3 Oracle Traffic Directorの11gリリースからのアップグレード
Oracle Traffic Directorは、以前のOracle Fusion Middlewareリリース11gバージョンから最新の12c (12.2.1.4.0)リリース・バージョンにアップグレードできます。
Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantでは、Oracle Traffic Director FMW 11gリリース1、バージョン: 11.1.1.9.0から12c (12.2.1.4.0)へのアウトオブプレース・アップグレードがサポートされています。サポートされている11gリリースは、これのみとなります。
ノート:
12.2.1.4.0で、Oracle Traffic Directorは非推奨になりました。将来、同等の機能を実現するには、Oracle HTTP ServerまたはKubernetesロード・バランサを使用してください。11gリリースからのOracle Traffic Directorアップグレード・プロセスについて
Oracle Traffic Directorの11gリリースからのアップグレード・プロセスの概要については、ロードマップを参照してください。
既存のドメインをアップグレードするために実行するステップは、ドメインがどのように構成されているか、およびどのコンポーネントをアップグレードするかによって異なります。各自のデプロイメントに該当するステップにのみ従ってください。
表3-1 Oracle Traffic Directorを11gリリースからアップグレードするためのタスク
タスク | 説明 |
---|---|
必須 このガイドの概要に関するトピックを再確認して、アップグレード前のタスクを完了します(まだ実行していない場合)。 |
|
必須 Oracle Fusion Middleware InfrastructureとOracle Traffic Director 12c (12.2.1.4.0)のディストリビューションをダウンロードして、新しいOracleホームにインストールします。 |
「製品ディストリビューションのインストール」を参照してください。 ヒント: Oracle Fusion Middleware InfrastructureとOracle Traffic Directorのインストールと構成の詳細は、次のドキュメントを参照してください。
|
必須 Oracle Traffic Directorドメインの作成 |
11gリリースのOracle Traffic DirectorはWebLogic Serverドメインにはインストールされません。 これらのリリースの場合はアウトオブプレース・アップグレードのみがサポートされるため、Oracle Traffic Directorおよび依存関係を持つJava Required Files (JRF)テンプレートで拡張された12c (12.2.1.4.0) WebLogic Serverドメインを作成してから、アップグレードを開始する必要があります。 |
必須 11gおよび12c環境を停止します(すべての管理サーバーと管理対象サーバーを停止します)。 |
警告: アップグレード中にサーバーを停止しないと、データが破壊される可能性があります。 |
必須 Upgrade Assistantを起動して、コンポーネント構成をアップグレードします。 |
Upgrade Assistantは、コンポーネント構成を更新するために使用します。 Upgrade Assistantを起動して、コンポーネント構成を11gから12c (12.2.1.4.0)のOracle Traffic Directorドメインに移行します。 11gから12cへのアップグレードについては、「Oracle Traffic Director 11gのコンポーネント構成のアップグレード」を参照してください |
オプション リモート管理ノードの設定 |
Oracle Traffic Director 11gインストールが、管理サーバーによって管理されるリモート・ノードを含むフェイルオーバー設定の一部である場合は、「フェイルオーバーの構成」に従って、同様のトポロジを再作成する必要があります |
必須 Oracle Traffic Directorインスタンスの作成 |
Upgrade AssistantによってOracle Traffic Directorインスタンスは作成されません。これらのインスタンスはアップグレード後に作成する必要があります。Fusion Middleware Control UIまたはOracle WebLogic Scripting Tool (WLST)を使用して、Oracle Traffic Director構成をマシンにターゲット指定して作成してください。 「アップグレード後のタスク」を参照してください。 |
必須 すべてのプロセスとサーバーを起動します。 サーバーおよびOracle Traffic Director 12c (12.2.1.4.0)インスタンスを再起動します。 |
アップグレード・プロセスが完了したら、管理サーバー、管理対象サーバーおよびOracle Traffic Director 12c (12.2.1.4.0)インスタンスを含め、すべてのプロセスとサーバーを起動します。 「サーバーとプロセスの起動」を参照してください。 |
必須 アップグレードを完了して確認します。 |
