5 スタンドアロン・ドメインにおけるOracle HTTP Serverの構成

Oracle HTTP Serverをインストールした後、スタンドアロン・ドメインで構成できます。

ドメイン作成に使用可能なその他の方法の詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』WebLogicドメインの作成、拡張および管理のための追加ツールに関する項を参照してください。

ノート:

「インストール・タイプ」画面で「スタンドアロンHTTPサーバー」(「WebLogic Serverとは切り離して管理」)を選択した場合にのみ、この項の構成ステップを実行します。「同じ場所に配置されたHTTPサーバー(WebLogic Server経由で管理)」を選択した場合、「コロケート・ドメインにおけるOracle HTTP Serverの構成」を参照してください。

Oracle HTTP Serverのドメイン構成の詳細は、Oracle HTTP Serverについてを参照してください。

次の各項では、構成ウィザードの各ステップを説明します。

構成ウィザードの起動

構成ウィザードを起動して、ドメインの構成を開始します。

構成ウィザードを起動するには:

  1. 次のディレクトリに変更します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin

    (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\common\bin

    ここでORACLE_HOMEは、12c (12.2.1.4.0) Oracleホームになります。

  2. 次のコマンドを入力します。

    (UNIX) ./config.sh

    (Windows) config.cmd

ドメインを構成するために構成ウィザード画面へ移動

構成ウィザードを使用してスタンドアロン・ドメインにOracle HTTP Serverを構成します。

ノート:

Oracle HTTP Serverインスタンスを新しいドメインに作成する際に、ご使用のコンポーネントに割り当てているポートが利用可能であることを確認してください。構成ウィザードでは、ポートの自動的な割当ては実行されません。

ドメイン・タイプとドメイン・ホームの場所の選択

「構成タイプ」画面を使用して、ドメイン・ホーム・ディレクトリの場所(Oracleホーム・ディレクトリの外部が最適)を選択します。

ドメイン・ホームの場所は、Oracle Fusion Middlewareの理解Oracle Fusion Middlewareの主要ディレクトリのディレクトリ構造に従って、Oracleホーム・ディレクトリの外に配置することをお薦めします。このディレクトリ構造は、ソフトウェアのアップグレードや再インストールが必要になった場合に問題が発生しないようにするのに役立ちます。

ドメイン・タイプおよびドメインのホーム・ディレクトリを指定するには:

  1. 「構成タイプ」画面で、「新規ドメインを作成(N)」を選択します。
  2. 「ドメインの場所」フィールドで、使用するドメイン・ホーム・ディレクトリを指定します。

この画面の詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』構成タイプに関する項を参照してください。

Oracle HTTP Serverの構成テンプレートの選択

「テンプレート」画面を使用して、必要なテンプレートを選択します。

「テンプレート」画面で、「製品テンプレートを使用してドメインを作成」が選択されていることを確認し、次のテンプレートを選択します。

  • Oracle HTTP Server (スタンドアロン) - 12.2.1.4.0 [ohs]
この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成テンプレートを参照してください

ドメイン・モードとJDKの指定

「ドメイン・モードおよびJDK」画面を使用して、ドメイン・モードおよびJava Development Kit (JDK)を指定します。

「ドメイン・モードおよびJDK」画面では、次の操作を実行します。

  • 「ドメイン・モード」フィールドで、「本番」を選択します。

  • 「JDK」フィールドで、Oracle HotSpot JDKを選択します。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成ドメイン・モードとJDKを参照してください。

システム・コンポーネントの追加

「システム・コンポーネント」画面を使用して、新しいOracle HTTP Serverインスタンスの詳細を指定します。

「システム・コンポーネント」画面で、次の操作を実行します。

  1. 「システム・コンポーネント」フィールドで、ohs1を指定します。

  2. 「コンポーネント・タイプ」フィールドで、OHSを指定します。

  3. 再起動間隔秒数: アプリケーションが応答しない場合に、再起動を試行する前に待機する秒数を指定します。

  4. 再起動遅延秒数: 再起動を再度試行する前に待機する秒数を指定します。

ノート:

構成ウィザードを再実行して、「構成タイプ」画面で「既存ドメインの更新」を選択すると、Oracle HTTP Serverシステム・コンポーネントの名前を変更できます(たとえば、ohs_1)。ただしこれを行うと、当初のOracle HTTP Serverコンポーネント名およびカスタマイズされたすべての値(ポート指定など)は削除され、新規システム・コンポーネントがデフォルト値で作成されます。したがって、デフォルト設定にするのでないかぎり、Oracle HTTP Serverコンポーネントの名前を変更しないでください。

