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ASMCMDファイル・グループ管理コマンド

このトピックでは、Oracle ASMファイル・グループおよび割当て制限グループの管理を可能にするASMCMDコマンドの概要を示します。

次の表に、ASMCMDファイル・グループ・コマンドおよび割当て制限グループ・コマンドと簡単な説明を示します。

表10-92 ASMCMDファイル・グループ・コマンドの概要

コマンド 説明

chfg

XML構成ファイルまたはXMLスクリプトに基づいてディスク・グループ内のファイル・グループを変更します。

chqg

ディスク・グループ内の割当て制限グループを変更します。

lsfg

ディスク・グループ内のファイル・グループをリストします。

lsqg

ディスク・グループ内の割当て制限グループをリストします。

mkfg

XML構成ファイルまたはXMLスクリプトに基づいてディスク・グループ内にファイル・グループを作成します。

mkqg

ディスク・グループに割当て制限グループを追加します。

mvfg

指定された割当て制限グループにディスク・グループ内のファイル・グループを移動します。

mvfile

ファイルを、ファイルが格納されている同じディスク・グループ内の指定されたファイル・グループに移動します。

rmfg

ディスク・グループから既存のファイル・グループを削除します。

rmqg

ディスク・グループから割当て制限グループを削除します。

関連項目:

chfg

目的

XML構成ファイルまたはXMLスクリプトに基づいてディスク・グループ内のファイル・グループの属性を変更します。

構文および説明

chfg { config_file.xml | 'contents_of_xml_script' }

次の表に、chfgコマンドのオプションを示します。

表10-93 chfgコマンドのオプション

オプション 説明

config_file.xml

ファイル・グループの変更が格納されているXMLファイルの名前。chfgは、パスが指定されないかぎり、ASMCMDの現行作業ディレクトリ内でXMLファイルを検索します。

contents_of_xml_script.xml

一重引用符で囲まれたXMLスクリプトの内容。

XML構成ファイルまたはXMLスクリプトのルート要素は<file_group>タグであり、次の属性を保持します。

  • name: ファイル・グループ名

  • dg: ファイル・グループが属するディスク・グループ名

次のタグを使用してプロパティを設定できます。

  • name: プロパティ名

  • value: プロパティ値

  • file_type: プロパティ・ファイル・タイプ(オプション)

  • template: Oracle ASMテンプレート名(オプション)

次に、chfgのXML構成ファイルの例を示します。この構成ファイルにより、ディスク・グループdg_data1filegroup1というファイル・グループが変更されます。このファイル・グループは、割当て制限グループquotagroup1に関連付けられます。

<filegroup name="filegroup1" dg="dg_data1">
  <p name="quota_group" value="quotagroup1"/>
</filegroup>

Oracle ASMファイル・グループの詳細は、「Oracle ASMフレックス・ディスク・グループの管理」を参照してください。

次に、XML構成ファイルおよびXMLスクリプトを使用したchfgコマンドの使用例を示します。

例10-103 chfgコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > chfg config_file.xml

ASMCMD [+] > chfg '<filegroup name="filegroup1" dg="dg_data1"> 
                  <p name="redundancy" value="high"/> 
                  </filegroup>'

chqg

目的

ディスク・グループ内の割当て制限グループを変更します。

構文および説明

chqg -G disk_group quota_group property value

次の表に、chqgコマンドのオプションを示します。

表10-94 chqgコマンドのオプション

オプション 説明

-G disk_group

ディスク・グループを指定します。

quota_group

割当て制限グループを指定します。

property

プロパティ名を指定します。

value

プロパティの値を指定します。

chqgコマンドは、指定されたディスク・グループ内の指定された割当て制限グループの指定されたプロパティを変更します。Oracle ASMファイル・グループおよび割当て制限グループの詳細は、Oracle ASMフレックス・ディスク・グループの管理を参照してください。

次に、chqgコマンドの例を示します。1つ目の例では、dataディスク・グループ内の割当て制限グループquota_grp1quotaプロパティを変更します。2つ目の例では、dataディスク・グループ内の割当て制限グループquota_grp2quotaプロパティを変更します。

例10-104 chqgコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > chqg -G data quota_grp1 quota 200G

ASMCMD [+] > chqg -G data quota_grp2 quota UNLIMITED

lsfg

目的

ディスク・グループ内のファイル・グループをリストします。

構文および説明

lsfg [-G disk_group] [--filegroup file_group] [--suppressheader]

次の表に、lsfgコマンドのオプションを示します。

表10-95 lsfgコマンドのオプション

オプション 説明

-G disk_group

ディスク・グループを指定します。

—filegroupfile_group

ファイル・グループを指定します。

—suppressheader

コマンド出力のヘッダーを非表示にします。

ディスク・グループ・オプションが指定されている場合、lsfgは指定されているディスク・グループ内のファイル・グループに関する情報のみ戻します。ファイル・グループ・オプションが指定されている場合、lsfgはそのファイル・グループに関する情報のみを戻します。

