11 インスタント・メッセージおよびプレゼンスの管理

WebCenter Portalのインスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)を構成および管理します。

WebCenter Portalのバックエンドのツールとサービスを確認および構成するには、常にFusion Middleware ControlまたはWLSTコマンド行ツールを使用してください。デプロイ後にアプリケーションに加えた変更はすべて、MDSメタデータ・ストアにカスタマイズとして格納されます。

権限:

この章のタスクを実行するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールでWebLogic ServerのAdminロール、WebCenter Portal管理を使用して付与されるAdministratorロールが付与されている必要があります。

ロールと権限の詳細は、「管理操作、ロールおよびツールの理解」を参照してください。

インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続について

インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)を使用すると、認証された他のアプリケーション・ユーザーのプレゼンス・ステータス(オンライン、オフライン、ビジーまたは退席中)を確認して、インスタント・メッセージ(IM)やメールなどの対話オプションに簡単にアクセスできます。

バックエンド・プレゼンス・サーバーへの単一の接続が必要です。WebCenter PortalはMicrosoft Lync 2010に対して動作保証されています。

ノート:

Oracle Beehive Server接続は、このリリースではサポートされていません。

アプリケーションのプレゼンス・サーバー接続は、Fusion Middleware ControlコンソールまたはWLSTを使用して登録できます。IMPを機能させるには、接続をアクティブとしてマークする必要があります。追加のプレゼンス・サーバー接続を登録できますが、一度にアクティブにできる接続は1つのみです。Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して行ったインスタント・メッセージおよびプレゼンスの構成変更は動的ではないため、変更を有効にするには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの前提条件

この項では、Microsoft Lync 2010をインスタント・メッセージおよびプレゼンスのプレゼンス・サーバーとして使用するための前提条件を示します。

この項では、次の内容について説明します。

Microsoft Lync - インストール

インストールの詳細は、Microsoft Lync 2010のドキュメントを参照してください。

Microsoft Lync - 構成

Microsoft Lync 2010をIMPのプレゼンス・サーバーとして使用するには、Microsoft Lync 2010用のWebCenter PortalのProxyアプリケーションを、次のいずれかのトポロジでデプロイする必要があります。

  • シンプル・デプロイ – すべてのコンポーネントが同じボックスに存在します。

  • リモート・デプロイ – プロキシ・アプリケーションとMicrosoft Lyncが別々のボックスに存在します。

Microsoft Unified Communications Managed API v2.0 (UCMA)は、Lync環境と対話可能なサーバー・アプリケーションを上級開発者が構築できるエンドポイントAPIです。シンプル・デプロイでは、UCMAがLyncと同じボックスにインストールされます。リモート・デプロイでは、Lyncコア・ライブラリはLyncボックスにインストールされ、UCMAはIIS(プロキシ)ボックスにインストールされます。

この項には、次の項目が含まれます。

シンプル・デプロイ

単純なトポロジでは、Microsoft Unified Communications Managed API (UCMA) 2.0をLyncボックスにインストールします。このトポロジでは、Lyncボックス上にホストされているInternet Information Services (IIS)サーバーにWebCenter PortalのProxyアプリケーションをデプロイします。このプロキシ・アプリケーションは、Lyncサーバーとのやり取り、および情報の送受信のためのWebサービスを提供します。WebCenter PortalはこれらのWebサービスと通信し、データを表示します。

UCMA v2.0のインストール

Microsoft Unified Communications Managed API v2.0 (UCMA)は、Lync環境と対話可能なサーバー・アプリケーションを上級開発者が構築できるエンドポイントAPIです。

シンプル・デプロイでは、UCMAがLyncと同じボックスにインストールされます。リモート・デプロイでは、Lyncコア・ライブラリはLyncボックスにインストールされ、UCMAはIIS(プロキシ)ボックスにインストールされます。