この画面の詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』システム・コンポーネントに関する項を参照してください。

Oracle HTTP Serverの詳細の指定

「OHSサーバー」画面を使用して、ドメイン内のOracle HTTP Serverインスタンスを構成します。

「リスニング・アドレス」フィールドで、Oracle HTTP Serverインスタンスが常駐するホストのIPアドレスを指定します。localhostを使用しないでください。『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』リスニング・アドレスの指定に関する項を参照してください。

残りのすべてのフィールドは事前移入されますが、必要に応じて値を変更できます。たとえば、デフォルトのポート番号が他のサービスによって使用されていないことを確認してください。

ノート:

管理ホストをデフォルトのIPアドレス127.0.0.1から他のIPアドレスに変更する場合、次のことを確認する必要があります。
  • admin.confServerNameディレクティブを、選択したIPアドレスにマップするホスト名またはドメイン名に設定します。
  • ServerNameディレクティブを使用して、設定されたホスト名またはドメイン名に一致する共通名を持つSSL証明書を作成します。

詳細は、OHS管理ガイド管理ポート用のSSLの構成に関する項を参照してください。

この画面の詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』OHSサーバーに関する項を参照してください。

ノード・マネージャの構成

「ノード・マネージャ」画面を使用して、構成するノード・マネージャのタイプおよびノード・マネージャ資格証明を選択します。

ノード・マネージャのタイプには「ドメインごとのデフォルトの場所」を選択し、ノード・マネージャの資格証明を指定します。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成ノード・マネージャを参照してください。

ノード・マネージャ・タイプの詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』ノード・マネージャの概要に関する項を参照してください。

構成の指定内容の確認とドメインの構成

「構成サマリー」画面に、これから作成するドメインの詳細な構成情報が表示されます。

画面上の各項目を検討し、情報が正しいことを確認します。変更するには、「戻る」ボタンをクリックするか、ナビゲーション・ペインの画面を選択していずれかの画面に戻ります。ドメインの作成は、「作成」をクリックするまで開始されません。

この画面上のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』構成のサマリーに関する項を参照してください。

インスタンスの起動

構成が完了したら、ツールを使用してドメインを管理できます。

ノード・マネージャの起動

ドメインごとにノード・マネージャを起動するには:
    • (UNIX) DOMAIN_HOME/binディレクトリに移動します。setenv JAVA_HOME /home/Oracle/Java/jdk1.8.0_211

    • (Windows) DOMAIN_HOME\binディレクトリに移動します。set JAVA_HOME=C:\home\Oracle\Java\jdk1.8.0_211

  1. 次のコマンドを入力します。

    • (UNIX) nohupnm.outをサンプル出力ファイルとして使用します。

      nohup ./startNodeManager.sh > LOG_DIR/nm.out&
      

      ここで、LOG_DIRは、ログ・ファイルを格納するディレクトリの場所です。

    • (Windows) startNodeManager.cmd

      ノート:

      Windowsオペレーティング・システムでは、ノード・マネージャをスタートアップ・サービスとして、ノード・マネージャを構成することをお薦めします。これによって、システムが再起動されるたびに、ノード・マネージャが自動で起動されます。

      Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理起動サービスとしてのノード・マネージャの実行を参照してください。

Oracle HTTP Serverインスタンスの起動

Oracle HTTP Serverインスタンスを起動するには:

  • UNIXの場合

    1. DOMAIN_HOME/binディレクトリに移動します。

    2. 次のコマンドを実行します。

      ./startComponent.sh system_component_name

      ここで、system_component_nameは、ドメインの構成時に指定したOracle HTTP Serverシステム・コンポーネント名です。

      たとえば:

      ./startComponent.sh ohs1

  • Windowsの場合

    1. DOMAIN_HOME\binディレクトリに移動します。

    2. 次のコマンドを実行します。

      startComponent.cmd system_component_name

      ここで、system_component_nameは、ドメインの構成時に指定したOracle HTTP Serverシステム・コンポーネント名です。

      たとえば:

      startComponent.cmd ohs1

『Oracle HTTP Serverの管理』コマンド行を使用したOracle HTTP Serverインスタンスの起動に関する項

ライブラリが欠落すると、通知なしにHTTPDが終了することがある

WindowsプラットフォームでOracle HTTP Serverが正常に機能するには、特定のMicrosoftソフトウェアがインストールされている必要があります。

