ASMCMDインスタンス管理コマンド
このトピックでは、ASMCMDインスタンス管理コマンドの概要を示します。
この項で示すコマンドの一部は、クラスタ構成のリソースであるGrid Plug and Play(GPnP)プロファイルに影響を及ぼします。Oracle Restart構成では、プロファイルは、Grid Plug and Play(GPnP)プロファイルではなく実際にはリソース属性にあります。しかし、コマンドの機能はどちらの構成に対しても同じです。
ノート:
パスワード・ファイルの場所を変更した後、次のSQL文を実行してパスワード・ファイル・メタデータ・キャッシュをフラッシュする必要があります。
SQL> ALTER SYSTEM FLUSH PASSWORDFILE_METADATA_CACHE
パスワード・ファイルの場所は、orapwd
またはASMCMD pwcopy
、pwcreate
、pwdelete
、pwmove
、pwset
コマンドを実行することで変更できます。
関連項目:
Oracle Grid Infrastructureのインストールおよび構成の詳細は、使用しているオペレーティング・システムの『Oracle Grid Infrastructureインストレーションおよびアップグレード・ガイド』
表10-18に、Oracle ASMインスタンス管理コマンドと簡単な説明を示します。
表10-18 ASMCMDインスタンス管理コマンドの概要
コマンド | 説明 |
---|---|
Oracle ASMインスタンスとそのクライアントで使用されるディスク検出文字列値を取得します。 |
|
Oracle ASMインスタンスとそのクライアントで使用されるディスク検出文字列値を設定します。 |
|
現在のOracle ASMクライアントに関する情報をリストします。 |
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ディスク・グループまたはOracle ASMインスタンスでの現行操作をリストします。 |
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Oracle ASMパスワード・ファイルからユーザーをリストします。 |
|
Oracle ASMパスワード・ユーザーを追加、削除または変更します。 |
|
指定した場所にパスワード・ファイルをコピーします。 |
|
指定した場所にパスワード・ファイルを作成します。 |
|
指定した場所にあるパスワード・ファイルを削除します。 |
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パスワード・ファイルの場所を戻します。 |
|
パスワード・ファイルの場所を移動します。 |
|
パスワード・ファイルの場所を設定します。 |
|
Oracle ASMクラスタの現在のモードを表示します。 |
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クラスタの現在の状態を表示します。 |
|
Oracle Grid Infrastructureホームに適用されたパッチをリストします。 |
|
Oracle ASMクラスタのリリースおよびソフトウェアのパッチ・レベルを表示します。 |
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インスタンスを停止します。 |
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Oracle ASM SPFILEをバックアップします。 |
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Oracle ASM SPFILEをコピーします。 |
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Oracle ASM SPFILEの場所を取得します。 |
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Oracle ASM SPFILEを移動します。 |
|
Oracle ASM SPFILEの場所を設定します。 |
|
インスタンスを起動します。 |
dsget
目的
Oracle ASMインスタンスとそのクライアントで使用されるディスク検出文字列値を取得します。
構文および説明
dsget [ --normal | --parameter | --profile [-f] ]
dsget
コマンドの構文オプションの詳細は、表10-19を参照してください。
表10-19 dsgetコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
Grid Plug and Play(GPnP)プロファイルの検出文字列と、Oracle ASMインスタンスに設定されている検出文字列を取得します。プロファイルおよびパラメータ設定ごとに1行を戻します。これがデフォルトの設定です。 |
|
Oracle ASMインスタンスの |
|
検出文字列をGPnPプロファイルから取得します。 |
例
次の例では、dsget
を使用してGPnPプロファイルおよびASM_DISKSTRING
パラメータから現在のディスク検出文字列値を取得します。
例10-25 ASMCMD dsgetコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > dsget profile: /devices1/disk* parameter: /devices2/disk*
dsset
目的
Oracle ASMインスタンスとそのクライアントで使用されるディスク検出文字列値を設定します。
指定するディスク文字列は、既存のマウント済ディスク・グループに対して有効である必要があります。更新された値はすぐに有効になります。
