この付録では、Oracle VM Managerを使用する際に発生する可能性がある問題とその解決方法について説明します。 ここでは次の内容について説明します。
詳細は、Oracleがサポートしている次のWebサイトを参照してください。
Oracle MetaLink: http://metalink.oracle.com
Oracle仮想化フォーラム: http://forums.oracle.com/forums/forum.jspa?forumID=482
Oracle VM Managerログ・ファイルは、次のディレクトリに格納されます。
/var/log/ovm-manager/
表D-1「ログ・ファイル」に、このディレクトリに格納されるログ・ファイルを示します。
表D-1 ログ・ファイル
ログ・ファイル | 説明 |
---|---|
ovm-manager.log |
Oracle VM Managerのインストール・ログ。 |
db.log |
Oracle Databaseのログ。 既存のデータベースにOracle VM Managerをインストールする際のログ情報が保存されます。 |
oc4j.log |
Oracle Containers for J2EE(OC4J)のインストール・ログ oc4j.logが10MBを超えると、新規ログ・ファイルのoc4j.log.1が生成され、oc4j.logのログが保存されます。 続いて、oc4j.logは消去されて新しいログ情報が記録されます。 |
upgrade_oldversion_newversion.log.log |
Oracle VM Managerのアップグレード・ログ。 |
ログインに非常に時間がかかったり、「ログイン」ページのまま移動しない場合があります。 これは、OC4Jのメモリー不足によって発生します。
この問題を解決するには、次の手順を実行します。
Oracle VM Managerがインストールされているコンピュータにログインし、次のコマンドを実行してログ情報を確認します。
# cat /var/log/ovm-manager/oc4j.log | grep "heap"
OC4Jのメモリーが不足すると、次の情報が表示されます。
Internal Exception: java.lang.OutOfMemoryError: Java heap space
次のコマンドを実行して、OC4Jを再起動します。
# service oc4j stop # service oc4j start
OC4Jのメモリーが不足した場合は、OC4Jのメモリー・サイズを増やす必要があります。 次の手順を実行します。
OC4J構成情報を参照します。
# vi /opt/oc4j/bin/oc4j
次の行を検索して、メモリー・サイズを適切な値(512など)に増やします。
OC4J_JVM_ARGS="-XX:PermSize=256m -XX:MaxPermSize=512m"
OC4Jを再起動します。
# service oc4j stop # service oc4j start
「エラー: 選択されたサーバー・プールでハードウェア仮想化をサポートしているサーバーはありません。」というメッセージが表示されます。
この問題を解決するために、仮想マシン・サーバーがハードウェア仮想化をサポートしているかどうかを確認します。
確認するには、次の手順を実行します。
次のコマンドを実行して、ハードウェア仮想化がCPUでサポートされているかどうかを確認します。
# cat /proc/cpuinfo |grep -E 'vmx|smx'
vmx
またはsmx
を含む情報が表示される場合、CPUはハードウェア仮想化をサポートしています。 返されるメッセージの例は、次のとおりです。
flags : fpu tsc msr pae mce cx8 apic mtrr mca cmov pat pse36 clflush dts acpi mmx fxsr sse sse2 ss ht tm pbe nx lm constant_tsc pni monitor ds_cpl vmx est tm2 cx16 xtpr lahf_lm
BIOSのハードウェア仮想化が有効になっていることを確認します。
次のコマンドを実行して、オペレーティング・システムがハードウェア仮想化をサポートしているかどうかを確認します。
# xm info |grep hvm
返されるメッセージの例は、次のとおりです。
xen_caps : xen-3.0-x86_64 xen-3.0-x86_32p hvm-3.0-x86_32 hvm-3.0-x
CPUでハードウェア仮想化がサポートされていない場合は、準仮想化の方法を使用して仮想マシンを作成してください。 詳細は、第6.3.2項「インストール・メディアからの仮想マシンの作成」を参照してください。
「エラー: 割り当て可能な最大仮想ディスクは4815MBです。」のようなメッセージが表示されます。
