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ASMCMD Oracle ASMフィルタ・ドライバ管理コマンド

このトピックでは、ASMCMD Oracle ASMフィルタ・ドライバ(Oracle ASMFD)管理コマンドの概要を示します。

関連項目:

Oracle Grid Infrastructureのインストールおよび構成の詳細は、使用しているオペレーティング・システムの『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

表10-43に、Oracle ASMフィルタ・ドライバ管理コマンドと簡単な説明を示します。

表10-43 ASMCMD Oracle ASMフィルタ・ドライバ管理コマンドの概要

コマンド 説明

afd_configure

Oracle ASMフィルタ・ドライバを構成します。

afd_deconfigure

Oracle ASMフィルタ・ドライバを構成解除します。

afd_di

Oracle ASMフィルタ・ドライバのデータ整合性の状態を操作します。

afd_dsget

Oracle ASMフィルタ・ドライバのdiskstring値を取得します。

afd_dsset

Oracle ASMフィルタ・ドライバのdiskstring値を設定します。

afd_filter

指定されたディスク・パスでOracle ASMフィルタ・ドライバ・モードを設定します。

afd_label

Oracle ASMフィルタ・ドライバのラベルをディスクに設定します。

afd_lsdsk

Oracle ASMフィルタ・ドライバ・ディスクをリストします。

afd_lslbl

Oracle ASMフィルタ・ドライバのラベルが格納されているディスクをリストします。

afd_refresh

AFD検出文字列を使用して、Oracle ASMフィルタ・ドライバのディスクをリフレッシュします。

afd_scan

Oracle ASMフィルタ・ドライバ・ディスクをスキャンします。

afd_state

Oracle ASMフィルタ・ドライバの状態を戻します。

afd_unlabel

既存のOracle ASMフィルタ・ドライバ・ラベルをクリアします。

afd_configure

目的

Oracle ASMフィルタ・ドライバを構成します。

構文および説明

# asmcmd afd_configure  [-d | -e] [-f]

次の表に、afd_configureコマンドのオプションを示します。

表10-44 afd_configureコマンドのオプション

オプション 説明

-d

Oracle ASMFDフィルタリング・モードを無効にします。

-e

Oracle ASMFDフィルタリング・モードを有効にします。

-f

Oracle ASMFDの構成を強制します。

afd_configureコマンドを、rootユーザーとして非対話形式で実行する必要があります。ノードでコマンドを実行する前に、Oracle Clusterwareをそのノードで停止する必要があります。afd_configureコマンドを実行した後、Oracle Clusterwareを各ノードで再起動します。afd_configureを実行すると、デフォルトのフィルタリング状態が有効になります。

次の例は、コマンドが実行されたノードにOracle ASMフィルタ・ドライバを構成します。例の$ORACLE_HOMEは、Oracle Grid Infrastructureホームを参照しています。

例10-52 afd_configureコマンドの使用方法

# $ORACLE_HOME/bin/asmcmd afd_configure

関連項目:

afd_deconfigure

目的

Oracle ASMフィルタ・ドライバを構成解除します。

構文および説明

# asmcmd afd_deconfigure [-f]

次の表に、afd_deconfigureコマンドのオプションを示します。

表10-45 afd_deconfigureコマンドのオプション

オプション 説明

-f

Oracle ASMFDの構成解除を強制します。

afd_deconfigureコマンドを、rootユーザーとして非対話形式で実行する必要があります。ノードでコマンドを実行する前に、Oracle Clusterwareをそのノードで停止する必要があります。afd_deconfigureコマンドを実行した後、Oracle Clusterwareを各ノードで再起動します。

次の例は、コマンドが実行されたノードでOracle ASMフィルタ・ドライバを構成解除します。例の$ORACLE_HOMEは、Oracle Grid Infrastructureホームを参照しています。

例10-53 afd_deconfigureコマンドの使用方法

# $ORACLE_HOME/bin/asmcmd afd_deconfigure

関連項目:

afd_di

目的

Oracle ASMフィルタ・ドライバ(Oracle ASMFD)のデータ整合性の状態を操作します。

構文および説明

afd_di {-e | -d | -q}

次の表に、afd_diコマンドのオプションを示します。

表10-46 afd_diコマンドのオプション

オプション 説明

-e

Oracle ASMFDのデータ整合性を有効にします。

-d

Oracle ASMFDのデータ整合性を無効にします。

-q

Oracle ASMFDのデータ整合性を問い合せます。

Oracle ASMフィルタ・ドライバの詳細は、「Oracle ASMフィルタ・ドライバの管理」を参照してください。

次に、Oracle ASMFDドライバのデータ整合性を有効にするafd_diコマンドの使用例を示します。

例10-54 ASMCMD afd_diコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > afd_di -e