  1. UCMA v2.0インストールを次の場所からダウンロードします。http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=9781
  2. UcmaSDKWebDownload.msiファイルをダウンロードして実行します。

    フォルダC:\Microsoft Unified Communications Managed API 2.0 SDK Installer package\amd64にファイルが抽出されます。

  3. (前のステップでファイルが抽出された)ディレクトリに移動しvcredist_x86.exeを実行します。

    UCMA APIに必要な、Visual C++ライブラリのランタイム・コンポーネントがインストールされます。

  4. ディレクトリSetupに移動し、UcmaRedist.msiを実行します。

    GACのUCMA 2.0アセンブリがインストールされます。

WebCenter PortalのProxyアプリケーションのインストール

  1. owc_ocs2007.zipを抽出します。zipファイルはWebCenter Companion Adaptersにあり、OTNからダウンロードできます。WebCenter Portalのダウンロード・ページに移動し、前提条件および推奨のインストール・プロセス・セクションからWebCenter Companion Adaptersをダウンロードします。

    OCSWebServicesという名前のディレクトリが作成されます。

  2. インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャを開きます。
  3. IISマネージャでサーバー・ノードを開き、「サイト」を開きます。
  4. Lync内部Webサイトを右クリックして、「アプリケーションの追加」を選択します。
  5. アプリケーションの追加ウィザードで、「エイリアス」フィールドに仮想ディレクトリの別名(たとえば、RTC)を入力します。
  6. owc_ocs2007.zipファイルから抽出されたディレクトリのパスを入力し、「OK」をクリックします。

    たとえば、このzipファイルを「C:\」に抽出した場合は、C:\OCSWebServicesを入力します。あるいは、「参照」ボタンを使用して、そのディレクトリにナビゲートします。「OK」をクリックします。

  7. 新しく作成したアプリケーションを右クリックし、「アクセス許可の編集」を選択して「プロパティ」ダイアログを表示します。
  8. 「セキュリティ」タブで、アクセス許可を編集してユーザー「すべてのユーザー」に読取りアクセス許可を付与します。
  9. 次のURL書式を使用してWebサイトにアクセスすることで、Webサービスをテストします。http://localhost/lync_internal_web_site/OCSWebService.asmx

    lync_internal_web_siteは、Oracle RTC Webサービス用に作成した仮想ディレクトリです。

    たとえば:

    http://localhost/RTC/OCSWebService.asmx

リモート・デプロイ

このトポロジでは、Lyncボックスに対してリモートであるIISサーバーにWebCenter PortalのProxyアプリケーションをデプロイします。つまり、IISサーバーとLyncサーバーが別々のマシン上にホストされます。

このプロキシ・アプリケーションはリモート・ボックス上にホストされるため、アプリケーションとLyncの間に信頼関係を設定する必要があります。これは、アプリケーションのプロビジョニングと呼ばれます。プロビジョニングは、Microsoft UCMA v2.0に付属のApplication Provisionerユーティリティを使用して行います。

図11-1に、様々なデプロイ・エンティティで実行されるステップ(UCMA v2.0のインストールを含む)の概要を示します。

図11-1 Microsoft Lyncの構成 - リモート・デプロイ

図11-1の説明が続きます
「図11-1 Microsoft Lyncの構成 - リモート・デプロイ」の説明

これらのステップの詳細は、次の項で説明します。

Application Provisionerの構築

この項では、Lyncにアクセスする他のIISサーバーをプロビジョニングするための、Microsoft社によるステップを示します。

  1. Visual Studio 2008を任意の開発者ボックスにインストールします(必ずしもIIS/Lyncである必要はありません)。
  2. UCMAバージョン2.0を同じボックスにインストールします。Application Provisionerアプリケーションは、UCMA SDKに付属しています。
    1. UCMA v2.0インストールを次の場所からダウンロードします。http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=9781
    2. UcmaSDKWebDownload.msiファイルをダウンロードして実行します。

