッピングのアイコン

    マッピングのアイコン
  5. BPEL構造ツリー内の必要なBPELアクティビティに移動し、「マッピングの編集」アイコンをクリックします。

    図3-6 「マッピングの編集」アイコン

    「マッピングの編集」アイコン
  6. 「マイルストンが渡されました」ポップアップから適切なエントリを選択します。

    図3-7 「マイルストンが渡されました」ポップアップ

    「マイルストンが渡されました」グループ
    • 「開始時」は、アクティブ化を示します。

    • 「終了時」は、完了を示します。

    • 「エラー発生時」は、失敗を示します。

    マッピングが行われ、「実装マッピング」ページに最初のマッピングが展開された形で開きます。
    アクティブ化にマップ済

    注意:

    Insightでは、OnMessageおよびOnAlarmというBPELコンストラクトへのマップがサポートされていません。これらの要素は、PickアクティビティとEventHandlersアクティビティのブランチであり、それに応じたマップのみが可能です。独立したアクティビティ自体としてマップすることはできません
  7. 定義済のマッピングを削除またはリセットする場合には、「アクションのマッピング」メニューから「削除」または「リセット」を選択します。
  8. 「マッピングの追加」(ページの右上隅)をクリックし、手順2から6を繰り返して、マイルストンに追加するマッピングを定義します。
  9. 「エディタに戻る」をクリックして、モデル・エディタに戻ります。
マイルストンが実装にマップされます。

図3-8 実装にマップされたマイルストン

実装にマップされたマイルストン

SOAサービス/参照/コンポーネントへのマップ

InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみが実装マッピングを作成できます。

SOAコンポジット・サービス/参照への実装マッピングを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 実装マッピングを作成するマイルストン内で「マッピングの作成」をクリックします。
    「実装マッピング」ページが開きます。
  2. 「データ接続」ドロップダウン・リストからSOA接続を選択します。ドロップダウン・リストに接続が表示されない場合には、データ接続を作成する必要があります。データ接続の作成を参照してください。

    注意:

    ドロップダウン・リストには、構成された接続のみ表示できます。ドラフト状態にある(まだ構成されていない)接続は、選択肢には表示されません。
    この選択により、そのドメインにデプロイ済のすべてのコンポジットに関する情報がロードされます。
  3. 必要なアーティファクトを展開し、必要な「サービス」/「参照」/「コンポーネント」にドリルダウンします。
  4. 必要なエントリを選択し、「マッピングの編集」アイコンをクリックしてマッピングを定義します。
  5. 「操作」ドロップダウン・リストから適切な値を選択します。
  6. 「相互作用」ドロップダウン・リストから適切な値を選択します。

    注意:

    このフィールドは、「操作」ドロップダウン・リストで値を選択しないかぎり表示されません。
    SOAの11gバージョンで作成されたコンポジットでは、視覚的な表現が使用できません。その場合、「操作」および「相互作用」ドロップダウンを含むポップアップのみが表示されます。

    図3-9 SOAサービス/参照へのマップ

    SOAサービス/参照へのマップ
  7. 「マッピングの削除」をクリックして既存のマッピングを削除し、新規マッピングを作成します。
  8. 「終了」をクリックして、マッピングのプロセスを完了します。
マッピングが行われ、「実装マッピング」ページに最初のマッピングが展開された形で開きます。

Service Busパイプラインへのマップ

InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみが実装マッピングを作成できます。

注意:

マッピング・ページには、WSDLベースのサービスまたはメッセージング・サービスであり、リクエスト・タイプまたはレスポンス・タイプがXMLである、Service Busパイプラインおよびビジネス・サービスのみが表示されます。マッピングでサポートされているService Busコンストラクトがすべて記載されたリストについては、Oracle Service Busでサポートされている機能およびサポートされていない機能を参照してください。

パイプラインへの実装マッピングを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 実装マッピングを作成するマイルストン内で「マッピングの作成」をクリックします。
    「実装マッピング」ページが開きます。
  2. 「データ接続」ドロップダウン・リストからService Bus接続を選択します。ドロップダウン・リストに接続が表示されない場合には、データ接続を作成する必要があります。データ接続の作成を参照してください。

    注意:

    ドロップダウン・リストには、構成された接続のみ表示できます。ドラフト状態にある(まだ構成されていない)接続は、選択肢には表示されません。
    この選択により、そのドメインにデプロイ済のすべてのService Busプロジェクトがロードされます。

    注意:

    サポートされているService Bus機能セット(たとえば、WSDLサービス)に準拠するプロジェクトのみがロードされ、使用可能になります。マッピングでサポートされているService Busコンストラクトがすべて記載されたリストについては、Oracle Service Busでサポートされている機能およびサポートされていない機能を参照してください。
  3. 目的のプロジェクトを展開し、必要な「パイプライン」にドリルダウンします。
  4. マップするパイプラインに対して「マッピングの編集」アイコンをクリックします。

