Tuxedo .NET ワークステーションクライアント

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントアプリケーションの作成

ここでは、以下の内容について説明します。

概要

Microsoft .NET プログラマにとって、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントは、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントアプリケーションの開発を効率化する、生産性向上ツールです。このツールでは、.NET プログラマとのインタフェースがオブジェクト指向 (OO) であるだけでなく、コードの設計および記述も OO 手法で行うことができます。

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントは、ATMI の関数呼び出しの動作をほとんどすべて継承しています。そのため、Tuxedo プログラマは、.NET クライアントのクラスを簡単に理解し、使用して、アプリケーションを記述できます。Tuxedo .NET ワークステーションクライアントは、.NET アセンブリとして公開されるため、.NET Framework の利点も活用されます。Tuxedo .NET ワークステーションクライアントは、さまざまな .NET プログラミング言語 (たとえば、C#、J#、VB.NET、および ASP.NET) で使用できます。

注意 :

Tuxedo ワークステーションクライアントは、Microsoft .NET Framework 2.0 でテストされています。また、Microsoft .NET Framework 2.0 を公式にサポートしています。

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントでは、.NET プログラミング言語で Tuxedo クライアントアプリケーションを記述して、Tuxedo サービスにアクセスできます。また、.NET ワークステーションアプリケーションと Tuxedo サービスの間の接続機能も備わっています。

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントには、以下のコンポーネントが含まれています。

ラッパーアセンブリ: libwsclient.dll

この Microsoft .NET Framework の .dll アセンブリでは、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントの開発に使用される、Tuxedo の ATMI 関数および FML 関数がラッピングされます。

ユーティリティ: viewcs、viewcs32、mkfldcs、mkfldcs32、および buildnetclient

上記のユーティリティの実行可能ファイルを使用すると、Tuxedo の VIEW/VIEW32 型バッファおよび FML/FML32 型バッファを使用して、C# コードを開発することも、C# コードを Tuxedo .NET ワークステーションクライアントのアセンブリの実行可能ファイルにコンパイルすることも、効率的に行うことができます。詳細については、「viewcs、viewcs32(1)」、「mkfldcs、mkfldcs32(1)」、「buildnetclient(1)」を参照してください。

サンプルアプリケーション: callapp、fmlviewapp、および unsolapp

上記 3 つのサンプルは、C# を使用した Tuxedo .NET ワークステーションクライアントアプリケーションの作成方法を表しています。「Tuxedo .NET ワークステーションクライアントのサンプル」を参照してください。

制限事項

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントには、以下の制限事項があります。

サポート範囲は、.NET 言語を使用した Tuxedo ワークステーションクライアントの開発に限定されている。.NET 環境の Tuxedo ネイティブクライアントおよび Tuxedo サーバの開発は、サポートしていない。
Tuxedo 10g R3 ATMI の新しい関数は、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントパッケージに含まれていない (たとえば、tpxmltofml32(3) and tpfmltoxml32(3))。
TX トランザクションインタフェース (たとえば、tx_open()、tx_close()、および tx_begin()) は、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントでサポートされていない。Tuxedo TP トランザクション関数だけが使用可能。
Tuxedo .NET ワークステーションクライアントの実装には、ATMI のクライアント機能が必要。Tuxedo のインストール時、フルインストールセットまたは .NET クライアントインストールセットを選択すると、ATMI クライアントインストールセットも自動的にインストールされる。

Tuxedo .NET クライアントのインストールおよび Tuxedo のインストールセットの詳細については、『Oracle Tuxedo システムのインストール』を参照してください。

Microsoft .NET Framework 2.0 を事前にインストールしないと、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントを使用できない。Microsoft .NET Framework は、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントパッケージにバンドルされていない。

Microsoft .NET Framework 2.0 のダウンロードおよび Microsoft .NET Framework の詳細については、Microsoft の .NET Developer Center を参照してください。

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントの機能

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントは、.NET アプリケーションと Tuxedo ワークステーションの基底の共有ライブラリ (libwsc.dll、libengine.dll、および libfml.dll) の間の中間層またはラッパーとして機能します。図 1 は、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントの機能を表しています。

