SNMP エージェント管理ガイド

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Oracle SNMP エージェント インテグレータのコマンド

以下の節では、Oracle SNMP エージェント インテグレータ用のコマンドとユーティリティについて説明します。

 


コマンド

reinit_agent

構文

reinit_agent all | logical_agent_name [logical_agent_name]

説明

指定したエージェントがコンフィグレーション ファイルを再び読み取ります。このユーティリティは、ルート パーミッションで実行する必要があります。all 引数を使用すると、すべての SNMP エージェントが再初期化されます。tux_snmpd 以外の SNMP エージェントの場合は、logical_agent_name が実行可能ファイルの名前になります。

次にコマンド rex の使用例を示します。

reinit_agent snmp_integrator

これにより、Oracle SNMP エージェント インテグレータがコンフィグレーション ファイルを再び読み取ります。

snmp_integrator

構文

snmp_integrator [-d] [-n] [-p port | -r smux_port]
[-b
ipaddr_list | hostname_list ]

引数

-d

SNMP/SMUX パケットを送信または受信するたびにプログラムでメッセージを表示します。

-n

プログラムは、デーモンとして実行されません (UNIX のみ)。

-p port

Oracle SNMP エージェント インテグレータが SNMP 要求をリスンする UDP ポートを指定します (デフォルトは 161/udp)。

-r smux_port

SMUX サブエージェントとの通信に使用する TCP ポートを指定します (デフォルトは 199/tcp)。

-b ipaddr_list | hostname_list

Oracle SNMP エージェント インテグレータが動作しているマシンに複数の IP アドレスがある場合、Oracle SNMP エージェント インテグレータはデフォルトですべての IP アドレスをリスンします。-b オプションを使用すると、受信した SNMP 要求をモニタするための IP アドレスのサブセットを指定できます。
ipaddr_list 単独の IP アドレスまたは複数の IP アドレスを空白で区切ったリストを指定できます。 hostname_list 単独のホスト名または複数のホスト名を空白で区切ったリストを指定できます。 たとえば、Oracle SNMP エージェント インテグレータが動作しているマシンに複数の IP アドレスがある場合は、次のように指定します。 130.86.34.3
130.86.33.13
130.86.23.1
次のコマンドで開始すると、サービス要求専用のアドレスを 130.86.23.1 にするように Oracle SNMP エージェント インテグレータをコンフィグレーションできます。 snmp_integrator -b 130.86.23.1

説明

snmp_integrator ファイルは、SNMP Oracle SNMP エージェント インテグレータの実行可能ファイルです。このファイルを使用すると、任意のベンダの複数の SNMP エージェントおよび SMUX サブエージェントが同じノードに共存し、任意の SNMP マネージャへの単一の SNMP エージェントとして表示できるようになります。

Oracle SNMP エージェント インテグレータでは、以下の項目を同時に利用できます。

また、Oracle SNMP エージェント インテグレータは、他のどの SNMP エージェントとも標準 SNMP ポート (161/udp) で共存できます。Oracle SNMP エージェント インテグレータは、MIB-II system(1) および snmp(3) グループに加えて SMUX MIB (RFC 1227) を直接サポートします。

プログラムは、SNMP エージェントとして実行されている場合、beamgr.conf ファイルの TRAP_HOST エントリで指定したホストに対して、起動時に coldStart トラップを生成します。TRAP_HOST エントリがない場合、トラップは、public として定義されているコミュニティとともに、ユーティリティが実行されているホストの UDP ポート 162 に送信されます。

Oracle SNMP エージェント インテグレータでサポートされている読み書きおよび読み取り専用コミュニティは、beamgr_snmpd.conf ファイルで指定できます。デフォルトでは、読み取り専用コミュニティは public で、読み書きコミュニティは iview です。

beamgr_snmpd.conf ファイルを使用すると、登録対象の SMUX サブエージェントからパスワードを受け取るように Oracle SNMP エージェント インテグレータをコンフィグレーションできます。

Windows システムの場合

-d 引数で表示されたメッセージは、イベント ログに送信されます。

-n 引数は無効です。

UNIX システムの場合

-d 引数は通常、プログラムがコマンドラインで実行されるときにデバッグ目的で使用されます。表示されたメッセージは、プログラムの標準出力に送信されます。プログラムが init(1M) で開始された場合、これらのメッセージの宛先は、UNIX プラットフォームとバージョンによって決まります。これらのメッセージは、非常に頻繁にコンソールに送信されるものです。

