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STATS_F_TEST

構文

目的

STATS_F_TESTは、2つの分散に有意差があるかどうかをテストします。fの観測値は、他方の分散に対する一方の分散の比率です。この値が1と大きく異なる場合は、通常、有意差があることを示しています。

このファンクションは2つの必須の引数を取ります。expr1はグループ変数または独立変数で、expr2は値の標本です。オプションの3つ目の引数を使用すると、表7-5に示すように、このファンクションによって戻されるNUMBER値の意味を指定できます。この引数には、テキスト・リテラル、バインド変数または定数の文字値に評価される式を指定できます。3つ目の引数を指定しない場合、デフォルトは'TWO_SIDED_SIG'です。

関連項目:

STATS_F_TESTの照合決定ルールは、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』の付録Cを参照してください。

表7-5 STATS_F_TESTの戻り値

引数 戻り値の意味

'STATISTIC'

fの観測値

'DF_NUM'

分子の自由度

'DF_DEN'

分母の自由度

'ONE_SIDED_SIG'

fの片側有意

'TWO_SIDED_SIG'

fの両側有意

片側有意は常に上側確率に関連します。最後の引数expr3は、expr1で指定した2つのグループのうち、大きい値または分子(棄却域が上側確率の値)のグループを示します。

fの観測値は、2つ目のグループの分散に対する1つ目のグループの分散の比率です。fの観測値の有意性は、2つの分散が偶然に異なる確率で、0(ゼロ)から1の数値です。この有意性の値が小さい場合、2つの分散に有意差があることを示しています。各分散の自由度は、標本における観測数から1を引いた値です。

STATS_F_TESTの例

次の例では、男性と女性のクレジット利用限度額に有意差があるかどうかを判断します。p_valueが0(ゼロ)に近くなく、f_statisticが1に近いという結果は、男性と女性のクレジット利用限度額の差が有意でないことを示しています。

SELECT VARIANCE(DECODE(cust_gender, 'M', cust_credit_limit, null)) var_men,
       VARIANCE(DECODE(cust_gender, 'F', cust_credit_limit, null)) var_women,
       STATS_F_TEST(cust_gender, cust_credit_limit, 'STATISTIC', 'F') f_statistic,
       STATS_F_TEST(cust_gender, cust_credit_limit) two_sided_p_value
  FROM sh.customers;

   VAR_MEN  VAR_WOMEN F_STATISTIC TWO_SIDED_P_VALUE
---------- ---------- ----------- -----------------
12879896.7   13046865  1.01296348        .311928071