      フォルダC:\Microsoft Unified Communications Managed API 2.0 SDK Installer package\amd64にファイルが抽出されます。

    3. 設定ファイルが抽出されたディレクトリに移動しvcredist_x86.exeを実行します。

      UCMA APIに必要な、Visual C++ライブラリのランタイム・コンポーネントがインストールされます。

    4. ディレクトリSetupに移動し、UcmaRedist.msiを実行します。

      GACのUCMA 2.0アセンブリがインストールされます。

  3. UCMA Coreをインストールした場所(たとえば、C:\Program Files\Microsoft Lync 2010 R2\UCMA SDK 2.0\UCMACore\Sample Applications\Collaboration\ApplicationProvisionerなど)の下にあるディレクトリSample Applications\Collaboration\ApplicationProvisionerへ移動します。
  4. Visual Studio 2008でアプリケーションを開き、http://msdn.microsoft.com/en-us/library/gg448038.aspxに従ってApplication.csファイルを編集します。
  5. Visual Studio 2008を使用してアプリケーションを構築します。

    これにより、ApplicationProvisioner.exeファイルが生成されます。

  6. この実行可能ファイルをLyncボックスにコピーします。
  7. 次の「LyncサーバーでのWebCenter PortalのProxyアプリケーションのプロビジョニング」のステップを参照してください。
LyncサーバーでのWebCenter PortalのProxyアプリケーションのプロビジョニング

  1. Lyncセットアップ・パッケージに付属のOCSWMIBC.msiファイルを実行します。

    UCMA 2.0アプリケーションをLync Server 2010に対して直接デプロイする場合は、Lync Server 2010環境で使用されているSIPドメインを、Office Communications Server 2007 R2 SIPドメイン・リストに追加してからMerge-CsLegacyTopologyコマンドレットを実行する必要があります。アプリケーションは、OCS 2007 R2に対してデプロイされている場合と同様にデプロイされ、Lync Server 2010に対して実行されるように移行されます。ドメインを追加するには、「WBemTestを使用したAllowedDomainsの追加」を参照してください。

  2. 前の項で生成されたApplicationProvisioner.exeファイルを実行します。

    「Application Provisioner」ダイアログが表示されます。

  3. 「Application Provisioner」ダイアログで、「アプリケーション名」にアプリケーション名としてWebCenterProxyApplicationと入力し、「検索または作成」をクリックします。
  4. 「アプリケーション プールを作成します。」ダイアログの「Lync Pool Fqdn」の一覧で、使用するアプリケーションのプールを選択します。
    • 「リッスンするポート」にアプリケーションのリスニング・ポートを入力します(たとえば、6001)。

    • 「アプリケーション サーバーFqdn」に、アプリケーションをデプロイするコンピュータの完全修飾ドメイン名(FQDN)を入力します。(これはIISボックスです。)

    • アプリケーションを複数のコンピュータにデプロイする場合、「負荷分散アプリケーション」チェック・ボックスを選択し、「ロード バランサーFqdn」にロード・バランサのFQDNを入力します。

    アプリケーション・プールは、「Application Provisioner」ダイアログに表示されます。

  5. サーバーのエントリをダブルクリックします。

    「サーバーの表示」ダイアログが表示されます。そこに表示される情報は、サーバーのFQDN、ポート、GRUUです。

  6. 新しく作成した信頼済みエントリをLync Server 2010に移行します。
  7. LyncサーバーでLync Certificateウィザードを使用して、前のステップで書き留めておいたサーバーFQDNをサブジェクト名として証明書を作成します。

    この証明書は、IISサーバーからの要求の認可に使用されます。

  8. 証明書が作成されたら、証明書を表示します。
  9. 「詳細」タブで、「ファイルにコピー」をクリックします。

    証明書のエクスポート・ウィザードが表示されます。

  10. 秘密キーを使用して、証明書をファイルにエクスポートします。

    証明書の名前が付いた.pfx (Personal Information Exchange)ファイルが生成されます。

  11. 次の「WBemTestを使用したAllowedDomainsの追加」のステップを参照してください。
WBemTestを使用したAllowedDomainsの追加

