3 開発環境の設定

ExcelワークブックとFusion Webアプリケーションを統合するために開発環境を設定する方法、およびADFデスクトップ統合のアップグレードと削除を行う方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

開発環境の設定について

開発環境の設定では、正しいバージョンのJDeveloperおよびMicrosoft Officeがインストールされていることが確認されます。

「必要なOracle ADFモジュールおよびサード・パーティ製ソフトウェア」の説明に従って必要なソフトウェアが揃っていることを確認した後、ADFデスクトップ統合をインストールして、開発環境の設定を完了します。

注意:

このガイドの手順では、Windows 7オペレーティング・システムおよびMicrosoft Excel 2007を使用していることを想定しています。他のエディションのWindowsおよびExcelではステップが異なることがある点に注意してください。

必要なOracle ADFモジュールおよびサード・パーティ製ソフトウェア

ExcelワークブックとFusion Webアプリケーションの統合を開始する前に、必要なOracle ADFモジュールとサード・パーティ製ソフトウェアがインストールされていることを確認してください。

  • Oracle JDeveloper

    最新リリースのJDeveloperをインストールします。ADF デスクトップ統合は、JDeveloperの機能として入手可能です。

  • Microsoft Windows

    Microsoft Windowsオペレーティング・システムは、Fusion Webアプリケーションと統合するExcelワークブックの開発とデプロイメントを支援します。サポートされているWindowsのバージョンの詳細は、次のOTNページでこのリリースの「Certification Information」リンクを参照してください。

    http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/jdev/documentation/index.html

  • Microsoft Excel

    ADFデスクトップ統合は、Fusion Webアプリケーションと次のタイプのExcelワークブックとの統合をサポートしています。

    • Excelワークブック

      Excelワークブックのデフォルトの形式は、Excel XMLベースのファイル形式(.xlsx)です。

    • Excelマクロが有効なワークブック

      この形式(.xlsm)のワークブックは、Excel XMLベースのファイル形式を使用し、VBAマクロ・コードを格納できます。

    ADFデスクトップ統合は、他のExcelファイル形式の使用をサポートしていません。サポートされているExcelのバージョンの詳細は、次のOTNページでこのリリースの「Certification Information」リンクを参照してください。

    http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/jdev/documentation/index.html

  • Internet Explorer

    ADFデスクトップ統合の一部の機能は、Microsoft .NET FrameworkのWebブラウザのコントロールを使用します。このブラウザのコントロールが正しく機能するかどうかは、ローカルInternet Explorerのインストールに依存します。

    ADFデスクトップ統合は、Internet Explorerを使用してExcel内にWebページをレンダリングします。システムに別のブラウザがインストールされていたり、デフォルト・ブラウザとして設定されていても関係ありません。

ADFデスクトップ統合用としてサポートされているプラットフォームに関する最も正確な情報は、「ADFデスクトップ統合用としてサポートされているプラットフォーム」を参照してください。このドキュメントは、My Oracle Support (https://support.oracle.com)でドキュメントID 2242428.1を検索すると入手できます。

ADFデスクトップ統合のインストーラを実行した後で、クライアント・ヘルス・チェックを実行し、環境が正しく構成されているか確認することを検討してください。「クライアント・ヘルス・チェック・ツールの実行」を参照してください。

ADFデスクトップ統合のインストール

ADFデスクトップ統合インストーラを実行すると、アドインのインストール先のシステムに必要なソフトウェアがインストールされているかどうかが確認されます。必要なソフトウェアがインストールされていない場合、ADFデスクトップ統合によってインストールされます。

次のリストは、ADFデスクトップ統合によってインストールされているかが確認される必要なソフトウェアを示しています。ADFデスクトップ統合は、指定された順序で欠落しているソフトウェアをインストールします。

  1. Windows Installer 4.5
  2. Microsoft .NET Framework

    Microsoft .NET Framework 4.5.2は、Microsoft .NET Frameworkをターゲットに開発されるアプリケーションの実行に必要な実行時ファイルおよび関連ファイルを提供します。フレームワークはhttp://www.microsoft.com/download/からダウンロードできます。

    注意:

    • Microsoft .NET Framework 4.5.2が必要な最小バージョンです。ADFデスクトップ統合はMicrosoft .NET Framework 4.6とも互換性があります。

    • Microsoft .NET Frameworkのインストールには、インストールするシステムの再起動が必要な場合があります。再起動の後、インストーラからインストールを完了するように推奨されます。

  3. Microsoft Visual Studio 2010 Tools for Office Runtime

    Microsoft OfficeシステムのVSTOソリューションを実行するには、Microsoft Visual Studio 2010 Tools for Office Runtime(バージョン4)が必要です。Microsoft Visual Studio 2010 Tools for Office Runtimeはhttp://www.microsoft.com/download/からダウンロードできます。

  4. ADFデスクトップ統合のアドイン

    ADFデスクトップ統合アドインは、JDeveloperから、または次のディレクトリにあるadfdi-excel-addin-installer.exeインストーラからインストールできます。

    MW_HOME\oracle_common\modules\oracle.adf.desktopintegration

    ADFデスクトップ統合の設定方法の詳細は、「ADFデスクトップ統合のインストール方法」を参照してください。ADFデスクトップ統合に対応するFusion Webアプリケーションからインストールすることもできます。「WebサーバーからADFデスクトップ統合アドインをインストールする方法」を参照してください。

    ADFデスクトップ統合のインストールは、現在のWindowsユーザー・プロファイルに対して固有である点に注意してください。システム上に複数のWindowsユーザー・プロファイルがあり、特定のユーザー・プロファイルからADFデスクトップ統合Excelワークブックを使用する場合は、それぞれのユーザー・プログラムファイルにログインしてADFデスクトップ統合のアドインをインストールする必要があります。「ADFデスクトップ統合のインストール方法」を参照してください。