afd_dsget

目的

Oracle ASMフィルタ・ドライバのディスク検出文字列値を取得します。

構文および説明

afd_dsget

Oracle ASMフィルタ・ドライバの詳細は、Oracle ASMフィルタ・ドライバを参照してください。

次の例は、現在のOracle ASMフィルタ・ドライバのディスク検出文字列値を戻します。

例10-55 afd_dsgetコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > afd_dsget
AFD discovery string: /dev/rdsk/mydisks/*

afd_dsset

目的

Oracle ASMフィルタ・ドライバのディスク検出文字列値を設定します。

構文および説明

afd_dsset afd_diskstring

afd_dssetコマンドの構文オプションの詳細は、表10-47を参照してください。

表10-47 afd_dssetコマンドのオプション

オプション 説明

afd_diskstring

Oracle ASMフィルタ・ドライバのディスク検出文字列の値を指定します。

Oracle ASMフィルタ・ドライバの詳細は、Oracle ASMフィルタ・ドライバを参照してください。

次の例は、現在のOracle ASMフィルタ・ドライバのディスク検出文字列値を設定します。

例10-56 afd_dssetコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > afd_dsset /dev/rdsk/mydisks/*

afd_filter

目的

指定されたディスク・パスでOracle ASMフィルタ・ドライバ・フィルタリング・モードを設定します。

構文および説明

afd_filter {-e | -d } [disk_path]

afd_filterコマンドの構文オプションについては、次の表で説明します。

表10-48 afd_filterコマンドのオプション

オプション 説明

-e

Oracle ASMフィルタ・ドライバ・モードを有効にします。

-d

Oracle ASMフィルタ・ドライバ・モードを無効にします。

disk_path

ディスクへのパスを指定します。

ディスク・パスを指定せずにコマンドを実行すると、ノード・レベルでフィルタリングが設定されます。

次の例では、afd_filterを使用して、指定されたディスク・パスでOracle ASMフィルタ・ドライバ・フィルタリングを有効にします。

例10-57 afd_filterコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > afd_filter -e /dev/sdq

afd_label

目的

Oracle ASMフィルタ・ドライバ(Oracle ASMFD)のラベルを、指定されたディスクに設定します。

構文および説明

afd_label afd_label disk_path [--migrate | --rename] [--init] [--force]

afd_labelコマンドの構文オプションの詳細は、表10-49を参照してください。

表10-49 afd_labelコマンドのオプション

オプション 説明

afd_label

Oracle ASMフィルタ・ドライバのラベルを指定します。

disk_path

ラベルが適用されるディスクへのパスを指定します。

--migrate

Oracle ASMフィルタ・ドライバのディスク・ラベルをdisk_path内のすべてのディスクに移行するよう指定します。

--rename

以前にラベル付けされたディスクへのラベル付けを指定します。

--init

初期化ステージでOracle ASMFDのラベルを設定することを指定します。このオプションは、Oracle ASMFDがすでにロードされている場合、使用できません。

--force

afd_labelコマンドによりすべてのステップが実行されます。

Oracle ASMフィルタ・ドライバの詳細は、「Oracle ASMフィルタ・ドライバの管理」を参照してください。

次の例は、Oracle ASMフィルタ・ドライバのラベルを、指定したディスクに設定します。

例10-58 afd_labelコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > afd_label 'disk0' '/dev/rdsk/mydisks/disk0'

afd_lsdsk

目的

Oracle ASMフィルタ・ドライバ・ディスクをリストします。

構文および説明

afd_lsdsk [--all]

次の表に、afd_lsdskコマンドのオプションを示します。

表10-50 afd_lsdskコマンドのオプション

オプション 説明

--all

クラスタ全体のOracle ASMFDディスクをすべてリストします。

次の例では、Oracle ASMフィルタ・ドライバ・ディスクをリストします。

例10-59 afd_lsdskコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > afd_lsdsk
--------------------------------------------------------------------------------
Label                     Filtering   Path
================================================================================
DISK0                       ENABLED   /dev/sdd
DISK1                      DISABLED   /dev/sdm
DISK2                       ENABLED   /dev/sdq

afd_lslbl

目的

指定された検出文字列を使用してオペレーティング・システムのディスクをスキャンし、Oracle ASMフィルタ・ドライバのラベルが格納されているディスクをリストします。

構文および説明

afd_lslbl [disk_string]