新規の管理サーバーと管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動など、アップグレード後に必要な構成タスクを必要に応じて実行して、問題がないことを確認します。 重要: バックアップを削除する前に、アップグレードしたすべてのコンポーネントが期待どおりに動作しているか確認することをお薦めします。 「コンポーネント構成のアップグレードの確認」を参照してください |
Oracle Traffic Director 11gを最新の12c (12.2.1.4.0)バージョンにアップグレードする準備
この項では、11gバージョンのOracle Traffic Directorを最新の12c (12.2.1.4.0)バージョンにアップグレードするための準備について説明します。
Oracle Traffic Director 12c (12.2.1.4.0)にアップグレードする前に、次のステップを行う必要があります。
ノート:
次に、Oracle Traffic Directorアップグレード・アクティビティの制限を示します。
-
異なるプラットフォーム間でのアップグレードはサポートされていません。たとえば、Linux環境からSolaris環境にOracle Traffic Directorをアップグレードすることはできません。
-
Oracle Traffic Director 11gからOracle Traffic Director 12c (12.2.1.4.0)スタンドアロン・ドメインへのアップグレードはサポートされません。
12c (12.2.1.4.0)バイナリを新しいFMW_HOME
にインストールする詳細、および管理サーバー、管理対象サーバー、ノード・マネージャの停止の詳細は、次のトピックでプロシージャ、プロセス、サーバーの詳細を参照してください。
製品ディストリビューションのインストール
アップグレードの開始前に、Oracle Fusion Middleware InfrastructureとOracle Traffic Director 12c (12.2.1.4.0)のディストリビューションをターゲット・システムにダウンロードし、Oracle Universal Installerを使用してインストールします。
ノート:
アップグレードにInfrastructureが必要な場合は、まず、Oracle Fusion Middlewareディストリビューションをインストールしてから、その他のFusion Middleware製品をインストールする必要があります。アップグレードするOracle Traffic Director 11g環境でのアップグレード前のタスクの実行
この項に示されたタスクを実行してから、Oracle Traffic Director 11g固有の環境から最新の12c (12.2.1.4.0)へのアップグレードを開始してください。これらのタスクを行うことにより、短い停止時間でアップグレードを成功させることができます。
サーバーとプロセスの停止
Upgrade Assistantを実行してスキーマおよび構成をアップグレードする前に、管理サーバーや管理対象サーバーを含め、アップグレード前のすべてのプロセスとサーバーを停止する必要があります。
Oracle Fusion Middleware環境は、Oracle WebLogic Serverドメイン、管理サーバー、複数の管理対象サーバー、Javaコンポーネント、アイデンティティ管理コンポーネントなどのシステム・コンポーネント、およびメタデータのリポジトリに使用されるデータベースで構成できます。コンポーネントは相互に依存していることがあるため、適切な順序で停止する必要があります。
ノート:
この項の手順では、WLSTコマンドライン・ユーティリティまたはスクリプトを使用して、既存のアップグレード前のサーバーとプロセスを停止する方法について説明します。また、Oracle Fusion Middleware ControlとOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。「管理サーバー、管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動と停止」を参照してください。アップグレード前のFusion Middleware環境を停止するには、アップグレード前のドメインに移動し、次のステップに従います。
ステップ1: システム・コンポーネントを停止する
Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを停止するには、stopComponent
スクリプトを使用します。
-
(UNIX)
EXISTING_DOMAIN_HOME/bin/stopComponent.sh component_name
-
(Windows)
EXISTING_DOMAIN_HOME\bin\stopComponent.cmd component_name
システム・コンポーネントは任意の順序で停止できます。
ステップ2: 管理対象サーバーを停止する
WebLogic Server管理対象サーバーを停止するには、stopManagedWebLogic
スクリプトを使用します。
-
(UNIX)
EXISTING_DOMAIN_HOME/bin/stopManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url
