4 統合Excelワークブックの準備

ADFデスクトップ統合を使用してExcelワークブックを準備してFusion Webアプリケーションと統合する方法、統合Excelワークブックのページ定義ファイルを使用する方法、既存のワークブックをFusion Webアプリケーションと統合する場合にADFデスクトップ統合を手動で有効にする方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

統合Excelワークブックの準備について

Fusion Webアプリケーションの開発後、ExcelワークブックをFusion Webアプリケーションと統合します。

この章では、ExcelワークブックとFusion Webアプリケーションを統合するために実行するタスクについて説明します。このガイドのそれ以降の章では、実行時に必要となる機能を提供するOracle ADFコンポーネントで統合ワークブックを構成できます。

この章(およびこのガイド全体)では、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』「Oracle ADFを使用したFusion Webアプリケーションの構築の概要」の説明に従って、適切に機能するFusion Webアプリケーションが開発されていることを前提としています。

注意:

開始する前に、「ADFデスクトップ統合のインストール」の説明に従って、ADFデスクトップ統合のデザイナ・ツールが有効になっていること確認してください。

統合Excelワークブックのページ定義ファイルの使用

ページ定義ファイルは、実行時にOracle ADFコンポーネントにデータを移入するバインディングを定義します。また、このデータに使用する操作やアクションを定義するアクション・バインディングおよびメソッド・アクション・バインディングも参照します。

ページ定義ファイルは、Fusion Webアプリケーションと統合するExcelワークシートごとに個別に定義する必要があります。

ADFデスクトップ統合の作業ウィンドウには、ADFデスクトップ統合がバインディング・パレットでサポートしているバインディングのみが表示されます。ページ定義ファイルがADFデスクトップ統合がサポートしないバインディング(グラフ・バインディングなど)を参照する場合、それは表示されません。

表4-1は、ADFデスクトップ統合モジュールがサポートするバインディング・タイプの一覧および説明です。

表4-1 ADFデスクトップ統合コンポーネントのバインディングの要件

ADFデスクトップ統合コンポーネント サポートされているバインディング 追加の説明

ADF入力テキスト

属性バインディング

ADF出力テキスト

属性バインディング

ADFラベル

属性とリスト・バインディング

このADFデスクトップ統合コンポーネントは、コントロール・バインディングのラベル・プロパティを使用します。

ADF値リスト

リスト・バインディング

ADF読取り専用表

ツリー・バインディング

ADF表

ツリー・バインディング

ADFデスクトップ統合内のコンポーネントが使用するバインディングの詳細は、「ADFデスクトップ統合コンポーネントのプロパティとアクション」を参照してください。

ページ定義ファイルの要素と属性の詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』pageNamePageDef.xmlに関する項を参照してください。

Fusion WebアプリケーションのADFデータ・バインディングおよびページ定義ファイルの詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』「Fusion WebアプリケーションでのADFモデルの使用」を参照してください。

ADFデスクトップ統合ページ定義ファイルの作成方法

JDeveloperプロジェクトで公開するOracle ADFバインディングを決定するページ定義ファイルを、作成および構成します。

始める前に:

ページ定義ファイルについて理解しておくと役立ちます。「統合Excelワークブックのページ定義ファイルの使用」を参照してください。

ADFデスクトップ統合ページ定義ファイルを作成するには:

  1. JDeveloperFusion Webアプリケーションを開きます。
  2. 「アプリケーション」ウィンドウで、ページ定義ファイルを追加するViewControllerのようなユーザー・インタフェース・プロジェクトを選択します。
  3. 「ファイル」メニューから、「新規」「ギャラリから」を選択します。
  4. 「新規ギャラリ」で、「クライアント層」を展開して「ADFデスクトップ統合」を選択し、続いて「ADFデスクトップ統合ページ定義」を選択して「OK」をクリックします。

    図4-1は、「新規ギャラリ」と「ADFデスクトップ統合」カテゴリおよび「ADFデスクトップ統合ページ定義」オプションを示します。

    図4-1 新規ギャラリ - ADFデスクトップ統合ページ定義

    この図は周囲のテキストで説明しています

    「OK」をクリックします。

  5. ADFデスクトップ統合ページ定義の作成」ダイアログで、必要に応じて、ページ定義ファイル名を編集します。
  6. 「OK」をクリックします。

JDeveloperはページ定義をFusion Webアプリケーションに追加して、新しいページ定義のエディタを開きます。図4-2は、「アプリケーション」ウィンドウでのViewControllerプロジェクトと新しいページ定義を示しています。

