8 Oracle Connection Managerのパラメータ
この章では、cman.ora
ファイルの構成パラメータの完全なリストを提供します。
- Oracle Connection Manager構成ファイルの概要
Oracle Connection Managerの構成情報は、cman.ora
ファイルに格納されます。 - Oracle Connection Managerのパラメータ
この項では、次のcman.ora
ファイル・パラメータをリストして説明します。 - Traffic DirectorモードでのOracle Connection Managerのパラメータ
- Oracle Connection ManagerのADR診断パラメータ
クリティカル・エラーの診断データは、Oracle Connection ManagerのADRに迅速に取得され格納されます。 - Oracle Connection ManagerのADR以外の診断パラメータ
この項では、ADRが無効になっている場合に使用されるパラメータをリストします。
8.1 Oracle Connection Manager構成ファイルの概要
Oracle Connection Managerの構成情報は、cman.ora
ファイルに格納されます。
Oracle Connection Manager構成ファイル
Oracle Connection Managerの構成情報は、次の要素で構成されています。
-
Oracle Connection Managerのリスナーのプロトコル・アドレス
-
アクセス制御パラメータ
-
パフォーマンス・パラメータ
cman.ora
ファイルのデフォルトの位置はORACLE_HOME/network/admin
ディレクトリです。cman.ora
ファイルは次の場所に保存される場合もあります。
-
環境変数
TNS_ADMIN
またはレジストリ値で指定されたディレクトリ。 -
LinuxおよびUNIXオペレーティング・システムの場合は、グローバル構成ディレクトリ。たとえば、Oracle Solarisオペレーティング・システムの場合、このディレクトリは
/var/opt/oracle
です。
例8-1 cman.oraファイルのサンプル
CMAN=
(CONFIGURATION=
(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=proxysvr)(PORT=1521))
(RULE_LIST=
(RULE=(SRC=192.0.2.32/27)(DST=sales-server)(SRV=*)(ACT=accept))
(ACTION_LIST=(AUT=on)(MCT=120)(MIT=30)))
(RULE=(SRC=foo)(DST=hr-server)(SRV=cmon)(ACT=accept)))
(PARAMETER_LIST=
(MAX_GATEWAY_PROCESSES=8)
(MIN_GATEWAY_PRCESSSES=3)
(DIAG_ADR_ENABLED=ON)
(ADR_BASE=/oracle/log)))
cman.oraファイルのセクション
-
リスニング・アドレス:
ADDRESS=
で始まり、リスナーに関する情報が含まれます。ADDRESS
パラメータは必須です。 -
ルール・リスト:
RULE_LIST=
で始まり、ルール情報が含まれます。RULE
パラメータは、このファイルのルール・リスト・セクションにリストされます。RULE
パラメータは必須です。 -
パラメータ・リスト:
PARAMETER_LIST=
で始まり、 「Oracle Connection ManagerのADR診断パラメータ」および 「Oracle Connection ManagerのADR以外の診断パラメータ」にリストされているパラメータなど、その他すべてのパラメータが含まれます。cman.ora
ファイルのパラメータ・リスト・セクションには、次のパラメータを含めることができます。デフォルト値は太字で記載されています。パラメータのデフォルト設定を上書きするには、パラメータとそのパラメータのデフォルト以外の値を入力します。ASO_AUTHENTICATION_FILTER={
off
| on}
CONNECTION_STATISTICS={
no
| yes}
EVENT_GROUP={init_and_term | memory_ops | conn_hdlg | proc_mgmt | reg_and_load | wake_up | timer | cmd_proc | relay}
IDLE_TIMEOUT=
0
以上INBOUND_CONNECT_TIMEOUT=0
以上。デフォルト値は60です。LOG_DIRECTORY=
log_directory
デフォルト値は、ORACLE_HOME/network/log
です。LOG_LEVEL={off | user | admin |
support
}
MAX_CMCTL_SESSIONS=
任意の正数。デフォルト値は4です。MAX_CONNECTIONS=
1から1024の値。デフォルト値は256です。MAX_GATEWAY_PROCESSES=
最小ゲートウェイ・プロセス数より大きい任意の数(最大64)。デフォルト値は16です。MIN_GATEWAY_PROCESSES=
64以下の任意の正数。最大ゲートウェイ・プロセス数以下であることが必要。デフォルト値は2です。OUTBOUND_CONNECT_TIMEOUT=
0
以上PASSWORD_
instance_name
=
暗号化されたインスタンスのパスワードの値(設定されている場合)。デフォルトの値はありません。SESSION_TIMEOUT=
0
以上TRACE_DIRECTORY=
trace_directory
デフォルト値は、ORACLE_HOME/network/trace
です。TRACE_FILELEN=
任意の正数。デフォルト値は0(ゼロ)です。TRACE_FILENO=
任意の正数。デフォルト値は0(ゼロ)です。TRACE_LEVEL={
off
| user | admin | support}
TRACE_TIMESTAMP={
off
| on}
ノート:
パラメータ
PASSWORD_
instance_name
をcman.ora
に直接追加できません。パラメータは、SAVE_PASSWD
コマンドを使用して追加されます。
(PARAMETER_LIST=
(ASO_AUTHENTICATION_FILTER=ON)
(CONNECTION_STATISTICS=NO)
(EVENT_GROUP=INIT_AND_TERM,MEMORY_OPS,PROCESS_MGMT)
(IDLE_TIMEOUT=30)
(INBOUND_CONNECT_TIMEOUT=30)
(LOG_DIRECTORY=/home/user/network/admin/log)
(LOG_LEVEL=SUPPORT)
(MAX_CMCTL_SESSIONS=6)
(MAX_CONNECTIONS=512)
(MAX_GATEWAY_PROCESSES=10)
(MIN_GATEWAY_PROCESSES=4)
(OUTBOUND_CONNECT_TIMEOUT=30)
(SESSION_TIMEOUT=60)
(TRACE_DIRECTORY=/home/user/network/admin/trace)
(TRACE_FILELEN=100)
(TRACE_FILENO=2)
(TRACE_LEVEL=SUPPORT)
(TRACE_TIMESTAMP=ON)
(VALID_NODE_CHECKING_REGISTRATION=ON)
(REGISTRATION_EXCLUDED_NODES = 10.1.26.*)
(REGISTRATION_INVITED_NODES = 10.1.35.*)
)
8.2 Oracle Connection Managerのパラメータ
この項では、次のcman.ora
ファイルのパラメータをリストして説明します。
- ADDRESS
ADDRESS
ネットワーク・パラメータは、Oracle Connection Managerのプロトコル・アドレスを指定します。 - ASO_AUTHENTICATION_FILTER
Oracle Connection Managerのネットワーク・パラメータです。これは、Oracle Connection Managerに、Secure Network Services(SNS)の接続リクエストを確認するように指示します。 - COMPRESSION
- COMPRESSION_LEVELS
cman.ora
ファイルのCOMPRESSION_LEVELS