  1. WBemTest.exeを起動するには、コマンド・プロンプト・ウィンドウで、WBemTestと入力して[Enter]を押します。
  2. 「Windows Management Instrumentationテスト」ダイアログで、「接続」をクリックします。
  3. 「接続」ダイアログで、「接続」をクリックします。
  4. 「Windows Management Instrumentationテスト」ダイアログで、「クラスの列挙」をクリックします。
  5. 「スーパークラス情報」ダイアログで、「OK」をクリックします。
  6. 「クエリ結果」ダイアログで、「MSFT_SIPDomainData()」までスクロール・ダウンして、このエントリをダブルクリックします。
  7. 「MSFT_SIPDomainDataのオブジェクト エディタ」ダイアログで、「インスタンス」をクリックします。

    「クエリ結果」ダイアログが表示され、MSFT_SIPDomainData WMIクラスの各インスタンスのInstanceIDが表示されます。これらのエントリはAllowedDomainエントリです。

  8. AllowedDomainエントリを追加するために、「追加」をクリックします。
  9. 「MSFT_SIPDomainDataのインスタンス」ダイアログの「プロパティ」リストボックスで、「アドレス」をダブルクリックします。
  10. 「プロパティ エディタ」ダイアログで、「NULLでない」ラジオ・ボタンを選択します。
  11. 「値」テキスト入力ペインに、Lyncサーバーのドメイン(たとえば、contoso.com)を入力して、「プロパティの保存」をクリックします。
  12. 「MSFT_SIPDomainDataのインスタンス」ダイアログの「プロパティ」リストボックスで、「権限あり」をダブルクリックして、「権限あり」プロパティをNullではなくFalseに設定してから、「プロパティの保存」をクリックします。
  13. 「MSFT_SIPDomainDataのインスタンス」ダイアログの「プロパティ」リストボックスで、「既定のドメイン」をダブルクリックして、「既定のドメイン」プロパティをNullではなくTrueに設定してから、「プロパティの保存」をクリックします。
  14. 「MSFT_SIPDomainDataのインスタンス」ダイアログで、「オブジェクトの保存」をクリックします。
  15. 次の「Topology BuilderまたはPowerShellコマンドレットを使用した信頼済サービス・エントリの移行」のステップに移動します。
Topology BuilderまたはPowerShellコマンドレットを使用した信頼済サービス・エントリの移行

Microsoft Lync Server 2010 Topology Builderを使用して信頼済サービス エントリを移行するには:

  1. Microsoft Lync Server 2010のトポロジ ビルダーを起動します。

  2. 既存のトポロジが読み込まれたら、「アクション」で「2007 トポロジのマージ」または「2007 R2 トポロジのマージ」を選択します。

  3. その結果として起動されるウィザードで、デフォルトのオプションをそのまま使用して最後まで進みます。

  4. 「トポロジの公開」を選択し、前のステップと同じようにウィザードを完了します。

  5. ウィザードが終了したら、正常に実行が完了したことを確認します。

    ユーザー・インタフェースにエラーが表示されていないことを確認してください。

Microsoft Lync Server 2010 PowerShellコマンドレットを使用して信頼済サービス エントリを移行するには:

  1. 「スタート」メニューから「Microsoft Lync Server 2010」プログラム・グループにある「Lync Server管理シェル」を実行します。
  2. 次のPowerShellコマンドレットを実行します。
    Merge-CsLegacyTopology -TopologyXmlFileName D:\output.xml
    
  3. 次のPowerShellコマンドレットを実行します。
    Publish-CsTopology -FileName D:\output.xml

「IISサーバーの構成」を参照してください。

IISサーバーの構成

リモート・デプロイのシナリオでは、IISサーバーはWebCenter PortalのProxyアプリケーションをホストするため、前の項の情報を使用して、IISを信頼された認証局にしてください。