次の表に、afd_lslblコマンドのオプションを示します。

表10-51 afd_lslblコマンドのオプション

オプション 説明

disk_string

フィルタリング用のオプションのディスク・パス文字列を指定します。

Oracle ASMフィルタ・ドライバの詳細は、「Oracle ASMフィルタ・ドライバの管理」を参照してください。

次に、Oracle ASMFDのラベルが格納されているディスクをリストするafd_lslblコマンドの使用例を示します。

例10-60 ASMCMD afd_lslblコマンドの使用方法

ASMCMD [+]> afd_lslbl '/dev/sd*' 

Label                 Duplicate  Path 
======================================= 
DISK0                 /dev/sdd 
DISK1                 /dev/sdm

afd_refresh

目的

AFD検出文字列を使用して、Oracle ASMフィルタ・ドライバのディスクをリフレッシュします。

構文および説明

afd_refresh [--all]

次の表に、afd_refreshコマンドのオプションを示します。

表10-52 afd_refreshコマンドのオプション

オプション 説明

–-all

クラスタ全体のリフレッシュを指定します。

Oracle ASMフィルタ・ドライバ・ディスクの所有者がrootユーザーの場合は、V$ASM_DISKビューでディスク・サイズが正確に表示されるように、rootとしてafd_refresh --allを実行する必要があります。

Oracle ASMフィルタ・ドライバの詳細は、「Oracle ASMフィルタ・ドライバの管理」を参照してください。

次の例では、afd_refreshを使用してOracle ASMFDディスクをリフレッシュします。

例10-61 ASMCMD afd_refreshコマンドの使用方法

ASMCMD [+]> afd_refresh

afd_scan

目的

Oracle ASMフィルタ・ドライバ・ディスクをスキャンします。

構文および説明

afd_scan [afd_diskstring] [--all]

afd_scanコマンドの構文オプションの詳細は、表10-53を参照してください。

表10-53 afd_scanコマンドのオプション

オプション 説明

afd_diskstring

Oracle ASMフィルタ・ドライバのディスク検出文字列の値を指定します。

--all

Oracle ASMFDディスクについてクラスタ全体のスキャンを指定します。

afd_scanは、指定した検出文字列を使用して、Oracle ASMフィルタ・ドライバのディスクをスキャンします。ディスク文字列を指定せずにコマンドを実行した場合、afd_scanは、afd.confファイル内のOracle ASMフィルタ・ドライバのディスク検出文字列値を使用します。

Oracle ASMフィルタ・ドライバの詳細は、Oracle ASMフィルタ・ドライバを参照してください。

次の例は、指定したディスク文字列を使用してOracle ASMフィルタ・ドライバのディスクをスキャンします。

例10-62 afd_scanコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > afd_scan /dev/sd*

afd_state

目的

Oracle ASMフィルタ・ドライバの状態を戻します。

構文および説明

afd_state [--all]

表10-54に、afd_stateコマンドのオプションを示します。

表10-54 afd_stateコマンドのオプション

オプション 説明

--all

--allオプションは、クラスタ全体のチェックを実行します。

Oracle ASMフィルタ・ドライバの詳細は、Oracle ASMフィルタ・ドライバを参照してください。

次の例は、Oracle ASMフィルタ・ドライバの現在の状態を戻します。

例10-63 afd_stateコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > afd_state
ASMCMD-9526: The AFD state is 'LOADED' and filtering is 'DEFAULT' on host 'myhost'

afd_unlabel

目的

指定されたOracle ASMフィルタ・ドライバ(Oracle ASMFD)のラベルをクリアします。

構文および説明

afd_unlabel afd_label {afd_label | 'disk_path'} [-f] [--init]

afd_unlabelコマンドの構文オプションの詳細は、表10-55を参照してください。

表10-55 afd_unlabelコマンドのオプション

オプション 説明

afd_unlabel

クリアする既存のOracle ASMフィルタ・ドライバのラベルを指定します。

'disk_path'

既存のディスク・パスによって特定されたラベルをクリアすることを指定します。初期化ステージでディスクのラベル付けを解除する必要がある場合、ディスク・パスを使用するによってのみ実行できます。

—f

ディスクはOracle ASMメンバー・ディスクであり、ディスクの保留中のオープンがない場合、ラベルのクリアを強制します。

--init

初期化ステージでOracle ASMFDのラベルをクリアすることを指定します。このオプションは、Oracle ASMFDがすでにロードされている場合、使用できません。

Oracle ASMフィルタ・ドライバの詳細は、「Oracle ASMフィルタ・ドライバの管理」を参照してください。

次の例は、既存のOracle ASMフィルタ・ドライバのラベルをクリアします。

例10-64 afd_unlabelコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > afd_unlabel 'disk0'