AutoUpgrade構成ファイルのローカル・パラメータ

AutoUpgradeユーティリティのアップグレード用に特定のOracle Databaseの情報を構成するには、AutoUpgradeローカル・パラメータに情報を指定します。

使用上のノート

ローカル・パラメータは、AutoUpgrade構成ファイルで設定されたグローバル・パラメータよりも優先されます。ローカルで設定する必要があるか、ローカルで変更可能なグローバル・パラメータとして設定する必要があるローカル・パラメータは(「必須」)で示されます。すべてのローカル・パラメータは接頭辞を使用します(例: 特定のデータベースまたはアップグレードを識別するために定義する値で識別)。接頭辞は、構成ファイルでパラメータが適用される特定のアップグレード・ジョブを識別します。

例: 構成ファイルの最初のアップグレードのパラメータのセットでは、接頭辞salesが使用され、構成ファイル内の次のアップグレードのパラメータのセットでは、接頭辞employeesが使用されます。


sales.source_home=/u01/app/oracle/12.2/dbhome1
.
.
.
employees.sid=salescdb
employees.source_home-/03/app/oracle/21/dbhome1

add_after_upgrade_pfile

(オプション)アップグレード後にパラメータを追加するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。

sales3.add_after_upgrade_pfile=/path/to/my/pfile_add.ora

add_during_upgrade_pfile

(オプション)アップグレード時にパラメータを追加するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。

sales3.add_during_upgrade_pfile=/path/to/my/newpfile.ora

after_action

(オプション) deployモードでは、接頭辞アドレスで識別されるデータベースのデプロイ・ジョブの完了後に実行するカスタム・アクションを指定します。

使用上のノート

使用するスクリプトはname.ext (たとえば、myscript.sh)の形式である必要があります。これにより、AutoUpgradeは実行するスクリプトのタイプを識別できます。許可される拡張子オプションは、次のとおりです。

  • UNIXシェル(.sh)

  • Microsoft Windowsバッチ(.bat.cmd)

  • Microsoft Windows PowerShell (.ps1)

  • Oracle SQLファイル(.sql)。接頭辞によって指定されたローカル操作のみ。

デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、Yフラグを使用してAutoUpgradeが停止するように指定します。スクリプトが0とは異なるステータスで終了すると、失敗して完了したとみなされます。

グローバルのafter_actionパラメータとは対照的に、ローカルのafter_actionパラメータはSQLスクリプトを指定でき、非CDBのOracleホーム上のターゲットOracleデータベース・バイナリまたはCDB$ROOTを使用してデータベースで実行されます。追加のコンテナ固有のアクションを実行する場合、コード内でこれらを設定する必要があります。より複雑なシナリオでは、シェルでコンテナ固有のアクションを実行できます。

スクリプトの出力が取得され、ファイルに格納されます。stdoutstderrの両方が取得されます。ファイルは、特定のデータベースまたはジョブに一致するディレクトリのpostupgradeサブディレクトリに格納されます。

次の環境変数はスクリプトを実行するシェルに設定されます。

  • ORACLE_SID
  • ORACLE_UNQNAME
  • ORACLE_BASE
  • ORACLE_HOME
  • TNS_ADMIN

AutoUpgradeが処理を開始した後に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、次のようにYフラグを設定します。

sales2.after_action=/user/path/script.sh Y 

AutoUpgradeがデプロイ・オプションの処理を開始した後、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合に実行を継続するには、次のようにAutoUpgradeを設定します。

sales3.after_action=/user/path/script.sh 

before_action

(オプション) deployモードでは、接頭辞で指定された特定のデータベース・ジョブのアップグレード・ジョブの起動前に実行するカスタム・アクションを指定します。すべてのアップグレード・ジョブの前にスクリプトを実行する場合は、ローカル・パラメータ (global.before_action)を使用してそのスクリプトを指定します

使用上のノート

使用するスクリプトはname.ext (たとえば、myscript.sh)の形式である必要があります。これにより、AutoUpgradeは実行するスクリプトのタイプを識別できます。許可される拡張子オプションは、次のとおりです。

  • UNIXシェル(.sh)

  • Microsoft Windowsバッチ(.bat.cmd)

  • Microsoft Windows PowerShell (.ps1)

  • Oracle SQLファイル(.sql)。接頭辞によって指定されたローカル操作の場合のみ。

デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、Yフラグを使用してAutoUpgradeが停止するように指定します。スクリプトが0とは異なるステータスで終了すると、失敗して完了したとみなされます。

グローバルbefore_actionパラメータとは対照的に、ローカルbefore_actionパラメータはSQLスクリプトを指定でき、これは前のリリースのOracle Databaseバイナリを使用して、ソース・データベースのOracleホームのデータベースで実行されます。スクリプトは非CDBのOracleホームまたはCDB$ROOTで実行されます。追加のコンテナ固有のアクションを実行する場合、コード内でこれらを設定する必要があります。より複雑なシナリオでは、シェルでコンテナ固有のアクションを実行できます。

スクリプトの出力が取得され、ファイルに格納されます。stdoutstderrの両方が取得されます。ファイルは、特定のデータベースまたはジョブに一致するディレクトリのpreupgradeサブディレクトリに格納されます。

次の環境変数はスクリプトを実行するシェルに設定されます。

  • ORACLE_SID
  • ORACLE_UNQNAME
  • ORACLE_BASE
  • ORACLE_HOME
  • TNS_ADMIN

AutoUpgradeがdeployモードの処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、次のようにYフラグを設定します。

sales.before_action=/user/path/script.sh Y 

AutoUpgradeが処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合実行を継続するには、次のようにAutoUpgradeを設定します。

sales4.before_action=/user/path/script.sh 

catctl_options

(オプション) AutoUpgradeがcatctl.plに送信してデフォルトの動作をオーバーライドするために選択できるcatctl.plオプションのセットを1つ以上指定します。

使用上のノート

使用可能なcatctl.plオプション:

  • -n パラレル操作に使用するプロセス数。リプレイ・アップグレードの場合、アップグレードに使用されるパラレル・プロセスの数は、CPU_COUNTを4で割った値にデフォルト設定されます。クラシック・アップグレードの場合、CDB$ROOTおよびNON-CDBデータベースのデフォルトは8です。
  • -N PDBのアップグレード時に使用するプロセッサの数。リプレイ・アップグレードの場合、アップグレードに使用されるパラレル・プロセスの数は、CPU_COUNTを4で割った値にデフォルト設定されます。クラシック・アップグレードの場合、デフォルトは2です
  • -T オフラインのユーザー・スキーマベースの表領域を取得します。
  • -z catcon.plの本番デバッグ情報を有効にします。

sales4.catctl_options=-n 24 -N 4

checklist

(オプション)ポリシーまたはセキュリティ上の問題のために自動的に実装しない修正など、AutoUpgradeによって実行される修正のデフォルト・リストをオーバーライドするために使用できるチェックリストへのパスを指定します。

使用上のノート

他のAutoUpgradeモードでこのパラメータを使用するには、analyzeモードでAutoUpgradeを実行する必要があります。AutoUpgradeで分析が終了すると、事前チェック・ディレクトリ(dbname_checklist.cfg)の下のデータベース名によって識別されるチェックリスト・ファイルを検索できます。ファイルを手動で更新して、AutoUpgradeでバイパスする修正を除外し、ファイルを新しい名前で保存します。AutoUpgradeを再度実行すると、作成したチェックリスト・ファイルを指すパラメータを指定し、個々のデータベースに対して実行された修正を変更できます。チェックリスト・ファイル・パスを指定しない場合、アップグレード時に実行される修正のセットは、指定したデプロイ・モードで作成される最新バージョンのチェックリスト・ファイルです。

sales.checklist=/u01/app/oracle/upgrade-jobs/salesdb_checklist.cfg

前述の例では、salesdb_checklist.cfgはデータベースsalesdbのチェックリスト構成ファイルです。

close_source

(オプション) AutoUpgradeが非CDBからPDBへの変換を開始するか、切断再配置アップグレードを開始するか、リフレッシュ可能なクローンPDBを使用する直前に、ソース非CDBまたはソースPDBをクローズします。

使用上のノート

前述の操作時に、close_sourceyes (デフォルト)に設定されている場合、AutoUpgradeは、アップグレードを開始する直前にソース非CDBまたはソースPDBをクローズします。さらに、Oracle Real Application ClustersまたはOracle Grid Infrastructure (CRS)サービスが非CDBソース用に構成されている場合、アップグレードを開始する前に無効化されます。

このパラメータは、ソース・データベースとターゲット・データベースの両方が同じシステム上にある場合にのみ使用できます。異なるシステム上にある場合、ソース非CDBまたはPDBはAutoUpgradeがアクセスできないためクローズできません。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はyes

sales3.close_source=yes

del_after_upgrade_pfile

(オプション)アップグレード後にパラメータを削除するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。

sales3.del_after_upgrade_pfile=/path/to/my/pfile_del.ora

del_during_upgrade_pfile

(オプション)アップグレード時にパラメータを削除するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。

sales3.del_during_upgrade_pfile=/path/to/my/oldpfile.ora

delete_wincredential_file

(オプション) AutoUpgradeジョブの完了時にMicrosoft Windows資格証明オブジェクト・ファイルを削除します。

使用上のノート

NOに設定すると、AutoUpgradeは、Microsoft Windowsファイル資格証明を最初に使用するAutoUpgradeジョブの完了後に資格証明を削除しません。デフォルト値はYESです。

このパラメータの目的は、wincredentialパラメータでロードされたMicrosoft Windowsオブジェクト資格証明が最初に使用された後に、AutoUpgradeでこれらの資格証明をすぐに削除するか、他のAutoUpgradeパッチ適用またはアップグレード操作でWindowsオブジェクト資格証明を再利用できるようにするかを選択できるようにすることです。

ノート:

delete_wincredential_fileNOに設定した場合は、AutoUpgradeジョブの完了後にその資格証明を手動で削除する必要があります。AutoUpgradeから、アップグレード後のサマリー・レポートに、Windows資格証明ファイルが削除されなかったことと、この資格証明ファイルを手動で削除する必要があることが通知されます。

ユース・ケース:

AutoUpgradeを使用して複数のアップグレードまたはパッチ適用操作を実行しており、複数のアップグレードまたはパッチ適用操作がすべて自動的に完了できるように、Microsoft Windowsサーバー上のデータベース・バイナリの所有者の資格証明を指定したいと考えています。wincredentialパラメータを指定して資格証明をロードし、さらにdelete_wincredential_fileNOに指定すると、AutoUpgradeは、同じOracle Databaseの複数のアップグレードまたはパッチに対しても、異なるOracle Databasesに対してもその資格証明を使用できます。この機能を使用するには、WindowsのPowerShell資格証明オブジェクトをすでに作成し、wincredentialを使用して構成ファイルにその資格証明オブジェクトを指定する必要があります。