.NET アセンブリ libwscdnet.dll には、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントのラッパー API クラスが含まれているため、Tuxedo の ATMI 関数および FML 関数をラッピングするオブジェクト指向手法のインタフェースが実装されています。

buildnetclient によって libwscdnet.dll が参照されないと、.NET プログラミング言語で記述された Tuxedo ワークステーションクライアントはビルドされません。buildnetclient は共通言語ランタイム (CLR) 環境に対応しているため、実行時に応じて、アセンブリ (たとえば、クライアントの実行可能ファイル、ライブラリ) によって呼び出されます。

win32 共有ライブラリ libwdi.dll には libwscdnet.dll に使用されているプラットフォーム固有の関数が実装されています。

注意 : libwdi.dll は libwscdnet.dll の実行時のみ必要です。buildnetclient でアプリケーションのソースファイルを .NET 実行可能ファイルにビルドする際は、不要です。

注意 :

このライブラリは、今後、Microsoft .NET Framework が Microsoft Windows ファミリ以外のプラットフォームに移植された場合に使用できるように、予約されています。

図 1 .NET ワークステーションクライアントの機能

Microsoft .NET Framework

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントを使用するには、Microsoft .NET Framework 2.0 SDK をご使用のシステムに事前にインストールする必要があります。Oracle Tuxedo のインストーラプログラムでは、.NET Framework がインストールされているかどうかが自動的にチェックされます。インストールされている場合は、libwscdnet.dll が .NET Framework のグローバルアセンブリキャッシュに自動的に登録されます。

.NET Framework がインストールされていない場合は、インストールする必要があります。.NET Framework は、Microsoft の .NET Developer Center からダウンロードできます。.NET Framework のインストール後は、libwscdnet.dll をグローバルアセンブリキャッシュに手動で登録することを強くお勧めします。

グローバルアセンブリキャッシュに対して libwscdnet.dll を手動で登録/登録解除するには、以下の手順に従います。

GUI コンフィグレーションを使用した libwscdnet.dll の登録

.NET GUI コンフィグレーションプログラムを起動します。Windows のデスクトップで、[スタート｜プログラム｜管理ツール｜Microsoft .NET Framework] をクリックします。
[アセンブリキャッシュ] を右クリックします。[追加...] をクリックします。
libwscdnet.dll を %TUXDIR%\bin ディレクトリから選択します。[開く] をクリックします。libwscdnet.dll が [アセンブリキャッシュ] リストに追加されます。

GUI コンフィグレーションを使用した libwscdnet.dll の登録解除

.NET GUI コンフィグレーションプログラムを起動します。Windows のデスクトップで、[スタート｜プログラム｜管理ツール｜Microsoft .NET Framework] をクリックし、[アセンブリキャッシュ] を選択します。
[アセンブリキャッシュ] リストで、libwscdnet.dll を右クリックし、[削除] をクリックします。

コマンドラインを使用した登録/登録解除

libwscdnet.dll は、コマンドラインからでも登録/登録解除できます。

登録するには、「%WINDIR%\Microsoft.NET\Framework\v2.0.4322\gacutil.exe /i %TUXDIR%\bin\libwscdnet.dll」と入力します。

登録解除するには、「%WINDIR%\Microsoft.NET\Framework\v2.0.4322\gacutil.exe /u libwscdnet.dll」と入力します。

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントアプリケーションの開発

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントアプリケーションを開発するプログラマは、以下のことを行う必要があります。

.NET ラッパークラス/インタフェースの使用
Tuxedo ワークステーションクライアントの環境設定
Tuxedo/WS プロトコルを介した Tuxedo サービスへのアクセス

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントは、プログラマによる Tuxedo FML/VIEW 型バッファの使用および .NET 実行可能ファイルのビルドを支援する開発ユーティリティを備えています。「FML/FML32 型バッファ」と「VIEW/VIEW32 型バッファ」を参照してください。

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントのプログラミング

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントのインタフェースの主な変更点 (Tuxedo の ATMI および FML の C 関数との比較) は、以下のとおりです。