  1. 秘密キーを使用してLyncサーバーによって発行された証明書をインストールします。「LyncサーバーでのWebCenter PortalのProxyアプリケーションのプロビジョニング」で生成した.pfxファイルをIISボックスにコピーし、それをダブルクリックします。

    証明書のインポート・ウィザードが表示されます。

  2. LOCAL_MACHINEの下の個人用フォルダに証明書をインポートします。
  3. C:/WINDOWS/system32/drivers/etc/hostsにLyncサーバーのプール名のエントリを次の形式で作成します。
    <ip-address-of-lync-box> <poolname-of-lync-box>
    

    たとえば:

    10.177.252.146 pool01.example.com
    
  4. IISサーバーはWebCenter PortalのProxyアプリケーションをホストするため、IISサーバーにMicrosoft UCMA v2.0をインストールします。
    1. UCMA v2.0インストールを次の場所からダウンロードします。http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=9781
    2. UcmaSDKWebDownload.msiファイルをダウンロードして実行します。

      フォルダC:\Microsoft Unified Communications Managed API 2.0 SDK Installer package\amd64にファイルが抽出されます。

    3. 設定ファイルが抽出されたディレクトリに移動しvcredist_x86.exeを実行します。

      UCMA APIに必要な、Visual C++ライブラリのランタイム・コンポーネントがインストールされます。

    4. ディレクトリSetupに移動し、UcmaRedist.msiを実行します。

      GACのUCMA 2.0アセンブリがインストールされます。

  5. UCMAをインストールしたら、このプロキシ・アプリケーションをIISサーバー上にデプロイします。

    WebCenter PortalのProxyアプリケーションは、Lyncとのやり取り、および情報の送受信のためのWebサービスを提供します。WebCenter PortalはこれらのWebサービスと通信し、データを表示します。詳細は、「WebCenter PortalのProxyアプリケーションのインストール」を参照してください。

  6. WebCenter PortalのProxyアプリケーションが抽出された場所に移動して、Web.configを開き、appSettings XMLノードを編集して、前の項(第12.2.2.2.5項「IISサーバーの構成」)のステップ7で書き留めておいた値を追加します。

    RemoteDeploymentの値は、必ずtrueに設定します。たとえば、appsettings XMLノードは次のように表示されます。

    <appSettings>
      <add key="ApplicationName" value="WebCenterProxyApplication"/>
      <add key="RemoteDeployment" value="true"/>
      <add key="ApplicationFQDN" value="iis.server.com"/>
      <add key="ApplicationGRUU" value="sip:iis.server.com@EXAMPLE.COM;gruu;opaque=srvr:WebCenterProxyApplication:7mhSo94PlUK-5Q2bKPLyMAAA"/>
      <add key="ApplicationPort" value="6001"/>
    </appSettings> 

ノート:

ログ・ファイルに次のような例外が記録されている場合は、

ErrorCode = -2146893039
FailureReason = NoAuthenticatingAuthority
e.Message = "Unable to perform authentication of credentials."
base {Microsoft.Rtc.Signaling.FailureResponseException} = {"Unable to perform authentication of credentials."}
InnerException = {"NegotiateSecurityAssociation failed, error: \-2146893039"}

Web.configに次のエントリを追加してください。

<identity impersonate="true" userName="Administrator" password="MyPassword*"/>

usernameは管理者のユーザー名、passwordは管理者のパスワードです。

信頼関係が確立され、WebCenter PortalのProxyアプリケーションがLyncと対話できるようになりました。

Microsoft Lync - セキュリティに関する考慮事項

ユーザーが資格証明を提供してLyncサーバーに対して自分を認証できるように、Microsoft Lync接続用の外部アプリケーションを構成する必要があります。

保護されたアプリケーションでは、ユーザーがプレゼンス・ステータスを取得できます。Lyncでは、セキュリティが必要な場合、信頼できるプライベート・ネットワーク上にLyncが存在する必要があります。