ネットワーク・パラメータは、CPU使用率と圧縮率を指定します。 - COMPRESSION_THRESHOLD
- CONNECTION_STATISTICS
cman.ora
ファイルのCONNECTION_STATISTICS
ネットワーク・パラメータは、SHOW_CONNECTIONS
コマンドで接続統計を表示するかどうかを指定します。 - EVENT_GROUP
cman.ora
ファイルのEVENT_GROUP
ネットワーク・パラメータは、ログ記録するイベント・グループを指定します。 - EXPIRE_TIME
cman.ora
ファイルのEXPIRE_TIME
ネットワーク・パラメータは、クライアント/ゲートウェイ接続がアクティブであることを検証するチェックを送信する時間間隔(分単位)を指定します。 - IDLE_TIMEOUT
- INBOUND_CONNECT_TIMEOUT
- LOG_DIRECTORY
- LOG_FILE_NUM
cman.ora
ファイルのLOG_FILE_NUM
ネットワーク・パラメータは、ログ・ファイル・セグメントの数を指定します。 - LOG_FILE_SIZE
cman.ora
ファイルのLOG_FILE_SIZE
ネットワーク・パラメータは、各ログ・ファイル・セグメントのサイズを指定します。 - LOG_LEVEL
- MAX_ALL_CONNECTIONS
- MAX_CMCTL_SESSIONS
- MAX_CONNECTIONS
- MAX_GATEWAY_PROCESSES
- MAX_REG_CONNECTIONS
- MIN_GATEWAY_PROCESSES
- OUTBOUND_CONNECT_TIMEOUT
- PASSWORD_instance_name
- REGISTRATION_EXCLUDED_NODES
Oracle Connection Managerのパラメータ・ファイル(cman.ora
) REGISTRATION_EXCLUDED_NODESは、リスナーに登録できないノードのリストを指定します。 - REGISTRATION_INVITED_NODES
Oracle Connection Managerのパラメータ・ファイル(cman.ora
)REGISTRATION_EXCLUDED_NODES
は、リスナーに登録できるノードのリストを指定します。 - RULE
- SDU
- SERVICE_RATE
cman.oraファイルのSERVICE_RATEパラメータは、1つのインスタンスについてサービスごとに許可される着信接続率を指定します。 - SESSION_TIMEOUT
- SSL_CIPHER_SUITES
SSL_CIPHER_SUITES
パラメータは、Transport Layer Security (TLS)で使用される認証、暗号化およびデータ整合性アルゴリズムの組合せを制御するために使用します。 - SSL_CLIENT_AUTHENTICATION
SSL_CLIENT_AUTHENTICATION
パラメータは、クライアントがTransport Layer Security (TLS)を使用して認証されるかどうかを指定するために使用します。 - SSL_VERSION
SSL_VERSION
パラメータは、接続に使用する有効なTransport Layer Security (TLS)バージョンを定義するために使用します。 - TRACE_FILE
- TRACE_FILELEN
- TRACE_FILENO
- TRACE_LEVEL
- TRACE_TIMESTAMP
- USE_SID_AS_SERVICE
USE_SID_AS_SERVICE
Oracle Connection Managerパラメータを使用すると、ユーザーがデータベース接続を試みたときに、接続記述子内のシステム識別子(SID)をサービス名として解釈できるようになります。 - VALID_NODE_CHECKING_REGISTRATION
- WALLET_LOCATION
8.2.1 ADDRESS
ADDRESS
ネットワーク・パラメータは、Oracle Connection Managerのプロトコル・アドレスを指定します。
用途
Oracle Connection Managerのプロトコル・アドレスを指定します。
構文
(ADDRESS=(PROTOCOL=protocol)(HOST=host_name)(PORT=port_number)
例
(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-server)(PORT=1521)
8.2.2 ASO_AUTHENTICATION_FILTER
Oracle Connection Managerのネットワーク・パラメータです。これは、Oracle Connection Managerに、Secure Network Services(SNS)の接続リクエストを確認するように指示します。
用途
Oracle Databaseセキュリティ認証設定がクライアントによって使用される必要があるかどうかを指定します。
使用上のノート
グローバル設定は、ACTION_LIST
のルールレベルの設定によって上書きされます。
値
-
on
: Oracle Connection Managerは、Secure Network Services (SNS)を使用していない接続リクエストを拒否します。SNSはOracle Databaseセキュリティの一部です。 -
off
: Oracle Connection Managerは、クライアントとサーバー間のSNSをチェックしません。これはデフォルトです。
8.2.3 COMPRESSION
用途
データ圧縮を有効または無効にします。Oracle Connection Managerおよびその接続先(サーバーまたはクライアントまたはOracle Connection Manager)の両方でこのパラメータがON
に設定されている場合、接続に圧縮が使用されます。
デフォルト
off
値
-
on
: データ圧縮を有効にします。 -
off
: データ圧縮を無効にします。
例
COMPRESSION=on
8.2.4 COMPRESSION_LEVELS
cman.ora
ファイルのCOMPRESSION_LEVELS
ネットワーク・パラメータは、CPU使用率と圧縮率を指定します。
用途
圧縮レベルを指定します。
使用上のノート
圧縮レベルは、両端でどのレベルを使用するかを確認し、1つのレベルを選択するためのネゴシエーション時に使用されます。
デフォルト
low
値
-
low
: 低CPU使用率と低圧縮率を使用します。 -
high
: 高CPU使用率と高圧縮率を使用します。
例8-2 例
COMPRESSION_LEVELS=high,low
8.2.5 COMPRESSION_THRESHOLD
用途
圧縮が必要となるデータの最小サイズをバイト数で指定します。
使用上のノート
送信されるデータのサイズがこの値より小さい場合、圧縮は行われません。
デフォルト
1024バイト
例
COMPRESSION_THRESHOLD=1024
8.2.6 CONNECTION_STATISTICS
cman.ora
ファイルのCONNECTION_STATISTICS
ネットワーク・パラメータは、SHOW_CONNECTIONS
コマンドで接続統計を表示するかどうかを指定します。
用途
SHOW_CONNECTIONS
コマンドで接続統計を表示するかどうかを指定します。
使用上のノート
グローバル設定は、ACTION_LIST
のルールレベルの設定によって上書きされます。
値
-
yes
: 統計を表示します。 -
no
: 統計を表示しません。これはデフォルトです。
8.2.7 EVENT_GROUP
cman.ora
ファイルのEVENT_GROUP
ネットワーク・パラメータは、ログ記録するイベント・グループを指定します。
用途
ログに記録するイベント・グループを指定します。
使用上のノート
複数のイベントを指定するには、カンマ区切りリストを使用します。
値
-
alert
: アラート通知。 -
cmd_proc
: コマンド処理。 -
conn_hdlg
: 接続処理。 -
init_and_term
: 初期化および終了。 -
memory_ops
: メモリー操作。 -
proc_mgmt
: プロセス管理。 -
reg_and_load
: 登録およびロード更新。 -
relay
: 接続制御ブロック関連のイベント。 -
timer
: ゲートウェイのタイムアウト。 -
wake_up
: Connection Manager Administration (CMADMIN)起動キュー関連のイベント。
ノート:
イベント・グループALERT
はオフに設定できません。