-
(Windows)
EXISTING_DOMAIN_HOME\bin\stopManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url
プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。
ステップ3: Oracle Identity Managementのコンポーネントを停止する
Oracle Identity Managementのコンポーネント(Oracle Internet Directoryなど)を停止します。-
(UNIX)
EXISTING_DOMAIN_HOME/bin/stopComponent.sh component_name
-
(Windows)
EXISTING_DOMAIN_HOME\bin\stopComponent.cmd component_name
ステップ4: 管理サーバーを停止する
管理サーバーを停止するときに、管理サーバーで稼働しているプロセス(WebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなど)も停止します。
管理サーバーを停止するには、stopWebLogic
スクリプトを使用します。
-
(UNIX)
EXISTING_DOMAIN_HOME/bin/stopWebLogic.sh
-
(Windows)
EXISTING_DOMAIN_HOME\bin\stopWebLogic.cmd
プロンプトが表示されたら、ユーザー名とパスワードおよび管理サーバーのURLを入力します。
ステップ5: ノード・マネージャを停止する
ノード・マネージャを停止するには、それが実行されているコマンド・シェルを閉じます。
またはnodemanager.properties
のQuitEnabled
の属性をtrue
に設定した後(デフォルトはfalse
です)、WLSTを使用して、ノード・マネージャに接続して停止できます。WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンスのstopNodeManagerを参照してください。
11g環境でのOracle Traffic Directorインスタンスの停止
複数のモードで、1つ以上のOracle Traffic Director 11gインスタンスを停止する方法についてさらに学習します。
11g環境でOracle Traffic Directorインスタンスを停止するために、管理コンソールまたはCLIを使用できます。
複数のモードで、1つ以上のOracle Traffic Director 11gインスタンスを停止する方法の詳細は、次のトピックを参照してください。
管理コンソールを使用したOracle Traffic Director 11gインスタンスの停止
1つ以上のOracle Traffic Director 11gインスタンスをグラフィカル・モードで停止する方法についてさらに学習します。
管理コンソールを使用してOracle Traffic Director 11gインスタンスを停止するには、次を実行する必要があります。
「コンソール・メッセージ」ペインにメッセージが表示され、インスタンスが停止したことが確認されます。
CLIモードを使用したOracle Traffic Director 11gインスタンスの停止
1つ以上のOracle Traffic Director 11gインスタンスをコマンドライン・モードで停止する方法についてさらに学習します。
1つ以上のOracle Traffic Director 11gインスタンスを停止するには、次のコマンドを実行します。
表3-2 Oracle Traffic Director 11gインスタンスの構成コマンド
アクション | コマンド |
---|---|
停止 |
|
ヒント:
前述のトピックの詳細と手順は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド(11.1.1.9)』を参照してください。
-
CLIシェルを呼び出すには、「コマンドライン・インタフェースへのアクセス」を参照してください。
-
管理コンソールまたはCLIを使用して、Oracle Traffic Director 11g管理サーバーを停止する方法は、「管理サーバーの停止および再起動」を参照してください。
次の例は、リファレンスおよび必須事項として提供されています。
apps1.example.com
およびapps2.example.com
ノードの構成soa
を停止(stop
)するコマンドは次のようになります。
tadm> stop-instance --config=soa apps1.example.com apps2.example.com
ノート:
または、インスタンス・ディレクトリ内から次のstopコマンドを使用して、インスタンスを停止できます。
> $INSTANCE_HOME/net-config_name/bin/stopserv
Oracle Traffic Director 11g固有のアップグレードのためのUpgrade Assistantの起動
Upgrade Assistantを実行して、Oracle Traffic Directorコンポーネント構成を11gバージョンから12c (12.2.1.4.0)ドメインに移行します。