-n 引数は通常、respawn オプションとともに init(1M) でプログラムが起動されたときに使用されます。

stop_agent

構文

stop_agent logical_agent_name | all [logical_agent_name]

引数

all

すべての SNMP エージェントを停止します。

logical_agent_name

tux_snmpd 以外の SNMP エージェントの場合は、論理エージェント名が常に実行可能ファイルの名前になります。

show_agent

構文

show_agent all | logical_agent_name [logical_agent_name]

説明

実行中の全エージェントと要求されたエージェントの名前と PID を表示します。

 


Oracle SNMP エージェントのユーティリティ

Oracle SNMP エージェント ソフトウェアでは、以下のユーティリティを使用して、エージェントまたはサブエージェントをインストールおよびテストできます。

instsrv
エージェントを Windows サービスとしてインストールする。
snmpget
スカラによって管理されるオブジェクトの情報を報告する。
snmpgetnext
MIB 内で連続する次のオブジェクトを返す。
snmptest
任意の MIB オブジェクトに対して Get、GetNext、および Set 操作を選択して実行する。
snmptrap
ホストに SNMP トラップ メッセージを送信する。
snmptrapd
snmp-trap ポートに送信された SNMP トラップ メッセージをローカル マシンで受信してログに記録する。
snmpwalk
SNMP GetNext 要求を使用して OID ツリーを検索することにより、管理対象オブジェクトに問い合わせる。

instsrv

目的

指定した名前で Windows サービスとして作成したモジュールをインストールするために使用します。たとえば、マルチバージョン環境でいずれかのバージョンをアンインストールした後で Oracle SNMP エージェント インテグレータを再インストールするために使用します。Windows システムでのみ有効です。UNIX システムでは使用できません。

形式

instsrv service_name [executable_file | remove]
サービスを作成するには、executable_file を入力します。サービスを削除するには、remove を入力します。 次に例を示します。 instrsrv snmp_integrator c:¥tux81¥bin¥snmp_integrator.exe

引数

service_name

サービス名。

executable_file

実行可能ファイルの絶対パス。

snmpget

目的

スカラによって管理されるオブジェクトの情報を報告します。

形式

snmpget [-d] [-p port] host community variable_name
[variable_name...]

引数

-d

パケットごとにプログラムでメッセージを表示します。

-p port

SNMP エージェントとの通信に使用する UDP ポートを指定します (デフォルトは 161)。

host

クエリ対象の SNMP エージェントを実行するノードのインターネット アドレスまたはホスト名。

community

トランザクションのコミュニティ名。

variable_name

少なくとも 1 つのユニークなオブジェクト識別子 (OID)。

説明

snmpget ユーティリティは、SNMP Get 要求を使用して、管理対象オブジェクトに関する情報を取得します。コマンドラインには、1 つまたは複数のオブジェクト識別子を引数として入力できます。この名前は、絶対パスで指定しても、ツリーのルートから始めても、.iso.org.dod.internet を基にした相対パスで指定してもかまいません。

環境変数

BEA_SM_SNMP_MIBFILE
mib.txt へのパスを指定するように設定する必要があります。このファイルには、プライベート MIB の内容が ASCII テキストで記述されています。

以下のコマンドは、topaz というホストで実行されている SNMP エージェントにクエリを送信します。認可用のコミュニティには、public を使用します。エージェントは、Oracle プライベート MIB にある管理対象オブジェクト beaSysHasDisk の値を取得します。この例では、相対 OID (private.enterprises.bea.beaSystem) が指定されていることに注意してください。.iso.org.dod.internet. が追加されて、絶対パスになります。
snmpget topaz public private.enterprises.bea.beaSystem
.beaSysHasDisk.0
このコマンドは、オブジェクトに関する以下の情報を返します。 Name: private.enterprises.bea.beaSystem.beaSysHasDisk.0
INTEGER: yes(2)
以下のコマンドは、ruby というホストで実行されている SNMP エージェントにクエリを送信します。認可用のコミュニティには、public を使用します。エージェントは、MIB にある管理対象オブジェクト sysDescr および sysUptime の値を取得します。 snmpget ruby public mgmt.mib.system.sysDescr.0
mgmt.mib.system.sysUpTime.0
このコマンドは、以下の情報を返します。 Name: mgmt.mib.system.sysDescr.0
OCTET STRING- (ascii): Kinetics FastPath2
Name: mgmt.mib.system.sysUpTime.0
Timeticks: (2270351) 6:18:23

snmpgetnext

目的

テーブルの次のエントリまたは MIB 内で連続する次のオブジェクトを返します。

形式

snmpgetnext [-d] [-p port] host community variable_name
[variable_name ...]