8.2.8 EXPIRE_TIME
cman.ora
ファイルのEXPIRE_TIME
ネットワーク・パラメータは、クライアント/ゲートウェイ接続がアクティブであることを検証するチェックを送信する時間間隔(分単位)を指定します。
用途
クライアント/サーバー接続がアクティブであることを確認するための確認を送信する間隔(分単位)を指定します。
使用上のノート
0
より大きい値を設定すると、クライアントの異常終了によって接続がいつまでも開かれたままにならないようにできます。システムでTCPのキープアライブ設定のチューニングがサポートされている場合、Oracle Net Servicesでは自動的に強化された検出モデルを使用して、TCPのキープアライブ設定のパラメータをチューニングします。
終了済接続や使用されなくなった接続を検出したプローブは、エラーを返し、それによってサーバー・プロセスが終了します。
このパラメータは、主にデータベース・サーバー向けです。データベース・サーバーでは、通常、同時に複数の接続を処理します。
終了した接続を検出するこの機能の制限は、次のとおりです。
-
この機能はBequeathed接続では機能しません。
-
プローブ・パケットはわずかながら通信量が増加するため、ネットワーク・パフォーマンスが低下する可能性があります。
-
使用しているオペレーティング・システムによっては、接続プローブ・イベントを他の発生イベントと区別するために、サーバーで追加の処理を行う必要がある場合があります。これも、ネットワーク・パフォーマンスの低下につながる可能性があります。
値
-
0
: 終了した接続検出を無効にします。 -
0
より大きい数値: 終了した接続の検出を有効にします。この数値は時間間隔(分単位)と同じです。
デフォルト
0
例8-3 例
EXPIRE_TIME=10
8.2.9 IDLE_TIMEOUT
用途
確立された接続が、データを転送せずにアクティブな状態を維持できる時間を指定します。
使用上のノート
グローバル設定は、ACTION_LIST
のルールレベルの設定によって上書きされます。
値
-
0
: タイムアウトを無効にします。これはデフォルトです。 -
0より大きい値: タイムアウトが有効になります。指定した値がタイムアウトになるまでの秒数です。
8.2.10 INBOUND_CONNECT_TIMEOUT
用途
Oracle Connection Managerのリスナーが、クライアントまたは別のOracle Connection Managerのインスタンスからの有効な接続を待機する時間(秒)を指定します。
値
-
60秒
がデフォルトです。タイムアウトを無効にするには値0
を使用します。 -
0より大きい値: タイムアウトが有効になります。指定した値がタイムアウトになるまでの秒数です。
8.2.11 LOG_DIRECTORY
用途
Oracle Connection Managerのログ・ファイルのディレクトリを指定します。
デフォルト
ORACLE_BASE_
HOME/network/log
8.2.12 LOG_FILE_NUM
cman.ora
ファイルのLOG_FILE_NUM
ネットワーク・パラメータは、ログ・ファイル・セグメントの数を指定します。
用途
ログ・ファイル・セグメントの数を指定します。どの時点でも、n
個のログ・ファイル・セグメント(n
はLOG_FILE_NUM
)のみ存在でき、ログがこの数を超えて増大する場合は古いセグメントが削除されます。
デフォルト
デフォルト値はありません。指定されていないかゼロに設定されている場合、セグメントの数は無限に増加します。
値
任意の整数値。
例8-4 例
LOG_FILE_NUM=3
8.2.13 LOG_FILE_SIZE
cman.ora
ファイルのLOG_FILE_SIZE
ネットワーク・パラメータは、各ログ・ファイル・セグメントのサイズを指定します。
用途
各ログ・ファイル・セグメントのサイズを指定します。このサイズはMB
単位です。
デフォルト
300 MB
値
任意の整数値。
例8-5 例
LOG_FILE_SIZE=10
8.2.14 LOG_LEVEL
用途
ログ・メッセージのレベルを指定します。
値
-
off
: ロギングなし。これはデフォルトです。 -
user
: ユーザーに起因するエラーのログ情報。 -
admin
: 管理用(インストール用など)のログ情報。 -
support
: Oracleサポート・サービス情報。
8.2.15 MAX_ALL_CONNECTIONS
用途
Oracle Connection Managerでサポートできる登録接続セッションおよびクライアント接続セッションの最大同時実行数を指定します。
使用上のノート
この数値には、データベースからの登録接続と、進行中のクライアント接続確立要求も含まれます。接続の確立後、クライアントはリスナーへの接続を保持しません。この制限は、リスナーから見て最初の接続確立段階にあるクライアント接続のみに適用されます。
デフォルト
オペレーティング・システム固有
例
MAX_ALL_CONNECTIONS=40
8.2.16 MAX_CMCTL_SESSIONS
用途
指定のインスタンスに許可されるOracle Connection Manager制御ユーティリティのローカルまたはリモート・セッションの最大同時実行数を指定します。
使用上のノート
セッションの1つは、ローカル・セッションであることが必要です。
値
指定できるセッション数は任意です。
8.2.18 MAX_GATEWAY_PROCESSES
用途
Oracle Connection Managerがサポートするインスタンスのゲートウェイ・プロセスの最大数を指定します。
値
最小ゲートウェイ・プロセス数より大きい数を指定する必要があります。最大数は64です。
8.2.19 MAX_REG_CONNECTIONS
用途
Oracle Connection Managerでサポートできる登録接続セッションの最大同時実行数を指定します。
デフォルト
512
例
MAX_REG_CONNECTIONS=20
8.2.20 MIN_GATEWAY_PROCESSES
用途
Oracle Connection Managerのインスタンスがサポートするゲートウェイ・プロセスの最小数を指定します。
値
64までの任意のセッション数を指定できます。
8.2.21 OUTBOUND_CONNECT_TIMEOUT
用途
Oracle Connection Managerインスタンスと、データベース・サーバーまたは別のOracle Connection Managerインスタンスとの間に有効な接続が確立されるまでの待機時間(秒)を指定します。
値
-
60
: タイムアウトを無効にします。これはデフォルトです。 -
0より大きい値: タイムアウトが有効になります。指定した値がタイムアウトになるまでの秒数です。
8.2.23 REGISTRATION_EXCLUDED_NODES
Oracle Connection Managerのパラメータ・ファイル(cman.ora
) REGISTRATION_EXCLUDED_NODESは、リスナーに登録できないノードのリストを指定します。
用途
リスナーに登録できないノードのリストを指定します。
使用上のノート
リストには、IPv4およびIPv6アドレスのホスト名またはCIDR表記を含めることができます。ワイルドカード形式(*
)は、IPv4アドレスにサポートされます。リストにホスト名があると、そのホスト名にマップされたすべてのIPアドレスが含まれることになります。ホスト名は、パブリック・ネットワーク・インタフェースと一致している必要があります。
REGISTRATION_INVITED_NODES
パラメータおよびREGISTRATION_EXCLUDED_NODES
パラメータを設定すると、REGISTRATION_EXCLUDED_NODES
パラメータは無視されます。
値
有効なノードおよびサブネットIPアドレスまたは名前。
例
REGISTRATION_EXCLUDED_NODES = 10.1.26.*, 10.16.40.0/24, \
2001:DB8:3eff:fe38, node2
8.2.24 REGISTRATION_INVITED_NODES
Oracle Connection Managerのパラメータ・ファイル(cman.ora
) REGISTRATION_EXCLUDED_NODES
は、リスナーに登録できるノードのリストを指定します。
用途
リスナーに登録できるノードのリストを指定します。
使用上のノート
リストには、IPv4およびIPv6アドレスのホスト名またはCIDR表記を含めることができます。ワイルドカード形式(*