Lyncには、外部資格情報を変更するためのオプションが用意されています。これは、外部アプリケーションを使用するかわりになります。ログインしたユーザーは、「プレゼンス」タグをクリックし、メニューから「資格情報の変更」を選択できます。

詳細は、「Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの登録」を参照してください。

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの登録

WebCenter Portalには複数のプレゼンス・サーバー接続を登録できますが、同時にアクティブにできる接続はそのうち1つのみです。

新しい(アクティブな)プレゼンス・サーバーの使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

この項では、次の内容について説明します。

Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの登録

プレゼンス・サーバー接続を登録するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。
  2. 「WebCenter Portal」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。
  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「インスタント・メッセージおよびプレゼンス」を選択します。
  4. 新しいプレゼンス・サーバーに接続するには、「追加」をクリックします。

    図11-2 インスタント・メッセージおよびプレゼンスの構成

    図11-2の説明が続きます
    「図11-2 インスタント・メッセージおよびプレゼンスの構成」の説明
  5. この接続の一意の名前を入力し、プレゼンス・サーバー・タイプを指定して、この接続をアプリケーションのアクティブな(またはデフォルトの)接続にするかどうかを指定します。

    表11-1 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続 - 名前

    フィールド 説明

    接続名

    接続の一意の名前を入力します。この名前は、WebCenter Portalのすべての接続タイプ間で一意である必要があります。

    接続タイプ

    プレゼンス・サーバーのタイプを指定します。

    ノート: Microsoft Lync接続は、Microsoft Office Communications Server 2010接続タイプを使用します。(Oracle Beehive Server接続は、このリリースではサポートされていません。)

    アクティブな接続

    これを選択すると、この接続がWebCenter Portalでインスタント・メッセージおよびプレゼンスに使用されます。

    1つのアプリケーションに対して複数のプレゼンス・サーバー接続を登録できますが、IMPで使用される接続はデフォルトの(またはアクティブな)接続1つのみです。

  6. インスタント・メッセージおよびプレゼンスをホストするサーバーの接続の詳細を入力します。

    表11-2 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続 - 接続の詳細

    フィールド 説明

    サーバーURL

    インスタント・メッセージおよびプレゼンスをホストするサーバーのURLを入力します。

    たとえば: http://mylynchost.com:8888

    ユーザー・ドメイン

    この接続に関連付ける(Microsoft Office Communications Serverの) Active Directoryドメインの名前を入力します。Lync接続の場合はユーザー・ドメインが必須です。

    ユーザー・ドメインの詳細は、Microsoft社のドキュメントを参照してください。

    プール名

    この接続に関連付けられているプールの名前を入力します。このプール名は必須です。

    プール名の詳細は、Microsoft社のドキュメントを参照してください。

    関連付けられている外部アプリケーション

    インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーを外部アプリケーションと関連付けます。外部アプリケーションの資格証明情報が、ユーザーをインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーに対して認証するために使用されます。

    外部アプリケーションは必須です。

    リストから既存の外部アプリケーションを選択することも、「新規作成」をクリックして新規の外部アプリケーションを構成することもできます。

    インスタント・メッセージおよびプレゼンス用に構成する外部アプリケーションでは、POST認証方式を使用する必要があります。また、Display to Userに構成(選択)されたAccountという追加のフィールド(名前プロパティ)も指定する必要があります。

  7. 「拡張構成」フィールドにタイムアウトを入力します。

    表11-3 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続 - 拡張構成

    フィールド 説明

    接続タイムアウト(秒)

