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複数のOracleリリースの実行について

Optimal Flexible Architecture (OFA)を使用して複数のリリースを実行します。

Optimal Flexible Architecture (OFA)は、効率的で信頼できるOracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureのデプロイメントのための構成ガイドラインのセットです。Oracle DatabaseインストールのOFAアーキテクチャ標準に準拠するようにすべてのOracleソフトウェア・インストールをデプロイすることをお薦めします。OFA標準に準拠することで、インストール環境の管理が簡単になり、Oracleサポートからの迅速な支援を容易に受けることができます。

OFAには、次のメリットがあります。

  • ディスク上の大量の複雑なソフトウェアおよびデータを構成し、デバイスのボトルネックやパフォーマンスの低下を避けることができる

  • ソフトウェアやデータのバックアップ機能など、データ破損の危険性のある日常業務を簡単にする。

  • 複数のOracle Databaseの管理を簡略化する

  • データ・ディクショナリにおける空き領域の断片化を排除し、その他の断片化を特定し、リソース競合を最小限に抑える

  • 効果的なエンタープライズ・データ管理計画をデプロイするためにデータベース管理者を支援する

現在、OFA規格を使用していない場合、OFA規格への切替えには、ディレクトリ構造の修正とデータベース・ファイルの再配置が伴います。

OFAの詳細は、お使いのオペレーティング・システム個別のOracleのドキュメントを参照してください。制御ファイルと一時ファイルの管理の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

異なるコンピュータ上の複数のOracleホームに存在するデータベース

Oracle Databaseクライアントを使用して複数のリリースに接続する場合に参照してください。

異なるコンピュータ上のOracleホームにOracle Database 12cおよびOracle Database 11gデータベースをインストールし、いずれかまたはすべてのデータベースに接続するOracle Database 11gクライアントがあるOracle Database 12cをインストールできます。ただし、最新リリースを最初にインストールし、その後に以前のリリースを古い順にインストールする必要があります。古い順にインストールすることで、Oracleインベントリが破損しないように、各インストールでOracleインベントリを検出し、確実にそのインストールを登録できます。

同じコンピュータ上の複数のOracleホームに存在するデータベース

Oracle Database 19cを実行している同じコンピュータ上に以前のリリースのOracle Databaseをインストールすると、クライアント接続の問題が発生する可能性があります。

リリースが異なるクライアントとサーバーの組合せを実行すると、相互運用性の問題が発生する可能性があります。Oracle Database 19cを実行中の同じコンピュータに以前のリリースのOracle Databaseをインストールし、クライアントから以前のリリースのデータベースに接続できない場合があります。たとえば、同じコンピュータ上の複数の(異なる) OracleホームにOracle Database 11g、Oracle Database 12c、Oracle Database 18cおよびOracle Database 19cデータベースをインストールし、Oracle Database 11c、Oracle Database 12c、Oracle Database 18cおよびOracle Database 19cクライアントから、このコンピュータ上のいずれかまたはすべてのデータベースに接続することはできません。1つのシステムに複数のリリースを組み合せて使用できます。

My Oracle SupportのMy Oracle Supportノート207303.1「異なるOracleバージョン間でのクライアント/サーバー/相互運用性のサポート」から相互運用性の互換性およびサポート対象の構成に関する最新情報を取得することをお薦めします。

Optimal Flexible Architecture標準について

Oracle Optimal Flexible Architecture (OFA)ルールは、異なるユーザーが所有する異なるバージョンの複数のデータベースが共存できるように、データベース・ソフトウェアを編成してデータベースを構成する際に役立ちます。

以前のOracle Databaseリリースでは、OFAルールは、断片化を分離して競合を最小限に抑えることで、最適なシステム・パフォーマンスを実現していました。現行のリリースでは、OFAルールは、一貫性のあるデータベースの管理およびサポートを実現し、データベースの拡張または追加(あるいは他のハードウェアの追加)を簡略化します。

デフォルトで、Oracle Universal Installerによって、OFAルールに準拠する権限付きでOracle Databaseコンポーネントがディレクトリの場所に配置されます。OFAのガイドラインに従ってすべてのOracleコンポーネントを構成することをお薦めします。

OFAのデフォルトを受け入れることをお薦めします。データベースが大規模な場合や、複数データベースの使用を計画している場合は特に、OFAルールに従うことは有用です。

ノート:

OFAにより、インシデントを適切に収集するための自動診断リポジトリ(ADR)の診断データが含まれるORACLE_BASEの識別が支援されます。

複数のOracleホームのサポートについて

Oracle Databaseは、複数のOracleホームをサポートします。このリリース以前のソフトウェアを、同じシステムの異なるOracleホーム・ディレクトリに複数回インストールできます。

マウント・ポイント名を慎重に選択することで、Oracleソフトウェアの管理が簡単になります。Optimal Flexible Architecture (OFA)ルールに従って複数のOracleホームを構成することには、次のメリットがあります。
  • このリリース以前のソフトウェアを、同じシステムの異なるOracleホーム・ディレクトリに複数回インストールできます。ただし、Oracle Databaseのあるリリースの製品を別のリリースのOracleホーム・ディレクトリにはインストールできません。たとえば、既存のOracle 18cのOracleホーム・ディレクトリにOracle Database 19cのソフトウェアをインストールすることはできません。

  • 所有するユーザーおよびバージョンの異なる複数のデータベースの共存。

  • 新しいOracle Databaseリリースは、以前のリリースのOracle Databaseとは異なる新しいOracleホームにインストールする必要があります。

    1つのOracleホームに複数のリリースをインストールすることはできません。Optimal Flexible Architecture (OFA)のガイドラインに従って、リリースごとに異なるOracle DatabaseのOracleホームを作成することをお薦めします。

  • 本番環境では、Oracle Databaseサーバー・ソフトウェアのリリースは、最初の4桁全体(メジャー、メンテナンスおよびパッチ・リリース番号)がOracle Databaseディクショナリのリリースと同じである必要があります。

  • より新しいOracle Databaseリリースは、より古いOracle Databaseリリースにアクセスできます。ただし、このアクセスは、アップグレード専用です。たとえば、Oracle Database 19cは、Oracle Database 18cデータベースがアップグレード・モードで起動された場合、その18cにアクセスできます。

  • Oracle Database Clientは、Oracle Databaseと同じリリース・レベルであれば、同じOracle Databaseホームにインストールできます。たとえば、Oracle Database Client 12.2.0.1を既存のOracle Database 12.2.0.1ホームにインストールすることはできますが、Oracle Database Client 12.2.0.1を既存のOracle Database 12.1.0.2ホームにインストールすることはできません。クライアントのインストール前にパッチ・セットを適用した場合は、再度パッチ・セットを適用する必要があります。

  • 構造化されたディレクトリおよびファイルの配置、一貫性のあるデータベース・ファイルのネーミングによるデータベース管理の簡略化。

  • データベース管理者がOracleホーム・ディレクトリを追加、移動または削除する際にログイン・ホーム・ディレクトリに危険が及ばない。

  • ソフトウェアのアップグレードを、本番データベースが配置されているOracleホームから分離したディレクトリのOracleホームでテストできます。