)は、IPv4アドレスにサポートされます。リストにホスト名があると、そのホスト名にマップされたすべてのIPアドレスが含まれることになります。ホスト名は、パブリック・ネットワーク・インタフェースと一致している必要があります。
REGISTRATION_INVITED_NODES
パラメータおよびREGISTRATION_EXCLUDED_NODES
パラメータを設定すると、REGISTRATION_EXCLUDED_NODES
パラメータは無視されます。
値
有効なノードおよびサブネットIPアドレスまたは名前。
例
REGISTRATION_INVITED_NODES = 10.1.35.*, 10.1.34.0/24, \
2001:DB8:fe38:7303, node1
8.2.25 RULE
用途
着信接続をフィルタ処理するためのアクセス制御ルール・リストを指定します。
使用上のノート
ルール・リストによって、受入れ、拒否または削除される接続が指定されます。
ルールが指定されていない場合は、すべての接続が拒否されます。
ホスト名、IPアドレスまたはサブネット・マスクが、接続元および接続先になります。
クライアント接続とCMCTL接続に対して、1つ以上のルールがある必要があります。どちらか一方を省略した場合、そのルールのタイプに対するすべての接続が拒否されます。この後に示す例では、最後のルールがCMCTLのルールです。
Oracle Connection Managerでは、ワイルドカードをIPアドレスの一部として使用できません。ワイルドカードを使用する場合は、完全なIPアドレスのかわりとして使用してください。たとえば、クライアントのIPアドレスの場合は、(SRC=*)というように使用します。
Oracle Connection Managerでは、サブネット・アドレスの表記として/nn
のみを使用できます。例cman.oraファイルのサンプルの最初のルールに指定されている/27は、左端の27ビットで構成されるサブネット・マスクを示します。
値
このパラメータは、先頭にRULE_LIST=
が付くcman.ora
ファイルのルール・リスト・セクションにリストされます。
構文
(RULE_LIST= (RULE= (SRC=host) (DST=host) (SRV=service_name) (ACT={accept|reject|drop}) (ACTION_LIST=AUT={on|off} ((CONN_STATS={yes|no})(MCT=time)(MIT=time)(MOCT=time))) (RULE= ...))
追加のパラメータ
RULE
パラメータは、次のパラメータを使用して接続または接続のグループをフィルタ処理します。
SRC
: ソース・ホスト名またはクライアントのIPアドレス。
DST
: 接続先サーバーのホスト名またはデータベース・サーバーのIPアドレス。
SRV
: 初期化パラメータ・ファイルのSERVICE_NAME
パラメータから取得した、Oracle Databaseのデータベース・サービス名。
ACT
: 接続リクエストに対するアクション。着信リクエストを受け入れる場合はaccept
、拒否する場合はreject
、エラー・メッセージを送信せずに拒否する場合はdrop
を使用します。
ACTION_LIST
: 一部のパラメータに対するルールレベルのパラメータ設定。対象パラメータは次のとおりです。
-
AUT
: クライアント側でのOracle Databaseセキュリティ認証。 -
CONN_STATS
: ログの入出力統計。 -
MCT
: 最大接続時間。 -
MIT
: 最大アイドル・タイムアウト時間。 -
MOCT
: 最大発信接続時間。
ルールレベルのパラメータは、対応するグローバル・パラメータを上書きします。
例
(RULE_LIST= (RULE= (SRC=client1-pc) (DST=sales-server) (SRV=sales.us.example.com) (ACT=reject)) (RULE= (SRC=192.0.2.45) (DST=192.0.2.200) (SRV=db1) (ACT=accept)) (RULE= (SRC=sale-rep) (DST=sales1-server) (SRV=cmon) (ACT=accept)))
8.2.26 SDU
用途
各接続に使用されるセッション・データ・ユニット(SDU)サイズをバイト数で指定します
使用上のノート
構成されている場合、Oracle Connection Managerは、クライアントおよびサーバーとの大規模なSDUをネゴシエートできます。クライアント、データベース・サーバーおよびOracle Connection Managerの構成済の値がセッションと一致しない場合、3つ値の最小値が使用されます。
デフォルト
8192バイト(8KB)
値
512から2097152バイト
例
SDU=32768
8.2.27 SERVICE_RATE
cman.oraファイルのSERVICE_RATEパラメータは、1つのインスタンスについてサービスごとに許可される着信接続率を指定します。
用途
1つのインスタンスについてサービスごとに許可される着信接続率を指定します。
使用上のノート
0
より大きい値をユーザーが指定した場合は、その値で、プロキシ・リスナーによって毎秒処理される、サービス・インスタンス当たりの新規接続数の上限が設定されます。リスナーは、この上限に到達すると接続を拒否します。クライアント側で接続に失敗すると、「TNS:リスナー:率制限に到達」とレポートされます。
値
-
サービス率制限を無効にするには、
0
を指定します。これはデフォルトです。 -
サービス率制限を有効にするには、0より大きい任意の数値を指定します。
例8-6 例
SERVICE_RATE=10
8.2.28 SESSION_TIMEOUT
用途
ユーザー・セッションに許可される最大時間(秒)を指定します。
使用上のノート
グローバル設定は、ACTION_LIST
のルールレベルの設定によって上書きされます。
値
-
0
: タイムアウトを無効にします。これはデフォルトです。 -
0より大きい値: タイムアウトが有効になります。指定した値がタイムアウトになるまでの秒数です。
8.2.29 SSL_CIPHER_SUITES
SSL_CIPHER_SUITES
パラメータは、Transport Layer Security (TLS)で使用される認証、暗号化およびデータ整合性アルゴリズムの組合せを制御するために使用します。
用途
Transport Layer Security (TLS)で使用される認証、暗号化およびデータ整合性アルゴリズムの組合せを制御します。デフォルトでは、最も強いプロトコルと暗号は、データベース・クライアントとサーバーの間でネゴシエートされます。このパラメータを設定すると、デフォルトの動作が上書きされます。このパラメータは、特定のプロトコル・バージョンの使用を決定する内部セキュリティ制御がある場合にのみ使用する必要があります。
使用上のノート
SSL_CIPHER_SUITES
パラメータ値をカッコで囲みます。そうしないと、暗号スイート設定が正しく解析されません。
デフォルト
なし
値
TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384
TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256
TLS_DHE_RSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384
TLS_DHE_RSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256
TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA384
TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_CBC_SHA384
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256
TLS_RSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384
TLS_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA256
TLS_RSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256
TLS_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256
TLS_ECDH_RSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384