次の例では、ローカル構成ファイル設定wincredentialは、Microsoft Windows資格証明がロードされた場所を指定し、delete_wincredential_file=NOは、db12201データベース操作の完了後にAutoUpgradeでWindowsオブジェクト資格証明ファイルを自動的に削除しないことを指定します。

global.autoupg_log_dir=C:\Users\oracle\autoupg
global.target.version=19.0.0
global.target_home=C:\u01\app\oracle\product\19\dbhome_1
 
upg1.sid=db12201
upg1.source_home=C:\u01\app\oracle\product\12.2\dbhome_1
upg1.log_dir=C:\Users\Oracle\autoupg
upg1.upgrade_node=localhost
upg1.target_base=C:\u01\app\oracle
upg1.target_version=19.0.0.0
upg1.wincredential=C:\Users\oracle\cred
upg1.delete_wincredential_file=NO

download

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション) My Oracle Supportからパッチを自動的にダウンロードするかどうかを指定します。

使用上のノート

My Oracle Supportからパッチを自動的にダウンロードするかどうかを指定します。デフォルトは「はい」です。

YESに設定した場合、コマンドラインで-load_passwordコマンドライン・オプションを使用して、My Oracle Support (MOS)資格証明またはOAUTHトークンのいずれかをAutoUpgradeパッチ適用にロードする必要があります。

ダウンロードされるパッチは、folderパラメータで指定したディレクトリ・フォルダに配置されます。

My Oracle Supportへの接続にプロキシ情報が必要な場合は、Linuxオペレーティング・システムの環境変数https_proxyhttp_proxyおよびno_proxyを使用してプロキシ値を設定します。

プロキシ定義のサポートされている形式は次のとおりです。user_infoはユーザー・アカウント、siteはURL、portはプロキシ・リスナーの指定ポートです:

[https|http|socks5|socks]://(user_info@)site:port

プロキシ定義にuser_info を追加することはオプションであり、プロキシの資格証明の形式はusername:passwordです。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はyes

パッチをAutoUpgradeで自動的にダウンロードするのではなく、手動でダウンロードしたパッチを使用するように、デフォルト(yes)をオーバーライドします。

upg1.download=no 

drop_grp_after_patching

AutoUpgradeパッチ適用の場合、データベース・パッチ・メンテナンス後に保証付きリストア・ポイント(GRP)を削除します。

使用上のノート

このパラメータ・オプションを選択すると、AutoUpgradeパッチ・メンテナンスが正常に完了した後に、GRPが削除されます。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

sales4.drop_grp_after_patching=yes

drop_win_src_service

(オプション) Microsoft Windowsでのアップグレードの場合、アップグレード後にソースOracle DatabaseのWindowsオペレーティング・システム・サービスを削除するかどうかを指定します。

使用上のノート

デフォルトでは、Microsoft Windowsオペレーティング・システムでのOracle Databaseアップグレードの場合、AutoUpgradeによってWindows Oracle Databaseサービスが停止され、アップグレードが完了すると、サービスはそのまま残ります。サービスを停止したままにしておくと、データベースのMicrosoft Windowsサービスを再作成しなくても、データベースをソースOracleホームにリストアできます。ただし、アップグレードが正常に完了した後、ソース・データベースのMicrosoft Windowsサービスを自動的に削除することを選択できます。noが指定されているか、値が指定されていない場合、サービスはソース上で停止されますが、アップグレード後にそのまま残されます。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

upg1.drop_win_src_service=yes 

em_blackout_suffix

(オプション)デフォルトのAutoUpgradeブラックアウトに追加する接尾辞を指定できます。

使用上のノート

Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース(EMCLI)を使用すると、AutoUpgradeでスケジュール済のブラックアウトを使用して、1つ以上のモニター対象ターゲットのデータ収集アクティビティを一時停止できます。このパラメータを使用して、AutoUpgradeブラックアウトに特定の接尾辞を指定します。デフォルトでは、EMCLIを使用してブラックアウトを作成できるようにすると、EMCLIログ・ファイル内のデフォルトのブラックアウト名は次のようになります。sidはブラックアウトが有効になっているデータベースのシステム識別子です:

blackout_AutoUpgrade_sid

em_blackout_suffixを指定すると、システム識別子(sid)の他に接尾辞(blackout-suffix)を指定できるため、AutoUpgradeプロセスをより正確に追跡できます。

構文

em_blackout_AutoUpgrade_sid_blackout-suffix

構成ファイルのアップグレード・セットを更新していて、接頭辞upg1が指定されたアップグレード・セットで、システム識別子sales1のデータベースに接尾辞を付加するとします。選択した接尾辞はq3-updatesです。これを行うには、次のようにem_blackout_autoupgradeを使用します:

upg1.em_blackout_autoupgrade_sid_q3-updates

em_target_name

(オプション)名前を付けたデータベースがEnterprise Managerによってモニターされるように指定して、モニタリングを新しいOracleホームに更新できるようにします。

使用上のノート

AutoUpgadeでは、Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース(EMCLI)を使用して、Enterprise Managerのモニタリングを新しいOracle Databaseホームに更新できます。ただし、データベースの名前を指定して、データベースを新しいOracleホームに更新するようにAutoUpgadeを構成する必要があります。

構文

構成ファイルにパラメータを入力します。database-sidは、モニター対象のOracleホームを更新する必要があるデータベースのデータベース・システム識別子です:

em_target_name=database-sid

新しいOracleホームを指すように、Enterprise Managerのモニター対象データベースsales1を更新します

upg1.em_target_name=sales1

emcli_path

(オプション) Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース(EMCLI)コマンドへのパスを指定できます。

使用上のノート

AutoUpgadeでは、Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース(EMCLI)を使用して、アップグレードまたはパッチ適用中にタスクを実行できます。ただし、コマンドにアクセスするには、モニター対象データベースを新しいOracleホームに更新するためにEMCTLがモニターしているデータベースのEMCTLパスへのパスをAutoUpgradeに指定する必要があります。

構文

emctl_path=path-to-emctl-location

構成ファイルのアップグレード・セットを更新していて、接頭辞upg1が指定されたアップグレード・セットで、Enterprise Managerのモニター対象データベースを新しいOracleホームに更新するとします。Enterprise Managerコマンドライン・インタフェースのホームへのパスはvar/opt/dbascripts/emcli/です。これを行うには、次のようにemctl_pathを使用します:

upg1.emctl_path=var/opt/dbascripts/emcli/

env

(オプション) ORACLE_SIDORACLE_HOMEORACLE_BASEおよびTNS_ADMINを除く、オペレーティング・システムに設定されているカスタム・オペレーティング・システム環境変数を指定します。

使用上のノート

このパラメータを使用して、データベースsqlnet.oraファイルに示されている環境設定(Oracleウォレットに使用されるセキュア・ソケット・レイヤー暗号スイートなど)を指定します。複数設定するには、カンマで区切ります。

構文:

prefix=VARIABLE1=value1 [, VARIABLE2=value2, ...]

PDB sales2の場合、WALLET_LOCATIONの値はカスタム環境変数を使用して設定されるとします。

WALLET_LOCATION=
  (SOURCE=
    (METHOD=file)
    (METHOD_DATA=(DIRECTORY=/databases/wallets/$CUSTOM_ENV1/$CUSTOM_ENV2))

その場合、AutoUpgradeでそれらのカスタム環境変数の値を認識するには、envパラメータ(dir1は環境変数CUSTOM_ENV1によって指定されるパス、dir2CUSTOM_ENV2によって指定されるパス)を使用して指定する必要があります。

sales2.env=CUSTOM_ENV1=dir1,CUSTOM_ENV2=dir2

exclusion_list

(オプション)AutoUpgrade実行から除外するPDBのリストを設定します。このパラメータは、マルチテナント・アーキテクチャ(CDB)データベースにのみ適用されます。非CDBデータベースを接続およびアップグレードしている場合、このパラメータは無視されます。

使用上のノート

このパラメータを使用して、AutoUpgrade実行から除外するPDBのリストを指定します。PDBリストはカンマで区切ります。PDB名のリストまたはアスタリスク(*)のいずれかを含めることができます。これは、AutoUpgradeの実行時にCDBでオープンしているすべてのPDBを除外することを示します。

構文:

prefix.exclusion_list=[pdb-name|*][,pdb-name,...]

PDB pdb1およびpdb2をcdb sales1のアップグレードから除外するとします。構成ファイルの次のエントリは、pdb1およびpdb2をAutoUpgradeの実行中の処理から除外します。

sales1.exclusion_list=pdb1,pdb2

構成ファイルのこのエントリは、CDB sales2からオープンしているすべてのPDBを除外します。

sales2.exclusion_list=*

folder

(AutoUpgradeパッチ適用の場合は必須)パッチzipファイルと必要なOracle Databaseベース・イメージを含むディレクトリを指定します。

使用上のノート

AutoUpgradeでパッチ適用を実行するには、パッチzipファイルを含むディレクトリを指定する必要があります。このディレクトリには、Oracle Databaseベース・イメージも含まれている必要があります。デフォルト値はありません。ディレクトリ・パスを指定する必要があります。このパラメータは、downloadパラメータと組み合せて次のようにも使用します:

download=YESの場合、folderパラメータで指定されたディレクトリは、パッチのダウンロード先のディレクトリです。

download=NOの場合、folderパラメータで指定されたディレクトリは、手動でダウンロードされたパッチが含まれているディレクトリである必要があります。

folderパラメータで指定するディレクトリには、ソース・データベースのリリース(Oracle Databaseリリース19.3など)のベース・イメージが含まれている必要があります。

upg1.folder=/storage/patches

home_settings.option

(オプション)ソースおよびターゲットのOracleホームに関する情報を指定できるようにするパラメータ・セット。

このオプションを使用すると、AutoUpgradeを使用して、多数のデータベース・コンポーネントをバイナリ・レベルで有効または無効にできます。

home_settings.account_type

(オプション) Microsoft Windowsでは、このオプションは、ターゲットORACLE_HOMEの作成時に使用するアカウントのタイプを指定します。

使用上のノート

Microsoft Windowsでは、Oracleホーム・ユーザーは、Windows仮想アカウント(VIRTUAL)、Windows組込みアカウント(BUILT_IN)または標準のWindowsユーザー・アカウント(管理者アカウント以外)(USER)のいずれかになります。

Windows仮想アカウントを使用する場合、Oracle Databaseをインストールし、パスワードなしでデータベース・サービスを作成および管理できます。組込みアカウントを使用する場合、インストールおよび管理時にユーザー名およびパスワードは要求されません。Windowsのユーザー・アカウントをOracleホーム・ユーザーとして使用する場合、インストールおよび一部の管理タスク時にユーザー名およびパスワードを指定する必要があります。仮想アカウントは、Oracle Database単一インスタンス・インストールのOracleホーム・ユーザーとして使用できます。仮想アカウントでは、インストールおよび管理時にユーザー名およびパスワードは必要ありません。

ノート:

このオプションを使用するには、AutoUpgradeを実行する前に、Windowsユーザー・アカウント(管理ユーザー以外)が存在している必要があります。AutoUpgradeでは、これらのユーザーを作成できません。

オプション

[VIRTUAL|BUILT_IN|USER]