構文および説明
dsset [ --normal | --parameter | --profile [-f] ] diskstring
dsset
コマンドの構文オプションの詳細は、表10-20を参照してください。
表10-20 dssetコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
Grid Plug and Play(GPnP)プロファイルとOracle ASMインスタンスに検出文字列を設定します。指定した検出文字列によって必要なディスク・グループおよび投票ファイルがすべて検出されることをOracle ASMインスタンスで正常に検証された後に、更新が行われます。インスタンスでサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)を使用していない場合、このコマンドは失敗します。 これがデフォルトの設定です。 |
|
ディスク検出文字列によって現在マウントされているディスク・グループおよび投票ファイルがすべて検出されることが検証された後に、ディスク文字列がメモリー内で更新されることを指定します。ディスク文字列は、SPFILEまたはGPnPプロファイルに永続的に記録されません。 |
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必要なディスク・グループをすべて検出できるかどうかをOracle ASMインスタンスで検証せずに、GPnPプロファイルにプッシュされるディスク検出文字列を指定します。更新は、クラスタを構成するすべてのノードに必ず伝播されます。
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|
ディスク検出文字列の値を指定します。 |
ディスク検出およびディスク検出文字列の詳細は、Oracle ASMディスク検出を参照してください。
例
次の例では、dsset
を使用してディスク検出文字列の現在の値をGPnPプロファイルに設定します。
例10-26 ASMCMD dssetコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > dsset /devices1/disk*,/devices2/disk*
lsct
目的
V$ASM_CLIENT
ビューから現在のOracle ASMクライアントについての情報を表示します。Oracle DatabaseやOracle ASM動的ボリューム・マネージャ(Oracle ADVM)などのクライアントでは、ASMCMDが現在接続しているOracle ASMインスタンスによって管理されるディスク・グループを使用します。
構文および説明
lsct [--suppressheader] [-g] disk_group
次の表に、lsct
コマンドのオプションを示します。
表10-21 lsctコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
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|
列ヘッダーを非表示にします。 |
|
ディスク・グループを指定します。 |
クライアント情報は、指定したディスク・グループにのみリストされます。
例
次の例では、data
ディスク・グループにアクセスするクライアントの情報を表示します。
例10-27 ASMCMD lsctコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > lsct data DB_Name Status Software_Version Compatible_version Instance_Name Disk_Group +ASM CONNECTED 19.0.0.0.0 19.0.0.0.0 +ASM DATA asmvol CONNECTED 19.0.0.0.0 19.0.0.0.0 +ASM DATA orcl CONNECTED 19.0.0.0.0 19.0.0.0.0 orcl DATA
lsop
目的
Oracle ASMインスタンス内のディスク・グループでの現行操作をリストします。
構文および説明
lsop
lsop
は、V$ASM_OPERATION
ビューから情報を表示します。
例
次に、lsop
コマンドの例を示します。この例では、現在のOracle ASMインスタンスのディスク・グループに対する操作をリストします。
例10-28 ASMCMD lsopコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > lsop Group_Name Dsk_Num State Power DATA REBAL WAIT 2 ASMCMD [+] > lsop Group_Name Dsk_Num State Power FRA REBAL REAP 3
lspwusr
目的
ローカルのOracle ASMパスワード・ファイルからユーザーをリストします。
構文および説明
lspwusr [--suppressheader]
表10-22に、lspwusr
コマンドのオプションを示します。
表10-22 lspwusrコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
出力で列のヘッダーを非表示にします。 |
例
次に、lspwusr
コマンドの例を示します。この例では、ローカルのOracle ASMパスワード・ファイルに指定されている現在のユーザーをリストします。
例10-29 ASMCMD lspwusrコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > lspwusr Username sysdba sysoper sysasm SYS TRUE TRUE TRUE ASMSNMP TRUE FALSE FALSE