図4-2 「アプリケーション」ウィンドウのadfdiPageDefn.xml

この図は周囲のテキストで説明しています

ページ定義ファイルの使用の詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』ページ定義ファイルの使用に関する項を参照してください。

ページ定義ファイル作成時の処理

JDeveloperは、「ADFデスクトップ統合ページ定義ファイルの作成方法」の手順を使用して最初にページ定義ファイルをJDeveloperプロジェクトに追加する際に、DataBindings.cpxファイルを作成します。

DataBindings.cpxファイルは、Fusion Webアプリケーションのバインディング・コンテキストを定義し、実行時に作成されるOracle ADFバインディングの元の構成を提供します。このファイルの使用の詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』DataBindings.cpxファイルでの作業に関する項を参照してください。

Excelワークブックへのページ定義ファイルのリロード方法

JDeveloperデスクトップ統合プロジェクトで、Excelワークシートに関連付けられたページ定義ファイルに変更を加える場合、JDeveloperデスクトップ統合プロジェクトをリビルドして、Excelワークシートにページ定義ファイルをリロードし、ADFデスクトップ統合の作業ウィンドウに変更が表示されるか確認します。「新しい統合Excelワークブックの構成方法」の説明に従って、ページ定義ファイルを選択する際にそれをExcelワークシートに関連付けます。

「Oracle ADF」タブには、すべてのページ定義ファイルをExcelワークブックにリロードするボタン(「バインディングのリフレッシュ」)があります。「バインディングのリフレッシュ」ボタンの詳細は、「開発ツールについて」を参照してください。

ページ定義ファイルに変更を加えた後にJDeveloperデスクトップ統合プロジェクトをリビルドせずにアプリケーションを再起動すると、統合Excelワークブックを設計モードからランタイムに切り替えるときに、エラーが発生することがあります。次に例を示します。

  • ページ定義ファイルの要素を削除した場合

  • リビルドせずにFusion Webアプリケーションを再起動した場合

  • 統合Excelワークブックにページ定義ファイルをリロードしない場合

前述の場合にワークブックをテスト・モードに切り替えようとすると、次のようなエラー・メッセージが表示されることがあります。

[ADFDI-05530] unable to initialize worksheet: MyWorksheet
[ADFDI-05517] unable to find control MyBindingThatWasRemoved

始める前に:

ページ定義ファイルについて理解しておくと役立ちます。「統合Excelワークブックのページ定義ファイルの使用」を参照してください。

Excelワークブックにページ定義ファイルをリロードするには:

  1. 更新したページ定義ファイルをJDeveloperに保存したことを確認してください。
  2. Excelワークブックで、「Oracle ADF」タブのコンポーネント・グループの「バインディングのリフレッシュ」・ボタンをクリックします。

ページ定義ファイルをリロードした後、ワークシートのADFデスクトップ統合の作業ウィンドウに、Fusion Webアプリケーションの関連ページのものと同じバインディングが表示されます。たとえば、図4-3は、ExcelCustomers.xmlページ定義ファイルのバインディングと、EditCustomers-DT.xlsxワークブックのワークシートにある同じバインディングを示します。

図4-3 JDeveloperと統合Excelワークブックのページ定義ファイル

この図は周囲のテキストで説明しています

統合Excelワークブック内のページ定義ファイルに関する必知事項

ADFデスクトップ統合プロジェクトのページ定義ファイルについて、次の点に注意してください。

  • 複数のExcelワークシートの統合: Excelワークブックの複数のワークシートをFusion Webアプリケーションと統合できます。「統合Excelワークブックにワークシートを追加する方法」の説明に従って、個別のページ定義ファイルをそれぞれのワークシートに関連付けます。

  • ページ定義ファイルのEL式: 次の構文を使用して、ページ定義ファイルでEL式を記述してください。

    Dynamic (${})
    

