19 Oracle Trace File Analyzerの管理および構成
この項では、Oracle Trace File Analyzerデーモン、診断収集、および収集リポジトリの管理について説明します。
- Oracle Trace File Analyzerのステータスおよび構成の問合せ
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コマンドを使用して、ステータスや構成を問い合せます。 - Oracle Trace File Analyzerデーモンの管理
Oracle Trace File Analyzerは、UNIXシステムの場合はinit
、Linuxの場合はinit/upstart/systemd
によって実行され、Microsoft Windowsの場合はWindowsサービスとして実行されます。これにより、ノードが起動されると、Oracle Trace File Analyzerが自動的に起動されます。 - リポジトリの管理
Oracle Trace File Analyzerは、すべての診断収集をリポジトリに格納します。 - 収集の管理
Oracle Trace File Analyzerで構成されたディレクトリと診断収集を管理します。 - ホストの構成
Oracle Trace File Analyzer構成にホストを追加するには、tfactl
に対するroot
アクセスまたはsudo
アクセスが必要です。 - ポートの構成
クラスタ内のOracle Trace File Analyzerデーモンは、ポート5000から5005を介して安全に通信します。 - SSLおよびSSL証明書の構成
SSL/TLSプロトコルを表示および制限します。自己署名証明書またはCA署名証明書を使用するようにOracle Trace File Analyzerを構成します。 - 電子メール通知の詳細の構成
自動収集の完了後に、登録された電子メール・アドレスに電子メールを送信するように、Oracle Trace File Analyzerを構成します。
親トピック: 診断データの収集と問題の分類、診断および解決
19.1 Oracle Trace File Analyzerのステータスおよび構成の問合せ
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コマンドを使用して、ステータスまたは構成を問い合せます。
表19-1 構成のリストおよび説明
構成のリスト | デフォルト値 | 説明 |
---|---|---|
自動診断収集 |
ON |
重大な問題の発生時に収集をトリガーします。 使用可能な値:
|
診断収集中のファイルの切捨て |
ON |
収集の時間範囲内のエントリのみを含むように、ログ・ファイルを切り捨てます。 使用可能な値:
|
リポジトリの最大サイズ(MB) |
10GBまたはファイル・システム内の空き領域の50%のいずれか小さい方。 |
リポジトリに指定可能な最大サイズ。 |
トレース・レベル |
1 |
詳細度を高めます。 使用可能な値:
値が1の場合、トレースの量が最小になります。値が4の場合、トレースの量が最大になります。 Oracleサポートから要請があった場合にのみトレース・レベルの値を変更してください。 |
自動消去 |
ON |
次の場合に収集を消去します。 リポジトリの空き領域が1GB未満の場合。 または リポジトリを閉じる前。 消去では、最大サイズから最小サイズの順番で収集を削除します。リポジトリを開くために十分な領域がないかぎり、消去を続行します。 |
収集が消去されるまでの最小期間(時間) |
12 |
収集が消去対象になった後に、収集を保持する最小時間数。 |
アラート・ログのスキャンを有効にする最小空き領域 |
500 |
|
例19-1 出力の構成
$ tfactl print config
.------------------------------------------------------------------------.
| node1 |
+-----------------------------------------------------------+------------+
| Configuration Parameter | Value |
+-----------------------------------------------------------+------------+
| TFA Version |12.2.1.0.0 |
| Java Version | 1.8 |
| Public IP Network | true |
| Automatic Diagnostic Collection | true |
| Alert Log Scan | true |
| Disk Usage Monitor | true |
| Managelogs Auto Purge | false |
| Trimming of files during diagcollection | true |
| Inventory Trace level | 1 |
| Collection Trace level | 1 |
| Scan Trace level | 1 |
| Other Trace level | 1 |
| Repository current size (MB) | 447 |
| Repository maximum size (MB) | 10240 |
| Max Size of TFA Log (MB) | 50 |
| Max Number of TFA Logs | 10 |
| Max Size of Core File (MB) | 20 |
| Max Collection Size of Core Files (MB) | 200 |
| Minimum Free Space to enable Alert Log Scan (MB) | 500 |
| Time interval between consecutive Disk Usage Snapshot(minutes) | 60 |
| Time interval between consecutive Managelogs Auto Purge(minutes)| 60 |
| Logs older than the time period will be auto purged(days[d]|hours[h])|30d|
| Automatic Purging | true |
| Age of Purging Collections (Hours) | 12 |
| TFA IPS Pool Size | 5 |
'-----------------------------------------------------------+------------'
関連項目
19.2 Oracle Trace File Analyzerデーモンの管理
Oracle Trace File Analyzerは、UNIXシステムの場合はinit
、Linuxの場合はinit/upstart/systemd
によって実行され、Microsoft Windowsの場合はWindowsサービスとして実行されます。これにより、ノードが起動されると、Oracle Trace File Analyzerが自動的に起動されます。
Oracle Trace File Analyzerデーモンを管理するには:
init
制御ファイル/etc/init.d/init.tfa
は、プラットフォームに依存します。
19.3 リポジトリの管理