orapwusr
目的
Oracle ASMパスワード・ファイルのユーザーを追加、削除または変更します。
構文および説明
orapwusr { --add | --modify | --delete | grant {sysasm|sysdba|sysoper} |
--revoke {sysasm|sysdba|sysoper} } user
表10-23に、orapwusr
コマンドのオプションを示します。
表10-23 orapwusrコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
パスワード・ファイルにユーザーを追加します。パスワードの入力も要求します。 |
|
指定したユーザーのパスワードを変更します。 |
|
パスワード・ファイルからユーザーを削除します。 |
|
ユーザーのロールを設定します。オプションは、 |
|
ユーザーのロールを削除します。オプションは、 |
|
追加、削除または変更するユーザーの名前。 |
orapwusr
は、クラスタ内のすべてのノードでパスワードを更新しようとします。このコマンドを実行するにはSYSASM権限が必要です。SYSDBAとしてログインしているユーザーは、このコマンドを使用してパスワードを変更することができません。
例
次に、orapwusr
コマンドの例を示します。この例では、hruser
をOracle ASMパスワード・ファイルに追加します。
例10-30 ASMCMD orapwusrコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > orapwusr --add hruser
pwcopy
目的
指定した場所に、Oracle ASMまたはデータベース・インスタンスのパスワード・ファイルをコピーします。
構文および説明
pwcopy [--asm |--dbuniquename string] source destination [-f]
表10-24に、pwcopy
コマンドのオプションを示します。
表10-24 pwcopyコマンドのオプション
オプション | 説明 |
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|
—f オプションを使用すると、チェックなしでパスワード・ファイルをコピーできます。
|
pwcopy
は、あるディスク・グループから別のディスク・グループに、オペレーティング・システムからディスク・グループに、またはディスク・グループからオペレーティング・システムに、パスワード・ファイルをコピーします。—f
オプションを指定すると、パスワード・ファイルを同じディスク・グループにコピーできます。
CRSDリソースを特定するには、–-asm
または--dbuniquename
のいずれかが必要です。–-asm
または--dbuniquename
のいずれかがpwcopy
コマンドに含まれている場合、ターゲット・ファイルは現在のパスワード・ファイルに設定されます。
パスワードをコピーするディスク・グループのcompatible.asm
ディスク・グループ属性を12.1
以上に設定する必要があります。
Oracle ASMおよびデータベースのパスワード・ファイルを管理するには、SYSASM
またはSYSDBA
権限が必要です。
例
次の例では、あるディスク・グループのOracle ASMパスワード・ファイルを別のディスク・グループにコピーします。pwcopy
コマンドに--asm
オプションが含まれているため、ターゲット・ファイル(+fra/orapwasm_new
)は現在のパスワード・ファイルに設定されます。
例10-31 ASMCMD pwcopyコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > pwcopy --asm +DATA/orapwasm +FRA/orapwasm_new copying +DATA/orapwasm -> +FRA/orapwasm_new
pwcreate
目的
ノート:
Oracle ASMをクラスタで構成している場合は、Oracle ASMパスワード・ファイルの作成にpwcreate
を使用しないでください。クラスタ構成でOracle ASMパスワード・ファイルにアクセスできない場合は、新しいファイルを作成するのではなく、使用可能なバックアップを使用してパスワード・ファイルをリストアしてください。クラスタで共有Oracle ASMパスワード・ファイルを再作成する方法の詳細、たとえばドキュメント1929673.1などを閲覧するには、My Oracle Support (https://support.oracle.com
)の記事を参照してください。
指定した場所に、Oracle ASMまたはOracle Databaseインスタンスのパスワード・ファイルを作成します。
構文および説明
pwcreate { --asm |--dbuniquename string } [-f] [--format format] file_path [sys_password]
表10-25に、pwcreate
コマンドのオプションを示します。
表10-25 pwcreateコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ASMCMDがログインしているOracle ASMインスタンスに、パスワード・ファイルを関連付けます。 |
|
パスワード・ファイルに関連付けられているOracle Databaseの一意の名前を指定します。 |
|
既存のパスワード・ファイルを強制的に削除し、新しいパスワード・ファイルを作成します。 |
|
パスワードを作成する形式を指定します。値は |
|
パスワード・ファイルを作成する場所を指定します。 |
|
初期 |
pwcreate
は、file_path