    EL式の記述に構文Deferred (#{})使用しないでください。この構文を使用したEL式は、使用できないADF Facesコンテキストにアクセスしようとするため、エラーを生成します。

    注意:

    入力テキスト・コンポーネントなど、統合ExcelワークブックのADFデスクトップ統合コンポーネントに記述するEL式では、Deferred (#{})構文を使用する必要があります。

Fusion Webアプリケーションへの統合Excelワークブックの追加

Fusion Webアプリケーションは、統合Excelワークブックをプロジェクトに追加する際にADFデスクトップ統合に対して自動的に有効化されます。統合Excelワークブックを使用して、ADFコンポーネントとADFデータ・バインディングを追加できます。

Fusion Webアプリケーションへの統合Excelワークブックの追加方法

統合Excelワークブックを追加するには、JDeveloperFusion Webアプリケーションを開いて、「新規ギャラリ」からのプロジェクトにExcelワークブックを追加します。

始める前に:

ADFデスクトップ統合Fusion Webアプリケーションに追加する方法を理解しておくと役立ちます。「Fusion Webアプリケーションへの統合Excelワークブックの追加」を参照してください。

JDeveloper内で統合Excelワークブックを追加するには:

  1. JDeveloperFusion Webアプリケーションを開きます。
  2. 「アプリケーション」ウィンドウで、新しい統合Excelワークブックを追加するViewControllerのようなユーザー・インタフェース・プロジェクトを選択します。
  3. 「ファイル」メニューから、「新規」「ギャラリから」を選択します。
  4. 「新規ギャラリ」で、「クライアント層」を展開して「ADFデスクトップ統合」を選択し、続いて「Microsoft Excelワークブック」を選択して「OK」をクリックします。

    図4-4は、「新規ギャラリ」と「ADFデスクトップ統合」カテゴリおよび「Microsoft Excelワークブック」オプションを示します。

    図4-4 新規ギャラリ - Microsoft Excelワークブック

    この図は周囲のテキストで説明しています

    「OK」をクリックします。

  5. ADFデスクトップ統合対応Excelワークブックの作成」ダイアログで、目的の場所を確認して、一意のワークブック名を入力します。後で公開できるように、接尾辞-DTを追加することを検討してください。たとえば、MyWorkbook-DT.xlsxのようにします。

    デフォルトでは、統合Excelワークブックは、選択されたプロジェクトの<PROJECT_HOME>\src\excelディレクトリにadfdi-workbook-DT.xlsxとして保存されます。ワークブックはどこにでも保存できますが、Fusion Webアプリケーションの他のファイルとともに保存する必要があります。

    後でファイナライズ済の統合Excelワークブックを公開して配信するときに、ADFデスクトップ統合が-DTなどの接尾辞を削除して、エンド・ユーザーにわかりやすいファイル名が表示されるようにします。たとえば、Summitサンプル・アプリケーションでは、EditCustomers-DT.xlsxではなくEditCustomers.xlsxのファイル名を使用して、顧客の編集をするワークブックを公開しています。

  6. 「OK」をクリックします。

JDeveloperは統合ExcelワークブックをFusion Webアプリケーションに追加して、ADFデスクトップ統合に対してプロジェクトを自動的に有効化します。図4-5は、ViewControllerプロジェクトを示します。

図4-5 「アプリケーション」ウィンドウのadfdi-workbook-DT.xlsx

図4-5の説明が続きます
「図4-5 「アプリケーション」ウィンドウのadfdi-workbook-DT.xlsx」の説明

新しい統合Excelワークブックの構成方法

統合Excelワークブックを追加したら、それを構成する必要があります。

始める前に:

統合ExcelワークブックをFusion Webアプリケーションに追加する方法を理解しておくと役立ちます。「Fusion Webアプリケーションへの統合Excelワークブックの追加」を参照してください。

新しい統合Excelワークブックを構成するには:

  1. 統合Excelワークブックを開きます。
  2. 「Oracle ADF」タブの「ワークブック」グループで、「ワークブック・プロパティ」をクリックします。
  3. 「ワークブック・プロパティの編集」ダイアログで、ワークブックを構成する際に設計モードとテスト・モードを切り替えられるように、次のプロパティの値を設定または確認します。
    • ApplicationHomeFolder