Oracle Trace File Analyzerは、すべての診断収集をリポジトリに格納します。
リポジトリ・サイズは、収集を格納するためにOracle Trace File Analyzerがディスク上で使用できる最大領域です。
19.3.1 リポジトリの自動消去
次の場合、Oracle Trace File Analyzerによってリポジトリが閉じられます。
-
TFA_HOME
の空き領域が100 MB未満の場合(さらに索引付けも停止します) -
ORACLE_BASE
の空き領域が100 MB未満の場合(さらに索引付けも停止します) -
リポジトリの空き領域が1 GB未満の場合
-
リポジトリの現在のサイズがリポジトリの最大サイズ(
reposizeMB
)を超えている場合
Oracle Trace File Analyzerデーモンによってリポジトリが監視されて、空き領域が1 GBを下回ったとき、またはリポジトリを閉じる前に、リポジトリが自動的に消去されます。リポジトリを開くために十分な領域が確保されるまで、消去によって収集がサイズの大きい順に削除されます。
Oracle Trace File Analyzerにより、minagetopurge
よりも古い収集のみが自動的に消去されます。デフォルトでは、minagetopurge
は12時間です。
自動的にリポジトリを消去するには:
関連項目
親トピック: リポジトリの管理
19.4 収集の管理
Oracle Trace File Analyzerで構成されたディレクトリと診断収集を管理します。
19.4.1 ディレクトリの指定
Oracle Trace File Analyzerの構成にディレクトリを追加して、診断収集にそのディレクトリを含めます。
これにより、次に関する診断収集のメタデータが格納されます。
-
ディレクトリ
-
サブディレクトリ
-
ディレクトリおよびすべてのサブディレクトリのファイル
すべてのOracle Trace File Analyzerユーザーは、読取りアクセス権を持つディレクトリを追加できます。
ディレクトリを管理するには:
親トピック: 収集の管理
19.4.2 収集のサイズの管理
Oracle Trace File Analyzerの構成オプションtrimfiles
、maxcorefilesize
、maxcorecollectionsize
、およびdiagcollect
-nocores
を使用して、収集のサイズを縮小します。
収集のサイズを管理するには:
親トピック: 収集の管理
19.5 ホストの構成
Oracle Trace File Analyzerの構成にホストを追加するには、tfactl
に対するroot
アクセスまたはsudo
アクセスが必要です。
SSL証明書を追加、削除および置換するには:
19.6 ポートの構成
クラスタ内のOracle Trace File Analyzerデーモンは、ポート5000から5005を介して安全に通信します。
ご使用のシステムでポート範囲を使用できない場合は、システム上で使用可能なポートに置き換えます。
ポートを変更するには:
19.7 SSLおよびSSL証明書の構成
SSL/TLSプロトコルを表示および制限します。自己署名証明書またはCA署名証明書を使用するようにOracle Trace File Analyzerを構成します。
- SSL/TLSプロトコルの構成
クラスタ内のOracle Trace File Analyzerデーモンは、SSL/TLSプロトコルを使用して安全に通信します。 - 自己署名証明書の構成
Java keytool
を使用して、自己署名SSL証明書を個人の自己署名証明書に置き換えます。 - CA署名証明書の構成
Java keytool
とopenssl
を使用して、自己署名SSL証明書を認証局(CA)署名証明書に置き換えます。 - SSL暗号スイートの構成
暗号スイートは、キーを作成してデータを暗号化するためにTLS/SSLプロトコルで使用される暗号化アルゴリズムのセットです。
19.7.1 SSL/TLSプロトコルの構成
クラスタ内のOracle Trace File Analyzerデーモンは、SSL/TLSプロトコルを使用して安全に通信します。
Oracle Trace File Analyzerで使用できるSSLプロトコルは、次のとおりです。
-
TLSv1.2
-
TLCv1.1
-
TLSv1
Oracle Trace File Analyzerでは、古いプロトコルであるSSLv3
およびSSLv2Hello
の使用が常に制限されます。
プロトコルを表示および制限するには:
親トピック: SSLおよびSSL証明書の構成
19.7.2 自己署名証明書の構成
Java keytool
を使用して、自己署名SSL証明書を個人の自己署名証明書に置き換えます。
自己署名証明書を使用するようにOracle Trace File Analyzerを構成するには:
親トピック: SSLおよびSSL証明書の構成
19.7.3 CA署名証明書の構成
Java keytool
とopenssl
を使用して、自己署名SSL証明書を認証局(CA)署名証明書に置き換えます。
CA署名証明書を使用するようにOracle Trace File Analyzerを構成するには:
親トピック: SSLおよびSSL証明書の構成
19.7.4 SSL暗号スイートの構成
暗号スイートは、キーを作成してデータを暗号化するためにTLS/SSLプロトコルで使用される暗号化アルゴリズムのセットです。
Oracle Trace File Analyzerは、JRE 1.8で使用されるすべての暗号スイートをサポートします。
デフォルトで使用される暗号スイートは、TLS_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256
です。
親トピック: SSLおよびSSL証明書の構成
19.8 電子メール通知の詳細の構成
自動収集の完了後に、登録されている電子メール・アドレスに電子メールを送信するようにOracle Trace File Analyzerを構成します。
電子メール通知の詳細を構成するには:
例19-2 tfactl set smtp
# /u01/app/11.2.0.4/grid/bin/tfactl set smtp
.---------------------------.
| SMTP Server Configuration |
+---------------+-----------+
| Parameter | Value |
+---------------+-----------+
| smtp.auth | false |
| smtp.from | tfa |
| smtp.user | - |
| smtp.cc | - |
| smtp.port | 25 |
| smtp.bcc | - |
| smtp.password | ******* |
| smtp.host | localhost |
| smtp.to | - |
| smtp.debug | true |
| smtp.ssl | true |
'---------------+-----------'
Enter the SMTP property you want to update : smtp.host
Enter value for smtp.host : myhost.domain.com
SMTP Property smtp.host updated with myhost.domain.com
Do you want to continue ? [Y]|N : N
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