TLS_ECDH_RSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256
TLS_ECDH_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA384
TLS_ECDH_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256
TLS_ECDH_ECDSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384
TLS_ECDH_ECDSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256
TLS_ECDH_ECDSA_WITH_AES_256_CBC_SHA384
TLS_ECDH_ECDSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256
TLS_DHE_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA256
TLS_DHE_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256
TLS_DH_anon_WITH_AES_256_GCM_SHA384
TLS_DH_anon_WITH_AES_128_GCM_SHA256
TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA
TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_CBC_SHA
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_CBC_SHA
TLS_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA
TLS_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA
TLS_ECDH_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA
TLS_ECDH_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA
TLS_ECDH_ECDSA_WITH_AES_256_CBC_SHA
TLS_ECDH_ECDSA_WITH_AES_128_CBC_SHA
TLS_DHE_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA
TLS_DHE_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA
TLS_ECDHE_RSA_WITH_RC4_128_SHA
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_RC4_128_SHA
TLS_ECDH_RSA_WITH_RC4_128_SHA
TLS_ECDH_ECDSA_WITH_RC4_128_SHA
SSL_RSA_WITH_RC4_128_SHA
SSL_RSA_WITH_RC4_128_MD5
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_NULL_SHA
TLS_ECDHE_RSA_WITH_NULL_SHA
TLS_ECDH_ECDSA_WITH_NULL_SHA
TLS_ECDH_RSA_WITH_NULL_SHA
SSL_RSA_WITH_NULL_SHA
SSL_RSA_WITH_NULL_MD5
SSL_DH_anon_WITH_RC4_128_MD5
TLS_ECDHE_RSA_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA
TLS_ECDH_ECDSA_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA
TLS_ECDH_RSA_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA
SSL_RSA_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA
SSL_DH_anon_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA
ノート:
DH_anon
暗号スイートは通信者の認証を提供しないため、介在者攻撃に対して無防備になる可能性があります。機密データを保護する場合は、これらの暗号スイートを使用しないことをお薦めします。
例
SSL_CIPHER_SUITES=(TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384)
SSL_CIPHER_SUITES=(TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384, TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256)
8.2.30 SSL_CLIENT_AUTHENTICATION
SSL_CLIENT_AUTHENTICATION
パラメータは、クライアントがTransport Layer Security (TLS)を使用して認証されるかどうかを指定するために使用します。
用途
クライアントがTransport Layer Security (TLS)を使用して認証されるかどうかを指定します。
使用上のノート
クライアントの認証は、データベース・サーバーが行います。したがって、この値はfalse
に設定する必要がありますこのパラメータをtrue
に設定すると、リスナーは、結果的に失敗となる可能性があるクライアントの認証を試みます。
デフォルト
true
値
true | false
例
SSL_CLIENT_AUTHENTICATION=false
8.2.31 SSL_VERSION
SSL_VERSION
パラメータは、接続に使用する有効なTransport Layer Security (TLS)バージョンを定義するために使用します。
用途
データベース・サーバーが通信するシステムで実行する必要があるTLSのバージョンを定義します。デフォルトでは、データベース・サーバーとクライアントは最も強いセキュリティ・プロトコルをネゴシエートします。セキュリティ要件によって特定のプロトコル・バージョンの使用が強制されていないかぎり、このパラメータを変更することはお薦めしません。
使用上のノート
クライアント、リスナーおよびデータベース・サーバーは、互換性のあるバージョンを使用する必要があります。このパラメータは、よりセキュアなTLSプロトコルの使用を強制し、古いTLSプロトコルのみで動作するクライアントを許可しないように、必要な場合にのみ変更してください。TLS 1.0またはTLS 1.1を指定する必要がある場合は、よりセキュアな接続を可能にするためにTLS 1.2も含めます。現行のデフォルトでは、複数のセキュリティ・コンプライアンス要件に必要なバージョンであるTLS 1.2を使用しています。
SSL_VERSION
をundetermined
に設定すると、最もセキュアなTLSプロトコル・バージョンが使用されます。特定の接続の接続文字列のSSL_VERSION=undetermined
設定を使用して、sqlnet.ora
ファイルで構成されたSSL_VERSION
値をオーバーライドできます。
SSL_VERSION
に値を設定しないと、サポートされているすべてのTLSプロトコル・バージョンが、最もセキュアなバージョンから試行されます。これは通常、最も一般的な構成で、TLSネゴシエーション中に最も強力なプロトコルが選択されます。
デフォルト
undetermined
値
undetermined
| 1.0
| 1.1
| 1.2
バージョン番号は、TLSv1.0、TLSv1.1およびTLSv1.2などのTLSバージョンに対応します。
ノート:
sqlnet.ora
のパラメータADD_SSLV3_TO_DEFAULT
は、このパラメータには影響しません。
構文と例
-
単一のTLSバージョンを指定するには:
SSL_VERSION=TLS_protocol_version
たとえば:SSL_VERSION=1.2
- 複数のTLSバージョンを指定するには、次のように
or