次のソフトウェアがインストールされていない場合、Oracle HTTP Serverは(レジストリの設定に応じて)何も出力せずに終了するか、またはエラー・メッセージを生成します。
  • Microsoft Visual C++ 2010 Feature Pack Redistributable Package (x64)

  • Microsoft Visual C++ 2012 Feature Pack Redistributable Package (x64)

  • Microsoft社推奨のその他のパッケージ

Oracle HTTP Serverの起動に失敗し、Oracle HTTP Serverによってエラー・メッセージがサーバー・エラー・ログまたはノード・マネージャ・ログに記録されない場合は、次の手順に従って問題を診断します。

  1. 次のランタイム・ライブラリがインストールされていることを確認します: Microsoft Visual C++ 2010および2012 Feature Pack Redistributable Package (x64)
    1. いずれかのランタイム・ライブラリがない場合は、http://www.microsoft.comからダウンロードします。
    2. パッケージをインストールした後、このパッケージに対してMicrosoft社推奨のサービス・パックまたはその他の修正をインストールします。
    3. ランタイム・ライブラリおよび関連するサービス・パックまたは修正をインストールした後、Oracle HTTP Serverの起動を再試行します。
  2. コマンド・プロンプトからOracle HTTP Serverの起動を試みます。

    ノート:

    Oracle HTTP Serverは、このようにコマンド・プロンプトから起動した場合は適切に機能しません。Oracle HTTP Serverのこの起動方法は、診断のみを目的としています。
    1. DOMAIN_HOME/servers/ohs-instancename/logsディレクトリがOracle HTTP Serverによって作成されていない場合は、これを作成します。
    2. Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用してOracle HTTP Serverを起動してみます。
    3. ファイルDOMAIN_HOME/servers/ohs-instancename/logs/lastinvocation.logを、新しいファイルstartohs.cmd.にコピーします。
    4. 新しいコマンド・プロンプトを開き、startohs.cmdを実行します。
    5. このスクリプトの実行後にエラー・メッセージが生成された場合、これらのメッセージから起動の失敗を診断します。
    6. このスクリプトの実行後にエラー・メッセージが生成されない場合は、次のステップに進みます。
  3. Oracle HTTP Serverの起動を試みる場合は、Windowsエラー情報を収集します。

    Oracle HTTP Serverのライブラリ・エラーのエラー・レポートは、ご使用のシステムで禁止されていることがあります。エラー・レポートの検証または修正に関する情報は、Microsoft社の次の記事を参照してください。

    「HOWTO: How To Change Hard Error Popup Handling in Windows NT」(http://support.microsoft.com/kb/128642)

    1. ErrorModeを目的の値に変更します。
      • デフォルト・モードは1です。この場合、Oracle HTTP Serverに関するライブラリ・エラーがレポートされません。

      • Windowsのイベント・ログへのレポートを有効にするには、モードを2に変更します。このタスクにはこの設定をお薦めします。

      • ハード・エラーのポップアップを有効にするには、モードを0に変更します。0に変更した場合、診断情報を収集後にただちに前の値に戻してください。サーバーが無人状態のときエラーが発生すると運用上の問題となる可能性があります。

    2. Fusion Middleware ControlまたはWLSTまたは前のステップで作成したstartohs.cmdスクリプトを使用して、Oracle HTTP Serverの起動を試みます。
    3. ErrorModeの設定に応じて、ハード・エラー・ポップアップまたはWindowsイベント・ログ内の診断情報を確認します。

      Windowsイベント・ログを確認するには、Windows Event Viewerを開いて、Event Viewer (ローカル) / Windowsログ/ Applicationのログを表示します。

      Oracle HTTP Serverの起動の試行中に書き込まれたイベント・ログ・エントリを見つけます。

      ランタイム・ライブラリの検索に関するエラーは、イベントID 33または35SideBySideエラーとしてレポートされる場合があり、そのテキストではライブラリのロードを試みるOracleライブラリとロードされる特定のライブラリが示されます。次に例を示します。

      level=Error
      Source=SideBySide
      Event Id = 33
      Activation context generation failed for "C:\work\Oracle\MD1212\ORACLE~1\bin\oraiau.dll".
      Dependent Assembly Microsoft.VC90.CRT,processorArchitecture="amd64",
      publicKeyToken="1fc8b3b9a1e18e3b",type="win32",version="9.0.21022.8" could not be found.
      Please use sxstrace.exe for detailed diagnosis.

      示されたライブラリをインストールする必要があります。この例ではVC90と示されていますが、これは前述のステップ1で説明したMicrosoft Visual C++ 2010ライブラリです。

    4. ErrorModeの設定を前の状態に戻します。