    サービス・タイプには、次のものがあります。

    • WSDL: 「操作」「相互作用」の両方がポップアップ・ウィンドウに表示されます。「相互作用」に使用可能な値は、REQUESTRESPONSEおよびFAULTです。

    • メッセージ・サービス: 「相互作用」のみがポップアップ・ウィンドウにドロップダウン・リストとして表示され、リストに含まれる値はREQUESTRESPONSEです。

  5. ポップアップ・ウィンドウに開かれたドロップダウン・リストで「操作」を選択します。
  6. ポップアップ・ウィンドウに開かれたドロップダウン・リストで「相互作用」を選択します。「相互作用」に使用可能な値は次のとおりです。
    • REQUEST

    • RESPONSE

    • FAULT

    重要:

    循環依存関係や循環参照があるアーティファクト(WSDLやXSDなど)をビジネス・サービスが参照することがありますが、このようなビジネス・サービスをマッピング・エディタ内でマップすることはできません。このようなビジネス・サービスにマップするための唯一の方法は、アーティファクトから循環参照を削除することです。
    「相互作用」の値を選択した場合、ウィンドウが非表示になり、マップの作成が通知されます。マッピングを編集している間、緑色のアイコンが表示されます。

    図3-10 Service Busパイプラインへのマップ

    Service Busパイプラインへのマップ
マッピングが行われ、「実装マッピング」ページに最初のマッピングが展開された形で開きます。

Service Busビジネス・サービスへのマップ

InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみが実装マッピングを作成できます。

ビジネス・サービスへの実装マッピングを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 実装マッピングを作成するマイルストン内で「マッピングの作成」をクリックします。
    「実装マッピング」ページが開きます。
  2. 「データ接続」ドロップダウン・リストからService Bus接続を選択します。ドロップダウン・リストに接続が表示されない場合には、データ接続を作成する必要があります。データ接続の作成を参照してください。

    注意:

    ドロップダウン・リストには、構成された接続のみ表示できます。ドラフト状態にある(まだ構成されていない)接続は、選択肢には表示されません。
    この選択により、そのドメインにデプロイ済のすべてのプロジェクトに関する情報がロードされます。

    注意:

    サポートされているService Bus機能セット(たとえば、WSDLサービス)に準拠するプロジェクトのみがロードされ、使用可能になります。マッピングでサポートされているService Busコンストラクトがすべて記載されたリストについては、Oracle Service Busでサポートされている機能およびサポートされていない機能を参照してください。
  3. 目的のプロジェクトを展開し、必要な「ビジネス・サービス」にドリルダウンします。

    サービス・タイプには、次のものがあります。

    • WSDL: 「操作」「相互作用」の両方がポップアップ・ウィンドウに表示されます。「相互作用」に使用可能な値は、REQUESTRESPONSEおよびFAULTです。

    • メッセージ・サービス: 「相互作用」のみがポップアップ・ウィンドウにドロップダウン・リストとして表示され、リストに含まれる値はREQUESTRESPONSEです。

  4. マップするビジネス・サービスに対して「マッピングの編集」アイコンをクリックします。
  5. ポップアップ・ウィンドウに開かれたドロップダウン・リストで「操作」を選択します。
  6. ポップアップ・ウィンドウに開かれたドロップダウン・リストで「相互作用」を選択します。

    注意:

    このドロップダウン・リストが表示されるのは、「操作」の値を選択した場合のみです。

    重要:

    循環依存関係や循環参照があるアーティファクト(WSDLやXSDなど)をビジネス・サービスが参照することがありますが、このようなビジネス・サービスをマッピング・エディタ内でマップすることはできません。このようなビジネス・サービスにマップするための唯一の方法は、アーティファクトから循環参照を削除することです。
    「相互作用」の値を選択した場合、ウィンドウが非表示になり、マップの作成が通知されます。マッピングを編集している間、緑色のアイコンが表示されます。

    図3-11 Service Busビジネス・サービスへのマップ

    Service Busビジネス・サービスへのマップ
マッピングが行われ、「実装マッピング」ページに最初のマッピングが展開された形で開きます。

マイルストン・マッピングの編集

InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみが実装マッピングを編集できます。

マイルストンのマッピングを編集するには、次の手順を実行します。

  1. モデル・エディタで必要なマイルストンを展開します。
  2. 定義済のマッピングをクリックして、「実装マッピング」ページを開きます。
  3. Service Busベースのマッピング(パイプラインおよびビジネス・サービス)に対する「マッピングの編集」アイコンをクリックし、SOA BPELベースのマッピングのBPEL構造にドリルダウンします。
    既存のマッピングが開きます。
  4. 必要な変更を加えます。
    マッピングが更新されます。
  5. 「エディタに戻る」をクリックして、モデル・エディタに移動します。モデル・エディタで、マッピングにこれまで加えた変更を確認できます。