演算子を使用します:SSL_VERSION=TLS_protocol_version1 or TLS_protocol_version2
たとえば:SSL_VERSION=1.1 or 1.2
SSL_VERSION=1.0 or 1.1 or 1.2
8.2.33 TRACE_FILELEN
用途
トレース・ファイルのサイズをKBで指定します。
使用上のノート
指定のサイズに到達すると、トレース情報は次のファイルに書き込まれます。ファイルの数は、TRACE_FILENO
パラメータで指定します。
8.2.34 TRACE_FILENO
用途
トレース・ファイルの数を指定します。
使用上のノート
このパラメータがTRACE_FILELEN
パラメータとともに設定されている場合、トレース・ファイルは循環方式で使用されます。最初のファイルが満杯になると、2番目のファイルを使用します(その後、同様に続きます)。最後のファイルがいっぱいになると、最初のファイルが再利用され、再度、順番にファイルが使用されます。
8.2.35 TRACE_LEVEL
用途
トレース・メッセージのレベルを指定します。
値
-
off
: トレースなし。これはデフォルトです。 -
user
: ユーザーに起因するエラーのトレース情報。 -
admin
: 管理用(インストール用など)のトレース情報。 -
support
: Oracleサポート・サービス情報。
8.2.36 TRACE_TIMESTAMP
用途
トレース・ログにタイムスタンプを使用することを指定します。
使用上のノート
TRACING
パラメータが有効な場合、トレース・ファイルの各トレース・イベントに、dd-mon-yyyy hh:mi:ss:mil
形式のタイムスタンプが使用されます。
値
-
off
: ファイルにタイムスタンプを含めません。 -
on
: ファイルにタイムスタンプを含めます。
8.2.37 USE_SID_AS_SERVICE
USE_SID_AS_SERVICE
Oracle Connection Managerパラメータを使用すると、ユーザーがデータベース接続を試みたときに、接続記述子内のシステム識別子(SID)をサービス名として解釈できるようになります。
用途
接続記述子内のシステム識別子(SID)が、ユーザーのデータベース接続試行時に、サービス名として解釈されるようにします。
使用上のノート
接続記述子がハードコードされている以前のリリースのOracle Databaseのデータベース・クライアントは、このパラメータを使用してコンテナ・またはプラガブル・データベースに接続できます。
Oracleコンテナ・データベースの場合、データベースに接続するには、クライアントはサービス名を指定する必要があります。このパラメータをon
に設定すると、Oracle Connection Managerリスナーは、サービス名として接続記述子内のSIDを使用して指定のデータベースにクライアントを接続するように指示されます。
値
-
off
(デフォルト値) -
on
例8-7 例
USE_SID_AS_SERVICE=on
8.2.38 VALID_NODE_CHECKING_REGISTRATION
用途
有効ノード確認登録を実行するかどうか、およびサブネットを許可するかどうかを指定します。
使用上のノート
on
に設定された場合、着信登録リクエストに対してリスナーで有効ノード確認登録が実行され、ローカルIPアドレスのみが許可されます。
デフォルト
on
値
-
off | 0
: 有効ノード確認登録を無効にして、確認を実行しません。 -
on | 1 | local
: 有効ノード確認登録を有効にして、ローカルIPアドレスがすべて登録できるようにします。指定ノードのリストが設定されている場合、リストにあるすべてのIPアドレス、ホスト名またはサブネットが、ローカルIPアドレスと同様に認められます。 -
subnet | 2
: 有効ノード確認登録を有効にして、ローカル・サブネットのすべてのマシンが登録を許可されます。指定ノードのリストが設定されている場合、ローカル・サブネット内のすべてのノードが、リストのすべてのIPアドレス、ホスト名およびサブネットと同様に認められます。
例
VALID_NODE_CHECKING_REGISTRATION = on
8.2.39 WALLET_LOCATION
用途
ウォレットの位置を指定します。ウォレットは、SSLによって処理される証明書、キーおよびトラストポイントです。
使用上のノート
Microsoft Certificate Store(MCS)はウォレットを使用しないため、MCSのキー/値ペアにはMETHOD_DATA
パラメータがありません。かわりに、Oracle PKI(公開キー・インフラストラクチャ)アプリケーションは、証明書、トラストポイントおよび秘密キーをユーザーのプロファイルから直接取得します。
OracleウォレットがMicrosoft Windowsレジストリに格納されており、そのウォレットのキー(KEY
)がSALESAPP
の場合、暗号化されたウォレットの格納場所は、HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\ORACLE\WALLETS\SALESAPP\EWALLET.P12
です。復号化されたウォレットの格納場所は、HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\ORACLE\WALLETS\SALESAPP\CWALLET.SSO
です。
ノート:
このパラメータはOracle Connection Managerの別名以外で指定する必要があります構文
構文は、次のとおり、ウォレットによって異なります。
-
ファイル・システムでのOracleウォレット:
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=file) (METHOD_DATA= (DIRECTORY=directory) [(PKCS11=TRUE/FALSE)]))
-
Microsoft証明ストア
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=mcs))
-
Microsoft Windowsレジストリ内のOracleウォレット:
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=reg) (METHOD_DATA= (KEY=registry_key)))
-
Entrustウォレット:
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=entr) (METHOD_DATA= (PROFILE=file.epf) (INIFILE=file.ini)))
追加のパラメータ
WALLET_LOCATION
は、次のパラメータをサポートします。
-
SOURCE
: ウォレットの格納タイプと格納場所 -
METHOD
: 格納タイプ -
METHOD_DATA
: 格納場所 -
DIRECTORY
: ファイル・システムでのOracleウォレットの位置 -
KEY
: ウォレット・タイプとMicrosoft Windowsレジストリ内の位置 -
PROFILE
: Entrustプロファイル・ファイル(.epf
) -
INIFILE
: Entrust初期化ファイル(.ini
)
デフォルト
なし
値
true | false
例
ファイル・システムでのOracleウォレット:
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=file) (METHOD_DATA= (DIRECTORY=/etc/oracle/wallets/databases)))
Microsoft証明ストア
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=mcs))
Microsoft Windowsレジストリ内のOracleウォレット:
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=REG) (METHOD_DATA= (KEY=SALESAPP)))
Entrustウォレット:
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=entr) (METHOD_DATA= (PROFILE=/etc/oracle/wallets/test.epf) (INIFILE=/etc/oracle/wallets/test.ini)))
8.3 Traffic DirectorモードでのOracle Connection Managerのパラメータ