ADFデスクトップ統合のインストール方法

ADFデスクトップ統合アドインをJDeveloperからインストールして、統合Excelワークブックを作成およびテストできます。

ADFデスクトップ統合のアドインをインストールするために管理者権限は必要ありませんが、追加のソフトウェアのダウンロードとインストールを試行するインストーラを実行するための管理者権限が必要となることがあります。また、Internet Explorerのプロキシ設定が、*.microsoft.comへのアクセスを許可するように構成されているかも確認してください。これは、インストーラが足りない前提条件のソフトウェアをMicrosoftのWebサイトから自動的にダウンロードしようとするためです。

始める前に:

ADFデスクトップ統合の要件について理解しておくと役立ちます。「ADFデスクトップ統合のインストール」を参照してください。

ADFデスクトップ統合をインストールする手順:

  1. JDeveloperを開きます。
  2. 「ツール」メニューから、「ADFデスクトップ統合のインストール」を選択します。

    注意:

    「ADFデスクトップ統合のインストール」メニュー・オプションは、JDeveloperのWindowsインストールでのみ使用可能です。

  3. ExcelのOracle ADF Desktop Integration 12cアドイン・ウィザードのADFデスクトップ統合インストーラ・ページで、「インストール」をクリックします。

    ダイアログ・ボックスに表示される手順に従い、必要なコンポーネントを正しくインストールします。インストール処理中にエラーが発生した場合、説明が記載されたエラー・メッセージが表示され、インストールがロールバックされます。詳細は、ユーザー・プロファイルのtempディレクトリにあるadfdi-installer-log.txtエラー・ログ・ファイルを確認してください。

  4. プロンプトが表示された場合は「はい」をクリックしてシステムを再起動し、ADFデスクトップ統合のインストールを完了します。
    Microsoft Excelを開き、インストールの実行を許可する追加のプロンプトを受け入れる必要がある場合もあります。

インストールに関して、次の点に留意してください。

  • ADFデスクトップ統合は、次のディレクトリにあるadfdi-excel-addin-installer.exeを実行してインストールすることもできます。

    MW_HOME/oracle_common/modules/oracle.adf.desktopintegration

    インストーラを実行する前に、ADFデスクトップ統合アドインのインストーラでは、デフォルトでデザイナ機能が有効になっていないことに注意してください。統合Excelワークブックを作成および編集するには、アドインのデザイナ機能を有効にする必要があります。

    ウィザードのADFデスクトップ統合インストーラ・ページで、開発者オプション.をクリックし、開発者オプション・ページで「有効」を選択して、「インストール」をクリックします。「有効」オプションを選択しないと、図3-1に示す「Oracle ADF」タブはMicrosoft Excelに表示されません。

    図3-1 Microsoft Excelの「Oracle ADF」タブ

    図3-1の説明が続きます
    「図3-1 Microsoft Excelの「Oracle ADF」タブ」の説明
  • ADFデスクトップ統合をJDeveloperからインストールしている場合、デザイナ機能は自動的に有効になります。

  • ADFデスクトップ統合をコマンド行からインストールすることもできます。

  • ADFデスクトップ統合アドイン・インストーラで、レジストリ内のExcelのFEATURE_BROWSER_EMULATION機能制御キーがIE 11モードに設定されます。この設定により、埋込みブラウザはIE 11モードで動作できます。My Oracle Support (https://support.oracle.com)でドキュメントID 2013081.1を検索すると入手できる埋め込みブラウザのADFdiノートに関するドキュメントも参照してください。

ADFデスクトップ統合をエンド・ユーザーにインストールする場合は、「ADFデスクトップ統合のインストール、アップグレードおよび削除」を参照してください。

ADFデスクトップ統合の削除

ADFデスクトップ統合のアドインを設定したシステムから削除するには、Microsoft Windowsの「コントロール パネル」を使用します。ADFデスクトップ統合を削除した後は、ADFデスクトップ統合を再インストールしないかぎり、このシステム上で統合Excelワークブックを使用できなくなります。

ADFデスクトップ統合のアドインを削除するには:

  1. Windowsの「スタート」ボタンをクリックして、「コントロール パネル」を選択します。
  2. 「コントロール パネル」で、「プログラムと機能」を選択して開きます。
  3. 「Oracle ADF Desktop Integration 12c Add-in for Excel」プログラムを選択して「アンインストール」をクリックします。

注意:

複数のユーザー・プロファイルにADFデスクトップ統合をインストールした場合、各ユーザー・プロファイルから削除する必要があります。

ADFデスクトップ統合のアップグレード

新しいバージョンを実行するには、新しいバージョンからADFデスクトップ統合インストーラを実行します。古いバージョンを最初にアンインストールする必要はありません。

インストールは次から実行できます。

注意:

  • 以前のリリースからアップグレードしている場合は、互換性のないインストーラでADFデスクトップ統合がインストールされた旨のメッセージが表示されることがあります。この場合は、インストーラを実行する前に、ADFデスクトップ統合アドインをインストールする必要があります。

  • 統合Excelワークブックをテストするときに、ADFデスクトップ統合によってテスト・サーバーから入手可能な新しいアドイン・バージョンをインストールするよう求めるダイアログが表示されることがあります。このダイアログにはスキップのオプションが含まれますが、開発者はダイアログが提案するアドインのバージョンのインストールをスキップしないでください。クライアントが使用するアドインと、ADFデスクトップ統合のサーブレットのバージョンを同期させておくことが重要です。