この例では、組込みアカウントとしてOracleホーム・ユーザー・アカウントを指定します:

upg1.home_settings.account_type=built_in

home_settings.binopt.asm

(オプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、Oracle ASMのバイナリ・オプション(asm)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのOracle Automatic Storage Management (asm)バイナリはオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでasmバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.asm=yes

home_settings.binopt.dm

(オプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、Oracle Data Miningのバイナリ・オプション(dm)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成ファイルsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのOracle Data Mining (dm)バイナリはオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでdmバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.dm=yes

home_settings.binopt.jox

(オプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、JavaVM JITコンパイラのバイナリ・オプション(jox)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのJavaVM JITコンパイラ(jox)バイナリはオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでDMバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.jox=yes

home_settings.binopt.olap

(オプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、オンライン・アプリケーション処理(OLAP)オプションのバイナリ・オプション(olap)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのオンライン・アプリケーション処理オプション(olap)バイナリはオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでolapバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.olap=yes

home_settings.binopt.part

(オプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、Oracle Partitioningのバイナリ・オプション(part)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのOracle Partitioning (part)バイナリはオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでpartバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.part=yes

home_settings.binopt.rac

(オプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、Oracle RACのバイナリ・オプション(rac)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)バイナリ(rac)はオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでracバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.rac=yes

home_settings.binopt.rat

(オプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、Oracle Real Application Testingのバイナリ・オプション(rat)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのOracle Real Application Testingバイナリ(rat)はオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでratバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.rat=yes

home_settings.binopt.sdo

(オプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、Oracle Spatial Data Option Messagesのバイナリ・オプション(sdo)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのOracle Spatial Data Option Messages (SDO)バイナリ(sdo)はオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでsdoバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.sdo=yes

home_settings.binopt.uniaud

(オプション) AutoUpgradeパッチ適用によって作成されるターゲットORACLE_HOMEで、Oracleの統合監査機能のバイナリ・オプション(uniaud)をONまたはOFFにするかどうかを指定します。

使用上のノート

Oracle製品およびコンポーネントは、ソースOracleホームのバイナリ・レベルで有効または無効にされます。ローカル構成パラメータsource_homeを使用して、ソースOracleホームが構成ファイルに定義されている場合、ターゲットOracleホームに使用される値は、ソースOracleホームのバイナリ・オプションのステータスと一致します。デフォルトでは、バイナリ値は変更されません。ただし、yesまたはnoのいずれかを選択して、ターゲットOracleホームの設定をオーバーライドすることができます。

オプション

[yes | no]

デフォルトはありません。

この例では、ソースOracleホームのOracleの統合監査機能バイナリ(uniaud)はオフになっています。このパラメータは、ターゲットOracleホームでuniaudバイナリをONにするようにAutoUpgradeに指示します。

upg1.home_settings.binopt.uniaud=yes

home_settings.edition

(オプション)ターゲットORACLE_HOMEの作成に使用するOracle Databaseエディションを指定します。

使用上のノート

構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、エディションのデフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用されるエディションと一致します。それ以外の場合、デフォルト値はありません。

オプション

Standard (SE2)またはEnterprise Edition (EE):

[se2|ee]

この例では、Oracle DatabaseエディションをOracle Database Standard Editionに指定します。

upg1.home_settings.edition=se2

home_settings.home_name

(オプション)ターゲットORACLE_HOMEの作成時に、Oracle Inventory (oraInventory)ディレクトリ内のinventory.xmlファイルでデータベースに使用されるOracleホーム名を指定します。

使用上のノート

読取り/書込みのORACLE_HOMEでは、ORACLE_BASE_HOMEパスはORACLE_HOMEディレクトリと同じです。ただし、読取り専用のORACLE_HOMEでは、ORACLE_BASE_HOMEディレクトリは、ORACLE_HOMEと同じ場所ではなく、ORACLE_BASE/homes/HOME_NAMEにあります。HOME_NAMEの値は、ORACLE_HOMEの内部名です。これらのホーム名は、oraInventoryディレクトリ内で追跡されます。このディレクトリには、システムにインストールされているすべてのOracleホームの名前をリストするinventory.xmlというファイルがあります。Oracleソフトウェア所有者は、このグループのメンバーです。デフォルト値は、データベース・ホームに汎用名を使用することですが、このオプションを使用すると特定の名前を指定できます。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、Oracleホーム名を指定して、データベース・ホームをdbhome_2などの汎用名からinv_westに変更します:

upg1.home_settings.home_name=inv_west

home_settings.ignore_opatch_conflict

(オプション)個別パッチによるパッチ間の競合を解消するための競合解消戦略を指定します。

使用上のノート

このオプション・パラメータを使用すると、AutoUpgradeパッチ適用でOPatch前提条件チェックが実行されるときにAutoUpgradeで適用できるパッチ適用競合ポリシーを構成できます。このパラメータを使用して競合ポリシーを設定しているとき、AutoUpgradeでpatchパラメータで指定されたパッチ間の競合が検出されると、競合を解消するためにパッチ競合ポリシーが適用されます。競合がpatchパラメータで指定された個別パッチ間のみである場合、home_settings.ignore_opatch_conflictパラメータ値に基づいて、AutoUpgradeパッチ適用では、これらのパッチ間の競合を自動的に解消し、パッチ競合エラーで停止することなく、パッチ適用を完了することができます。

ノート:

patchパラメータで指定された個別パッチ以外の他のタイプのパッチ間でパッチの競合が発生した場合、AutoUpgradeでは、設定されたignore_patch_conflictポリシーに関係なく、常に停止してエラーを発行します。

オプション

[error|keep_first|skip_all]

デフォルトは、errorです。home_settings.ignore_opatch_conflictの値は次のとおりです:

  • error (デフォルト): AutoUpgradeでパッチの競合が発生すると、パッチ適用は停止します。AutoUpgradeはエラーを表示して、指定されたパッチ間に競合があることを示します。

  • keep_first: AutoUpgradeでパッチの競合が発生すると、構成ファイルprefix.patch=RU,OPATCH,patch-number1,patch-number2,patch-number3...パラメータ・エントリに入力された順序に基づいて個別パッチのインストールの優先順位が付けられます。競合が検出されると、パッチ・パラメータ値の順序で最初に出現する個別パッチは、これらのパッチが、パラメータ・パッチ優先度リストの後の方で指定されたパッチと競合する場合でも、引き続きインストールされます。パッチ適用操作の最後に、AutoUpgradeは適用できなかったパッチをレポートします。
  • skip_all : AutoUpgradeパッチ適用では、競合するすべての個別パッチのインストールが自動的にスキップされ、競合しないパッチのインストールが続行されます。

ignore_opatch_conflict=error

この例では、ignore_opatch_conflictオプションを指定しない(この場合、デフォルトはERRORに設定される)か、構成ファイルでこのオプションをERRORに設定します。その結果、AutoUpgradeでは、個別パッチ(101,102,103)間で競合が発生した場合、停止してエラーを表示します。

upg1.patch=RECOMMENDED,101,102,103

upg1.home_settings.ignore_opatch_conflict = ERROR



ignore_opatch_conflict=keep_first

この例では、構成ファイルでignore_opatch_conflictオプションをKEEP_FIRSTに設定します。

upg1.patch=RU,OPATCH,OJVM,101,102,103,104,105,106,107,108
upg1.home_settings.ignore_opatch_conflict = KEEP_FIRST

次の個別パッチ間で競合が発生したとします:

  • 101,102
  • 101,103
  • 102,103
  • 103,104
  • 104,105
  • 105,108

この場合、AutoUpgradeパッチ適用はエラー・メッセージで停止せず、パッチ・パラメータ値の順序での出現順に基づいてパッチ(RU、OPATCH、OJVM、101,104,106,107,108)のインストールを続行します。AutoUpgradeでは、パッチ102、103および105のインストールを自動的に無視します。パッチ適用操作の最後に、AutoUpgradeは競合があって無視されたパッチ(102、103、105)を、「次のジョブに指定された個別パッチ間で競合が検出され、無視されました」というメッセージとともにレポートします。

ignore_opatch_conflict=skip_all

この例では、構成ファイルでignore_opatch_conflictオプションをSKIP_ALLに設定します。

upg1.patch=RU,OPATCH,OJVM,101,102,103,104,105
upg1.home_settings.ignore_opatch_conflict = SKIP_ALL

競合があるが、パッチ103と104の間にのみ存在するとします。その場合、AutoUpgradeでは、パッチ番号103と104を無視し、停止してエラーを表示することなく、パッチRU、OPATCH、OJVM、101、102および105のインストールを完了します。プロセスの最後に、AutoUpgradeは、パッチ103および104で競合が検出されたため、これらのパッチが無視されたことをレポートします。

home_settings.inventory_group

(オプション) Oracle Inventoryグループ(OINSTALL)として指定されるグループを指定します。

使用上のノート

Oracle Inventoryグループのメンバーには、Oracle Inventoryグループ・ディレクトリ(oraInventory)に対して読取りおよび書込みを実行するためのOINSTALL権限が付与されます。Oracleソフトウェア所有者は、このグループのメンバーです。oraInst.locがシステムにすでに存在する場合、デフォルト値は、システムにすでに定義されている指定されたオペレーティング・システム・グループと一致します。それ以外の場合、デフォルト値はoinstallです。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、OINSTALLグループをoracle-ownersに指定します:

upg1.home_settings.inventory_group=oracle-owners

home_settings.inventory_location

(オプション) Oracle Databaseインベントリ(oraInventory)ディレクトリに使用するディレクトリを指定します。

使用上のノート

Oracle Inventoryディレクトリ(oraInventory)では、システムにインストールされたすべてのOracle ソフトウェアのインベントリが保持されます。oraInst.locがシステムにすでに存在する場合、oraInventoryのデフォルト値は、すでに定義されている指定されたinventory_locationディレクトリと一致します。それ以外の場合、デフォルト値はありません。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、Oracle Inventoryをパスの場所/u02/app/oraInventory内に指定します:

upg1.home_settings.inventory_location=/u02/app/oraInventory

home_settings.oracle_base

(オプション) Oracleベース・ディレクトリに使用するディレクトリを指定します。

使用上のノート

読取り専用のORACLE_HOMEでも読取り/書込みのORACLE_HOMEでも、ユーザー固有のファイル、インスタンス固有のファイルおよびログ・ファイルは、ORACLE_BASE_HOMEという場所にあります。デフォルトでは、Oracleベース・ホーム・ディレクトリには、/u01/app/oracle/などのOptimal Flexible Architecture (OFA)パスがあります。必要に応じて、デフォルトのOracleベースから、/optパスなどの他のパスに変更できます。

この例では、Oracleベース・ホームをパスの場所/opt/oracle/databases/内に指定します:

upg1.home_settings.inventory_location=/opt/oracle/databases/

home_settings.osbackupdba_group

(オプション) Oracle Databaseのオペレーティング・システムのOSBACKUPDBAバックアップおよびリカバリ・システム権限グループとして指定されるグループを指定します。

使用上のノート

このオプションは、ターゲットORACLE_HOMEをインストールしてOSBACKUPDBAシステム権限グループを指定するときに、AutoUpgradeパッチ適用とともに使用されます。AutoUpgradeパッチ適用を実行しているユーザーは、指定されたグループのメンバーである必要があります。デフォルトでは、構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、デフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用されるOSBACKUPDBAグループと一致します。それ以外の場合、デフォルト・グループはhome_settings.osdba_groupに指定されたグループを使用します。これらのデフォルトをオーバーライドするには、名前付きOSBACKUPDBAグループを指定します。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、OSBACKUPDBAグループをoracle_backupに指定します:

upg1.home_settings.osbackupdba_group=oracle_backup

home_settings.dba_group

(オプション)データベースのオペレーティング・システムのDBAシステム権限グループ(OSDBA)管理として指定されるグループを指定します。

使用上のノート

このオプションは、ターゲットORACLE_HOMEをインストールしてOSDBAシステム権限グループを指定するときに、AutoUpgradeパッチ適用とともに使用されます。このグループのメンバーには、データベースを管理するためのSYSDBAシステム権限が付与されます。AutoUpgradeパッチ適用を実行しているユーザーは、指定されたグループのメンバーである必要があります。デフォルトでは、構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、デフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用されるOSDBAシステム権限グループと一致します。source_homeが定義されていない場合、このパラメータのデフォルトはdbaになります。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、OSDBAグループをinv_dbaに指定します:

upg1.home_settings.osdba_group=inv_dba

home_settings.osdgdba_group

(オプション) Oracle Data Guardを管理およびモニターするためのオペレーティング・システムのOSDGDBAシステム権限として指定されるグループを指定します。