      このプロパティの値は、JDeveloperアプリケーション・ワークスペース(.jws)のルート・ディレクトリの絶対パスに相当します。ワークブックがJDeveloperアプリケーションのワークスペース内にある場合、ApplicationHomeFolderワークブック・プロパティの値は自動的に割り当てられます。

      注意:

      アプリケーション・ディレクトリを移動した後にExcelファイルを開く場合、ApplicationHomeFolderプロパティの値が正しいパスを反映していることを確認してください。

    • Project

      このプロパティの値は、JDeveloperアプリケーション・ワークスペースのJDeveloperプロジェクト(.jpr)の名前に相当します。プロジェクトを変更するには、参照(...)アイコンをクリックして、JDeveloperアプリケーション・ワークスペースで定義されたプロジェクトをリストする「プロジェクト」ダイアログからプロジェクトを選択します。

      デフォルトでは、ProjectはExcelドキュメントを含むプロジェクト名に設定されます。ADFデスクトップ統合は、ApplicationHomeFolderの値として指定された使用可能なプロジェクト名をapplication_name.jwsからロードします。

    • WebAppRoot

      このプロパティの値を、Fusion Webアプリケーションを統合するWebコンテキスト・ルートの完全修飾URLに設定します。完全修飾されたURLは次の形式になります。

      http://<hostname>:<portnumber>/context-root

      JDeveloperでは、「プロジェクト・プロパティ」ダイアログの「Java EEアプリケーション」ページでWebコンテキスト・ルート(context-root)を指定します。図4-7に、JDeveloperのADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションおよび統合Excelワークブックに使用されるWebコンテキスト・ルートを示します。

      図4-7 JDeveloperと統合ExcelワークブックのWebコンテキスト・ルートの設定

      図4-7の説明が続きます
      「図4-7 JDeveloperと統合ExcelワークブックのWebコンテキスト・ルートの設定」の説明

      完全修飾URLは、ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションを使用してシステムにテスト環境を設定する場合に、次のようになります。

      http://localhost:7101/summit

      Fusion WebアプリケーションがオンラインでADFデスクトップ統合合がサポートされているかを確認する方法の詳細は、「Fusion WebアプリケーションがADFデスクトップ統合をサポートするかどうかの検証」を参照してください。

      ExcelファイルをセキュアなFusion Webアプリケーションと統合する場合、WebAppRootの値を入力する際にhttpsプロトコルを使用する必要があります。

      Fusion Webアプリケーションの保護の詳細は、『WebLogicセキュリティ・サービスによるアプリケーションの開発』「Webアプリケーションの保護」を参照してください。

    • WebPagesFolder

      このプロパティの値を、Fusion WebアプリケーションのWebページを含むディレクトリに設定します。ディレクトリ・パスは、ApplicationHomeFolderの値の相対パスになります。たとえば、EditCustomers-DT.xlsxワークブックでは、WebPagesFolderViewController\public_htmlに設定されます。

    図4-8は、ADFデスクトップ統合のEditCustomers-DT.xlsxワークブックのSummitサンプル・アプリケーションの「ワークブック・プロパティの編集」ダイアログでのワークブック・プロパティの例を示しています。

    図4-8 「ワークブック・プロパティの編集」ダイアログ

    この図は周囲のテキストで説明しています
  4. 「OK」をクリックします。

    注意:

    ステップ1では、選択されたページ定義ファイルの完全修飾パスがWindowsのパスの長さの上限を超える場合、「ワークブック・プロパティ」ダイアログが閉じられるときに警告メッセージが表示され、ページ定義はロードされません。

  5. Excelのワークブックを保存します。

統合Excelワークブックにワークシートを追加する方法

Oracle ADFの機能を使用するには、それぞれのワークシートをページ定義ファイルに関連付けます。ワークシートを統合Excelワークブックに追加する際に、ページ定義ファイルをワークシートに関連付けます。統合Excelワークブックの複数のワークシートをFusion Webアプリケーションに統合できます。統合Excelワークブックの各ワークシートに異なるページ定義ファイルを使用してください。

始める前に:

