1.4 Webリスナーの選択
実行するには、Oracle Application Expressに、Webリスナーに対するアクセス権が必要です。
- Webリスナーの選択について
3つのWebリスナー、Oracle REST Data Services、Oracle HTTP Serverおよび埋込みPL/SQLゲートウェイのいずれかを選択できます。 - Webリスナー・オプションの比較
Oracle Application ExpressのWebリスナー・オプションの比較について理解します。 - Oracle REST Data Servicesについて
Oracle REST Data Services(旧称Oracle Application Expressリスナー)はJavaベースで、サポートされている任意のJ2EE準拠Webサーバーにインストールでき、Oracle Application Expressと併用する場合の優先オプションです。 - 埋込みPL/SQLゲートウェイについて
Oracle XML DBプロトコル・サーバーおよび埋込みPL/SQLゲートウェイは、Oracle Databaseとともにインストールされます。 - 埋込みPL/SQLゲートウェイを使用する場合のセキュリティに関する考慮事項について
埋込みPL/SQLゲートウェイを使用する場合のセキュリティに関する考慮事項について理解します。 - Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlについて
mod_plsql
を使用するOracle HTTP Server (Apache)は、データベースと同じ物理マシン上にも、別の物理マシン上にも配置できます。 - Oracle RAC環境でのWebリスナーの選択
Oracle RAC環境でのWebリスナーの選択について理解します。
1.4.1 Webリスナーの選択について
3つのWebリスナー、Oracle REST Data Services、Oracle HTTP Serverおよび埋込みPL/SQLゲートウェイのいずれかを選択できます。
注意:
Oracle HTTP Serverおよび埋込みPL/SQLゲートウェイはレガシーWebリスナーとみなされます。これらの構成手順は付録を参照してください。
Oracle Application Expressは、Oracle Database内に格納されたメタデータを使用してページが動的に生成される簡素なアーキテクチャを使用します。コード生成やファイル・ベースのコンパイルはありません。完全にインストールされると、開発者とエンド・ユーザーがOracle Application ExpressにアクセスするためのUniform Resource Locator (URL)が定義されます。ユーザーに必要なのは、Webブラウザと必要なURLのみです。追加クライアント・ソフトウェアは必要ありません。
Webリスナーは、データベースに格納されたプロシージャ・コールへのブラウザ・リクエストをマップすることにより、Webブラウザと、Oracleデータベース内のOracle Application Expressオブジェクトと間の通信ブローカとして機能します。Webリスナーには3つの選択肢があります。
-
Oracle REST Data Services
-
埋込みPL/SQLゲートウェイ(レガシーWebリスナー)。
-
Oracle HTTP Server (非推奨)。
1.4.2 Webリスナー・オプションの比較
Oracle Application ExpressのWebリスナー・オプションの比較について理解します。
表1-2では、Oracle Application ExpressのWebリスナー・オプションを比較しています。
表1-2 Webリスナーの比較
機能 | Oracle REST Data Services | 埋込みPL/SQLゲートウェイ | Oracle HTTP Serverとmod_plsql |
---|---|---|---|
イメージの場所 |
ファイル・システム |
データベース内 |
ファイル・システム |
構成オプション |
GUIインタフェース(ORDS 3.x)、管理ページ |
データベース初期化パラメータ |
データベース・アクセス記述子(DAD) |
接続プール設定 |
JDBCパラメータ |
SHARED_SERVERS; MAX_SHARED_SERVERS |
Min/MaxSpareServers; MaxClients |
RESTful Webサービスの生成 |
はい(ORDS 3.xリリース) |
いいえ |
いいえ |
複数データベースのサポート |
はい(Oracle RACを含む) |
いいえ |
はい(Oracle RACを含む) |
ウィルス・スキャン・ファイル |
はい(ICAPサーバーに統合) |
いいえ |
いいえ |
PDFの印刷 |
はい。FOPサポートあり |
いいえ |
いいえ |
推奨環境 |
すべて |
開発のみ |
すべて 注意: Oracle HTTP Server 12c (12.1.3)では非推奨です。 |
親トピック: Webリスナーの選択
1.4.3 Oracle REST Data Servicesについて
Oracle REST Data Services(旧称Oracle Application Expressリスナー)はJavaベースで、サポートされている任意のJ2EE準拠Webサーバーにインストールでき、Oracle Application Expressと併用する場合の優先オプションです。
Oracle WebLogic Server、Oracle Glassfish ServerおよびApache Tomcatに対して完全にサポートされている無料のツールです。Oracle REST Data Servicesは、Oracle Database Cloud Serviceを運用するために使用される参照アーキテクチャの一部です。
注意:
Oracle WebLogic Serverにはライセンス費用が伴います。Oracle GlassFish Serverは無償のオープンソース製品です。
Oracle REST Data Servicesを使用する、次から構成されたアーキテクチャが作成されます。
-
Webブラウザ
-
Oracle REST Data Services
-
Oracle Application Expressを含むOracle Database
このアーキテクチャの大きな利点は、中間層とデータベース層の分離です。
ヒント:
このアーキテクチャは、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境に適しています。
参照:
-
Oracle REST Data Servicesインストレーション、構成および開発ガイドのOracle REST Data Servicesのインストールに関する項