クラス AppContext は、ほとんどすべての ATMI C 関数をまとめる際に使用する。
Tuxedo トランザクションはクラスとしてカプセル化されている。トランザクション関連の関数はすべてクラス Transaction のメソッドとして定義されている (たとえば、tpbegin()、tpcommit() など)。
例外クラスはエラー処理を制御する。
Tuxedo の型付きバッファのカプセル化は、クラス TypedBuffer およびその派生クラスを使用して処理される。「型付きバッファ」を参照。

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントのネームスペース

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントのネームスペースは、2 つのカテゴリに分類されます。最初のカテゴリには、2 つのネームスペース Bea.Tuxedo.ATMI と Bea.Tuxedo.FML があり、ATMI および FML のラッパークラスがまとめられています。

2 つ目のカテゴリでは、Bea.Tuxedo.Autogen namespace が使用され、自動生成の .NET クラスがすべて .NET クライアントユーティリティでまとめられています。

上記のネームスペースには、「Tuxedo .NET Workstation Client API Reference」に記載された関数に関連付けられたクラスおよび構造がすべて含まれています。

AppContext クラス

AppContext クラスは、Tuxedo サービスへのアクセス関数の実行に使用するキークラスです。AppContext を使用すると、マルチコンテキストクライアントアプリケーションで OO プログラミング手法を活用できます。

注意 :

マルチコンテキストの詳細については、『C 言語を使用した Oracle Tuxedo アプリケーションのプログラミング』の「マルチスレッドおよびマルチコンテキストアプリケーションのプログラミング」を参照してください。

Tuxedo の ATMI C 関数 (たとえば、tpcall() と tpnotify()) はほとんどすべて AppContext クラスのメソッドとして定義されています。AppContext クラスのインスタンスの作成は、Tuxedo ドメインとその Tuxedo ドメインで提供される呼び出しサービスに接続する上で、重要な要素です。

C または COBOL で記述されたマルチコンテキストのアプリケーションでは、通常、プログラマは 2 つの ATMI 関数 tpgetctxt() と tpsetctxt() を使用して、Tuxedo コンテキストを切り替える必要があります。この切り替えは、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントを使用する場合、不要です。クラス AppContext のインスタンスを作成すると、特定の Tuxedo コンテキストのインスタンスも作成されます。

特定の AppContext のインスタンスに対する操作は、他の AppContext のインスタンスに影響しません。マルチコンテキストアプリケーションを開発し、簡単に切り替えることができます。

Tuxedo コンテキストのインスタンスを作成するには、静的クラスのコンストラクタではなく、メソッド AppContext.tpinit(TPINIT) を呼び出す必要があります。

注意 : Tuxedo コンテキストのインスタンスは、自動的には破棄されません。Tuxedo コンテキストのインスタンスを破棄するには、AppContext.tpterm() を呼び出す必要があります。そうしないと、以下の現象が発生する可能性があります。

ガーベッジコレクタ (gc) が、Tuxedo コンテキストのセッションを終了せずに、AppContext クラスのインスタンスを破棄する。
クライアントと WSH の間の接続が、タイムアウトするまで保持される。

以下のサンプルは、シングルコンテキストの Tuxedo ドメインへの接続方法を表しています。

コードリスト 1 C# コードサンプル: シングルコンテキストクライアントへの接続

……

TypedTPINIT  tpinfo = new TypedTPINIT();

AppContext ctx1 = AppContext.tpinit(tpinfo);   // Tuxedo ドメインへの接続

……

ctx1.tpterm();         // Tuxedo ドメインからの切断

以下のサンプルは、マルチコンテキストの Tuxedo ドメインへの接続方法を表しています。

コードリスト 2 C# コードサンプル: マルチコンテキストクライアントへの接続

……

TypedTPINIT  tpinfo = new TypedTPINIT();

tpinfo.flags = TypedTPINIT.TPMULTICONTEXTS;   // マルチコンテキスト フラグの設定

// 最初の Tuxedo ドメインへの接続

AppContext ctx1 = AppContext.tpinit(tpinfo);

Utils.tuxputenv("WSNADDR=//10.2.0.5:1001");