統合ExcelワークブックをFusion Webアプリケーションに追加する方法を理解しておくと役立ちます。「Fusion Webアプリケーションへの統合Excelワークブックの追加」を参照してください。

ページ定義ファイルとExcelワークシートを関連付けるには:

  1. Excelワークブックが設計モードにある間に、Excelリボンの「ホーム」タブをクリックし、「セル」グループで「挿入」「シートの挿入」を選択します。
  2. 「ページ定義の選択」ダイアログ・ボックスで、ページ定義ファイルを選択します。

    これにより、ADFデスクトップ統合の作業ウィンドウのバインディング・パレットに、ページ定義ファイルに含まれるバインディングが移入されます。これで、Oracle ADF機能を使用してワークシートを構成できます。

ExcelワークブックでのADFデスクトップ統合の有効化

作成した統合Excelワークブックをデスクトップ統合機能を備えたFusion Webアプリケーションに追加すると、ADFデスクトップ統合により統合Excelワークブックが自動的に構成されます。既存のワークブックでデスクトップ統合機能を有効にして、それを統合Excelワークブックにし、新しく統合されたExcelワークブックでプロパティを構成する必要があります。

「Fusion Webアプリケーションへの統合Excelワークブックの追加」を参照してください。

既存のワークブック内でADFデスクトップ統合を有効化する方法

既存のワークブックをADFデスクトップ統合が有効化されたFusion Webアプリケーションに統合するには、そのワークブックでADFデスクトップ統合を手動で有効にする必要があります。Fusion Webアプリケーションとの統合のために使用可能な、サポートされているExcelワークブックのファイル形式の詳細は、「必要なOracle ADFモジュールおよびサード・パーティ製ソフトウェア」を参照してください。

始める前に:

統合ExcelワークブックをFusion Webアプリケーションに追加する方法を理解しておくと役立ちます。「Fusion Webアプリケーションへの統合Excelワークブックの追加」を参照してください。

既存のExcelワークブックでADFデスクトップ統合を有効にするには:

  1. Excelでワークブックを開きます。
  2. 「Oracle ADF」タブの「ワークブック」グループで、「ワークブック・プロパティ」をクリックします。
  3. ワークブックの有効化ダイアログで、図4-9に示すように「はい」をクリックします。

    図4-9 ワークブックの有効化ダイアログ

    この図は周囲のテキストで説明しています

    ADFデスクトップ統合がワークブックを準備して、ADFデスクトップ統合のデザイナの作業ウィンドウを表示し、「フォルダの参照」ダイアログが開きます。「新しい統合Excelワークブックの手動による構成方法」を参照してください。

  4. ワークブックを保存します。

Fusion Webアプリケーションと統合するExcelワークブックはどこにでも保存できますが、Fusion Webアプリケーションの他のファイルとともに保存するメリットがいくつかあります。たとえば、次のようなものです。

  • ワークブックのソースの管理

  • Webページからのワークブックのダウンロードの円滑化

  • 最初にワークブックを開いたときに表示されるファイル・システム・フォルダ・ピッカーは、ワークブックを保存する場所をデフォルトとします。

たとえば、ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションは統合するExcelワークブックを次のサブディレクトリに保存します。

Summit_HOME\ViewController\src\oracle\summitdi\excel

ここで、Summit_HOMEはADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのソース・ファイルを保存するルート・ディレクトリです。

新しい統合Excelワークブックの手動による構成方法

ワークブックでADFデスクトップ統合を手動で有効にした後、それを構成する必要があります。

始める前に:

統合ExcelワークブックをFusion Webアプリケーションに追加する方法を理解しておくと役立ちます。「ADFデスクトップ統合の手動による有効化」を参照してください。

新しい統合Excelワークブックを手動で構成するには:

  1. 統合Excelワークブックを開きます。

    図4-10に示すように、「フォルダの参照」ダイアログが自動的に表示されます。

    図4-10 フォルダの参照ダイアログ

    図4-10の説明が続きます
    「図4-10 「フォルダの参照」ダイアログ」の説明

    「フォルダの参照」ダイアログを使用して、JDeveloperアプリケーションのホーム・ディレクトリを選択します。一般的なJDeveloperのプロジェクトでは、JDeveloperアプリケーションのホーム・ディレクトリにapplication_name.jwsファイルが保存されます。選択した値がApplicationHomeFolderワークブックのプロパティに割り当てられます。