一度に1つのドメインのアップグレードを完了して、Upgrade Assistantを非SYSDBAユーザーとして実行することをお薦めします。
ノート:
Upgrade Assistantを起動する前に、Upgrade Assistantを実行するプラットフォームのJVM文字エンコーディングがUTF-8に設定されていることを確認してください。
文字エンコーディングがUTF-8に設定されていない場合、名前にUnicode文字が含まれるファイルをダウンロードできません。そのため、アップグレードが失敗する可能性があります。
Upgrade Assistantを起動するには、次の手順に従います
oracle_common/upgrade/bin
ディレクトリに移動します。- (UNIX)
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
- (Windows)
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
- (UNIX)
- Upgrade Assistantの起動:
- (UNIX) ./ua
- (Windows) ua.bat
コマンドラインで指定できるその他のパラメータの詳細は、次のトピックを参照してください。
Oracle Traffic Director固有のUpgrade Assistantパラメータ
Oracle Traffic Director固有のコマンドライン・パラメータを使用してUpgrade Assistantを起動できます。
Upgrade Assistantをコマンドラインから起動する際に、追加パラメータを指定できます。表3-3は、Upgrade AssistantでOracle Traffic Directorをアップグレードするための固有のコマンドライン・パラメータを示しています。
表3-3 Upgrade Assistantのコマンドライン・パラメータ
パラメータ | 必須またはオプション | 説明 |
---|---|---|
|
非対応 |
実際のアップグレードを実行せずに、アップグレードの準備状況チェックを実行します。 OTDは11gのWebLogicドメインにはインストールされないため、このオプションはOTD 11gからのアップグレードには対応していません。 |
|
オプション |
スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。 値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。 |
|
サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必要 |
レスポンス・ファイルに保存された入力を使用して、Upgrade Assistantを実行します。このレスポンス・ファイルは、GUIモードでUpgrade Assistantを実行したときの入力データから生成されます。このパラメータを使用すると、Upgrade Assistantがサイレント・モードで(Upgrade Assistant画面を表示せずに)実行されます。 |
|
オプション |
調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。
|
|
オプション |
次のいずれかの属性を指定して、ロギング・レベルを設定します。
デフォルトのロギング・レベルは
|
|
オプション |
アップグレード・ログ・ファイルと一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。このディレクトリには、Upgrade Assistantによってログ・ファイルと一時ファイルが作成されます。 デフォルトの場所は次のとおりです。 (UNIX)
(Windows)
|
|
オプション |
すべてのコマンドライン・オプションを表示します。 |
Oracle Traffic Director 11gのコンポーネント構成のアップグレード
11gバージョンのコンポーネント構成をアップグレードするためにUpgrade Assistantを実行する際には、Oracle Traffic Directorドメインに基づいて次の点を考慮してください。
Upgrade Assistantを実行して、Oracle Traffic Directorコンポーネント構成を11gバージョンから12c (12.2.1.4.0)コロケート・ドメインに移行します。
次のモードで、Upgrade Assistantを実行できます。
グラフィカル・モードによるOracle Traffic Director 11gのアップグレード
グラフィカル・モードを使用してOracle Traffic Directorをアップグレードするには、アップグレード・ウィザードを実行します。
アップグレード・アシスタンスを起動し、次のステップを実行します。
-
「ようこそ」画面に実行する必要があるアップグレード前のタスクが表示されます。
これらのタスクを確実に実行し、「次」をクリックして続行します。
-
「アップグレード・タイプ」画面で「ドメインによって使用されるすべての構成」を選択し、「ドメイン・ディレクトリ」フィールドに12c (12.2.1.4.0)のドメイン・パスを入力します。
「次へ」をクリックして、続行します。
-
「コンポーネント・リスト」画面に、アップグレードする必要があるコンポーネントのリストが表示されます。