この問題を解決するには、仮想マシンのディスク・サイズを縮小するか、または新しいリポジトリを追加します。 ストレージ・リポジトリの作成方法については、『Oracle VM Serverユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle VM Managerリリース2.1.1およびリリース2.1.2のユーザーの場合
この問題を解決するには、ステータスを「停止」に設定して、仮想マシンを直接削除します。 詳細は、第6.10.2項「スタック状態の仮想マシンの削除」を参照してください。
Oracle VM Managerリリース2.1のユーザーの場合
この問題を解決するには、次のように手動でステータスを変更します。
ターゲット・サーバーの仮想マシンが停止していることを確認します。 xm listまたはvirsh listを使用して、仮想マシンの名前とIDを確認します。
仮想マシンを実行している場合、xm shutdown vm_idまたはvirsh shutdown vm_idを使用して停止します。vm_idは、仮想マシンの名前またはIDを指します。
xm listまたはvirsh listを使用して、仮想マシンが停止しているかどうかを確認します。 まだ実行されている場合は、xm destroy vm_idまたはvirsh destroy vm_idを使用して停止します。
oracle(または最初にroot、後でsu - oracle)としてOracle VM Managerがインストールされているコンピュータにログインします。この後、次のコマンドを実行して、Oracle XEデータベースの仮想マシンのステータスを「停止」に変更します。
export ORACLE_HOME='/usr/lib/oracle/xe/app/oracle/product/10.2.0/server'
export ORACLE_SID=XE
$ORACLE_HOME/bin/sqlplus / as sysdba
SQL> update ovs.ovs_vm_img t set t.status='Powered Off' where t.img_name like 'vm_name';
SQL> commit;
SQL> quit
vm_nameは、仮想マシン名を指します。
操作を再試行するか、仮想マシンを直接削除します。
Oracle VM Managerリリース2.2のユーザーの場合
仮想マシンを再設定します。 詳細は、第6.4.5項「仮想マシンの再設定」を参照してください。
詳細を参照するには、「仮想マシン」タブをクリックして、仮想マシンの「表示」リンクをクリックします。 ログ項目の後の数値をクリックして、エラー・ログを表示します。 エラー・ログ情報には、時間、ログ・レベル、ターゲット、操作およびメッセージが含まれます。 あるいは、「管理」タブでエラー・ログを表示します。 詳細は、第7.4項「ログの表示」を参照してください。
いくつかのエラー・ログ項目と解決策を示します。
xm create '/OVS/running_pool/vm_name/vm.cfg'=>エラー: ドメイン'vm_name'はID 'number'ですでに存在します
vm('/OVS/running_pool/vm_name')のステータス('RUNNING')が('DOWN', 'ERROR')ではありません
('/OVS/running_pool/vm_name') memory=numberを実行するために選択されているサーバーがありません
winxp_buildが失敗しました: global name 'xen_handle_vif_qos'が定義されていません
考えられる原因
仮想マシン・サーバーがハードウェア仮想化をサポートしていません。
解決策
仮想マシン・サーバーがハードウェア仮想化をサポートしていることを確認し、BIOSのハードウェア仮想化を有効にします。 詳細は、付録D「インストール・メディアから仮想マシンを作成できない」を参照してください。
仮想マシン・サーバーがハードウェア仮想化をサポートしていない場合は、インストール・メディアから仮想マシンを作成できます。
考えられる原因
仮想マシンを実行するために使用できる仮想マシン・サーバーがない。
仮想マシン・サーバーに十分なメモリーがない。
解決策
仮想マシンを実行するために少なくとも1つの仮想マシン・サーバーが使用できることを確認します。
仮想マシンを実行するためのメモリーが仮想マシン・サーバーに十分にあることを確認します。 サーバーのメモリーを解放するには、次の手順を実行します。
実行中の他の仮想マシンを停止します。
仮想マシンのメモリーを減らして、仮想マシンを再起動します。 詳細は、第6.7項「仮想マシンの編集」を参照してください。
考えられる原因
仮想マシンが仮想マシン・サーバーから削除されている。
解決策
Oracle VM Managerの仮想マシンを削除して、新しい仮想マシンを作成します。
考えられる原因
ユーティリティ・サーバーの作成時に不正なユーザー名またはパスワードを入力した。
解決策