で指定したディスク・グループにパスワード・ファイルを作成します。初期SYS
パスワードは、sys_password
によって指定されます。
–-asm
または--dbuniquename
のいずれかが必要です。パスワードを配置するディスク・グループのcompatible.asm
ディスク・グループ属性を12.1
以上に設定する必要があります。
Oracle ASMおよびデータベースのパスワード・ファイルを管理するには、SYSASM
またはSYSDBA
権限が必要です。
詳細は、「ディスク・グループでの共有パスワード・ファイルの管理」を参照してください。
例
次の例では、Oracle ASMディスク・グループにOracle Databaseパスワード・ファイルを作成します。
例10-32 ASMCMD pwcreateコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > pwcreate –-dbuniquename orcl '+data/ORCL/orapwdb' Enter password for SYS:
pwdelete
目的
Oracle ASMまたはデータベース・インスタンスのパスワード・ファイルを削除します。
構文および説明
pwdelete { --asm |--dbuniquename string | file_path }
表10-26に、pwdelete
コマンドのオプションを示します。
表10-26 pwdeleteコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
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|
pwdelete
は指定したパスワード・ファイルを削除します。CRSDリソースを特定し、CRSDリソースからパスワードの場所を削除するには、–-asm
または--dbuniquename
のいずれかが必要です。
Oracle ASMおよびデータベースのパスワード・ファイルを管理するには、SYSASM
またはSYSDBA
権限が必要です。
例
次の例では、ディスク・グループから指定したパスワード・ファイルを削除します。
例10-33 ASMCMD pwdeleteコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > pwdelete +FRA/orapwasm_bak
pwget
目的
Oracle ASMまたはデータベース・インスタンスのパスワード・ファイルの場所を戻します。
構文および説明
pwget { --asm | --dbuniquename string }
表10-27に、pwget
コマンドのオプションを示します。
表10-27 pwgetコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
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|
pwget
は、–-asm
で識別されるOracle ASMインスタンスまたは--dbuniquename
で識別されるデータベース・インスタンスのパスワード・ファイルの場所を戻します。
Oracle ASMおよびデータベースのパスワード・ファイルを管理するには、SYSASM
またはSYSDBA
権限が必要です。
例
次の例では、Oracle ASMパスワード・ファイルの場所を返します。
例10-34 ASMCMD pwgetコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > pwget --asm +DATA/orapwasm
pwmove
目的
指定した場所に、Oracle ASMまたはデータベース・インスタンスのパスワード・ファイルを移動します。
構文および説明
pwmove { --asm | --dbuniquename string } source destination [-f]
表10-28に、pwmove
コマンドのオプションを示します。
表10-28 pwmoveコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
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pwmove
は、あるディスク・グループから別のディスク・グループに、オペレーティング・システムからディスク・グループに、またはディスク・グループからオペレーティング・システムに、パスワード・ファイルを移動します。—f
オプションを指定すると、パスワード・ファイルを同じディスク・グループ内のファイルに移行できます。
CRSDリソースを特定するには、–-asm
または--dbuniquename
のいずれかが必要です。
パスワードを移動するディスク・グループのcompatible.asm
ディスク・グループ属性を12.1
以上に設定する必要があります。
Oracle ASMおよびデータベースのパスワード・ファイルを管理するには、SYSASM
またはSYSDBA
権限が必要です。
例
次の例では、あるディスク・グループから別のディスク・グループにパスワード・ファイルを移動します。
例10-35 ASMCMD pwmoveコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > pwmove --asm +FRA/orapwasm_bak +DATA/orapwasm moving +FRA/orapwasm_bak -> +DATA/orapwasm
pwset
目的
Oracle ASMまたはデータベース・インスタンスのパスワード・ファイルの場所を設定します。
構文および説明
pwset { --asm | --dbuniquename string } file_path
表10-29に、pwset
コマンドのオプションを示します。
