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ASMCMDメンバー・クラスタ管理コマンド

このトピックでは、Oracle ASMリモート・インスタンスで使用されるASMCMDメンバー・クラスタ管理コマンドの概要を示します。

特に指定されないかぎり、ASMCMDクラスタ管理コマンドはOracle ASM-CSSクラスタで実行する必要があります。

Oracle Flex ASMの詳細は、Oracle Flex ASMの管理を参照してください。

表10-38に、ASMCMDメンバー・クラスタ管理コマンドと簡単な説明を示します。

表10-38 ASMCMDメンバー・クラスタ管理コマンドの概要

コマンド 説明

chcc

メンバー・クラスタの構成を変更します。

mkcc

メンバー・クラスタの構成を作成します。

lscc

構成済メンバー・クラスタをリストします。

rmcc

メンバー・クラスタの構成を削除します。

関連項目:

chcc

目的

メンバー・クラスタの構成を変更します。

構文および説明

chcc cluster_name [--direct | --indirect]
     [--version member_cluster_version]

次の表に、chccコマンドのオプションを示します。

表10-39 chccコマンドのオプション

オプション 説明

cluster_name

メンバー・クラスタの名前を指定します。

--direct

直接ストレージ・アクセスを指定します。

--indirect

間接ストレージ・アクセスを指定します。

--version member_cluster_version

メンバー・クラスタ・バージョンがストレージ・サーバー・バージョンと異なる場合、5桁のメンバー・クラスタ・バージョンを指定します。指定しないと、ストレージ・サーバー・バージョンが使用されます。

メンバー・クラスタのストレージ・アクセス方法を変更するには、次のステップを実行します。

  1. ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)のOracle Grid Infrastructureユーザーとして、chccコマンドを使用してメンバー・クラスタ・ストレージ・アクセス構成を変更します。

  2. ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)のOracle Grid Infrastructureユーザーとして、mkccコマンドを使用してメンバー・クラスタ構成を新しいクラスタ・マニフェスト・ファイルにエクスポートします。

    mkccコマンドを発行したときに報告される警告メッセージは無視してかまいません。

  3. 新しいクラスタ・マニフェスト・ファイルをエクスポートした後、メンバー・クラスタのノード上のrootユーザーとして、rootcrs.shスクリプトを使用して新しいクラスタ・マニフェスト・ファイルをノードにコピーします。

次の例は、メンバー・クラスタの—–asmコンポーネントと––gimrコンポーネントに対して、ストレージ・アクセス方法を直接から間接のOracle ASMストレージに変更する方法を示しています。

例10-48 ASMCMD chccコマンドの使用方法

ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)のOracle Grid Infrastructureユーザーとして、次のコマンドを実行します。

$ asmcmd chcc memberCluster1 --indirect

$ asmcmd mkcc memberCluster1 /export/cluster_manifest_new.xml --asm --gimr

メンバー・クラスタのrootユーザーとして、次のコマンドを使用して新しいクラスタ・マニフェスト・ファイルをメンバー・クラスタにコピーします。

  1. メンバー・クラスタ内のすべてのノードでrootcrs.shスクリプトを実行します。

    # rootcrs.sh --convertcluster STORAGE_ACCESS -manifestfile cluster_manifest_new.xml
  2. メンバー・クラスタの最後のノードで、-lastnodeオプションを指定してrootcrs.shスクリプトを実行します。

    # rootcrs.sh --convertcluster STORAGE_ACCESS -manifestfile cluster_manifest_new.xml -lastnode

lscc

目的

構成済メンバー・クラスタをリストします。

構文および説明

lscc [--suppressheader] [-l] [cluster_name | --file wrap]

次の表に、lsccコマンドのオプションを示します。

表10-40 lsccコマンドのオプション

オプション 説明

–suppressheader

出力で列のヘッダーを非表示にします。

-l

すべての詳細を表示します。

cluster_name

メンバー・クラスタの名前を指定します。

--file

クラスタ・マニフェスト・ファイルのコンテンツに関する情報を表示します。

wrap

資格証明のエクスポート先となるXMLファイルのフルパスを指定します。

次の例では、構成済メンバー・クラスタをリストします。

例10-49 ASMCMD lsccコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > lscc
--------------------------------------------------------------------------------
           NAME        VERSION GUID
================================================================================
 memberCluster1     12.2.0.0.0 78015b1e78756f88bf119fd8e5146df4
 memberCluster2     12.2.0.0.0 3de3bbd75e9a7f17bfe027b477b5bcae
================================================================================