「次へ」をクリックして、続行します。
-
「前提条件」画面で、画面に示されたすべての前提条件を満たしていることを確認します。
すべてのチェック・ボックスを選択し、「次」をクリックして続行します。
-
Oracle Traffic Directorの「アップグレード・パス」画面で、アップグレードのソース・バージョンとして「11gソース」を選択します。
11gインスタンスを含むディレクトリが異なるノードにある場合は、「リモート・ディレクトリ」チェック・ボックスを選択します。
Oracle Traffic Director 11gインスタンスを含むディレクトリを指定します。
「次」をクリックして続行します。
-
オプション: Oracle Traffic Director 11gの「SSLトークンPIN」画面が表示されるのは、Oracle Traffic Director構成のいずれかでSSLが有効な場合、およびSSLトークンがトークンPINで保護されている場合のみです。
「SSLトークンPIN」フィールドにSSLトークンのPINを入力し、12cのOracle Traffic Director構成の「Oracleウォレット・パスワード」を設定します。
「次」をクリックして続行します。
-
「調査」画面に調査プロセスのステータスが表示され、コンポーネントのアップグレード準備ができているかチェックされます。
プロセスが完了したら、「次」をクリックして続行します。
-
「アップグレード・サマリー」画面が表示されます。
「レスポンス・ファイルの保存」ボタンをクリックして、レスポンス・ファイルを作成します。
レスポンス・ファイルはUpgrade Assistantで書出し可能なテキスト・ファイルで、様々な画面への入力内容がすべて保存されます。
後でこのファイルをコマンドラインによるアップグレードの入力として使用し、GUIをバイパスできます。
「アップグレード」をクリックして続行します。
-
「アップグレードの進行状況」画面にアップグレード・プロセスが表示されます。
アップグレード・プロセスが完了したら、「次」をクリックして続行します。
-
「アップグレード成功」画面で、アップグレード中にエラーが発生したかログ・ファイルでチェックします。
「閉じる」をクリックして、アップグレードを完了します。
サイレント・モードによるOracle Traffic Director 11gのアップグレード
コロケートOracle Traffic Directorをサイレント・モード(コマンドライン・モード)でアップグレードできます。
サイレント・モードを使用してOracle Traffic Directorをアップグレードするには、アップグレード・ウィザードを使用して生成されたレスポンス・ファイルによってUpgrade Assistantコマンドを実行します。
構文
アップグレードが成功すると、コンソールに成功メッセージが表示されます。ログ・ファイルは次のパスにあります。
<12.2.1.4.0 oracle home>/oracle_common/upgrade/logs
サイレント・アップグレードのコマンドライン(UNIXの場合)
<12.2.1.4.0 oracle home>/oracle_common/upgrade/bin/ua -response <response-file> -logLevel <Log-verbosity>
ノート:
SSL_TOKEN*
フィールドは、11gインスタンスにSSLが有効なフィールドがある場合のみ適用可能です。
サンプル・レスポンス・ファイル
次に、必要事項の例としてサンプル・レスポンス・ファイルを示します。
# This is a response file for the Fusion Middleware Upgrade Assistant.
# Individual component upgrades are performed in the order they are described here.
# Each upgrade is introduced by a section header containing the name of the component and name of the upgrade plugin.
# The form of the section header is
# [ComponentName.PluginName]
# These names can be found in the Upgrade Descriptor files for the components.
# Individual input lines consist of a name, an equal sign, and a value.
# The name is in two parts separated by a period. The first part is the "name" attribute from the Descriptor File XML tag by which the plugin refers to the value.
# The second part of the name identifies a field within that value. Some input types have only one field, while other types can have half a dozen.