使用上のノート

このオプションは、ターゲットORACLE_HOMEをインストールしてOSDGDBAシステム権限グループを指定するときに、AutoUpgradeパッチ適用とともに使用されます。AutoUpgradeパッチ適用を実行しているユーザーは、指定されたグループのメンバーである必要があります。デフォルトでは、構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、デフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用されるOSDGDBAシステム権限グループと一致します。それ以外の場合、デフォルト・グループはhome_settings.osdba_groupに指定されたグループを使用します。これらのデフォルトをオーバーライドするには、名前付きOSDGDBAグループを指定します。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、OSDGDBAグループをoracle_dgに指定します:

upg1.home_settings.osdgdba_group=oracle_dg

home_settings.oskmdba_group

(オプション) Oracle Wallet Managerなどのアプリケーションの暗号化キー管理のためのオペレーティング・システムのSYSKMシステム権限として指定されるグループを指定します。

使用上のノート

このオプションは、ターゲットORACLE_HOMEをインストールしてSYSKMシステム権限グループを指定するときに、AutoUpgradeパッチ適用とともに使用されます。AutoUpgradeパッチ適用を実行しているユーザーは、指定されたグループのメンバーである必要があります。デフォルトでは、構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、デフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用されるSYSKMシステム権限と一致します。それ以外の場合、デフォルト・グループはhome_settings.osdba_groupに指定されたグループを使用します。これらのデフォルトをオーバーライドするには、名前付きSYSKMグループを指定します。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、SYSKMグループをoracle_keystoreに指定します:

upg1.home_settings.osdgdba_group=oracle_keystore

home_settings.oper_group

(オプション)オペレーティング・システム・オペレータ(OSOPER)のシステム権限グループとして指定されるグループを指定します。

使用上のノート

このオプションは、ターゲットORACLE_HOMEをインストールしてOSOPERシステム権限グループを指定するときに、AutoUpgradeパッチ適用とともに使用されます。このグループのメンバーには、データベースの起動および停止を実行するためのOPERATORシステム権限が付与されます。AutoUpgradeパッチ適用を実行しているユーザーは、指定されたグループのメンバーである必要があります。デフォルトでは、構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、デフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用されるOSOPERシステム権限グループと一致します。それ以外の場合、デフォルト・グループはhome_settings.osdba_groupに指定されたグループを使用します。これらのデフォルトをオーバーライドするには、名前付きOSOPERグループを指定します。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、OSOPERグループをinv_operに指定します:

upg1.home_settings.osdba_group=inv_oper

home_settings.osracdba_group

(オプション) Oracle RACクラスタでOracle Databaseの日々の管理を実行するための、オペレーティング・システムのSYSRAC権限として指定されるグループを指定します。

使用上のノート

このオプションは、ターゲットORACLE_HOMEをインストールしてオペレーティング・システムのRACDBAシステム権限グループを指定するときに、AutoUpgradeパッチ適用とともに使用されます。AutoUpgradeパッチ適用を実行しているユーザーは、指定されたグループのメンバーである必要があります。デフォルトでは、構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、デフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用されるRACDBAシステム権限と一致します。それ以外の場合、デフォルト・グループはhome_settings.osdba_groupに指定されたグループを使用します。これらのデフォルトをオーバーライドするには、名前付きRACDBAグループを指定します。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

この例では、RACDBAグループをoracle_racに指定します:

upg1.home_settings.osdgdba_group=oracle_rac

home_settings.read_only

ターゲットORACLE_HOMEの作成時に読取り専用Oracleホームを有効にするかどうかを指定します。

使用上のノート

読取り専用Oracleホームでは、プロビジョニングを簡略化できます。Oracleホームが読取り専用の場合、すべての構成データおよびログ・ファイルがその読取り専用Oracleホーム以外の場所に格納されます。読取り専用Oracleホームの詳細は、プラットフォームのインストレーション・ガイドを参照してください。

構成ファイルにソースORACLE_HOMEが定義されている場合、デフォルト値はそのORACLE_HOMEに使用される設定と一致します。それ以外の場合、読取り専用Oracleホームのデフォルトはnoです。ターゲットOracleホームの読取り専用Oracleホームをプロビジョニングするには、このオプションをyesに指定することで、このオプションを使用して読取り専用Oracleホームを選択できます。

オプション

[yes|no]

デフォルトはnoです。

この例では、ターゲットOracleホームが読取り専用Oracleホームになるように指定します:

upg1.home_settings.read_only=yes

home_settings.ru_apply

(オプション)リリース更新(RU)をORACLE_HOMEと同時にインストールするか、OPatchによって別のステップとしてインストールするかを指定します。

使用上のノート

Microsoft Windows以外のプラットフォームでパラメータをYESに指定した場合、-applyRUコマンドライン・オプションを使用してrunInstallerを実行すると、デプロイ操作中にインストールされるRUがインストールされます。パラメータをNOに指定した場合、RUは、ORACLE_HOMEがすでにインストールされた後にOPatchを実行して個別にインストールされます。

ノート:

このオプションは、Microsoft Windowsプラットフォームでは使用できません。

オプション

[yes|no}

現在のオペレーティング・システムがOracle Linux 9以降である場合を除き、デフォルト値はnoです。

この例では、Oracleホームのインストール後にOPatchを実行する予定であることを示すnoにパラメータを指定します。

upg1.home_settings.ru_apply=no

ignore_errors

(オプション)アップグレードまたはパッチ適用プロセス中にAutoUpgradeで無視する特定のOracleエラーのカンマ区切りリストを指定できます。

使用上のノート

このパラメータを構成ファイルに追加すると、指定したアップグレード接頭辞のアップグレード中に、指定したエラー番号は無視されます。

sales3.ignore_errors=ORA-48181,ORA-00001

keep_pdb_save_state

(オプション) PDBの保存状態がソースCDBにある場合は、PDBの状態をターゲットCDBに保存するか保存しないかを指定します。

使用上のノート

このパラメータは、切断/接続フロー(リストアを含む)に適用されます。PDB状態がソースCDBに保存されている場合、デフォルトでは、アップグレード・プロセス後も同じ保存状態が保存されます(デフォルトはyes)。keep_pdb_save_statenoに設定されている場合、アップグレード後にソースPDBの状態は保存されません。AutoUpgradeアップグレード前チェックで推奨されたときに、keep_pdb_save_statenoに設定することを選択できます。たとえば、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)のアップグレードでは、OracleではソースPDBの保存状態を保持しないことをお薦めしています。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はyes

sales1.keep_pdb_save_state.pdbA=no

keep_source_pdb

(オプション)切断/接続アップグレード操作のソースPDBが、ソースCDBから削除されるのではなく、閉じた状態に保持されるかどうかを指定します。

使用上のノート

デフォルトでは、ソースPDBはアップグレード・プロセス中にソースCDBから削除されます。keep_source_pdbYESに設定されている場合、ソースPDBは以前のリリース・システムから削除されません。パラメータtarget_pdb_copy_optionでコピー・オプションが指定されている場合のみ、パラメータをYESに設定できます。コピー・オプションを使用しない場合、PDBを削除する必要があるため、このパラメータは無視されます。コピーがない場合、既存のデータファイルは単一のCDBでのみ使用できます。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

sales1.keep_source_pdb=yes

log_dir

(オプション)パラメータの接頭辞で識別されるアップグレード・ジョブに含まれるデータベース・セットにあるデータベース・アップグレード用に生成されるログ・ファイルの場所を設定します。

使用上のノート

設定すると、AutoUpgradeは、指定したローカル・ログ・ファイル・パスに基づいて階層ディレクトリを作成します。たとえば、ジョブ識別子の接頭辞はsalesで、log_dirupgrade-jobsとして識別され、stage1stage2およびstagenはアップグレードのステージを表します。

/u01/app/oracle/upgrade-jobs
                                      /temp/
                                      /sales/
                                      /sales/stage1
                                      /sales/stage2
                                      /sales/stagen

チルダ(~)など、パスにワイルド・カードを使用することはできません。完全なパスを使用する必要があります。

ノート:

Microsoft Windowsプラットフォームでは、global.autoupg_loglog_dirを同じドライブで構成する必要があります。

salesdb.log_dir=/u01/app/oracle/upgrade-jobs

デフォルトでは、グローバル構成ファイル・パラメータglobal.autoupg_log_dirが指定され、log_dirを指定しない場合、global.autoupg_log_dirで指定されたパスがデフォルトになります。

global.autoupg_log_dirlog_dirも指定されていない場合、デフォルトでは、ログ・ファイルは構成ファイルに含めるデータベースのorabaseユーティリティで示される場所に配置されます。その場合、デフォルトのログ・ディレクトリはパスORACLE_BASE/cfgtoollogs/autoupgradeにあります。

構成ファイルに含まれるすべてのデータベースについてorabaseユーティリティが失敗した場合、ログ・ファイルの場所は、AutoUpgradeを実行しているユーザーのtempディレクトリに基づきます。

manage_standbys_clause

(オプション) DB_UNIQUE_NAMEで特定したスタンバイOracle Data Guardスタンバイ・データベースをAutoUpgradeプラグインのアップグレードから除外して、スタンバイ・データベース・ファイルを再利用できるようにするかどうかを指定します。

使用上のノート

スタンバイ・データベースを使用してデータベース構成をアップグレードする前に、潜在的な問題を減らすために、スタンバイ・データベースでAutoUpgradeを分析モードで実行することをお薦めします。

オプション

次の構文では、pdb-nameは、切断/接続アップグレードでターゲットCDBにアップグレードするソースPDBのDB_UNIQUE_NAMEです。

manage_standbys_clause=STANDBYS=[NONE|ALL|ALL EXCEPT ('pdb-name', 'pdb-name', ...)|STANDBYS=('pdb-name', 'pdb-name', ...)]