ファイル・グループに関する情報は、V$ASM_FILEGROUPビューおよびV$ASM_FILEGROUP_PROPERTYビューから取得されます。

次に、lsfgコマンドの使用例を示します。例の1つ目のコマンドは、DATAディスク・グループ内のファイル・グループFG1のプロパティを表示します。2つ目のコマンドは、DATAディスク・グループ内のすべてのファイル・グループとそのプロパティをリストします。

例10-105 lsfgコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > lsfg -G DATA
File Group         Disk Group  Quota Group  Used Quota MB  Client Name  Client Type  
DEFAULT_FILEGROUP  DATA        GENERIC      0                                        
VOLUME1            DATA        GENERIC      3123           VOLUME1      VOLUME       
ORCL               DATA        GENERIC      5488           ORCL         DATABASE

ASMCMD [+] > lsfg -G DATA --filegroup ORCL
File Group  Disk Group  Property           Value       File Type                  
ORCL        DATA        PRIORITY           MEDIUM                                 
ORCL        DATA        STRIPING           COARSE      CONTAINER                  
ORCL        DATA        REDUNDANCY         HIGH        CONTROLFILE                
ORCL        DATA        STRIPING           FINE        CONTROLFILE                
ORCL        DATA        REDUNDANCY         MIRROR      DATAFILE                   
ORCL        DATA        STRIPING           COARSE      DATAFILE   
...

lsqg

目的

ディスク・グループ内の割当て制限グループをリストします。

構文および説明

lsqg [-G disk_group] [--quotagroup quota_group] [--suppressheader]

次の表に、lsqgコマンドのオプションを示します。

表10-96 lsqgコマンドのオプション

オプション 説明

-G disk_group

ディスク・グループを指定します。

—quotagroupquota_group

割当て制限グループを指定します。

—suppressheader

コマンド出力のヘッダーを非表示にします。

ディスク・グループ・オプションが指定されている場合、lsqgは指定されているディスク・グループ内の割当て制限グループに関する情報のみ戻します。割当て制限グループ・オプションが指定されている場合、lsqgはその割当て制限グループに関する情報のみを戻します。

ファイル・グループに関する情報は、V$ASM_QUOTAGROUPビューから取得されます。

次に、lsqgコマンドの使用例を示します。例の1つ目のコマンドは、DATAディスク・グループ内のファイル・グループQG1のプロパティを表示します。2つ目のコマンドは、DATAディスク・グループ内のすべての割当て制限グループとそのプロパティをリストします。3つ目のコマンドは、現行Oracle ASMインスタンスによってマウントされたすべてのディスク・グループ内の名前がQG1である割当て制限グループをすべてリストします。4つ目のコマンドは、現行Oracle ASMインスタンスによってマウントされたすべてのディスク・グループ内の割当て制限グループをすべてリストします。

例10-106 lsqgコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > lsqg -G DATA --quotagroup QG1
Used_Quota_MB  Quota_Limit_MB
100            200

ASMCMD [+] > lsqg -G DATA
Quotagroup_Num  Quotagroup_Name  Used_Quota_MB  Quota_Limit_MB
1               GENERIC          12357          262143
2               QG1              100            200
3               QG2              400            420

ASMCMD [+] > lsqg --quotagroup QG1
Group_Num  Quotagroup_Num  Used_Quota_MB  Quota_Limit_MB
1          2               100            200
3          5               821            1024

ASMCMD [+] > lsqg
Group_Num  Quotagroup_Num  Quotagroup_Name  Used_Quota_MB  Quota_Limit_MB
1          1               GENERIC          12357          262143
1          2               QG1              100            200
1          3               QG2              400            420
2          1               GENERIC          54000          262143
3          1               GENERIC          11             262143
3          5               QG1              821            1024

mkfg

目的

XML構成ファイルまたはXMLスクリプトに基づいてディスク・グループ内にファイル・グループを作成します。

構文および説明

mkfg { config_file.xml | 'contents_of_xml_script' }

次の表に、mkfgコマンドのオプションを示します。

表10-97 mkfgコマンドのオプション

オプション 説明

config_file.xml

ファイル・グループの構成情報が格納されているXMLファイルの名前。mkfgは、パスが指定されないかぎり、ASMCMDの現行作業ディレクトリ内でXMLファイルを検索します。

contents_of_xml_script.xml

一重引用符で囲まれたXMLスクリプトの内容。

XML構成ファイルまたはXMLスクリプトのルート要素は<file_group>タグであり、次の属性を保持します。

  • name: ファイル・グループ名

  • dg: ファイル・グループが属するディスク・グループ名

  • client_type: database、cluster、volume

  • client_name: データべス、CDB、PDB、クラスタまたはボリュームの名前

次のタグを使用してプロパティを設定できます。

  • name: プロパティ名

  • value: プロパティ値

  • file_type: プロパティ・ファイル・タイプ(オプション)

  • template: Oracle ASMテンプレート名(オプション)

次に、mkfgのXML構成ファイルの例を示します。この構成ファイルにより、sampleというデータベースについて、ディスク・グループdg_data1filegroup1というファイル・グループが作成されます。このファイル・グループは、割当て制限グループquotagroup1に関連付けられます。このファイル・グループ内のファイルは、冗長性がミラーに設定されます(高冗長性の制御ファイルを除く)。その他すべての属性は、デフォルト値に設定されます。