    接続の適切なタイムアウトを指定します。

    これは、WebCenter Portalが接続タイムアウト・メッセージを発行するまでにプレゼンス・サーバーからのレスポンスを待機する時間(秒)です。

    デフォルトは-1です。これは、デフォルトが使用されることを示します。デフォルトは10秒です。

  8. プレゼンス・サーバーに接続するためには追加のパラメータが必要になる場合があります。

    プレゼンス・サーバーへの接続に追加のパラメータが必要な場合は、「追加プロパティ」を開き、必要な詳細を入力します。

    表11-4 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続 - 追加プロパティ

    フィールド 説明

    追加

    「追加」をクリックして、追加の接続パラメータを指定します。

    • プロパティ名: 接続プロパティの名前を入力します。

    • プロパティ値 - プロパティのデフォルト値を入力します。

    • プロパティはセキュアか - 暗号化が必要かどうかを指定します。選択した場合、プロパティの値は、暗号化を使用してセキュアに格納されます。

      たとえば、この値が実際のパスワードである場合、admin.passwordプロパティを保護するためにこのオプションを選択します。

    削除

    「削除」をクリックして、選択したプロパティを削除します。

    「削除」をクリックする前に、正しい行を選択します。

    ノート: 「OK」をクリックするまで、削除された行は無効として表示されます。

  9. 「OK」をクリックして、この接続を保存します。
  10. 新しい(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの登録

WLSTコマンドのcreateIMPConnectionを使用して、プレゼンス・サーバーの接続を作成します。コマンドの構文と例は、『WebCenter WLSTコマンド・リファレンス』createIMPConnectionに関する項を参照してください。

新規のIMP接続をアクティブに使用するようにインスタント・メッセージおよびプレゼンスを構成するには、default=trueを設定します。詳細は、「WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス用のアクティブな接続の選択」を参照してください。

ノート:

新しい(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

インスタント・メッセージおよびプレゼンス用のアクティブな接続の選択

WebCenter Portalには複数のインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー接続を登録できますが、一度にアクティブにできる接続は1つのみです。アクティブな接続WebCenter Portalのバックエンド・プレゼンス・サーバーになります。

この項では、次の内容について説明します。

Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス用のアクティブな接続の選択

アクティブな接続を変更するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。
  2. 「WebCenter Portal」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。
  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「インスタント・メッセージおよびプレゼンス」を選択します。

    「インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の管理」表に、現在のアクティブな接続(ある場合)が示されます。

  4. アクティブな(またはデフォルトの)接続にする接続を選択し、「編集」をクリックします。
  5. 「アクティブな接続」チェック・ボックスを選択します。
  6. 「OK」をクリックして、接続を更新します。
  7. 新しい(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動します。

WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス用のアクティブな接続の選択

WLSTコマンドのsetIMPConnectiondefault=trueで使用して、既存のプレゼンス・サーバー接続をアクティブ化します。コマンドの構文と例は、『WebCenter WLSTコマンド・リファレンス』setIMPConnectionに関する項を参照してください。

プレゼンス・サーバー接続を無効化するには、その接続を削除するか、別の接続を「アクティブな接続」にするか、removeIMPServicePropertyコマンドを使用します。

removeIMPServiceProperty('appName='webcenter', property='selected.connection')

このコマンドを使用すると、接続の詳細は保持されますが、この接続はアクティブな接続として示されなくなります。詳細は、『WebCenter WLSTコマンド・リファレンス』removeIMPServicePropertyに関する項を参照してください。

ノート:

このアクティブな接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の詳細の変更

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー接続の詳細はいつでも変更できます。

更新された(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

この項では、次の内容について説明します。

Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の詳細の変更

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの接続の詳細を更新するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。
  2. 「WebCenter Portal」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。
  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「インスタント・メッセージおよびプレゼンス」を選択します。
  4. 接続名を選択し、「編集」をクリックします。
  5. 必要に応じて接続の詳細を編集します。

    パラメータの詳細は、表11-2を参照してください。

  6. OK」をクリックして、変更を保存します。
  7. 更新された(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の詳細の変更

WLSTコマンドのsetIMPConnectionを使用して、プレゼンス・サーバー接続の詳細を編集します。コマンドの構文と例は、『WebCenter WLSTコマンド・リファレンス』setIMPConnectionに関する項を参照してください。