一意の識別子の定義

モデルに一意のインスタンス識別子を定義する必要があります。識別子は、他のすべてのインスタンスから一意である必要があります。

InsightBusinessUser/InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみが一意のインスタンス識別子を作成および定義できます。

モデルに一意のインスタンス識別子を定義するには、次の手順を実行します。

  1. 一意のインスタンス識別子を関連付けるマイルストンを展開します。
  2. 手順3または4を実行します。
  3. 「一意のインスタンス識別子」タイルをクリックします。

    図3-12 「一意のインスタンス識別子」タイル

    一意のインスタンス識別子
  4. インジケータの作成をクリックし、「識別子」を選択します。
    インジケータ

    注意:

    一意のインスタンス識別子は1つのみ定義できるため、初めて手順3を実行した場合、この手順の「識別子」オプションは無効になっています。
  5. 「一意のインスタンス識別子」領域で、次のものを入力します。
    1. 名前
    2. 説明
  6. 識別子をマイルストンに関連付けます。詳細は、実装へのマイルストンのマップを参照してください。
  7. 実装マッピングの抽出基準を定義します。詳細は、抽出基準の定義を参照してください。
モデルの一意の識別子が定義されます。1つの一意の識別子のみを作成できます。一意の識別子を作成すると、手順2で表示される「識別子」オプションは無効になります。識別子のマッピングを追加できます。

図3-13 定義された一意のインスタンス識別子

定義された一意のインスタンス識別子

インジケータの定義

インジケータは、アプリケーションに一意のメトリックを表します。これらのインジケータは、ビジネスのパフォーマンスを定量化したもので、ビジネスの追跡に有用なダッシュボードおよびレポートを作成するために使用します。インジケータには、ディメンションとメジャーという2つのタイプがあります。

ディメンションは、インスタンスを分類するために使用します。たとえば、ヘルプ・デスク・システムの場合、地理的な地域(たとえば、都道府県や市区町村)や顧客タイプ(たとえば、ゴールド、シルバー、ブロンズのサポート)別にヘルプ・チケットをグループ化できます。ディメンションを使用すると、ビジネス・データをスライスおよびダイスできます。

一方、メジャーは特定の各インスタンスに関連付けられた値を表します。たとえば、数値メジャーを使用して各ヘルプ・チケットに関連付けられたコストを表したり、日付メジャーを使用してチケットが発行された日付を表します。

注意:

InsightIntegrationArchitect/InsightModelCreator/InsightBusinessUser/InsightAdminロールを持つユーザーのみがインジケータを作成および定義できます。

重要:

Oracle Real-Time Integration Business Insightでは、重複するインジケータはサポートされていません。

インジケータを定義するには、次の手順を実行します。

  1. インジケータを作成するマイルストンを展開します。
  2. インジケータの作成をクリックします。
  3. インジケータのタイプとして「ディメンション」または「メジャー」のいずれかを選択します。
    ディメンションはディメンションで示され、メジャーはメジャーで示されています。
  4. 次のように入力します。
    1. 名前
    2. 説明
  5. 「フィルタ可能」ドロップダウン・リストから適切な値を選択して、インジケータがフィルタ可能かどうかを指定します。インジケータをフィルタ可能にした場合には、それがグラフに表示されます。ただし、「フィルタ可能」としてマークするインジケータの数に注意してください。フィルタ可能なインジケータが多すぎると、パフォーマンスが低下します。
  6. 実装マッピングの抽出基準を定義します。InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみが抽出基準を定義できます。
    抽出基準を定義するまで、インジケータの名前の隣に警告メッセージが表示されます。

    図3-14 抽出基準警告

    抽出基準警告
  7. 手順2から6を繰り返して、インジケータを必要な数だけ作成します。

抽出基準の定義

InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみがインジケータの抽出基準を定義できます。

インジケータの抽出基準を定義するには、次の手順を実行します。

  1. 抽出基準を定義するインジケータを展開します。
  2. マイルストンの実装マッピングが定義済であることを確認します。マッピングをまだ行っていない場合には、まずマッピングを完了しておきます。
  3. 「抽出基準」フィールドの隣にある「定義」をクリックします。
    「実装マッピング」ページが開きます。
  4. 実装マッピングごとに「抽出基準の編集」(鉛筆のアイコン)をクリックします。
    「式ビルダー」ダイアログが開きます。
  5. 「式に挿入」ボタンを使用して、フラグメント・エディタからフラグメントを挿入します。