この項では、次のcman.ora
ファイルのパラメータをリストして説明します。
- SERVICE_AFFINITY
cman.ora
パラメータSERVICE_AFFINITY
を使用して、Traffic DirectorモードでのOracle Connection Managerのデフォルトの負荷分散メカニズムを変更します。 - TDM
- TDM_BIND_THREAD
- TDM_DATATYPE_CHECK
- TDM_PRCP_MAX_CALL_WAIT_TIME
- TDM_PRCP_MAX_TXN_CALL_WAIT_TIME
- TDM_SHARED_THREADS_MAX
- TDM_SHARED_THREADS_MIN
- TDM_THREADING_MODE
8.3.1 SERVICE_AFFINITY
cman.ora
パラメータSERVICE_AFFINITY
を使用して、Traffic DirectorモードでのOracle Connection Managerのデフォルトの負荷分散メカニズムを変更します。
用途
Traffic DirectorモードでのOracle Connection Managerの負荷分散メカニズムを構成します。デフォルトでは、Traffic DirectorモードのOracle Connection Managerはサービス・アフィニティを使用して、着信接続リクエストをルーティングするゲートウェイを選択します。新しい接続リクエストはすべて、データベース・サービスに関連付けられたゲートウェイにルーティングされます。
使用上のノート
このパラメータをON
に設定すると、すべての新規接続リクエストは、データベース・サービスに関連付けられたゲートウェイにルーティングされます。
このパラメータをOFF
に設定すると、すべての新規接続リクエストは負荷が最小のゲートウェイにルーティングされます。
プロキシ常駐接続プーリング(PRCP)を使用する場合、ゲートウェイ・プロセスのパフォーマンスおよびリソース使用率を向上させるため、SERVICE_AFFINITY
パラメータをOFF
に設定することをお薦めします。
値
ON
| OFF
デフォルト
ON
例
SERVICE_AFFINITY = {ON | OFF}
8.3.2 TDM
用途
Oracle Connection ManagerがTraffic DirectorモードのOracle Connection Managerとして動作するように構成します。
デフォルト
FALSE
値
-
TRUE
-
FALSE
例
tdm = TRUE
8.3.3 TDM_BIND_THREAD
用途
アプリケーション接続をTDMスレッドに保持します。PRCPがある場合とない場合で意味が異なります。このパラメータは、TDM_THREADING_MODE
がSHARED
に設定されている場合にのみ適用されます。
使用上のノート
PRCPを使用していない場合、このパラメータをyes
に設定すると、進行中のトランザクションがあるかぎり、TDMワーカー・スレッドにアプリケーション接続が保持されます。
PRCPを使用している場合、このパラメータをyes
に設定すると、アプリケーションでOCISessionGet
が実行されてからOCISessionRelease
が実行されるまで、TDMスレッドにアプリケーション接続が保持されます。
デフォルト
no
値
-
yes
-
no
例
TDM_BIND_THREAD = yes
8.3.4 TDM_DATATYPE_CHECK
用途
データ型がNUMBER, DATE, TIMESTAMP, TIMESTAMP WITH LOCAL TIMEZONE, TIMESTAMP WITH TIMEZONE, BLOB, CLOB, BFILE, UROWID
およびREF
のすべての受信データをデータベースに検証します。Traffic DirectorモードでOracle Connection Managerに送信されたデータに問題がある場合は、次のエラーがアプリケーションで受信されます。
ORA-03137: クライアントからの不正な形式のTTCパケットが拒否されました: [3101]
使用上のノート
このパラメータをON/OFF
にすると、データ検証が有効または無効になります。
デフォルト
OFF
値
-
ON
-
OFF
例
tdm_datatype_check={ON | OFF}
8.3.5 TDM_PRCP_MAX_CALL_WAIT_TIME
用途
PRCPプールからセッションを取得した後に、クライアントの非アクティブな状態の最大時間(秒)を記録します。このパラメータは、Traffic DirectorモードでのOracle Connection ManagerがProxy Resident Connection Poolを持つように構成されている場合に適用されます。
使用上のノート
PRCPプールからセッションを取得した後、クライアント・アプリケーションがTDM_PRCP_MAX_CALL_WAIT_TIME
パラメータで指定した時間内にデータベース・コールを発行しない場合、PRCPセッションは解放されてクライアント接続が終了します。その結果、クライアント・アプリケーションがこのような接続に対してラウンドトリップ・コールを試みると、ORA-3113
またはORA-3115
エラーを受け取ります。
デフォルト
30秒
値
任意の負でない値です。ただし、値に0
を使用しないことをお薦めします。0は接続がPRCPセッションを無期限に取得することを意味するからです
8.3.6 TDM_PRCP_MAX_TXN_CALL_WAIT_TIME
用途
Proxy Resident Connection Poolからセッションを取得してトランザクションを開始した後、クライアントの非アクティブな状態の最大時間(秒)を記録します。このパラメータは、Traffic DirectorモードでのOracle Connection ManagerがPRCPを持つように構成されている場合に適用されます。
使用上のノート
トランザクション中に、TDM_PRCP_MAX_TXN_CALL_WAIT_TIME
パラメータで指定された時間、クライアント・アプリケーションでデータベース・コールが発行されない場合は、PRCPセッションが解放され、トランザクションがロールバックされ、クライアント接続が終了します。その結果、クライアント・アプリケーションがこのような接続に対してラウンドトリップ・コールを試みると、ORA-3113
またはORA-3115
エラーを受け取ります。
デフォルト
0
値
任意の負でない値です。ただし、値に0
を使用しないことをお薦めします。0は接続がPRCPセッションを無期限に取得することを意味するからです。
8.3.7 TDM_SHARED_THREADS_MAX
用途
tdm_threading_mode
がSHARED
に設定されている場合に、Traffic DirectorモードでOracle Connection Managerプロセスが保持する最大スレッド数を構成します。
値
最大スレッド数には任意の数値を指定できます。DEDICATED
モードの場合、最大スレッド数は最大接続数と同じです。SHARED
モードでは、固定の上限値はありませんが、ロードに比例するのが理想的です。
8.3.8 TDM_SHARED_THREADS_MIN
用途
tdm_threading_mode
がSHARED
に設定されている場合に、Traffic DirectorモードでOracle Connection Managerプロセスが保持する最小スレッド数を構成します。
値
最小スレッド数には任意の数値を指定できます。SHARED
モードの場合、制限はありません。ただし、スレッド数はロードに比例します。
8.3.9 TDM_THREADING_MODE
用途
Traffic DirectorモードでのOracle Connection Managerによるスレッドの使用を構成します。
使用上のノート
このパラメータがDEDICATED
に設定されている場合、ワーカー・スレッドが着信接続ごとに生成され、最大スレッド数がmax_connections
パラメータによって決定します
このパラメータがSHARED
に設定されている場合、ワーカー・スレッドの共有プールは、すべての着信接続を処理します。ワーカー・スレッドの最小数はtdm_shared_threads_min
設定で指定され、ワーカー・スレッドの最大数は、tdm_shared_threads_max
設定で指定されます。スレッド・プールは、内部的にこれらの範囲内で管理されます。
デフォルト
DEDICATED
値
-
DEDICATED
-
SHARED
例
tdm_threading_mode={DEDICATED | SHARED}