引数

-d

パケットごとにプログラムでメッセージを表示します。

-p port

SNMP エージェントとの通信に使用する UDP ポートを指定します (デフォルトは 161)。

host

クエリ対象の SNMP エージェントを実行するノードのインターネット アドレスまたはホスト名。

community

トランザクションのコミュニティ名。

variable_name

少なくとも 1 つのユニークなオブジェクト識別子 (OID)。

説明

コマンドラインには、1 つまたは複数のオブジェクト識別子を引数として入力できます。この名前は、絶対パスで指定しても、ツリーのルートから始めても、.iso.org.dod.internet を基にした相対パスで指定してもかまいません。

環境変数

BEA_SM_SNMP_MIBFILE
mib.txt へのパスを指定するように設定する必要があります。このファイルには、プライベート MIB が ASCII テキストで記述されています。

この例では、コミュニティ名 public を使用して blueberry というホストに問い合わせを実行し、mgmt.mib.interfaces.ifTable.ifEntry.ifOutOctets.0 の直後のインスタンスの値を MIB から取得します。
snmpgetnext blueberry public mgmt.mib.interfaces.ifTable.ifEntry
.ifOutOctets.0
オブジェクトの値を参照するために、インスタンスのインデックス .0 を OID の末尾に追加する必要があります。 先ほどのコマンドの出力は次のようになります。 Name: mgmt.mib.interfaces.ifTable.ifEntry.ifOutOctets.1
COUNTER: 85655250
続けて、次の変数に関する情報を取得するコマンドを入力できます。 snmpgetnext blueberry public mgmt.mib.interfaces.ifTable.ifEntry
.ifOutOctets.1

snmptest

目的

任意の MIB オブジェクトに対して Get、GetNext、および Set 操作を選択して実行します。

形式

snmptest [-d] [-p port] host community

引数

-d

パケットごとにプログラムでメッセージを表示します。

-p port

SNMP エージェントとの通信に使用する UDP ポートを指定します (デフォルトは 161)。

host

クエリ対象の SNMP エージェントを実行するノードのインターネット アドレスまたはホスト名。

community

トランザクションのコミュニティ名。

説明

このプログラムが実行されると、OID を入力するように要求されます。snmptest ユーティリティは、オブジェクトの名前およびタイプとともに、要求パケットおよび応答パケットに関する情報を返します。
デフォルトでは、プログラムは Get 要求パケットを送信します。以下の表の値をプロンプトで入力すると、この設定を変更できます。

コマンド
要求タイプ
$G
Get
$N
GetNext
$S
Set

Set 要求モードを選択した場合、以下のリストの変数の型を指定するように要求されます。

変数の型
説明
a
IP アドレス
d
10 進数のバイトを空白文字で区切った Octet 文字列 (105 118 105 101 119)
i
Integer
n
ull 値
o
オブジェクト識別子
s
ASCII で指定した Octet 文字列 (bea)
t
タイム チック
x
16 進数のバイトを空白文字で区切った Octet 文字列 (69 76 69 65 77 など)

要求タイプを指定すると、指定したタイプの値を入力するように要求されます。このプロンプトで、整数 (10 進数) または文字列を入力して、Enter キーを押します。要求パケットを送信するには、プロンプトでもう一度 Enter キーを押します。 プログラムを終了するには、以下のコマンドを入力します。 $Q

環境変数

BEA_SM_SNMP_MIBFILE
mib.txt へのパスを指定するように設定する必要があります。このファイルには、プライベート MIB が ASCII テキストで記述されています。

プログラムを起動するには、以下のコマンドを入力します。
snmptest topaz public プログラムが起動すると、以下のメッセージが表示されます。 Please enter the variable name: 変数名を入力して Enter キーを押します。 private.enterprises.bea.beaEm.beaEmMonitorTimer.0 もう一度、変数名が要求されます。 Please enter the variable name: 別の変数名を入力するか、Enter キーを押して、結果を表示します。Enter キーを押すと、テストの結果が表示されます。 Received GET RESPONSE from 192.84.232.47
requestid 0x775efba0 errstat 0x0 errindex 0x0
Name: private.enterprises.bea.beaEm.beaEmMonitorTimer.0
INTEGER: 5000
結果が表示された後で、別の変数名を入力することも、$Q を入力してプログラムを終了することもできます。 Please enter the variable name: $Q $Q」を入力すると、終了メッセージが表示されます。 Quitting, Good-bye

snmptrap

目的

ホストに SNMP トラップ メッセージを送信します。

形式

snmptrap [-a agent_addr] [-d] [-p port] host community
trap_type specific_trap
variable_binding_value