デフォルト値はNONEです。

次の例では、Oracle Data Guardスタンバイのメンバーである非CDBまたはプラガブル・データベースは、AutoUpgradeプラグイン・アップグレードから除外されません。

upg2.sid=cdb1 
upg2.pdbs=* 
upg2.target_cdb=cdb21x 
upg2.source_home=/source/18x 
upg2.target_home=/target/21x
upg2.manage_standbys_clause=standbys=none

次の例では、すべてのスタンバイ・データベースでのデータ・ファイルへのREDO適用が、すべてのAutoUpgradeプラグイン・アップグレードで遅延されます。


upg3.sid=cdb2 
upg3.pdbs=* 
upg3.target_cdb=cdb21x 
upg3.source_home=/source/18x 
upg3.target_home=/target/21x
upg3.manage_standbys_clause=standbys=all

次の例では、AutoUpgradeプラグイン・アップグレード中に、データ・ファイルへのREDO適用がPDB cdb3_stby_1およびcdb3_stby_2を除いたすべてのスタンバイPDBで遅延されます。


upg4.sid=cdb3 
upg4.pdbs=* 
upg4.target_cdb=cdb21x 
upg4.source_home=/source/12.2x 
upg4.target_home=/target/21x
upg4.manage_standbys_clause=standbys=all except ('cdb3_stby_1','cdb3_stby_2')

次の例では、AutoUpgradeプラグイン・アップグレード中に、データ・ファイルへのREDO適用がスタンバイPDB cdb4_stby1でのみ遅延されます。


upg4.sid=cdb4 
upg4.pdbs=* 
upg4.target_cdb=cdb21x 
upg4.source_home=/source/12.2x 
upg4.target_home=/target/21x
upg4.manage_standbys_clause=standbys=('cdb4_stby_1')

method

(AutoUpgradeパッチ適用の場合はオプション)新しいターゲットOracleホームを作成するかどうかを指定し、作成する場合はその方法を指定します。

使用上のノート

デフォルト値はoutofplaceです。このリリースの時点では、outofplaceのみが、許可されている値です。AutoUpgradeコマンドライン・パラメータ-patchを使用すると、AutoUpgradeにより、folderパラメータで指定したディレクトリに含まれているベース・イメージを使用して新しいターゲットOracleホームが作成されます。Oracleでは、すべてのパッチ適用をアウトオブプレース・パッチ適用で実行することをお薦めしています。この方法では新しいOracleホームが作成されます。

upg1.method=outofplace

parallel_pdb_creation_clause

(オプション)プラガブル・データベースの作成時に使用するパラレル実行サーバーの数を指定します。これは、PDBの再配置、PDBのクローニングなどのシナリオに使用できます。XMLファイルを使用してPDBを作成する場合には適用されません。

使用上のノート

このパラメータは省略可能です。このパラメータを使用して、PDBの作成時に新しいPDBのデータ・ファイルを新しい場所にコピーするパラレル実行サーバーの数を指定できます。これにより、PDBの作成が高速化されることがあります。このオプションを利用できるシナリオは、非CDBのOracle DatabaseをPDBにアップグレードして変換する場合、またはPDBをソース・リリースCDBから切断し、ターゲット・リリースCDBにアップグレードするために再配置する場合です。

このパラメータは、AutoUpgrade構成ファイルのすべてのソース・データベースまたはプラガブル・データベースに固有です。現在のデータベースのロードおよび使用可能なパラレル実行サーバーの数によっては、CDBはこの設定を無視できます。このパラメータを使用すると、ターゲット・データベースに配置されたロードをより適切に制御できます。

ノート:

ノート: この機能は、切断/接続プロセス中は機能しません。

オプション

整数値を使用して、パラレルで実行するサーバーの数を指定します(source-db-name-or-pdbは非CDBデータベース名またはPDB名、integer-valueはパラレルで実行するサーバーの数を指定する数値):

prefix.parallel_pdb_creation_clause.source-db-name-or-pdb='integer-value'

次の例では、16台のサーバーが、パラレルで実行するサーバー数の制限として指定されています。

upg1.parallel_pdb_creation_clause.pdb1=16

patch

(AutoUpgradeパッチ適用の場合は必須)インストールするパッチのカンマ区切りリストを指定します。

使用上のノート

AutoUpgradeパッチ適用に必要です。

オプション

[recommended|ru|ru:x.y|opatch|ojvm|ojvm:x.y|dpbp|patch-number]

デフォルト値はRECOMMENDEDです。

オプション:

  • RECOMMENDED: RUOPATCHOJVMDPBPオプションすべての別名。

  • RU: 最新のリリース更新

  • RU:x.y: 指定したリリース・バージョンのリリース更新(RU)。xはメジャー・リリース番号、yはRUです。例: RU:19.24

  • OPATCH: 最新バージョンのOPatchを使用します

  • OJVM: 指定したRUに適用されるOracle Java VMパッチを適用します。

  • OJVM:x.y: 指定されたリリース・バージョンのOracle Java VMパッチを適用します(ここでのxはメジャー・リリース番号、yはRU)。例: OJVM:19.24

  • DPBP: 指定したRUにOracle Data Pumpパッチを適用します

  • patch-number[,patch-number,patch-number...]は、AutoUpgradeで適用する1つ以上の特定の個別パッチを優先度順に指定します。

patch-number: 特定の個別パッチ番号を指定します。

upg1.patch=ru:19.24,12345678,opatch

推奨パッチを適用します。これには、お薦めの一連のパッチ・オプション(RU (ベース・イメージの最新リリース更新)と、OPATCHOJVMおよびDPBP)が含まれています。

upg1.patch=recommended

patch_in_upgrade_mode

(オプション)パッチを適用するデータベースが、通常モードではなくアップグレード・モードでパッチを適用することを指定します。

使用上のノート

AutoUpgrade 23.4以前のバージョンでは、パッチ適用のデフォルトはアップグレード・モードでパッチ適用を実行していました。AutoUpgrade 24.1以降のデフォルトでは、標準モードでパッチ適用が実行されます。アップグレード・モードでのみパッチ適用を実行する場合は、このパラメータを使用してそのデフォルトの動作をオーバーライドすると、アップグレード・モードでパッチを適用できます。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

sales.patch_in_upgrade_mode=yes

patch_node

(オプション) AutoUpgradeパッチ適用の場合、現在のユーザー構成が有効なノードを指定します。デフォルト値はlocalhostです。

使用上のノート

このパラメータの目的は、AutoUpgradeで使用する構成ファイルにリストされているデータベースが、patch_nodeパラメータの値は現在のホスト名に対応していない場合に、AutoUpgradeパッチ適用で処理されないようにすることです。AutoUpgradeパッチ適用をリモートで実行することはできません。キーワードlocalhostをワイルド・カードとして使用して、ローカル・ホストのデータベースを処理するように指定できます。

ユース・ケース:

構成ファイルconfig.cfgには、10個のデータベースが含まれています。そのデータベースのうちの5つは、patch_nodeの値がdenver01に設定されています。残りの5つは、patch_nodeの値がdenver02に設定されています。AutoUpgradeが構成ファイルconfig.cfgを使用してサーバーdenver01で実行される場合、AutoUpgradeはpatch_nodedenver01に設定されているデータベースのみをパッチ適用対象として処理します。patch_nodedenver02に設定されているデータベースは無視されます。hostnameユーティリティは、アップグレード・ノードを解決するために使用される値を識別します

hostname
denver02
sales1.patch_node=denver01

pdbs

(オプション)アップグレードを実行するPDBのリストを設定します。このパラメータは、マルチテナント・アーキテクチャ(CDB)データベースのアップグレードにのみ適用されます。非CDBデータベースを接続およびアップグレードしている場合、このパラメータは無視されます。

使用上のノート

PDBリストはカンマ区切りです。リストには、PDB名またはアスタリスク(*)のいずれかを含めることができます。これは、AutoUpgradeの実行時にCDBでオープンしているすべてのPDBをアップグレードすることを示します。パラメータが指定されていない場合、デフォルト値は*です。

ANALYZEモードで実行している場合、AutoUpgradeはマウント状態のPDBを無視します。

FIXUPSDEPLOYまたはUPGRADEモードで実行している場合、AutoUpgradeは実行モードに応じて、マウント状態のPDBを読取り/書込みモード、アップグレード・モードまたはその両方で開きます。

sales1.pdbs=pdb1, pdb2, pdbn
   upgr1.pdbs=*

platform

(オプション) My Oracle Supportからパッチをダウンロードするときに、AutoUpgradeパッチ適用で使用されるプラットフォームを指定します。

使用上のノート

パラメータplatformは、AutoUpgradeがパッチ適用に使用するプラットフォーム・パッチを指定します。AutoUpgradeパッチ適用では、次のプラットフォームがサポートされています:

  • AIX.x64 IBM AIX on POWER Systems (64ビット)
  • ARM.x64 LINUX ARM (aarch64)
  • LINUX.X64 Linux x86-64
  • SPARC.x64 Oracle Solaris on SPARC (64ビット)
  • SOLARIS.x64 Oracle Solaris on x86-64 (64ビット)
  • WINDOWS.X64 Microsoft Windows x64 (64ビット)。

現在のオペレーティング・システムがサポートされているプラットフォームのいずれかである場合、デフォルト値はそのプラットフォームと一致します。それ以外の場合は、デフォルト値はLINUX.X64です

オプション

[AIX.x64|ARM.x64|LINUX.X64|SPARC.x64|SOLARIS.x64|WINDOWS.X64]

デフォルト値はLINUX.X64です。

upg1.platform=LINUX.X64

raise_compatible

(オプション)アップグレードが正常に完了した後、Oracle DatabaseのCOMPATIBLE初期化パラメータをターゲット・リリースのデフォルト値まで増やします。

使用上のノート

オプション:

  • Y: COMPATIBLEパラメータ設定をターゲット・リリースまで増やします
  • N: COMPATIBLEパラメータ設定をターゲット・リリースまで増やしません
  • COMPATIBLEレベルを特定のリリース更新(RU)レベル(23.023.423.7など)に上げます。

デフォルトはNです。

注意:

  • COMPATIBLEパラメータを増やした後、データベースのダウングレードはできません。
  • COMPATIBLEパラメータを現在のリリース・レベルに設定するのは、アップグレードしたデータベースを完全にテストした後にのみ行うことをお薦めします。
  • autoupgradeコマンドライン・パラメータrestoreに使用する値に関係なく、構成ファイル・パラメータraise_compatibleの値をyesに設定した場合は、アップグレードを開始する前に、作成した保証付きリストア・ポイントを手動で削除する必要があります。アップグレードが正常に完了すると、アップグレードを開始する前にAutoUpgradeによって作成された保証付きリストア・ポイントは自動的に削除されます。AutoUpgradeによってPOSTUPGRADEステージが開始されると、データベースをリストアする方法はありません。
  • COMPATIBLEをターゲットRUレベルに上げるように指定した場合、指定するRUレベルはターゲットOracleホームのリリースより大きくできません。たとえば、ターゲットOracleホームのリリースがOracle Database 23aiでRU 23.4に更新されている場合、23.7はraise_compatibleの有効値ではありません。

COMPATIBLEをターゲットOracle Databaseホームのレベルに上げます:

sales1.raise_compatible=yes

COMPATIBLEをRU 23.4に上げます:

sales1.raise_compatible=23.4

COMPATIBLEをRU 23.7に上げます:

sales1.raise_compatible=23.7

remove_rac_config

(オプション)ターゲットCDBホームへの正常な変換後にソースOracleホームのクラスタウェアから非CDB Oracle RACデータベースを削除するか、ソース・データベースを変更せずに残すかを指定します。

使用上のノート

デフォルトでは、非CDBのソースOracle RACデータベース構成は、アップグレード・プロセス中にCDBに移行されると、ソースOracle Grid Infrastructureから削除されます。remove_rac_confignoに設定されている場合、ソースOracle RACデータベースは以前のリリースの非CDBシステムから削除されません。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はyes

upg1.remove_rac_config=no

remove_underscore_parameters

(オプション)構成ファイル内のすべてのOracle Databaseについて、アップグレード中およびアップグレード後にPFILEファイルからアンダースコア(非表示)パラメータを削除します。