ASMCMD [+] > lscc -l
--------------------------------------------------------------------------------
           NAME        VERSION GUID                             ASM GIMR TFA ACFS RHP
=====================================================================================   
 memberCluster1     12.2.0.0.0 78015b1e78756f88bf119fd8e5146df4 YES  YES YES  YES YES
 memberCluster2     12.2.0.0.0 3de3bbd75e9a7f17bfe027b477b5bcae YES  YES YES  YES  NO
=====================================================================================

ASMCMD [+] > lscc memberCluster1 --suppressheader
 memberCluster1     12.2.0.0.0 78015b1e78756f88bf119fd8e5146df4

ASMCMD [+] > lscc memberCluster1 --suppressheader -l
 memberCluster1     12.2.0.0.0 78015b1e78756f88bf119fd8e5146df4 ASM,GIMR,TFA,ACFS,RHP

mkcc

目的

メンバー・クラスタの構成を作成します。

構文および説明

mkcc cluster_name manifest_file [--direct]
     [--version member_cluster_version]
     [--guid member_cluster_guid]
     [--gimr gimr_pdb/export_dir]
     [--asm] [--gimr] [--rhp] [--acfs] [--tfa]

次の表に、mkccコマンドのオプションを示します。

表10-41 mkccコマンドのオプション

オプション 説明

cluster_name

メンバー・クラスタの名前を指定します。

manifest_file

資格証明のエクスポート先となるXMLファイルのフルパスを指定します。

--direct

直接ストレージ・アクセスを指定します。指定しないと、ストレージ・アクセスは間接となります。

--version member_cluster_version

メンバー・クラスタ・バージョンがストレージ・サーバー・バージョンと異なる場合、5桁のメンバー・クラスタ・バージョンを指定します。指定しないと、ストレージ・サーバー・バージョンが使用されます。

--guid member_cluster_guid

メンバー・クラスタの32文字のグローバル一意識別子を指定します。このオプションを指定すると、mkccで新しいGUIDは生成されません。指定したGUIDにすでにクラスタが構成されている場合、コマンドは失敗します。

--gimr gimr_pdb/export_dir

スタンドアロン・クラスタをメンバー・クラスタに変換する際のGIMR PDBのインポート元のディレクトリを指定します。

--asm

Oracle ASMメンバー・クラスタの資格証明および構成を生成します。

–-gimr

Oracle GIMRメンバー・クラスタの資格証明および構成を生成します。

–-rhp

Oracle RHPメンバー・クラスタの資格証明および構成を生成します。

–-acfs

Oracle ACFSメンバー・クラスタの資格証明および構成を生成します。

--tfa

Oracle TFAメンバー・クラスタの資格証明および構成を生成します。

メンバー・クラスタ名は、クラスタ名と同じルールに準拠する必要があります。名前は、企業全体で一意であり、長さは最短で1文字、最長で15文字であり、英数字を使用し、数字で始まらず、ハイフン(-)を含めることもできます。アンダースコア文字(_)は使用できません。

メンバー・クラスタ・コンポーネント・オプションを指定しないと、デフォルトでは、すべてのコンポーネントが構成され、それらの資格証明は同じマニフェスト・ファイルに格納されます。

GNS資格証明は、asmcmd mkccコマンドでは生成されません。メンバー・クラスタをGNSクライアントとして構成するには、次のコマンドを特権ユーザーとして実行し、GNSインスタンスのクライアント・データ構成をクラスタ・マニフェスト・ファイルにエクスポートします。

srvctl export gns -clientdata manifest_file -role CLIENT

次の例は、メンバー・クラスタの—–asmコンポーネントと––gimrコンポーネントの資格証明を作成し、それらの資格証明をクラスタ・マニフェスト・ファイルにエクスポートします。

例10-50 ASMCMD mkccコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > mkcc memberCluster1 /tmp/member_cluster1.xml --version 12.2.0.0.0 --asm --gimr

rmcc

目的

メンバー・クラスタの構成を削除します。

構文および説明

rmcc cluster_name [-f]

次の表に、rmccコマンドのオプションを示します。

表10-42 rmccコマンドのオプション

オプション 説明

cluster_name

メンバー・クラスタの名前を指定します。

-f

メンバー・クラスタの資格証明の削除の強制を指定します。

次の例では、メンバー・クラスタの構成を削除します。

例10-51 ASMCMD rmccコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > rmcc memberCluster1