    注意:

    ワークブックがJDeveloperアプリケーションのワークスペース内にある場合、「フォルダの参照」ダイアログは表示されません。この場合、ApplicationHomeFolderワークブックのプロパティの値は、自動的に割り当てられます。

  2. 「Oracle ADF」タブの「ワークブック」グループで、「ワークブック・プロパティ」をクリックします。
  3. 「ワークブック・プロパティの編集」ダイアログで、「新しい統合Excelワークブックの構成方法」のステップ3で説明したプロパティを構成します。
  4. 「OK」をクリックします。
  5. 「Oracle ADF」タブの「ワークブック」グループで、「ワークシート・プロパティ」をクリックします。
  6. 「ワークシート・プロパティの編集」ダイアログで、「ページ定義」入力フィールドの横にある参照(...)アイコンをクリックし、図4-11に示す「ページ定義」ダイアログからページ定義ファイルを選択します。

    図4-11 ページ定義ダイアログ

    この図は周囲のテキストで説明しています
  7. 「OK」をクリックします。

    作業ウィンドウに、ADFデスクトップ統合とともにExcelのワークシートが表示されます。ステップ6で選択したページ定義ファイルのバインディングが、「バインディング」タブに表示されます。

  8. Excelのワークブックを保存します。

ADFデスクトップ統合の手動による有効化

統合Excelワークブックを追加せずにFusion WebアプリケーションADFデスクトップ統合を有効化するには、ADFデスクトップ統合を手動で追加する必要があります。

ADFデスクトップ統合を手動でFusion Webアプリケーションに追加する方法

JDeveloperの「プロジェクト・プロパティ」ダイアログを使用して、プロジェクトの機能リストにADFデスクトップ統合を追加します。

始める前に:

ADFデスクトップ統合Fusion Webアプリケーションに追加する方法を理解しておくと役立ちます。「ADFデスクトップ統合の手動による有効化」を参照してください。

プロジェクトにADFデスクトップ統合を手動で追加するには:

  1. JDeveloperでプロジェクトを開きます。
  2. 「アプリケーション」ウィンドウで、ADFデスクトップ統合を追加するプロジェクトを右クリックして、「プロジェクト・プロパティ」を選択します。

    アプリケーションでFusion Web Application (ADF)アプリケーション・テンプレートを使用する場合、ViewControllerなどのユーザー・インタフェース・プロジェクトを選択します。アプリケーションで別のアプリケーション・テンプレートを使用する場合は、そのWebアプリケーションに対応するプロジェクトを選択してください。

  3. 「プロジェクト・プロパティ」ダイアログで、「機能」を選択して、使用可能な機能のリストを表示します。
  4. 「機能の追加」をクリックします。
  5. 「機能の追加」ダイアログで、「ADFデスクトップ統合」機能を選択して、図4-12に示すように「選択されたもの」リストに追加します。
  6. 「OK」をクリックして、「機能の追加」ダイアログを閉じます。
  7. 「OK」をクリックして、「プロジェクト・プロパティ」ダイアログを閉じます。

ADFデスクトップ統合を追加する際の処理の詳細は、「ADFデスクトップ統合をJDeveloperプロジェクトに追加する際の処理」を参照してください。

注意:

EARファイルやJARファイルを介してADFライブラリ・ファイルを追加し、統合Excelワークブックを分散する予定があれば、「ADFライブラリWebアプリケーション・サポート」をプロジェクトに追加してください。「ADFライブラリWebアプリケーション・サポートの追加」を参照してください。

ADFデスクトップ統合をJDeveloperプロジェクトに追加する際の処理

ADFデスクトップ統合の機能をプロジェクトに追加する際、次のイベントが発生します。

  • プロジェクトでは、ADFデスクトップ統合のランタイム・ライブラリが追加されます。このライブラリは、クラスパス内で次の.jarファイルを参照します。

    • adf-desktop-integration.jar

    • adf-desktop-integration-model-api.jar

    • resourcebundle.jar

  • プロジェクトのデプロイメント・ディスクリプタ(web.xml)が次のエントリを含むように変更されます。

    • ADFバインディング・フィルタ(adfBindings)