<filegroup name="filegroup1" dg="dg_data1" client_type="database" client_name="sample">
  <p name="redundancy" value="mirror"/>
  <p name="redundancy" value="high" file_type="controlfile"/>
  <p name="quota_group" value="quotagroup1"/>
</filegroup>

Oracle ASMファイル・グループの詳細は、Oracle ASMフレックス・ディスク・グループの管理を参照してください。

次に、XML構成ファイルおよびXMLスクリプトを使用したmkfgコマンドの使用例を示します。

例10-107 mkfgコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > mkfg config_file.xml

ASMCMD [+] > mkfg '<filegroup name="filegroup1" dg="dg_data1" client_type="database" client_name="sample"> 
                   </filegroup>'

mkqg

目的

ディスク・グループに割当て制限グループを追加します。

構文および説明

mkqg -G disk_group quota_group [property] [value]

次の表に、chqgコマンドのオプションを示します。

表10-98 mkqgコマンドのオプション

オプション 説明

-G disk_group

ディスク・グループを指定します。

quota_group

割当て制限グループを指定します。

property

プロパティ名を指定します。

value

プロパティの値を指定します。

mkqgコマンドは、オプションの指定されたプロパティで指定された割当て制限グループを指定されたディスク・グループに追加します。Oracle ASMファイル・グループおよび割当て制限グループの詳細は、Oracle ASMフレックス・ディスク・グループの管理を参照してください。

次に、mkqgコマンドの例を示します。1つ目の例では、プロパティを指定せずに割当て制限グループquota_grp1dataディスク・グループに追加します。2つ目の例では、quotaプロパティを指定して割当て制限グループquota_grp2dataディスク・グループに追加します。

例10-108 mkqgコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > mkqg -G data quota_grp1

ASMCMD [+] > mkqg -G data quota_grp2 quota 100G

mvfg

目的

指定された割当て制限グループにディスク・グループ内のファイル・グループを移動します。

構文および説明

mvfg -G disk_group --filegroup file_group quota_group

次の表に、mvfgコマンドのオプションを示します。

表10-99 mvfgコマンドのオプション

オプション 説明

-G disk_group

ディスク・グループを指定します。

—filegroupfile_group

ファイル・グループを指定します。

quota_group

割当て制限グループを指定します。

次に、mvfgコマンドの例を示します。この例では、DATAディスク・グループ内のファイル・グループFG1を割当て制限グループQG1に移動します。

例10-109 mvfgコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > mvfg -G DATA --filegroup FG1 QG1

mvfile

目的

ファイルを、ファイルが格納されている同じディスク・グループ内の指定されたファイル・グループに移動します。

構文および説明

mvfile file_name --filegroup file_group

次の表に、mvfileコマンドのオプションを示します。

表10-100 mvfileコマンドのオプション

オプション 説明

file_name

移動するファイルを指定します。

—filegroup file_group

ファイル・グループ名を指定します。

次のmvfileコマンドは、指定したOracle ASMファイルを指定したファイル・グループに移動します。

例10-110 mvfileコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > mvfile +data/orcl/controlfile/Current.260.684924747 --filegroup FG1

ASMCMD [+fra/orcl/archivelog/flashback] > mvfile log_7.264.684968167 --filegroup FG1

rmfg

目的

ディスク・グループから既存のファイル・グループを削除します。

構文および説明

rmfg [-r] disk_group file_group 

次の表に、rmfgコマンドのオプションを示します。

表10-101 rmfgコマンドのオプション

オプション 説明

-r

再帰的な操作を指定します。

disk_group

ディスク・グループを指定します。

file_group

ファイル・グループを指定します。

-rオプションは、内容を含めた再帰的な削除を指定します。ファイル・グループに格納されているディスク・グループ内のファイルはすべて、ファイル・グループの削除と同時に削除されます。このオプションは、ファイルが格納されているファイル・グループを削除する場合に指定する必要があります。このオプションを省略し、ファイル・グループが空でない場合、ASMCMDはエラーを戻し、ファイル・グループは削除されません。

次に、rmfgコマンドの使用例を示します。例の1つ目のコマンドは、DATA1ディスク・グループからファイル・グループFG1を削除します。2つ目のコマンドは、DATA2ディスク・グループからファイル・グループFG2とその内容をすべて削除します。

例10-111 rmfgコマンドの使用方法

 ASMCMD [+] > rmfg DATA1 FG1
 ASMCMD [+] > rmfg -r DATA2 FG2

rmqg

目的

ディスク・グループから割当て制限グループを削除します。

構文および説明

rmqg -G disk_group quota_group 

次の表に、rmqgコマンドのオプションを示します。

表10-102 rmqgコマンドのオプション

オプション 説明

-G disk_group

ディスク・グループを指定します。

quota_group

割当て制限グループを指定します。

次に、rmqgコマンドの使用例を示します。例のコマンドは、DATA1ディスク・グループから割当て制限グループQG1を削除します。

例10-112 rmqgコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > rmqg -G DATA QG1