使用上のノート

アンダースコアのパラメータは、Oracleサポートの指示がある場合のみ使用できます。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

sales1.remove_underscore_parameters=yes

replay

(オプション)データベースをアップグレードするのに、リプレイを使用するか、クラシック・アップグレードを使用するかを指定します。

使用上のノート

デフォルトでは、AutoUpgradeはクラシック・アップグレードを実行してデータベースをアップグレードします。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

ノート:

replayパラメータ値をyesに設定する以外に、リプレイ・アップグレードでアップグレードするPDBとCDB$ROOTの両方で、sys.database_properties.pdb_upgrade_sync1 (デフォルト値)に設定する必要があります。

コンテナのsys.database_properties.pdb_upgrade_syncがデフォルト値1にまだ設定されていない場合は、そのコンテナにログオンして次のSQLコマンドを実行します:

ALTER PLUGGABLE DATABASE UPGRADE SYNC ON

upg1.replay=yes

restoration

(オプション)データベースのリストアに保証付きリストア・ポイント(GRP)を生成します。

使用上のノート

デフォルト値(yes)のままにした場合、GRPを作成するには高速リカバリ領域の構成が必要です。restoration=noを設定する場合は、データベースのバックアップおよびリストアを手動で実行する必要があります。NOARCHIVELOGモードで動作するデータベース、およびOracle Flashback Technology機能のフラッシュバック・データベースをサポートしていないStandard EditionおよびStandard Edition 2データベースの場合、noに設定します。パラメータを指定しない場合、デフォルト値(yes)が使用され、保証付きリストア・ポイントが作成されます。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はyes

sales1.restoration=no

revert_after_action

(オプション)接頭辞によって指定された特定のデータベース・ジョブに対してシステムのリストアが完了し、データベースが稼働した後にオペレーティング・システムで実行するカスタム・アクションを指定します。

使用上のノート

revert_after_actionで指定するアクションは、リストア・プロセスが完了し、データベースが稼働した後、ターゲットのOracleホーム・バイナリで実行されます。

実行するように指定するスクリプトはname.ext (例: myscript.sh)の形式である必要があります。これにより、AutoUpgradeは実行するスクリプトのタイプを識別できます。許可される拡張子オプションは、次のとおりです。

  • UNIXシェル(.sh)
  • Microsoft Windowsバッチ(.bat.cmd)
  • Microsoft Windows PowerShell (.ps1)
  • Oracle SQLスクリプト(.sql)。revert_before_actionパラメータ接頭辞で指定されたデータベースのローカル操作の場合。

オプション

失敗時に停止します: [Y|N]。デフォルトはNです。

デフォルトでは、指定したスクリプトが失敗すると、AutoUpgradeは引き続き実行されます(N)。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeが停止するように指定するには、Yフラグを使用します。スクリプトが0以外のステータスでオペレーティング・システムで実行を終了した場合、AutoUpgradeはスクリプトを失敗として識別します。

AutoUpgradeがリストアの処理を完了した後に、オペレーティング・システムで指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、Yフラグを設定します。

sales3.revert_after_action =/user/path/script.sh Y

AutoUpgradeがリストアの処理を完了した後に、オペレーティング・システムで指定したスクリプトを実行します。フラグを指定しないと、デフォルトの失敗時に停止するオプションはNであるため、スクリプトが失敗した場合、AutoUpgradeは引き続き実行されます。

sales3.revert_after_action =/user/path/script.sh

revert_before_action

(オプション)接頭辞によって指定された特定のデータベース・ジョブに対してシステムのリストアが完了し、データベースが稼働する前にオペレーティング・システムで実行するカスタム・アクションを指定します。

使用上のノート

revert_before_actionで指定するアクションは、データベースのリストアが開始されてデータベースが稼働する前に、ターゲットのOracleホーム・バイナリで実行されます。

実行するように指定するスクリプトはname.ext (例: myscript.sh)の形式である必要があります。これにより、AutoUpgradeは実行するスクリプトのタイプを識別できます。許可される拡張子オプションは、次のとおりです。

  • UNIXシェル(.sh)
  • Microsoft Windowsバッチ(.bat.cmd)
  • Microsoft Windows PowerShell (.ps1)
  • Oracle SQLスクリプト(.sql)。revert_before_actionパラメータ接頭辞で指定されたデータベースのローカル操作の場合。

オプション

失敗時に停止します: [Y|N]。デフォルトはNです。

デフォルトでは、指定したスクリプトが失敗すると、AutoUpgradeは引き続き実行されます(N)。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeが停止するように指定するには、Yフラグを使用します。スクリプトが0以外のステータスでオペレーティング・システムで実行を終了した場合、AutoUpgradeはスクリプトを失敗として識別します。

AutoUpgradeがリストアを開始する前に、オペレーティング・システムで指定するスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、Yフラグを設定します。

sales3.revert_before_action =/user/path/script.sh Y

AutoUpgradeがリストアを開始する前に、オペレーティング・システムで指定したスクリプトを実行します。フラグを指定しないと、デフォルトの失敗時に停止するオプションはNであるため、スクリプトが失敗した場合、AutoUpgradeは引き続き実行されます。

sales3.revert_before_action =/user/path/script.sh

run_dictionary_health

(オプション)アップグレード前のチェックの一部としてOracle Dictionary Health Checksを実行して、データベース・ディクショナリの不整合を特定するかどうかを指定します。

使用上のノート

データベース・ディクショナリの不整合を特定しやすくするために、AutoUpgradeがアップグレード前のチェックの一部として、ソース・データベースでDBMS_DICTIONARY_CHECK PL/SQLパッケージを実行するように指定できます。設定した場合、AutoUpgrade run_dictionary_healthパラメータにより、AutoUpgradeがデータベース・ディクショナリでOracle Dictionary Health Checksの配列全体を実行するか、または最もクリティカルなチェック・セットのみを実行するかを、アップグレード・ソース・データベースごとに指定できます。チェックによってデータベース・ディクショナリの潜在的またはクリティカルな問題が検出された場合、アップグレードの開始が回避されます。

Oracle Dictionary Health Checkの結果は、AutoUpgrade事前チェック・ディレクトリの下にdbname_healthcheck_result.logという形式で格納されます。dbnameは、チェックが実行されたデータベースの名前です。Oracle Dictionary Health Checkの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』DBMS_HCHECKパッケージ・ドキュメントを参照してください。

オプション

[full| critical]

パラメータが設定されていない場合、デフォルトではDBMS_DICTIONARY_CHECKを実行しません。

sales1.run_dictionary_health=full
sales2.run_dictionary_health=critical

run_utlrp

(オプション)アップグレード後の処理の一部として、utlrp.sqlの1つのバージョンの実行を有効または無効にして、Oracle管理スキーマの無効なオブジェクトのみを再コンパイルします。

使用上のノート

utlrpユーティリティは、データベース・アップグレード時に無効になるすべてのデータ・ディクショナリ・オブジェクトを再コンパイルします。run_utlrp=noを設定した場合、または無効なユーザー・オブジェクトも再コンパイルする必要がある場合は、AutoUpgradeでアップグレードした後に、このユーティリティを使用して無効なオブジェクトを再コンパイルすることをお薦めします。

ノート:

AutoUpgrade 23.1以降、AutoUpgradeユーティリティを実行すると、AutoUpgradeによってutlprpom.sqlスクリプトが実行され、utlrp.sqlは実行されません。Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)以降のリリースへのアップグレードにAutoUpgradeを使用すると、AutoUpgradeはOracle管理スキーマが所有する無効なオブジェクトのみを再コンパイルします。データベースのアップグレードではユーザー・オブジェクトにアクセスする必要がないため、AutoUpgradeは無効なオブジェクトを再コンパイルするときにこのポリシーを維持します。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はyes

prefix.run_utlrp=yes

sid

(必須)アップグレードするデータベースのOracleシステム識別子(SID)を示します。

使用上のノート

このパラメータでは、大/小文字が区別されます。

sales1.sid=salesdb

skip_tde_key_import

(オプション) yesに設定すると、アップグレードは実行されますが、ソース・データベースKeyStoreのターゲット・データベースへのインポートはスキップされ、エラーは発生しません。

使用上のノート

ノート:

このパラメータは不要になったため、非推奨です。今後のAutoUpgradeリリースで削除される可能性があります。このパラメータを使用するかわりに、-load_passwordコマンドライン・オプションを使用してTDEパスワードをAutoUpgradeのキーストアに追加するか、TDEパスワードをSecure External Password Store (SEPS)に追加することをお薦めします。

このオプションは、非CDBからPDBへの操作および切断/接続操作に使用できます。ソース・データベースKeyStoreをターゲット・データベースへのインポートをスキップする場合、AutoUpgradeではPDBをアップグレード・モードでオープンしたままにするため、キーを手動でインポートできます。キーをインポートした後、通常モードでデータベースを再起動する必要があります。

オプション

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

sales1.skip_tde_key_import=yes

source_base

(オプション)ソースOracleホームのソースORACLE_BASEパスを指定します。

source_base=/u01/app/oracle
sales4.source_base=/u04/app/oracle4

source_dblink

(オプション)切断/接続再配置(ホット・クローン)アップグレード用に設定されたデータベース・リンクを指定します。

使用上のノート

非CDBまたはPDBに対して切断/接続再配置アップグレードを設定するには、まずソース・データベースとターゲット・データベースの場所間にデータベース・リンクを設定する必要があります。次に、source_dblinkパラメータを使用して、そのデータベース・リンクをAutoUpgradeに渡します。データベース・リンクに関連付けられているソース・データベース名は、source_dblink.パラメータの接尾辞として識別します。データベースがデータベース・リンクからリフレッシュされる時間値を秒単位で指定することもできます。

ノート:

このオプションは、Oracle Database 12.1.0.2以降のソース・データベース・リリースで使用できます。

target_pdb_copy_optionパラメータを使用すると、source_dblinkパラメータがアクティブになります。source_dblinkを使用する場合は、file_name_convertパラメータの値も指定して、ファイル名を変換するように指定するか、ファイル名を変換しないように指定する必要があります。file_name_convertnoneに設定されている場合、データベース・ファイルを配置する場所を指定するためにdb_create_file_destも設定する必要があります。

また、ソース・データベースのデータベース・リンクでターゲット・データベースが更新される頻度を指定するリフレッシュ間隔を秒単位で設定することもできます。start_timeパラメータとともにリフレッシュ間隔を使用すると、ターゲットの場所に対してソース・データベースをリフレッシュするように維持できます。リフレッシュ率が指定されていない場合、ソース・データベースは1回のみクローニングされ、リフレッシュは行われません。リフレッシュ率が指定されているが、start_timeパラメータを使用して将来の開始時間を指定しない場合、リフレッシュ間隔値は無視され、データベースは1回のみクローニングされます。

オプション

  • (必須)接尾辞として指定されたソース・データベース名。
  • (必須)作成したデータベース・リンクの名前。
  • (オプション)ソース・データベースからのターゲット・データベースへのリフレッシュ率(秒)。リフレッシュ率を指定する場合は、通常、start_timeパラメータを使用して将来の開始時間も指定します。
  • (オプション) CLONE_ONLY。このオプションを追加すると、作成されるPDBはリフレッシュされないクローンになり、クローン操作が完了した直後にアップグレードが開始するように指定されます。このオプションは、ソースがOracle Database 12.1 (リリース12.1.0.2)の場合に必要です。