tdm_shared_threads_min = 4
tdm_shared_threads_max = 5
8.4 Oracle Connection ManagerのADR診断パラメータ
クリティカル・エラーの診断データは、Oracle Connection ManagerのADRに迅速に取得され格納されます。
Oracle Database 11gより、Oracle Databaseには、問題の回避、検出、診断および解決のため詳細な障害診断可能インフラストラクチャが組み込まれています。対象となる問題は、データベース・コードの不具合、メタデータの破損およびカスタマ・データの破損が原因で発生したエラーなどのクリティカル・エラーです。
クリティカル・エラーが発生すると、そのエラーにはインシデント番号が割り当てられ、トレースやダンプなどのエラーの診断データが即座に取得され、インシデント番号でタグ付けされます。データは、自動診断リポジトリ(ADR)(データベースの外にあるファイルベースのリポジトリ)に格納されます。
この項では、ADRが有効な場合に使用されるパラメータについて説明します。ADRはデフォルトで有効になります。ADRが有効な場合、cman.ora
ファイルにリストされているADR以外のパラメータは無視されます。
- ADR_BASE
cman.ora
ファイル内の診断パラメータです。これは、ADRが有効になっている場合に、トレースおよびロギング・インシデントを格納するベース・ディレクトリを指定します。 - DIAG_ADR_ENABLED
cman.ora
ファイルのDIAG_ADR_ENABLED
診断パラメータは、ADRトレースを有効にするかどうかを指定します。 - LOG_LEVEL
- TRACE_LEVEL
- TRACE_TIMESTAMP
8.4.1 ADR_BASE
cman.ora
ファイル内の診断パラメータです。これは、ADRが有効になっている場合に、トレースおよびロギング・インシデントを格納するベース・ディレクトリを指定します。
用途
ADRが有効の場合、トレースおよびロギング・インシデントが格納される基本ディレクトリを指定します。
デフォルト
デフォルトはORACLE_BASE
、またはORACLE_BASE
が定義されていない場合はORACLE_HOME/log
です。
値
書込み権限を持つディレクトリへの任意の有効なディレクトリ・パス
例8-8 例
ADR_BASE=/oracle/network/trace
8.4.2 DIAG_ADR_ENABLED
cman.ora
ファイルのDIAG_ADR_ENABLED
診断パラメータは、ADRトレースを有効にするかどうかを指定します。
用途
ADRトレースを有効にするかどうかを指定します。
使用上のノート
DIAG_ADR_ENABLED
パラメータがOFF
に設定されている場合は、ADR以外のファイル・トレースが使用されます。
値
on
| off
例8-9 例
DIAG_ADR_ENABLED=on
8.4.3 LOG_LEVEL
用途
Oracle Connection Managerが実行するロギングのレベルを指定します。
使用上のノート
このパラメータは、ADR以外のログを使用している場合にも適用できます。
Oracle Connection Managerでは、次のログ・ファイルが使用されます。
-
instance-name_pid
.log
: リスナー用 -
instance-name_
cmadmin
_pid
.log
: CMADMIN用 -
instance-name_
cmgw
_pid
.log
: ゲートウェイ・プロセス用
ログ・ファイルはORACLE_HOME/network/log
ディレクトリに置かれます。
デフォルト
offまたは0
値
-
off
または0
: ログを出力しません。 -
user
または4
: ユーザー用のログ情報を出力します。 -
admin
または10
: 管理用のログ情報を出力します。 -
support
または16
: Oracleサポート・サービス用のログ情報を出力します。
例
LOG_LEVEL=admin
8.4.4 TRACE_LEVEL
用途
Oracle Connection Managerインスタンスのトレース・レベルを指定します。
使用上のノート
このパラメータは、ADR以外のトレースを使用している場合にも適用できます。
Oracle Connection Managerでは、次のトレース・ファイルが使用されます。
-
instance-name_pid
.trc
: リスナー用 -
instance-name_
cmadmin
_pid
.trc
: CMADMIN用 -
instance-name_
cmgw
_pid
.trc
: ゲートウェイ・プロセス用
ログ・ファイルはORACLE_HOME/network/log
ディレクトリに置かれます。
デフォルト
off
値
-
off
: トレースを出力しません。 -
user
: ユーザー用のトレース情報を出力します。 -
admin
: 管理用のトレース情報を出力します。 -
support
: Oracleサポート・サービス用のトレース情報を出力します。
例
TRACE_LEVEL=admin
8.4.5 TRACE_TIMESTAMP
用途
リスナーのトレース・ファイルの各トレース・イベントに、dd-mmm-yyyy hh:mi:ss:mil
形式のタイムスタンプを追加します。
使用上のノート
このパラメータはTRACE_LEVELパラメータとともに使用します。このパラメータは、ADR以外のトレースを使用している場合にも適用できます。
デフォルト
on
値
-
on
またはtrue
-
off
またはfalse
例
TRACE_TIMESTAMP=true
8.5 Oracle Connection ManagerのADR以外の診断パラメータ
この項に、ADRが無効な場合に使用されるパラメータをリストします。
8.5.1 LOG_DIRECTORY
用途
Oracle Connection Managerのログ・ファイルの位置を指定します。
使用上のノート
このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
ORACLE_BASE_HOME/network/log
値
書込み権限を持つディレクトリへの任意の有効なディレクトリ・パス
例
LOG_DIRECTORY=/oracle/network/log
8.5.2 TRACE_DIRECTORY
用途
Oracle Connection Managerのトレース・ファイルの位置を指定します。
使用上のノート
このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
ORACLE_BASE_HOME/network/trace
値
書込み権限を持つディレクトリへの任意の有効なディレクトリ・パス
例
TRACE_DIRECTORY=/oracle/network/admin/trace
8.5.3 TRACE_FILELEN
用途
トレース・ファイルのサイズをKBで指定します。
使用上のノート
このサイズに達すると、トレース情報は次のファイルに書き込まれます。ファイルの数は、TRACE_FILENOパラメータで指定します。指定できるサイズは任意です。このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
無制限
例
TRACE_FILELEN=100
8.5.4 TRACE_FILENO
用途
Oracle Connection Managerのトレースで使用するトレース・ファイルの数を指定します。
使用上のノート
このパラメータがTRACE_FILELENパラメータとともに設定されている場合、トレース・ファイルは循環方式で使用されます。最初のファイルが満杯になると、2番目のファイルを使用します(その後、同様に続きます)。最後のファイルがいっぱいになると、最初のファイルが再利用され、再度、順番にファイルが使用されます。指定できるファイル数は任意です。
トレース・ファイル名は、順序番号によって識別されます。たとえば、このパラメータを3
に設定すると、ゲートウェイのトレース・ファイルには、instance-name_
cmgw1
_pid
.trc
、instance_name_
cmgw2
_pid
.trc
およびinstance_name_
cmgw3
_pid
.trc
という名前が付けられます。
また、トレース・ファイル内のトレース・イベントの前には、そのファイルの順序番号が付きます。このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
1
例
TRACE_FILENO=3