# Do not intermix input lines that apply to different XML tags.
[GENERAL]
# This is the file format version number. Do not change the next line.
fileFormatVersion = 3
# The next section contains information for accessing a WebLogic Server domain.
[UAWLSINTERNAL.UAWLS]
# The following number uniquely identifies this instance of an upgrade plugin.
# Do not change it.
pluginInstance = 1
# Specifies the WebLogic Server domain directory:
UASVR.path = /export/orahome/domains/otd_domain
# The next section contains the information for performing a mid-tier upgrade on Oracle JRF, as described in the Upgrade Descriptor file located at
# /export/orahome/oracle_common/plugins/upgrade/jrfua.xml
# Do not change the next line.
[JRF.JRF_CONFIG_PLUGIN]
# The following number uniquely identifies this instance of an upgrade plugin. Do not change it.
pluginInstance = 1
# The next section contains the information for performing a mid-tier upgrade on System Components Infrastructure, as described in the Upgrade Descriptor file located at
# /export/orahome/oracle_common/plugins/upgrade/syscomp.xml
# Do not change the next line.
[CAM.SYSCOMP]
# The next section contains the information for performing a mid-tier upgrade on Oracle Traffic Director, as described in the Upgrade Descriptor file located at
# /export/orahome/otd/plugins/upgrade/otd-upgrade.xml
# Do not change the next line.
[OTD.CONFIG_UPGRADE]
# The following number uniquely identifies this instance of an upgrade plugin. Do not change it.
pluginInstance = 12
# Specifies a choice from a collection of values,
# "Select the source version for the upgrade"
UPGRADE_CHOICE.choose = 11-12
# Specifies the choice for a yes/no option:
# "Remote directory"
REMOTE_INSTANCE_HOME.option = no
# Specifies a file or directory:
# "Enter the directory that contains Oracle Traffic Director 11g instances (including admin-server)."
OTD_11_INSTANCE_HOME.path = /export/otd_11g_home/instances
# The SSL_TOKEN* fields below are applicable only if the 11g instance has SSL enabled config.
# The table below lists the 11g Oracle Traffic Director configurations whose SSL tokens are protected with a token pin. If you want to upgrade these SSL certificates, then you must provide the SSL token pin as well as an Oracle wallet password
# The below lines describe a Table input:
# Each non-comment line represents a cell in the table in the form of
# TABLE-NAME.COLUMN-NAME.ROW-NUMBER.DATATYPE-KEYWORD.
# Simple strings have a "string" keyword suffix.
# Boolean options have an "option" keyword suffix and yes/no values.
# Encrypted passwords have an "encryptedPassword" keyword suffix.
# To specify a different password in cleartext, use the "cleartextPassword" keyword instead.
SSL_TOKEN_TABLE.CONFIG_NAME.0.string = test
SSL_TOKEN_TABLE.SSL_TOKEN_PIN.0.encryptedPassword = 050C0F4F5030C0A319B1DE00BBC3AD79C7
SSL_TOKEN_TABLE.WALLET_PSWD.0.encryptedPassword = 057033B2E49C479BDC52E21ABA8FF28263DF8EB1DCCA2C93C5
Oracle Traffic Directorコンポーネント構成によるアップグレード成功の検証
すべてのコンポーネント構成のアップグレード・ステップが完了したら、成功したかどうか確認するために、Oracle Traffic Directorドメインのアップグレードされた構成をチェックします。
この項では、Oracle Traffic Directorドメインのコンポーネント構成のアップグレードを検証するステップを説明します。
Oracle Traffic Director 11g構成の場合
-