次の例では、2つのデータベース・リンクが作成されます。
  • pdbxcdb18x_linkpdbxという名前のPDBソース・データベースに作成されます。

    CREATE DATABASE LINK pdbxcdb18x_link CONNECT TO remote-user IDENTIFIED BY password  
    USING'(DESCRIPTION =(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST
    GRANT CREATE SESSION, CREATE PLUGGABLE DATABASE, SELECT_CATALOG_ROLE TO remote-user;
    GRANT READ ON sys.enc$ TO remote-user;
  • db18x_linkdb18xという名前の非CDBソース・データベースに作成されます。

    CREATE DATABASE LINK db18x_link CONNECT TO remote-user IDENTIFIED BY password 
    USING'(DESCRIPTION =(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = db-node1)(PORT = 1521))
    (CONNECT_DATA = (SERVICE_NAME = db18x)))';

AutoUpgrade構成ファイルでは、データベース・リンクに関連付けられたデータベース名は、その名前をsource_dblinkの接尾辞として使用して指定します(PDBソース・データベースの場合、接尾辞はpdbxで、非CDBソース・データベースの場合、接尾辞はdb18x)。

次の例では、source_dblinkを使用して、ソース・データベースpdbxのdblinkを指定します。時間間隔が指定されていないため、AutoUpgradeの起動直後にPDBアップグレード・デプロイメントが開始されます。
upg1.source_dblink.pdbx=pdbxcdb18x

同じ構成ファイルを使用して、AutoUpgradeは、AutoUpgradeがコマンドラインから起動された1時間40分後に、db18xという名前のデータベースのアップグレードを開始します。AutoUpgradeが起動されてからstart_timeで指定されたデプロイメント時間までの間、クローニングされたターゲット・データベースはソースから20秒ごとにリフレッシュされます。

upg1.source_dblink.db18x=db18x_link 20 
upg1.start_time=+1h40m

次の例では、ソース・データベースdb18xがターゲットPDB db18x_linkにクローニングされ、そのソース・データベースが正常にクローニングされた直後にアップグレードが開始されます。

upg1.source_dblink.db18x=db18x_link CLONE_ONLY

source_home

(分析モード、修正モードおよびデプロイ・モードの場合は必須です。アップグレード・モードの場合はオプションです。)アップグレードするデータベースの現在のOracleホーム(ORACLE_HOME)。

使用上のノート

upgradeモードの場合、ソース・ホームとターゲット・ホームの値は同じパスにできます。

sales2.source_home=/path/to/my/source/oracle/home

source_ldap_admin_dir

(オプション)ソース・データベース・ホームのLDAP_ADMINディレクトリへのパスを指定します。

使用上のノート

WindowsではLDAP_ADMIN環境変数がレジストリ内で設定されているため、このパラメータはMicrosoft Windowsには影響しません。

sales1.source_ldap_admin_dir=/u01/app/oracle/12.2/dbhome01/ldap/admin

source_tns_admin_dir

(オプション)ソース・データベース・ホームのTNS_ADMINディレクトリへのパスを指定します。

使用上のノート

WindowsではTNS_ADMIN環境変数がレジストリ内で設定されているため、このパラメータはMicrosoft Windowsには影響しません。

sales1.source_tns_admin_dir=/u01/app/oracle/12.2/dbhome01/network/admin

start_time

(オプション)アップグレード・ジョブを実行する将来の起動時間を設定します。このパラメータは、アップグレード・ジョブをスケジュールしてサーバーの負荷を分散し、複数のジョブが即時に起動されないようにするために使用します。

使用上のノート

値は、now (すぐに開始)の形式にするか、英語日付書式の形式DD/MM/YYYYまたはMM/DD/YYYYにする必要があります。ここで、MMは月、DDは日、YYYYは年です。値を設定しない場合、デフォルトはnowです。

設定できる値:

now
30/12/2019 15:30:00
01/11/2020 01:30:15
2/5/2020 3:30:50

start_time値をnowに設定して複数のジョブが起動されると、AutoUpgradeではシステムで使用可能なリソースに基づいて起動時間をスケジュールします。ジョブの起動時間は数分単位でずれる場合があります。

日付要素または時刻要素に間違ったデリミネータを使用している値、または次のような間違った日付書式または時間書式を使用している値は無効です。

30-12-2019 15:30:00
01/11/2020 3:30:15pm
2020/06/01 01:30:15   

sales1.start_time=now
sales2.start_time=07/11/2020 01:30:15

target_base

(オプション)ターゲットOracleホームのターゲットORACLE_BASEパスを指定します。

target_base=/u01/app/oracle
sales4.target_base=/u04/app/oracle4

target_cdb

(オプション)非CDB Oracle Databaseが接続されるターゲットCDBのSIDを指定します。

使用上のノート

このパラメータは、非CDBのOracleデータベースをアップグレードおよび変換する場合に必須です。大文字と小文字は区別されます。


emp.target_cdb=salescdb

target_pdb_copy_option=file_name_convert

(オプション)非CDBデータベースをPDBに変換する場合、または別のソースCDBの既存のPDBを指定のターゲットCDBのPDBに変換する場合にAutoUpgradeが実行する、プラガブル・データベースを作成する文で使用されるfile_name_convertオプションを指定します。

使用上のノート

注意:

target_pdb_copy_optionを指定すると、AutoUpgradeは必要に応じてリカバリを管理できます。target_pdb_copy_optionが設定されておらず、デフォルトのnocopyオプションが使用されている場合、デフォルトのPDBはリカバリされません。必ず、ソースPDBをバックアップしてください。

このオプションは、ターゲットCDB内にプラガブル・データベースを作成する場合にのみ使用します。このパラメータを指定しない場合、パラメータのデフォルト値はNOCOPYであり、ソース・データベースの既存のデータ・ファイルが再利用されます。このパラメータを指定する場合は、ソース・データベース名またはPDB名を指定するパラメータに接尾辞を追加(target_pdb_copy_option.suffix)し、次のいずれかのオプションとともにfile_name_convert=を指定する必要があります。

  • ソース・ファイル名(f)およびターゲット置換ファイル名(r)を指定する('f', 'r')か、NONEを指定します
  • リフレッシュ可能なクローン・データベースを作成する場合は、ソース・データベース名またはPDB名を指定するパラメータに接尾辞を追加します(target_pdb_copy_option.suffix)

ターゲットCDBで、ASMを使用している場合、またはパラメータDB_CREATE_FILE_DESTまたはPDB_FILE_NAME_CONVERTを設定し、ターゲットCDBでこれらのパラメータを置換ファイル名に対して有効にする場合は、値prefix.target_pdb_copy_option.source-db-name-or-pdb=file_name_convert=NONEを設定します。

ターゲットCDBで変換時に1つ以上のデータ・ファイル名を変更する場合、構文prefix.target_pdb_copy_option.source-db-name-or-pdb=('f1', 'r1', 'f2', 'r2', . . .)を使用して、パラメータの値を入力してソース・データベース名またはPDB(接尾辞として指定)、変更するソース・ファイル名および既存のファイルのコピー先となるターゲット・ファイル名を指定します(f1は、ソースの最初のファイル名パターン、r1はターゲットCDBの最初の置換ファイル名パターン、f2はソースの2番目のファイル名パターン、r2はターゲットCDBの2番目の置換ファイル名パターン、となっていきます)。

構文

prefix.target_pdb_copy_option.source-db-name-or-pdb=file_name_convert=('f1', 'r1', 'f2', 'r2', 'f3', 'r3'...)

この例では、AutoUpgradeは、接頭辞文字列upg1および接尾辞salesを付けて指定されたデータベースの変換時に既存のデータファイルをコピーし、ファイルパス文字列およびファイル名/old/path/pdb_2をファイルパス文字列およびファイル名/new/path/depsalesで置換します。

upg1.target_pdb_copy_option.sales=file_name_convert=('/old/path/pdb_2', '/new/path/depsales') 

target_pdb_copy_optionsource-db-name-or-pdb=file_name_convertを使用してOMFファイルを変換するには、ターゲットOracleホームがOracle Database 19cリリース更新6以降(19.6.0)またはOracle Database 18cリリース更新10以降(18.10.0)である必要があります。

この例では、Oracle ASMに格納されているデータ・ファイルの内、Oracle管理ファイルとして格納されていないデータ・ファイルを+DATA/dbname/salesから+DATA/dbname/depsalesにコピーするように、パラメータが構成されています。

upg1.target_pdb_copy_option.sales=file_name_convert=('+DATA/dbname/sales', '+DATA/dbname/depsales')

target_pdb_name

(オプション)ターゲットCDBに接続された後に、非CDBのソースOracle Databaseに割り当てる名前を指定します。

使用上のノート

このパラメータは省略可能です。これは、非CDBのOracle DatabaseをPDBにアップグレードして変換する場合、またはPDBをソース・リリースCDBから切断し、ターゲット・リリースCDBにアップグレードするために接続する場合に使用されます。

既存の非CDBデータベースをアップグレードしてターゲットCDBのPDBに変換する場合、target_cdbパラメータはターゲットCDBを指定するため必須です。ターゲットCDBでのPDBの作成方法を決定する場合は、オプションのパラメータtarget_pdb_nameおよびtarget_pdb_copy_optionを使用して、ターゲットCDBでのPDBの作成方法を指定できます。ただし、いずれのオプション・パラメータも使用しない場合は、ソースCDBの完全アップグレードが実行されます。

非CDBをPDBに変換する場合のターゲットPDBのデフォルト名は、非CDB Oracle Databaseのデータベースの一意の名前を使用します。CDBへの接続時に非CDBの既存の名前とは異なる名前を指定するには、target_pdb_nameを使用して新しい名前を設定します。さらに、リフレッシュ可能クローン・データベースを作成する場合は、ソース・データベース名またはPDB名を指定する接尾辞をパラメータに追加します(target_name.suffix)

次の例では、ソース非CDBデータベースはemp19です。target_pdb_nameパラメータを使用して、ターゲットCDBデータベースの名前をemp23pdbに変更します。
upg.target_pdb_name=emp23pdb

リフレッシュ可能クローンの場合は、クローンのソース・データベースを示す接頭辞を追加します。この例では、ソース・コンテナ・データベースはdb122bで、pdb1db122bからターゲット・コンテナ・データベースdb19にクローニングしています。接尾辞pdb1は、target_pdb_namesource_dblinkの両方の識別子として使用されます。pdb1接尾辞識別子は、ソースpdb1からターゲットPDB PLUG122にデータを移動するために使用されるターゲットPDB名とdblinkの両方を関連付けます。

global.autoupg_log_dir=/tmp/logs
upg1.source_home=/u01/app/oracle/122
upg1.target_home=/u01/app/oracle/19
upg1.sid=db122b
upg1.target_cdb=db19
upg1.pdbs=pdb1
upg1.target_pdb_name.pdb1=PLUG122
upg1.target_pdb_copy_option.pdb1=file_name_convert=('/u01/app/oracle/oradata/db122b/pdb1', '/u01/app/oracle/plug/pdb122b')
upg1.source_dblink.pdb1=pdbxcdb122x_link

target_ldap_admin_dir

(オプション)ターゲット・データベース・ホームのLDAP_ADMINディレクトリへのパスを指定します。

sales1.target_ldap_admin_dir=/u01/app/oracle/19/dbhome01/ldap/admin

target_tns_admin_dir

(オプション)ターゲット・データベース・ホームのTNS_ADMINディレクトリへのパスを指定します。

sales1.target_tns_admin_dir=/u01/app/oracle/19/dbhome01/network/admin

target_version

(オプション) AutoUpgradeパッチ適用の場合、AutoUpgradeでパッチ・メンテナンス操作を実行するターゲット・リリース・バージョンを指定します。

使用上のノート

このパラメータの目的は、作成中のターゲットOracleホームに適切なパッチ・セットがダウンロードまたはインストールされるようにすることです。AutoUpgradeパッチ適用の場合、ローカル・パラメータtarget_versionは、次の両方の条件に該当する場合にのみ必要です。