// 2 つ目の Tuxedo ドメインへの接続

AppContext ctx2 = AppContext.tpinit(tpinfo);

……

ctx1.tpterm();           // 最初の Tuxedo ドメインからの切断

ctx2.tpterm();           // 2 つ目の Tuxedo ドメインからの切断

型付きバッファ

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントは、Oracle Tuxedo に組み込まれているバッファ型 FML、FML32、VIEW、VIEW32、CARRAY、および STRING をサポートしています。図 2 は、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントの型付きバッファクラスの階層を表しています。

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントのクラス TypedBuffer は、Tuxedo の具体的なバッファ型すべての基本クラスであり、低次の関数を派生クラスすべてに継承しています。クラス TypedBuffer は抽象クラスのため、インスタンスの作成には使用できません。

図 2 Tuxedo .NET ワークステーションクライアントの型付きバッファクラスの階層

STRING 型バッファ

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントでは、クラス TypedString を使用して、STRING 型バッファの文字を定義します。TypedString のインスタンスは、tpcall() などの AppContext のメソッドとの通信に直接使用できます。次に使用例を示します。

コードリスト 3 TypedString クラス (C# サンプルコード)

……

TypedString  snd_str = new TypedString ("Hello World");

TypedString rcv_str = new TypedString(1000);

AppContext ctx = AppContext.tpinit(null);

……

ctx.tpcall("TOUPPER", snd_str, rcv_str, 0);

……

ctx.tpterm();

……

FML/FML32 型バッファ

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントでは、クラス TypedFML/TypedFML32 を使用して、ほとんどの FML C 関数を定義します。FML 型バッファを使用して Tuxedo .NET アプリケーションを開発するには、以下の手順に従います。

FML フィールドテーブルファイルを定義します。

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントユーティリティ mkfldcs を使用して、フィールドテーブルファイルを C# ソースファイルにコンパイルします。生成される C# ファイルには、フィールドテーブルファイルに定義されたすべての FML フィールド ID の定義が含まれたパブリッククラスがあります。mkfldcs(1) も参照してください。

.NET アプリケーションを記述します。

TypeFML クラスのメソッドを使用して、FML データを作成し、アクセスします。

FML 型バッファのプログラミングの詳細については、『FML を使用した Tuxedo アプリケーションのプログラミング』を参照してください。

コードリスト 4 mkfldcs を使用した FML 自動生成コード (C# サンプルコード)

using Bea.Tuxedo.FML;

namespace Bea.Tuxedo.Autogen {

public class fnext_flds {

public static readonly FLDID F_short 	= 110;	// number: 110	 type: short

public static readonly FLDID F_view32	 = 369098863;	// number: 111	 type: view32

    public static readonly FLDID F_double	 = 134217840;	// number: 112	 type: double

    public static readonly FLDID F_ptr	 = 301990001;	// number: 113	 type: ptr

}

}	//	namespace Bea.Tuxedo.Autogen

コードリスト 5 TypedFML クラス (C# サンプルコード)

……

TypedFML  fmlbuf = new TypedFML(2048);

short s = 123;

fmlbuf.Fadd(fnext_flds.F_short,  s);

……

fmlbuf.Resize(3000);

……

fmlbuf.Dispose();

……

VIEW/VIEW32 型バッファ

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントでは、クラス TypedVIEW を使用して、VIEW/VIEW32 データを作成し、アクセスします。VIEW/VIEW32 型バッファを使用して Tuxedo .NET ワークステーションクライアントアプリケーションを開発するには、以下の手順に従います。

VIEW 定義ファイル (.v) を定義します。
Tuxedo .NET ワークステーションクライアントの viewcs ユーティリティを使用して、VIEW 定義ファイルを VIEW バイナリファイル (.VV) にコンパイルします。詳細については、「viewc(1)」、「viewcs(1)」を参照してください。
Tuxedo .NET ワークステーションクライアントの viewcs ユーティリティを使用して、クラス TypedVIEW から導出される C# 定義コード、および対応する .dll ライブラリ (必要に応じて) を VIEW バイナリファイルから生成します。
クラス TypedVIEW を使用して、.NET アプリケーションを記述します。