プレゼンス・サーバーへの接続に追加のパラメータが必要な場合は、setIMPConnectionPropertyコマンドを使用します。詳細は、『WebCenter WLSTコマンド・リファレンス』setIMPConnectionPropertyに関する項を参照してください。

ノート:

更新された(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の削除

インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続はいつでも削除できますが、アクティブな接続を削除する際には注意が必要です。ユーザー・プレゼンス・オプションはバックエンド・インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーを必要とするため、アクティブな接続を削除すると、ユーザー・プレゼンス・オプションは使用できなくなります。

接続を削除するとき、インスタント・メッセージおよびプレゼンスに関連付けられている外部アプリケーションの目的がこの接続をサポートすることのみであれば、その外部アプリケーションを削除することを考慮してください。詳細は、「外部アプリケーション接続の削除」を参照してください。

この項では、次の内容について説明します。

Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の削除

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー接続を削除するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。
  2. 「WebCenter Portal」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。
  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「インスタント・メッセージおよびプレゼンス」を選択します。
  4. 接続名を選択し、「削除」をクリックします。
  5. WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動します。

    ノート:

    管理対象サーバーを再起動する前に、別の接続をアクティブとしてマークしてください。そうしないと、インスタント・メッセージおよびプレゼンスが無効になります。

WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の削除

WLSTコマンドのdeleteConnectionを使用して、プレゼンス・サーバーの接続を削除します。コマンドの構文と例は、『WebCenter WLSTコマンド・リファレンス』deleteConnectionに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

インスタント・メッセージおよびプレゼンスのデフォルトの設定

WLSTコマンドのsetIMPServicePropertyを使用して、IMPのデフォルトを設定します。

  • selected.connection: インスタント・メッセージおよびプレゼンスで使用する接続。

  • rtc.cache.time: インスタント・メッセージおよびプレゼンス・データのキャッシュ・タイムアウト。

  • resolve.display.name.from.user.profile: ユーザー表示名がない場合に表示する内容を設定します。0に設定すると、表示名の情報がない場合には、ユーザー名のみがアプリケーションに表示されます。1に設定しており、表示名情報が利用不可能な場合、表示名がユーザー・プロファイル・データから読み込まれます。このオプションを1に設定すると、パフォーマンスに影響します。デフォルト設定は0です。

    表示名は、プレゼンス・データでは必須でありません。アプリケーションが表示名をデフォルトで提供しないことがあり、この情報が重要と思われる場合は、resolve.display.name.from.user.profile1に設定することで、表示名を常に表示できます。

  • im.address.resolver.class: ユーザー名からIMアドレスおよびIMアドレスからユーザー名へのマッピングに使用するリゾルバ実装。デフォルト設定は、oracle.webcenter.collab.rtc.IMPAddressResolverImplです。この実装は、次の場所と順序でIMアドレスを検索します。

    • ユーザー・プリファレンス

    • ユーザー資格証明

    • ユーザー・プロファイル

  • im.address.profile.attribute: ユーザーのIMアドレスを特定するために使用するユーザー・プロファイル属性。デフォルト設定は、BUSINESS_EMAILです。im.address.profile.attributeでこのデフォルトを変更できます。

コマンドの構文と詳細な例は、『WebCenter WLSTコマンド・リファレンス』setIMPServicePropertyに関する項を参照してください。

インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続のテスト

Oracle RTC Webサービスでは、呼び出して妥当性をテストできる一連のWebメソッドを公開しています。接続を検証するには、Webサービスのエンドポイントにアクセスしてみます。次の例は、アプリケーション・コンテキスト・パスを/RTCと仮定しています。

  • protocol://host/RTC/ApplicationConfigurationService.asmx

  • protocol://host/RTC/RTCService.asmx

  • protocol://host/RTC/OCSWebService.asmx