config-store
のserver.xml
のバージョンが12c (12.2.1.4.0)に変更されています。 -
ローカルOracle Traffic Directorインスタンスの場合、スクリプトおよび
obj.conf
ファイルのORACLE_HOME
の値が、新しいORACLE_HOME
に更新されています。
アップグレード後のタスク
プロセスに従って、Oracle Traffic Directorを11gから最新の12c (12.2.1.4.0)バージョンにアップグレードする際のアップグレード後のタスクを完了します。
Upgrade Assistantを使用してOracle Traffic Director 12c (12.2.1.4.0)にアップグレードした後に実行する必要のある、次のアップグレード後のタスクのリストを確認します。
-
Oracle Traffic Directorシステム・コンポーネント・インスタンスはアップグレード後に作成する必要があるため、Fusion Middleware ControlまたはOracle WebLogic Scripting Tool (WLST)を使用して、Oracle Traffic Directorシステム・コンポーネント構成をマシンにターゲット指定して作成してください。
ヒント:
Oracle Traffic Directorの管理のインスタンスの管理に関する項を参照してください。
-
フェイルオーバーの設定はデプロイメント・タスクです。
これらのステップは、アップグレード以外でアップグレード後のステップとして処理するのが適しています。
ヒント:
デプロイメント・トポロジおよびフェイルオーバー・グループの構成の詳細は、Oracle Traffic Directorの管理のOracle Traffic Directorの高可用性の構成に関する項を参照してください。
-
Oracle Traffic Director構成ファイル内の
INSTANCE_HOME
およびORACLE_HOME
以外のパスへの参照は、アップグレード後にアクセスできない可能性があります。これは手動で構成する必要があります。
Oracle Traffic Directorのアップグレード後のサーバーとプロセスの起動
Oracle Traffic Directorの11gから最新の12c (12.2.1.4.0)バージョンへのアップグレードが成功したら、管理サーバー、管理対象サーバーおよびシステム・コンポーネントを含め、すべてのプロセスとサーバーを起動します。
コンポーネントは相互に依存していることがあるため、適切な順序で起動する必要があります。
12c環境でOracle Traffic Directorを起動するには、「サーバーおよびプロセスの起動」を参照してください。
管理サーバー、管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動の詳細は、次のトピックでプロシージャ、プロセスおよびサーバーの詳細を参照してください。
サーバーおよびプロセスの起動
アップグレードが正常に完了したら、すべてのプロセスと管理サーバーや管理対象サーバーを含めたすべてのサーバーを再起動します。
コンポーネントは相互に依存していることがあるため、適切な順序で起動する必要があります。
ノート:
この項の手順では、WLSTコマンドラインまたはスクリプトを使用してサーバーとプロセスを起動する方法について説明します。また、Oracle Fusion Middleware ControlとOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。『Oracle Fusion Middlewareの管理』の管理サーバーと管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動と停止に関する項を参照してください。Fusion Middleware環境を起動するには、次のステップに従います。
ステップ1: 管理サーバーの起動
管理サーバーを起動すると、WebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなど、管理サーバーで実行されているプロセスも起動されます。
管理サーバーを起動するには、startWebLogic
スクリプトを使用します。
-
(UNIX)
NEW_DOMAIN_HOME/bin/startWebLogic.sh
-
(Windows)
NEW_DOMAIN_HOME\bin\startWebLogic.cmd
プロンプトが表示されたら、ユーザー名とパスワードおよび管理サーバーのURLを入力します。
ステップ2: ノード・マネージャの起動
ノード・マネージャを起動するには、startNodeManager
スクリプトを使用します。
-
(UNIX)
NEW_DOMAIN_HOME/bin/startNodeManager.sh
-
(Windows)
NEW_DOMAIN_HOME\bin\startNodeManager.cmd
ステップ3: Oracle Identity Managementコンポーネントの起動
環境の一部を成している、Oracle Internet DirectoryなどのOracle Identity Managementコンポーネントを起動します。-
(UNIX)
NEW_DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name
-
(Windows)
NEW_DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name
ステップ4: 管理対象サーバーの起動
WebLogic Server管理対象サーバーを起動するには、startManagedWebLogic
スクリプトを使用します。
-
(UNIX)
NEW_DOMAIN_HOME/bin/startManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url
-
(Windows)
NEW_DOMAIN_HOME\bin\startManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url
プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。
ノート:
通常、管理対象サーバーを起動すると、そのサーバーにデプロイされているアプリケーションが開始されます。したがって、管理対象サーバーの起動後にアプリケーションを手動で開始する必要はありません。ステップ5: システム・コンポーネントの起動
Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを起動するには、startComponent
スクリプトを使用します。
-
(UNIX)
NEW_DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name
-
(Windows)
NEW_DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name
システム・コンポーネントは任意の順序で起動できます。