クラス TypedVIEW には、以下の 2 つのオプションがあります。

オプション 1: 環境変数なし

このオプションは、TypedVIEW の最も一般的な使用法です。

viewcs ユーティリティを使用して、派生クラス TypedVIEW の C# 定義コードを xxx.VV ファイルから生成します。その後、C# コードを .exe ファイルにコンパイルします。環境変数を追加する必要はありません。

次に使用例を示します。

viewcs(32) view1.VV view2.VV
buildnetclient -o simpapp.exe simpapp.cs view1.cs view2.cs

オプション 2: .NET アセンブリ環境変数を使用する

viewcs ユーティリティと .NET アセンブリ環境変数を併用すると、.dll ライブラリを生成できます。viewcs によって生成される .dll ライブラリを表示するには、.NET アセンブリ環境変数 ASSFILES および ASSDIR (VIEW32 の場合は、ASSFILES32 および ASSDIR32) を適宜設定する必要があります。

注意 : TypedView は、.NET 環境では、C# コードではなく、.dll ライブラリにリンクする必要があります。TypedView によって、クラス型が .dll ライブラリまたは .exe ファイルにコンパイルされるためです。定義が .dll ライブラリと .exe ファイルの両方にコンパイルされる場合、この 2 種類のファイルに出力されるバイナリは同じではありません。

上記の環境変数を使用すると、.dll ライブラリを自動的に、または手動で生成できます。

viewcs によって自動生成される .dll ライブラリ

このメソッドは、xxx.VV ファイルが複数の場合に使用できます。TypedVIEW の C# コードを管理しやすくするには、複数の xxx.VV ファイルを 1 つの .dll ライブラリにコンパイルします。

viewcs ユーティリティを使用して、派生クラス TypedVIEW の C# 定義コード、および対応する .dll ライブラリを xxx.VV ファイルから生成します。libwscdnet.dll アセンブリを手動で登録してから、.dll ライブラリを使用してクライアントアプリケーションをコンパイルします。

次に使用例を示します。

viewcs(32) view.dll view1.VV view2.VV
gacutil.exe /i view.dll
buildnetclient -o simpapp.exe simpapp.cs view.dll
set ASSFILES(32)=view.dll
set ASSDIR(32)=%APDIR%

手動で生成する .dll ライブラリ

特定の統合プログラミング環境 (たとえば、VB.NET および ASP.NET) には、実行環境が備わっています。クライアントアプリケーションは、.dll ファイルとして統合されています。この場合は、.dll ライブラリを手動で生成することをお勧めします。

viewcs ユーティリティを使用して、派生クラス TypedVIEW の C# 定義コードを xxx.VV ファイルから生成します。その後、C# コードをアプリケーションの .dll ファイルにコンパイルします。

.NET アセンブリ環境変数 ASSFILES および ASSDIR (VIEW32 の場合は、ASSFILES32 および ASSDIR32) を TypedVIEW が定義されたアプリケーションの .dll ライブラリおよびディレクトリに設定する必要があります。

次に使用例を示します。

viewcs(32) view1.VV view2.VV
csc /t:library /out:simpapp.dll /r:%TUXDIR%\bin\libwscdnet.dll simpapp.cs
view1.cs view2.cs
set ASSFILES(32)=simpapp.dll
set ASSDIR(32)=%APDIR%

型付きバッファのサンプルファイル (Tuxedo .NET ワークステーションクライアントパッケージに含まれています) は、FML 型バッファおよび VIEW 型バッファの使用方法を表しています。

Visual Basic (VB) を使用したプログラミング

.NET Framework 環境の 1 つの利点は、言語の統合です。.NET アセンブリが生成されると、.NET でサポートされる言語のどれを使用しても、その .NET アセンブリでアプリケーションを開発できます。そのため、J#、VB、C++ など、.NET でサポートされる言語のどれを使用しても、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントアプリケーションを開発できます。

VB 言語のサンプルコードを以下に示します。

コードリスト 6 Visual Basic .NET のサンプルコード

Imports System
Imports Bea.Tuxedo.ATMI

Module Main

	Sub Main()
		