表10-29 pwsetコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
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|
|
|
|
pwset
は、Oracle ASMまたはデータベース・インスタンスのパスワード・ファイルの場所を、file_path
で指定した値に設定します。CRSDリソースを特定するには、--dbuniquename
または–-asm
のいずれかが必要です。
Oracle ASMおよびデータベースのパスワード・ファイルを管理するには、SYSASM
またはSYSDBA
権限が必要です。
例
次の例では、ディスク・グループにOracle ASMパスワード・ファイルの場所を設定します。
例10-36 ASMCMD pwsetコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > pwset --asm +DATA/orapwasm
showclustermode
目的
Oracle ASMクラスタの現在のモードを表示します。
構文および説明
showclustermode
showclustermode
は、Oracle ASMクラスタの現在のモードを表示します。考えられる戻り値は、ASMクラスタ: Flexモード有効またはASMクラスタ: Flexモード無効です。
例
次に、showclustermode
コマンドの使用例を示します。
例10-37 ASMCMD showclustermodeコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > showclustermode ASM cluster : Flex mode disabled
showclusterstate
目的
クラスタの現在の状態を表示します。
構文および説明
showclusterstate
showclusterstate
は、Oracle ASMクラスタの現在の状態を表示します。戻される値は、Normal、In Rolling PatchまたはIn Rolling Upgradeのいずれかのモードです。
例
次に、showclusterstate
コマンドの使用例を示します。
例10-38 ASMCMD showclusterstateコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > showclusterstate
showpatches
目的
Oracle Grid Infrastructureホームで適用されたパッチをリストします。
構文および説明
showpatches [-l]
次の表に、showpatches
コマンドのオプションを示します。
表10-30 showpatchesコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
パッチに関するすべての詳細を表示します。 |
showpatches
は、Oracle Grid Infrastructureホームに適用されているパッチをリストします。
例
次に、showpatches
コマンドの使用例を示します。
例10-39 ASMCMD showpatchesコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > showpatches -l Oracle ASM release patch level is [0] and no patches have been applied on the local node. The release patch string is [18.1.0.0.0].
showversion
目的
Oracle ASMクラスタのリリースおよびソフトウェアのパッチ・レベルを表示します。
構文および説明
showversion [[[--releasepatch] [--softwarepatch]] | [--active]]
次の表に、showversion
コマンドのオプションを示します。
表10-31 showversionコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
クラスタ・レベルのパッチ・バージョンを表示します。 かわりに、 |
|
ローカル・ノードでのパッチ・レベルを表示します。 かわりに、 |
|
アクティブなバージョンとアクティブなパッチ・レベルを表示します。 |
showversion
は、Oracle ASMクラスタのリリースおよびソフトウェアのパッチ・レベルを表示します。リリースおよびソフトウェアのパッチ・オプションは、Oracle ASMまたはOracle Grid Infrastructureホームのどちらがパッチ適用されているかに応じて異なることがあります。
ノート:
Oracle Grid InfrastructureまたはOracle ASMホームにパッチを適用しているときは、releasepatch
オプションおよびsoftwarepatch
オプションは異なる場合があります。標準モードのときは、これらのオプションは同じです。接続されているOracle ASMインスタンスがない場合、リリース・パッチ情報は表示されません。
例
次に、showversion
コマンドの使用例を示します。
例10-40 ASMCMD showversionコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > showversion --active Oracle ASM active version on the cluster is [19.0.0.0.0]. The cluster upgrade state is [NORMAL]. The cluster active patch level is [0].