親トピック: Webリスナーの選択
1.4.4 埋込みPL/SQLゲートウェイについて
Oracle XML DBプロトコル・サーバーおよび埋込みPL/SQLゲートウェイは、Oracle Databaseとともにインストールされます。
埋込みPL/SQLゲートウェイは動的なアプリケーションを作成するためのOracle DatabaseにWebサーバーおよび必要なインフラストラクチャを提供します。埋込みPL/SQLゲートウェイは、Oracle DatabaseのOracle XML DBプロトコル・サーバーで実行され、mod_plsql
のコア機能を含みます。
埋込みPL/SQLゲートウェイは、WebブラウザおよびOracle Database(埋込みPL/SQLゲートウェイとOracle Application Expressを含む)の単純な2層アーキテクチャで構成されます。
埋込みPL/SQLゲートウェイの利点は次のとおりです。
-
構成が容易
-
データベースに含まれている
-
別のサーバーをインストールする必要がない
埋込みPL/SQLゲートウェイの使用時にイメージが格納される場所
埋込みPL/SQLゲートウェイを使用してOracle Application Expressを実行する場合、イメージは、Oracle XML DBリポジトリ内のデータベースに直接格納されます。imagesにアクセスするには、Oracle XML DBのWebDAV機能またはFTPを使用します。
参照:
-
『Oracle XML DB開発者ガイド』のプロトコルを使用したリポジトリへのアクセスに関する項
親トピック: Webリスナーの選択
1.4.5 埋込みPL/SQLゲートウェイを使用する場合のセキュリティに関する考慮事項について
埋込みPL/SQLゲートウェイを使用する場合のセキュリティに関する考慮事項について理解します。
埋込みPL/SQLゲートウェイは、Oracle XML DB HTTPリスナーの一部としてデータベースで実行されます。Oracle XML DB HTTPリスナーおよび埋込みPL/SQLゲートウェイには、Oracle HTTP Serverおよびmod_plsql
と同等の主要機能があります。HTTPリスナーはOracle Application Expressがインストールされているデータベースと同じデータベースで実行されるため、データベースから分離できません。このため、インターネット上で実行されるアプリケーションに埋込みPL/SQLゲートウェイを使用することはお薦めしません。また、埋込みPL/SQLゲートウェイでは、Oracle REST Data ServicesやOracle HTTP Serverのような構成の柔軟性および詳細なロギングは提供されません。
親トピック: Webリスナーの選択
1.4.6 Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlについて
mod_plsql
を使用するOracle HTTP Server (Apache)は、データベースと同じ物理マシン上にも、別の物理マシン上にも配置できます。
注意:
Oracle HTTP Server 12c (12.1.3)では、mod_plsql
は非推奨となっています。詳細は、My Oracle Supportのノート1576588.1を参照してください。かわりに、Oracle REST Data Servicesを使用することをお薦めします。
Oracle HTTP Serverがデータベースと同じ物理マシン上にインストールされている場合、Oracle HTTP Serverは、Oracle Databaseライセンスに含まれる限定使用ライセンスの一部として含まれます。それ以外の場合は、別個のOracle HTTP Serverライセンスを取得する必要があります。
Oracle HTTP Server (Apache)をmod_plsql
とともに使用すると、次のもので構成されたアーキテクチャが作成されます。
-
Webブラウザ
-
Oracle HTTP Serverと
mod_plsql
-
Oracle Application Expressを含むOracle Database
このアーキテクチャでは、中間層とデータベース層が分離されます。
ヒント:
このアーキテクチャは、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境に適しています。
Oracle HTTP Serverの使用時にイメージが格納される場所
Oracle HTTP ServerまたはOracle Application Server構成では、imagesはファイル・システム上の別名/i/
で参照される場所に格納されています。以前のリリースからOracle Application Expressをアップグレードする場合は、次のファイルを確認してテキスト別名/i/
を検索することで、ファイル・システム上でimagesディレクトリを特定できます。
-
Oracle9iリリース2で配布されたOracle HTTP Serverの場合:
httpd.conf
ファイルを確認します。 -
Oracle Application Server 10gの場合:
marvel.conf
またはdads.conf
ファイルを確認します。 -
Oracle Database 11gまたは12cで配布されたOracle HTTP Serverの場合:
marvel.conf
またはdads.conf
ファイルを確認します。
テキスト別名/i/
を見つけるための具体例は、「イメージ・ディレクトリのコピー」にあります
参照:
-
Application ExpressのインストールおよびレガシーWebリスナーの構成 - Oracle HTTP Server
-
『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』の「Oracle Application Expressでのmod_plsqlを使用したOracle HTTP Serverの構成について」
親トピック: Webリスナーの選択
1.4.7 Oracle RAC環境でのWebリスナーの選択
Oracle RAC環境でのWebリスナーの選択について理解します。
Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境でOracle Application Expressを実行する場合は、Oracle REST Data Servicesを使用することをお薦めします。Oracle REST Data Servicesでは、サービス名形式で接続を指定できるため、1つのHTTPサーバーからすべてのノードにアクセスできます。
親トピック: Webリスナーの選択