		Dim sndstr, rcvstr As TypedString
		Dim ac As AppContext
		Dim info As TypedTPINIT
		
		info = New TypedTPINIT()
		info.cltname = "vb client"
				
		Try 
		    ac = AppContext.tpinit(info)
		
		    sndstr = New TypedString("hello world")
		    rcvstr = new TypedString(1000)
		
		    ac.tpcall("TOUPPER", sndstr, rcvstr, 0)
		
		    Console.WriteLine("rcvstr = {0}"
		 ...rcvstr.GetString(0,1000))
		
		    ac.tpterm()
		
		Catch e as ApplicationException
			
		   Console.WriteLine("Got Exception = {0}", e)
			
		End Try


	End Sub


End Module

.NET ワークステーションクライアントのビルド

buildnetclient ユーティリティは、C# ソースファイルから .NET 実行可能ファイルへのコンパイルを効率化するために、提供されています。「buildnetclient(1)」も参照してください。buildnetclient の構文例を以下に示します。

buildnetclient -v -o simpapp.exe simpapp.cs

エラーの管理

Tuxedo の ATMI C 関数および FML C 関数で使用されているエラーコードのリターンメカニズムは、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントの例外メカニズムに置き換えられます。try ステートメントを使用すると、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントでエラーを処理できます。エラーは 2 つのカテゴリ TPException および FException に定義されます。

コードリスト 7 例外処理 (C# サンプルコード)

……

try {

……

      TypedTPINIT  tpinfo = new TypedTPINIT();

      AppContext ctx1 = AppContext.tpinit(tpinfo);   // Tuxedo ドメインへの接続

……

      ctx1.tpterm();         // Tuxedo ドメインからの切断

       ……

} catch (ApplicationException e) {

      Console.WriteLine("******Error******, e = {0}", e);


}
……

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントのサンプル

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントパッケージには、3 つのサンプルアプリケーションがバンドルされています。

基本サンプル

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントアプリケーションの開発方法を表しています。

型付きバッファサンプル

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントアプリケーションの FML/VIEW 型バッファの使い方を表しています。

非請求メッセージサンプル

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントアプリケーションの非請求メッセージハンドラの登録方法を表しています。

サンプルアプリケーションにアクセスするには、以下の手順に従います。

各サンプルアプリケーションのディレクトリ内の readme.nt ファイルを読みます。
setenv.cmd を実行して、Tuxedo 環境変数を設定します。
nmake -f xxx.nt を実行して、Tuxedo .NET ワークステーションクライアントアプリケーション、Tuxedo サーバプログラム、および Tuxedo TUXCONFIG ファイルをビルドします。
tmboot -y を実行して、Tuxedo アプリケーションを起動します。
Tuxedo .NET ワークステーションクライアントアプリケーションを実行します。

Tuxedo .NET ワークステーション クライアント

Tuxedo .NET ワークステーション クライアント アプリケーションの作成

概要

制限事項

Tuxedo .NET ワークステーション クライアントの機能

Microsoft .NET Framework

GUI コンフィグレーションを使用した libwscdnet.dll の登録

GUI コンフィグレーションを使用した libwscdnet.dll の登録解除

コマンドラインを使用した登録/登録解除

Tuxedo .NET ワークステーション クライアント アプリケーションの開発

Tuxedo .NET ワークステーション クライアントのプログラミング

Tuxedo .NET ワークステーション クライアントのネームスペース

AppContext クラス

型付きバッファ

STRING 型バッファ

FML/FML32 型バッファ

VIEW/VIEW32 型バッファ

Visual Basic (VB) を使用したプログラミング

.NET ワークステーション クライアントのビルド

エラーの管理

Tuxedo .NET ワークステーション クライアントのサンプル

関連項目

Tuxedo .NET ワークステーションクライアント

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントアプリケーションの作成

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントの機能

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントアプリケーションの開発

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントのプログラミング

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントのネームスペース

.NET ワークステーションクライアントのビルド

Tuxedo .NET ワークステーションクライアントのサンプル