shutdown
目的
インスタンスを停止します。
構文および説明
shutdown [--target target_instance] [--normal | --abort|--immediate ]
表10-32に、shutdown
コマンドのオプションを示します。
表10-32 shutdownコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ターゲット・インスタンスを指定します。 |
|
通常停止します。これはデフォルト・アクションです。 |
|
すべての既存の操作を停止します。 |
|
即時停止します。 |
デフォルトのターゲット・インスタンスは、ORACLE_SID
環境変数によって決まります。デフォルトのアクションは標準停止です。
Oracle ASMインスタンスの停止を--abort
オプションで試みる前に、Oracle ASMインスタンスを使用するデータベース・インスタンスをすべて停止し、Oracle ASM動的ボリューム・マネージャ(Oracle ADVM)ボリュームにマウントされているファイル・システムをすべてディスマウントすることをお薦めします。
Oracle ASMインスタンスの停止の詳細は、「Oracle ASMインスタンスの停止について」を参照してください。
例
次に、shutdown
コマンドの例を示します。1つ目の例では、標準アクションでOracle ASMインスタンスの停止を実行します。2つ目の例では、即時アクションで停止を実行します。3つ目の例では、すべての既存の操作の停止を実行します。
例10-41 ASMCMD shutdownコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > shutdown --target ASM --normal ASMCMD [+] > shutdown --target ASM --immediate ASMCMD [+] > shutdown --target ASM --abort
spbackup
目的
Oracle ASM SPFILEをバックアップ・ファイルにバックアップします。
構文および説明
spbackup source destination
表10-33に、spbackup
コマンドのオプションを示します。
表10-33 spbackupコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ソース・ファイルの名前を指定します。 |
|
宛先のファイルを指定します。 |
spbackup
は、ターゲット・ディスク・グループ内でSPFILEを作成せずに、同じまたは異なるディスク・グループ内でSPFILEの1つまたは複数のバックアップを作成する場合に使用する必要があります。
spbackup
を使用する場合、次のことに注意してください。
-
spbackup
では、Oracle ASM SPFILEをディスク・グループからディスク・グループまたはオペレーティング・システム・ファイルにバックアップできます。 -
spbackup
では、Oracle ASM SPFILEをオペレーティング・システム・ファイルからディスク・グループにバックアップできます。 -
spbackup
では、オープンされたOracle ASMインスタンスでOracle ASM SPFILEが使用されている場合、Oracle ASM SPFILEをバックアップできます。 -
spbackup
では、同じディスク・グループで内にOracle ASM SPFILEの複数のバックアップを作成できます。
spbackup
は、GPnPプロファイルに作用しません。作成されるバックアップ・ファイルは、特殊なファイル・タイプではなく、SPFILEとして識別されません。このバックアップ・ファイルはspcopy
を使用してコピーできません。このバックアップ・ファイルをディスク・グループ間でコピーするには、ASMCMD cp
コマンドを使用します。
SPFILEファイルとして識別されるディスク・グループ内のバックアップ・ファイルのコピーを作成するには:
例
次に、spbackup
コマンドの例を示します。1つ目の例では、data
ディスク・グループのSPFILEをバックアップします。2つ目の例では、SPFILEをdata
ディスク・グループからfra
ディスク・グループにバックアップします。
例10-42 ASMCMD spbackupコマンドの使用方法
ASMCMD> spbackup +DATA/asm/asmparameterfile/registry.253.721810181 +DATA/spfileBackASM.bak ASMCMD> spbackup +DATA/asm/asmparameterfile/registry.253.721810181 +FRA/spfileBackASM.bak
spcopy
目的
Oracle ASM SPFILEをソースの場所から宛先の場所のSPFILEにコピーします。
構文および説明
spcopy [-u] source destination
表10-34に、spcopy
コマンドのオプションを示します。