  1. source_homeパラメータが構成ファイルに指定されていない
  2. パッチ・パラメータでRU:x.y表記が使用されていない

これらの条件に当てはまらない場合、AutoUpgradeではターゲット・リリース値を導出できます。指定できる値は単一のメジャー・リリース番号です。このリリースの時点では、有効な値はOracle Database 19c (19)のみです。

有効な値:

19

sales1.target_version=19

timezone_upg

(オプション)AutoUpgradeプロセスの一部としてタイムゾーンのアップグレードの実行を有効または無効にします。

使用上のノート

データ整合性を維持するには、データベースのアップグレード時にタイムゾーン・ファイル(DST)の設定をアップグレードすることをお薦めします。特に、timestamp with time zone表の列など、タイムゾーンに依存するデータがある場合、タイムゾーンをアップグレードします。この設定は、チェックリスト・ファイルで修正を上書きすることで無効にできることに注意してください。

AutoUpgrade構成ファイルでタイムゾーン・ファイルのアップグレードを明示的に無効にする場合は、このタスクをアップグレード計画の一環として実行するか、後で実行することをお薦めします。

オプション

[yes | no]

デフォルト値は、アップグレードの場合はyes、パッチ適用の場合はnoです。

sales1.timezone_upg=no

ノート:

RU 19.18以降のパッチをデータベースに適用すると、更新済のタイムゾーン・ファイルがデフォルトでOracleホームにインストールされます。パッチが適用されたOracleホームのDatabase Configuration Assistant (DBCA)で作成される新しいデータベースは最新のタイム・ゾーン・ファイルを使用して作成されます。

tune_setting

(オプション)指定したワークフロー・オプションに応じて、実行時にAutoUpgradeの動作を変更する特別なワークフローを有効にします。

使用上のノート

tune_settingパラメータを使用すると、アップグレード・ステップ、またはAutoUpgrade構成ファイルのパラメータ接頭辞で指定されたコンテナ・データベースまたはプラガブル・データベース(CDBまたはPDB)によって指定されたアップグレードの処理に割り当てられたリソースを微調整できます。この機能は、デフォルトのAutoUpgrade値がシステム要件に十分でないか、デフォルト以外のAutoUpgradeオプションを有効にする場合に、一部のアップグレードに役立ちます。

構文

prefix.tune_setting=option[, option, option, ...]
次のリストから、必要なAutoUpgradeランタイム・チューニングを提供するtune_settingオプションを選択します。複数のチューニング・オプションをtune_settingパラメータと組み合せるには、カンマ区切りを使用します。例:
sales3.tune_setting=proactive_fixups=true,query_hint_parallel=8,utlrp_threads_per_pdb=8

ノート:

1つのtune_settingエントリで、複数のパラメータを連結できます
オプション 説明
active_nodes_limit

Oracle Real Application Clustersデータベースの分散アップグレード中に使用するアクティブなクラスタ・メンバー・ノードの新しい合計を設定します。デフォルトは2です。指定した数がクラスタ・メンバー・ノードの最大数以上である場合、すべてのノードが取得されます。

sales3.tune_setting=active_nodes_limit=4

distributed_upgrade

AutoUpgradeが分散アップグレードを実行することを指定します。分散アップグレードでは、Oracle Clusterwareクラスタ・メンバー・ノードのリソースを利用して、クラスタ上のPDBのアップグレードをより迅速に実行します。2つ以上のノードのOracle RACクラスタ内のCDBをアップグレードする場合、このオプションを使用します。このオプションを選択すると、proactive_fixupsオプションもデフォルトで有効になります。例:

sales3.tune_setting=proactive_fixups=true,distributed_upgrade=true

ノート: Microsoft Windowsでは、分散アップグレードはサポートされていません。

make_pdbs_available

事前修正モードを使用するときに、事後修正の完了後、接頭辞で指定されたPDBを読取り/書込みモードおよび非制限モードでオープンします。このオプションを使用すると、アップグレードの完了直後に接頭辞で指定されたPDBがサービスで使用可能になり、他のPDBが引き続きアップグレードされます。これは大規模なフリート・アップグレード・デプロイメントに役立ちます。

注意:

このオプションを選択すると、指定したPDBはユーザーからのサービス・リクエストを受け入れ、他のPDBは引き続きアップグレードされます。サービス・リクエストに対するPDBのレスポンス時間、および進行中のPDBアップグレードに必要な時間は、それぞれ影響を受ける可能性があります。

例:

sales3.tune_setting=make_pdbs_available=true

proactive_fixups

アップグレードの最後のステージとしてPDBがアップグレードされる、事前修正モードを有効にします。PDBの数がデータベースで定義されているCPU数を2で割った数より多い場合、このチューニング・オプションを選択すると、アップグレードが速くなります。例:

sales3.tune_setting=proactive_fixups=true

注意:

CPUの数がPDBの数より多い場合、この設定を変更すると、パフォーマンスが向上しない可能性があります。

ノート:

proactive_fixups構成オプションはデフォルトでTRUEに設定されていますが、Windowsでは事前修正は現在サポートされていません。

ノート: proactive_fixupsオプションは、現在、アプリケーション・コンテナまたはMicrosoft Windowsシステムではサポートされていません

query_hint_parallel

接頭辞で指定されたPDBの問合せ中に表領域からデータを収集するコードにパラレル・スレッド指定を指定します。これにより、接頭辞で指定されたPDBにパラレル・スレッド数を増減して割り当てることができます。例:

sales3.tune_setting=query_hint_parallel=8

このオプションを選択すると、AutoUpgradeによってシステム・リソースの消費量が増える可能性があります。

オプションNO_HINTは、データベース表領域に関する情報を収集する問合せに対するオプティマイザ・ヒントの使用を回避します。このオプションは、既存のヒント(マテリアライズドおよびパラレル)が問合せのパフォーマンスに影響を及ぼす環境で役立ちます。たとえば:

sales3.tune_setting=query_hint_parallel=NO_HINT

utlrp_threads_per_pdb

CDB内の無効なオブジェクトの再コンパイルによって生成されるデフォルトの最大スレッド数を上書きし、指定したスレッド数を使用します。例:

sales3.tune_setting=utlrp_threads_per_pdb=8

注意:

指定されたスレッド数がシステムで使用可能なスレッド数を超えると、パフォーマンスが低下する可能性があります。

utlrp_pdb_in_parallel

デフォルトの最大同時再コンパイル・スレッド数を、指定した数に上書きします。このオプションを使用して、無効なオブジェクトの再コンパイルのデフォルトの最大同時プロセス数を上書きします。例:

sales3.tune_setting=utlrp_pdb_in_parallel=2

注意:

各PDBプロセスでは、utlrp_threads_per_pdbで指定された数と同じ数のスレッドがシステムで必要です。

次の例では、接頭辞sales3で指定されたデータベースのアップグレードは、Oracle Real Application ClustersのOracle Databaseインスタンスです。tune_settingパラメータを使用して、Oracle Grid Infrastructureクラスタ内の複数のCDB間でアップグレード・ロードを分散する設定distributed_upgradeを使用するように、これらのデータベース・インスタンスを設定します。
sales3.tune_setting=distributed_upgrade=true
次の例では、接頭辞sales3で指定されたデータベースのアップグレードは、複数のtune_settingパラメータ・オプションでチューニングされます。
sales3.tune_setting=proactive_fixups=true,query_hint_parallel=8,utlrp_threads_per_pdb=8

upgrade_node

(オプション)現在のユーザー構成が有効なノードを指定します。デフォルト値はlocalhostです。

使用上のノート

このパラメータの目的は、AutoUpgradeで使用する構成ファイルにリストされているデータベースがAutoUpgradeで処理されないようにすることです。ここで、upgrade_nodeパラメータの値は現在のホスト名に対応していません。AutoUpgradeをリモートで実行することはできません。キーワードlocalhostをワイルド・カードとして使用して、ローカル・ホストのデータベースを処理するように指定できます。

ユース・ケース:

構成ファイルconfig.cfgには、10個のデータベースが含まれています。そのデータベースのうちの5つは、upgrade_nodeの値がdenver01に設定されています。残りの5つは、upgrade_nodeの値がdenver02に設定されています。AutoUpgradeが構成ファイルconfig.cfgを使用してサーバーdenver01で実行される場合、AutoUpgradeはupgrade_nodedenver01に設定されているデータベースのみを処理します。upgrade_nodedenver02に設定されているデータベースは無視されます。hostnameユーティリティは、アップグレード・ノードを解決するために使用される値を識別します

hostname
denver02
sales1.upgrade_node=denver01

wincredential

(オプション) AutoUpgradeコマンドライン・パラメータload_win_credentialで以前に生成したMicrosoft Windows資格証明オブジェクト・ファイルの場所を指定します。

使用上のノート

このパラメータの目的は、Oracleデータベース・バイナリの所有者のユーザーおよびパスワード資格証明を格納する資格証明ファイルを作成し、それらの資格証明の管理者PowerShell資格証明オブジェクトの場所を指定して、Oracle Databaseのアップグレード時にその資格証明オブジェクトを使用してAutoUpgradeを実行できるようにすることです。この機能を使用するには、WindowsのPowerShell資格証明オブジェクトをすでに作成し、wincredentialを使用して構成ファイルにその資格証明オブジェクトを指定する必要があります。

ユース・ケース:

Microsoft Windowsサーバー上のデータベース・バイナリの所有者の資格証明を指定するとします。これらの資格証明を指定するには、構成ファイルでwincredentialパラメータを入力した後、load_win_credentialsコマンドライン・パラメータを使用して構成モードでAutoUpgradeを実行し、プロンプトに従って資格証明を指定します。次に、Microsoft Window Powershellによって資格証明オブジェクトが作成され、生成された資格証明オブジェクトがwincredentialで指定したパスの場所に格納されます。たとえば、次のファイルでは、資格証明ファイルの場所をupg1.wincredential=C:\Users\oracle\credで指定します


global.autoupg_log_dir=C:\Users\oracle\autoupg
global.target.version=19.0.0
global.target_home=C:\u01\app\oracle\product\19\dbhome_1

upg1.sid=db12201
upg1.source_home=C:\u01\app\oracle\product\12.2\dbhome_1
upg1.log_dir=C:\Users\Oracle\autoupg
upg1.upgrade_node=localhost
upg1.target_base=C:\u01\app\oracle
upg1.target_version=19.0.0.0
upg1.wincredential=C:\Users\oracle\cred