はじめに
このガイドは、Oracle Traffic Directorの概要、およびOracle Traffic Directorインスタンスの作成、管理、監視およびトラブルシューティングの方法について説明します。
対象読者
このガイドは、Webサーバー、リバース・プロキシ・サーバーおよびロード・バランサなどのWeb層コンポーネントのインストール、構成、管理、監視およびトラブルシューティングを担当するユーザーを対象としています。
このガイドの読者は、次の操作に精通していることを前提としています。
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Webブラウザの使用
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ターミナル・ウィンドウでの作業
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UNIXに類似したプラットフォームでのオペレーティング・システム・コマンドの実行
また、HTTPおよびSSL/TSLプロトコルの基本を理解していることが望ましいですが、必須ではありません。
ドキュメントのアクセシビリティについて
Oracleのアクセシビリティへの取り組みについては、Oracle Accessibility ProgramのWebサイト(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=docacc
)にアクセスしてください。
Oracle Supportへのアクセス
サポートをご購入のOracleのお客様は、My Oracle Supportにアクセスして電子サポートを受けることができます。詳細は、http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=info
、聴覚に障害があるお客様はhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=trs
を参照してください。
ダイバーシティ&インクルージョン
Oracleはダイバーシティ&インクルージョンに積極的に取り組んでいます。Oracleは、ソート・リーダーシップと革新性を高める社員の多様性を尊重し、その価値を重んじています。従業員、お客様、パートナー様にポジティブな影響をもたらすインクルーシブな文化を醸成する私たちのイニシアティブの一環として、製品やドキュメントからインセンシティブな用語を取り除くように努めています。また、Oracle製品および業界標準が進化する中、お客様の既存の技術との互換性を維持する必要性およびサービスの継続性確保の要求にも留意しています。このような技術的な制限により、当社のインセンシティブな用語を削除する取組みは継続中であり、時間と皆様のご協力が必要となります。
表記規則
このマニュアルでは次の表記規則を使用します。
規則 | 意味 |
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太字 |
太字は、操作に関連するGraphical User Interface要素、または本文中で定義されている用語および用語集に記載されている用語を示します。 |
イタリック |
イタリックは、ユーザーが特定の値を指定するプレースホルダ変数を示します。 |
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固定幅フォントは、段落内のコマンド、URL、サンプル内のコード、画面に表示されるテキスト、または入力するテキストを示します。 |
このリリースの新機能
ここでは、Oracle Traffic Directorの新機能と変更された機能、およびこのガイドに記載されているその他の重要な変更について紹介し、詳細情報へのリンクを提供します。
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Weblogic Management Framework
Oracle Traffic Directorでは、データベースベースのインストールまたは制限付きJRFベースのインストールをサポートしています。「Oracle Traffic Directorのインストールの前提条件」を参照してください。Oracle Traffic Directorでは、Oracle WebLogicのインタフェースを活用するツール・セットであるWebLogic Management Frameworkが導入され、Oracleを管理するためのシンプルで一貫性のある分散フレームワークが提供されます。詳細は、「WebLogic Management Frameworkとは」を参照してください。
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WebLogic Scripting Toolコマンド
Oracle Traffic Directorは、コマンドライン・インタフェースである、Weblogic Scripting Tool (WLST)をサポートしています。WLSTコマンドは、Oracle Traffic Directorの構成および管理に使用されます。
WLSTコマンドには、次の2つのタイプがあります。-
オンライン・コマンド
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オフライン・コマンド
『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。
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マルチテナントのサポート
Oracle WebLogic Serverにより、複数の組織で使用できる共有可能なインフラストラクチャが提供されます。これにより、1つのドメインで同時に複数のテナントをサポートできるので、専用のドメインは必要ありません。
マルチテナントにより、1つのテナント用に実行中のアプリケーション・インスタンスおよび関連リソースに専有されていたWebLogicドメインのドメイン・パーティション、管理およびランタイム・パーティション内で、リソースの分離が実現できます。通常のデプロイメント・シナリオでは、Oracle Traffic DirectorがWebLogic Serverのフロントエンドになります。パーティション・タスクをWebLogic Serverから実行する場合、Web Logicパーティションのフロントエンドとなるように、Oracle Traffic Directorを適切に構成する必要があります。
マルチテナントのサポートにより、ユーザーのアクションがなくても、Oracle Traffic Directorが自動的に構成されます。関連項目「Oracle Traffic Directorの構成」および「ライフサイクル管理」を参照してください。
「Oracle Fusion Middleware WebLogic Server Multitenantの使用」を参照してください
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リクエスト制限のあるキューイング
オーバーフローしたリクエストはキューイングされ、リクエストの優先度に従ってデキューされます。この機能により、リクエストおよびレスポンスの帯域幅を制御できます。
「スレッド・プールおよび接続キューのチューニング」を参照してください。
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オリジン・サーバーのトラフィック制御
ユーザーは、キープ・アライブ・オプションによる複数リクエストに対して、同じオリジン・サーバー接続の再利用の制限を設定できます。オリジン・サーバーごとに帯域幅を制限および制御できます。この機能は、HTTPのオリジン・サーバー・プールの制御に使用できますが、TCPのオリジン・サーバー・プールには使用できません。
「キープ・アライブ設定のチューニング」を参照してください。
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優先度付きバックエンド接続の管理
Oracle Traffic Directorでは、クリティカルなアプリケーションのリクエスト用に、バックエンド・サーバーへの優先度付きリクエストがサポートされています。この機能により、優先度の高いリクエストが優先度の低いリクエストの前にデキューされます。
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ModSecurityのアップグレード
ModSecurityバージョン2.6.7に基づくWebアプリケーション・ファイアウォール・サポートは2.8.0にアップグレードされました。
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イベント通知
Oracle Traffic Directorでは、次の2つのイベントに対して、1つ以上のユーザー構成済HTTPエンドポイントへの通知の送信がサポートされます。
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オリジン・サーバーのステータス変更イベント
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リクエスト制限超過イベント
「イベント通知」を参照してください。
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アクティブ-アクティブ・フェイルオーバー・モードを使用した高可用性
Oracle Traffic Directorは、同じサブネットに属しているノード上に2つ以上のOTDインスタンスをデプロイすることで、インスタンス間でのフェイルオーバーをサポートします。ノードの1つはアクティブ・ルーター・ノードとして選択され、残りのノードはバックアップ・ルーター・ノードです。すべてのOTDインスタンス間のトラフィックが管理されます。
「高可用性向けのOracle Traffic Directorの構成」を参照してください。
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「Oracle Traffic Directorインスタンスをチェックするステータス・リスナー」
Oracle Traffic Directorは、Oracle Traffic Directorインスタンスのヘルスをチェックする専用のステータス・リスナーの構成をサポートします。
「ステータス・リスナーの構成」を参照してください。
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FTPトラフィックのフロントエンドのサポート
Oracle Traffic Directorは、TCPプロキシでのFTPサポートを有効化するオプションを提供しています。TCPプロキシでクライアントFTPとサーバーFTPの設定を有効化できます。
「TCPプロキシの管理」を参照してください。