表10-34 spcopyコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
Grid Plug and Play(GPnP)プロファイルを更新します。 |
|
ソース・ファイルの名前を指定します。 |
|
宛先を指定します。 |
spcopy
を使用する場合、次のことに注意してください。
-
spcopy
では、Oracle ASM SPFILEをディスク・グループから異なるディスク・グループまたはオペレーティング・システム・ファイルにコピーできます。 -
spcopy
では、Oracle ASM SPFILEをオペレーティング・システム・ファイルからディスク・グループにコピーできます。 -
spcopy
では、オープンされたOracle ASMインスタンスでOracle ASM SPFILEが使用されている場合、Oracle ASM SPFILEをコピーできます。 -
spcopy
では、同じディスク・グループ内にOracle ASM SPFILEの複数のコピーを作成できません。その目的ではspbackup
を使用できます。
GPnPプロファイルを更新するには、spcopy
に-u
オプションを指定します。また、spcopy
が-u
オプションを指定せずに実行する場合は、spset
を使用してGPnPプロファイルを更新することもできます。
SPFILEをコピーし、GPnPプロファイルを更新した後で、新しい場所のSPFILEを使用するには、そのSPFILEを使用してインスタンスを再起動します。Oracle ASMインスタンスが新しい場所のSPFILEを使用して稼働している場合は、ソースのSPFILEを削除できます。
spcopy
を使用してOracle ASM SPFILEをディスク・グループにコピーするには、ターゲット・ディスク・グループのCOMPATIBLE.ASM
属性を11.2
以上に設定する必要があります。
例
次に、spcopy
コマンドの例を示します。1つ目の例では、Oracle ASM SPFILEをdata
ディスク・グループからfra
ディスク・グループにコピーします。2つ目の例では、Oracle ASM SPFILEをdata
ディスク・グループからあるオペレーティング・システムの場所にコピーします。3つ目の例では、Oracle ASM SPFILEをあるオペレーティング・システムの場所からdata
ディスク・グループにコピーし、-u
オプションを指定してGPnPプロファイルを更新します。
例10-43 ASMCMD spcopyコマンドの使用方法
ASMCMD> spcopy +DATA/asm/asmparameterfile/registry.253.721810181 +FRA/spfileCopyASM.ora ASMCMD> spcopy +DATA/asm/asmparameterfile/registry.253.721810181 $ORACLE_HOME/dbs/spfileCopyASM.ora ASMCMD> spcopy -u /oracle/product/11.2.0/grid/dbs/spfileTestASM.ora +DATA/ASM/spfileCopyASM.ora
関連項目:
-
ASMCMD
spset
コマンドの詳細は、「spset」 -
アップグレード後のOracle ASMインスタンスの初期化パラメータ・ファイルのコピーおよび移動の詳細は、「Oracle ASM初期化パラメータ・ファイルのバックアップ、コピーおよび移動について」
-
CREATE SPFILE
SQL文を使用したサーバー・パラメータの作成の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』
spget
目的
Oracle ASM SPFILEの場所をGrid Plug and Play(GPnP)プロファイルから取得します。
構文および説明
spget
spget
によって取得される場所は、GPnPプロファイルに指定されている場所ですが、現在使用されているSPFILEの場所とはかぎりません。たとえば、再起動していないOracle ASMインスタンスに対してspset
または-u
オプションを指定したspcopy
によって場所が最近更新されている場合があります。次にOracle ASMを再起動すると、この場所は、現在使用されているOracle ASM SPFILEを指します。
例
次に、spget
コマンドの例を示します。この例では、GPnPプロファイルからSPFILEの場所を取得して表示します。
例10-44 ASMCMD spgetコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > spget +DATA/ASM/ASMPARAMETERFILE/registry.253.813507611
spmove
目的
ソースから宛先にOracle ASM SPFILEを移動し、GPnPプロファイルを自動的に更新します。
構文および説明
spmove source destination
表10-35に、spmove
コマンドのオプションを示します。