ユーティリティ・サーバーの正しいユーザー名とパスワードを入力します。 詳細は、第3.2項「サーバー・プールの作成」を参照してください。
考えられる原因
仮想マシンがすでに起動している。
解決策
xm listコマンドを使用して、仮想マシンのステータスを確認します。 仮想マシンを定期的にリフレッシュしてください。
考えられる原因
Oracle VM Managerのステータスとデータベースのステータス・データの同期が取れていない。
解決策
仮想マシンを停止して再起動します。
考えられる原因
この仮想マシン・サーバーに十分なメモリーがない。
解決策
仮想マシンのメモリーを削減して、仮想マシンを再起動します。 または、実行中の他の仮想マシンを停止してさらにメモリーを解放します。
考えられる原因
この仮想マシンのブリッジがない。
解決策
仮想マシンのブリッジを選択します。 詳細は、第6.7.2項「ネットワーク」を参照してください。
考えられる原因
仮想マシンには無効なVIFタイプである。
解決策
PXEでハードウェア仮想化マシンを起動する場合は、VIFタイプを「完全仮想化」(ioemu)にする必要があります。 仮想マシンに有効なVIFタイプを選択してください。 詳細は、第6.7.2項「ネットワーク」を参照してください。
考えられる原因
入力したリソースの場所が正しくない。
解決策
仮想マシンを削除して、新しい仮想マシンを作成します。 準仮想化マシンを作成する場合は、正しいリソースの場所を入力してください。
オペレーティング・システムにLinuxを使用してMozilla Firefoxで仮想マシンにアクセスする場合は、コンソール・プラグインをダウンロードおよびインストールします。詳細は、第6.5.1項「コンソール・プラグインのインストール」を参照してください。
新規インストールではなくリリース2.1からOracle VM Managerをアップグレードする場合は、仮想マシン・コンソールにアクセスする際に次のエラーが表示される可能性があります。
java.lang.ClassNotFoundException: VncViewer.class
これは、キャッシュ・リフレッシュの遅延によって発生します。 この問題を解決するには、すべてのWebページを停止して、仮想マシン・コンソールにアクセスするために新しい仮想マシンを開きます。
「エラー: サーバーでライブ移行の準備ができていない。」というメッセージが表示されます。
この問題を解決してライブ移行を実行するには、同等のコンピュータを使用する必要があります。つまり、コンピュータの型およびモデル番号を同じにします。
仮想マシンのCDを変更するには、次の手順を実行します。
最初のCDをアンマウントします。
# umount mount-point
2番目のISOファイルを選択し、「CDの変更」をクリックします。
2つ目のCDをマウントします。
# mount /dev/cdrom mount-point
無効なURLでインポートできない
「URLが無効です」または「プロキシURLが無効です」という情報が表示されます。
この問題を解決するには、仮想マシン・サーバーにログインし、次のコマンドを実行してネットワーク接続をテストします。
# wget url
urlは、リソースをダウンロードするためのリンクを指します。
インターネット上のリソースの場合は、wgetコマンドの実行前にプロキシが必要になることがあります。 ネットワーク管理者に連絡してプロキシを取得し、次のコマンドを実行してプロキシを構成します。
# export http_proxy=http://host:port/ # export ftp_proxy=http://host:port/
hostは、プロキシ・サーバーのホスト名またはIPアドレスを指します。portは、プロキシのポート番号を指します。
NFSディスクが原因でインポートできない
「vm.cfgのメモリー・サイズを取得できません。」という情報が表示されます。
サーバー・プールに複数のユーティリティ・サーバーが存在し、Network File System(NFS)モードでディスクが共有されている場合、このエラーが発生する可能性があります。
この問題を解決するには、「次へ」ボタンを定期的にクリックしてください。
Oracle VM Serverソフトウェアを再インストールするか、またはサーバー・プール内のOracle VM Serverのrootユーザーのパスワードを変更すると、サーバー・プールからそのサーバーへの通信が失敗する可能性があります。
Oracle VM Serverソフトウェアを(アップグレードではなく)再インストールすると、同じIPアドレスおよびホスト名を使用した場合でも、RSAキーが変更される可能性があります。 この場合、次のようなエラーが表示されます。
REMOTE HOST IDENTIFICATION HAS CHANGED
または
Host key verification failed
回避策: サーバー・プールからOracle VM Serverを削除して、Oracle VM Serverを再度追加します。