    注意:

    抽出基準の定義に式の中で複合データ型を使用すると、識別子の値が実行時のメトリック・データに表示されなくなります。単純なデータ型を使用して、問題を回避してください。
  6. 式の定義を完了するには、「OK」をクリックします。
  7. 操作を中止するには、「取消」をクリックします。

    図3-15 式ビルダー

    式ビルダー
  8. 実装マッピングごとに手順3から7を繰り返します。
すべての実装マッピングの抽出基準が定義されます。マウスカーソルを合わせると、XPath文字列の横の情報アイコンにデータ型が表示されます。

図3-16 定義された抽出基準

定義された抽出基準

モデルのアクティブ化

これまでにマイルストン、一意の識別子、インジケータ、マッピングおよび抽出基準を定義したので、次はモデルをアクティブ化します。モデルをアクティブ化すると、モデル定義が適切なランタイム・エンジンにプッシュされ、そこでモニタリングが開始されます。

アクティブ化が完了すると、ただちにダッシュボードにアクセスして、アプリケーションをモニターできるようになります。ダッシュボード(コンソール)の操作を参照してください。InsightModelCreator/InsightIntegrationArchitect/InsightAdminロールを持つユーザーのみがモデルをアクティブ化できます。

モデルを有効化するには、次の手順を実行します。

  1. 「デザイナ」タブをクリックするか、「ホーム」ページでデザイナ・タイルをクリックします。
    「インサイト・モデル」ページが開きます。
  2. アクティブ化するモデルが100%完了し、完了する必要があるタスクがないことを確認します。
  3. 「モデル・アクション」メニューから「アクティブ化」を選択します。
    モデル・アクション
    確認のダイアログが表示されます。「続行」をクリックします。

    図3-17 アクティブ化の確認のダイアログ

    アクティブ化確認ダイアログ

    アクティブ化が進行中であるとのメッセージが表示され、進行状況がプログレス・バーで示されます。

    アクティブ化進行状況インジケータ

モデルがアクティブ化されます。

モデルのインポート

InsightModelCreator/InsightAdminロールを持つユーザーのみがモデルをインポートできます。

Oracle Real-Time Integration Business Insightアプリケーションにモデルをインポートするには、次の手順を実行します。

  1. 「インサイト・モデル」ページに移動します。
  2. 「モデルのインポート」をクリックします。
    「モデルのインポート」ダイアログが開きます。

    図3-18 「モデルのインポート」ダイアログ

    「モデルのインポート」ダイアログ
  3. 「参照」をクリックして、以前にエクスポートしたインポート対象のモデルのアーカイブを選択します。
    アーカイブしたモデルのモデル名が、画面の「モデル名」フィールドに入力されます。
  4. インポートするモデルで既存のドラフトを上書きする場合には、「任意の既存ドラフトの上書き」を選択します。
  5. 「モデルのインポート」をクリックします。
    モデルがドラフトとしてインポートされます。
  6. インポートしたモデルをアクティブ化する前に、接続を構成します。画面の最上部に表示されている確認のメッセージ内の「接続」をクリックします。

    注意:

    システム間でモデルをインポートするときには、InsightAdminロールを持つユーザーが接続を再構成する必要があります。一般に、ある環境からの接続が別の環境では無効になることがあります(たとえば、ファイアウォールの問題、異なるネットワーク・セグメント、開発環境か本番環境かの違い)。このため、モデルをインポートした場合に、同じIDの接続がまだ存在していないと、インポートしたモデルに使用されている接続のスタブのみ(名前のみ)が作成されます。続いて、インポートしたモデルをアクティブ化するには、InsightAdminロールを持つユーザーがこれらのスタブ化された接続の詳細を入力する必要があります。
    インポートおよびスキップされた接続が表示されます。「インポート」セルの下に表示される接続を構成する必要があります。「インポート」セルの下にある接続をクリックして、「管理」ページに移動します。

    図3-19 インポートした接続

    インポートした接続

    同じ内部名の接続がすでに定義されている場合には、次のメッセージが表示されます。

    図3-20 スキップした接続

    スキップした接続

その他のモデル・アクション

ライフサイクル・アクションの他に、モデルに対して実行できるその他のアクションがあります。

「モデル・アクション」メニューから次のアクションを実行できます。

モデルの隣にある「お気に入り」アイコンをクリックして、任意のモデルをお気に入りとしてマークできます。このアイコンはトグル・アイコンです。お気に入りとしてマークされたモデルが、「インサイト・モデル」ページの「お気に入り」タブの下に表示されます。

モデルは、「デザイナ」ページの「ソート基準」ドロップダウン・リストのオプションを使用して、「日付」または「名前」でソートできます。

図3-21 モデルのソート・オプション

モデルのソート・オプション