表10-35 spmoveコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ソース・ファイルを指定します。 |
|
宛先のファイルを指定します。 |
spmove
を使用する場合、次のことに注意してください。
-
spmove
では、オープン・インスタンスでPFILEまたは別のSPFILEを使用している場合、Oracle ASM SPFILEを移動できます。SPFILEを移動した後で、新しい場所のSPFILEを使用するには、そのSPFILEを使用してインスタンスを再起動します。 -
spmove
では、オープンされたOracle ASMインスタンスでOracle ASM SPFILEが使用されている場合、Oracle ASM SPFILEを移動できません。
アップグレード後のOracle ASMインスタンスの初期化パラメータ・ファイルのコピーおよび移動の詳細は、「Oracle ASM初期化パラメータ・ファイルのバックアップ、コピーおよび移動について」を参照してください。
spmove
を使用してOracle ASM SPFILEをディスク・グループに移動するには、ディスク・グループ属性COMPATIBLE.ASM
を11.2
以上に設定する必要があります。
例
次に、spmove
コマンドの例を示します。1つ目の例では、Oracle ASM SPFILEをdata
ディスク・グループからあるオペレーティング・システムの場所に移動します。2つ目の例では、SPFILEをあるオペレーティング・システムの場所からdata
ディスク・グループに移動します。
例10-45 ASMCMD spmoveコマンドの使用方法
ASMCMD> spmove +DATA/spfileASM.ora /oracle/product/11.2.0/grid/dbs/spfileMoveASM.ora ASMCMD> spmove /oracle/product/11.2.0/grid/dbs/spfile+ASM.ora +DATA/ASM/spfileMoveASM.ora
spset
目的
Oracle ASM SPFILEの場所をGrid Plug and Play(GPnP)プロファイルに設定します。
構文および説明
spset location
表10-36に、spset
コマンドのオプションを示します。
表10-36 spsetコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
Oracle ASM SPFILEの場所を指定します。この場所は、SPFILEへのフルパスです。 |
例
次に、spset
コマンドの例を示します。この例では、data
ディスク・グループ内のOracle ASM SPFILEコマンドの場所を設定します。
例10-46 ASMCMD spsetコマンドの使用方法
ASMCMD> spset +DATA/asm/asmparameterfile/asmspfile.ora
startup
目的
デフォルトのインスタンスを起動します。
構文および説明
startup [--mount] [--nomount] [--restrict] [ --pfile pfile ]
表10-37に、startup
コマンドのオプションを示します。
表10-37 startupコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
マウント操作を指定します。これはデフォルト・アクションです。 |
|
ノーマウント操作を指定します。 |
|
制限モードを指定します。 |
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Oracle ASM初期化パラメータ・ファイル。 |
このコマンドは、ORACLE_SID
環境変数によって指定されたインスタンスを起動します。変数は、Oracle ASMインスタンス、IOServerインスタンスまたはAPXプロキシ・インスタンスのいずれかに設定できます。
Oracle ASMインスタンスに対するデフォルトのアクションは、ディスク・グループをマウントし、Oracle ASM動的ボリューム・マネージャ(Oracle ADVM)のボリュームを使用可能にする起動です。
例
次に、startup
コマンドの例を示します。この例では、ディスク・グループをマウントせずにOracle ASMインスタンス(ORACLE_SID=+ASM
)を起動し、asm_init.ora
初期化パラメータ・ファイルを使用します。
例10-47 ASMCMD startupコマンドの使用方法
ASMCMD> startup --nomount --pfile asm_init.ora
関連項目:
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起動時にマウントされるディスク・グループの詳細は、「起動時のディスク・グループのマウントについて」
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Oracle ASMインスタンスの起動の詳細は、「Oracle ASMインスタンスの起動について」