    • adfdiRemoteという名前のサーブレット

      注意:

      adfdiRemoteservlet-mapping要素のurl-pattern属性値は、表A-19にあるRemoteServletPathワークブックのプロパティの値と一致する必要があります。

    • adfdiExcelDownloadという名前のフィルタ

    • ExcelファイルのMIMEマッピング(.xlsx.xlsm)

    これらのエントリがすべてではありません。ADFデスクトップ統合をプロジェクトに追加すると、web.xmlに他の変更が加えられます。web.xmlの一部のエントリは、このファイルにまだ表示されない場合にのみ追加される点に注意してください。

ADFライブラリWebアプリケーション・サポートの追加

統合ワークブックをADFライブラリ・ファイルに追加して配布する予定があれば、ADFライブラリWebアプリケーションのサポートをFusion Webアプリケーションに追加します。『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』ADFライブラリへの再利用可能なADFコンポーネントのパッケージ化に関する項を参照してください。

web.xmlファイルでフィルタおよびフィルタ・マッピング情報を更新する際には、Fusion Webアプリケーションから統合Excelワークブックをダウンロードできるように、adfdiExcelDownloadフィルタ・エントリの下にADFライブラリWebアプリケーション・サポート(<filter-name>ADFLibraryFilter</filter-name>)が表示されるようにしてください。

図4-13は、JDeveloperweb.xmlの概要エディタの「フィルタ」タブを示します。

図4-13 web.xmlのフィルタ・タブ

図4-13の説明が続きます
「図4-13 web.xmlの「フィルタ」タブ」の説明

図4-14に示すように、include-extension-list初期化パラメータを更新して、Excelファイル拡張子(.xlsxおよび.xlsmなど)を追加する必要もあります。

図4-14 include-extension-listパラメータを使用するADFLibraryFilter

図4-14の説明が続きます
「図4-14 include-extension-listパラメータを使用したADFLibraryFilter」の説明

web.xmlの詳細は、「Webアプリケーション・デプロイメント・ディスクリプタでのADFデスクトップ統合の設定」を参照してください。

旧バージョンのADFデスクトップ統合との統合Excelワークブックの使用

古いバージョンのADFデスクトップ統合と互換性のない機能が含まれていない統合Excelワークブックは、古いバージョンと組み合せて使用できます。

旧バージョンのADFデスクトップ統合を実行するシステムで、新しいバージョンのADFデスクトップ統合で作成または最後に更新された統合Excelワークブックを、ユーザーまたはそのユーザーのエンド・ユーザーが開いた場合、旧バージョンのADFデスクトップと互換性のない機能が統合Excelワークブックに含まれていると、ダイアログが表示されます。

このダイアログで「OK」をクリックすると、ADFデスクトップ統合により、統合Excelワークブックが無効になり、エンド・ユーザーは、ワークブックでADFデスクトップ統合機能を使用できません。ワークブックのデータは削除されませんが、ADFデスクトップ統合はワークブックを統合されていないワークブックとして扱います。

互換性のない機能が統合Excelワークブックに含まれない場合、ダイアログは表示されず、ワークブックは正常に機能します。互換性のない機能を含む統合Excelワークブックの場合は、「ADFデスクトップ統合のアップグレード」の説明に従って、ADFデスクトップ統合のクライアント・バージョンをアップグレードします。エンド・ユーザーは、「ローカル・システムのADFデスクトップ統合のアップグレード方法」の説明に従って、各自のクライアント・バージョンをアップグレードできます。

12c (12.2.1)以前のADFデスクトップ統合を使用して作成した統合Excelワークブックには、ADFデスクトップ統合12c (12.2.1)クライアントと互換性のない機能は含まれません。今後のリリースのADFデスクトップ統合では、12c (12.2.1)以前のADFデスクトップ統合を使用するクライアントと互換性のない機能が導入される可能性があります。

注意:

統合Excelワークブックがインストール済のADFデスクトップ統合クライアントと互換性がない場合、ワークブックを開くとメッセージが表示されます。そのような場合、新しいワークブックと対話するには、ADFデスクトップ統合クライアントの新しいバージョンをインストールする必要があります。