引数

-a agent_addr

発信元のアドレスが、snmptrap を実行しているホストと異なる場合は、そのアドレスを指定します。この引数を使用すると、別のホストの代わりにトラップを送信できます。

-d

パケットごとにプログラムでメッセージを表示します。

-p port

SNMP トラップの送信先となるターゲット ホストの UDP ポートを指定します (デフォルトは 162)。

host

SNMP トラップの送信先となるホストのインターネット アドレスまたは名前。

community

トランザクションのコミュニティ名。

trap_type

送信するトラップの汎用タイプを指定する整数値 (0 ~ 6)。

specific_trap

trap_type が汎用トラップ タイプ 6 に設定された場合に発生するエンタープライズ固有のトラップを識別する整数値。

variable_binding_value

トラップ パケット内で伝送される情報。プログラムは、トラップを送信する際に、変数バインディング リストの値としてこのデータを使用します。

説明

次の表では、有効な (汎用) トラップ タイプを定義します。

トラップ タイプ
の名前
汎用トラップ番号
説明
coldStart
0
送信側のエージェントが、通常は再起動によって再初期化される。
warmStart
1
送信側のエージェントが、通常は標準的な再起動によって再初期化される。
linkDown
2
エージェント ノードの通信リンクのいずれか 1 つが失敗した。変数バインディングの最初の要素には、失敗したインタフェースの ifIndex インスタンスの名前と値が含まれる。
linkUp
3
エージェント ノードの通信リンクのいずれか 1 つが成功した。変数バインディングの最初の要素には、関連インタフェースの ifIndex インスタンスの名前と値が含まれる。
authenticationFailure
4
受信した要求で指定されているコミュニティが無効か不十分な権限のために、要求を完了できないことをエージェントが報告している。
egpNeighborLoss
5
External Gateway Protocol (EGP) 内のピア同士の関係が存在していないことをエージェントが報告している。
enterpriseSpecific
6
エンタープライズ固有のイベントが発生したことを送信側のエージェントが報告している。specific-trap フィールドの値はイベントの性質を示す。

このツールによって生成されたトラップには、オブジェクトと値のペアを 1 つだけ格納した固定変数バインディング リストが含まれています。以下に、そのオブジェクトを示します。 .iso.org.dod.internet.private.enterprises.bea.beaSystem.
beaTrapDescr.0
このオブジェクトの値は、variable-binding-value 引数で指定できます。 SNMP トラップの PDU ヘッダの一部であるエンタープライズ フィールドは、常に次のようになります。 .1.3.6.1.4.1.140.1.1 上記のメッセージは下のメッセージと同じです。 .iso.org.dod.internet.private.enterprises.bea.beaSystem.
sysDescr

以下のコマンドは、topaz というホストに coldStart トラップを送信します。認可用のコミュニティには、public を使用します。specific-trap 引数の値は必須です。trap-type 引数の値が 6 以外 (enterpriseSpecific) の場合、この値は無視されますが、必ず指定してください。
snmptrap topaz public 0 1 “host xyz is booting”

snmptrapd

目的

snmp-trap ポートに送信された SNMP トラップ メッセージを受信してログに記録します。

形式

snmptrapd [-d] [ -l port ] [-p]

引数

-d

パケットごとにプログラムでデバッグ メッセージを表示します。

-l port

受信トラップ パケットをリスンする際に使用する UDP ポートを指定します (デフォルトは 162)。

-p

トラップ情報を標準出力に出力します。

環境変数

BEA_SM_SNMP_MIBFILE
mib.txt へのパスを指定する場合に使用します。このファイルには、プライベート MIB が ASCII テキストで記述されています。

説明

このユーティリティは、-l 引数で指定した UDP ポートで SNMP トラップを受信します。ポートを指定しなかった場合は、ポート番号 162 が使用されます。このユーティリティは、snmp-trap ポートを開けるようにする必要があります。ポートを開くには、通常 root 権限が必要です。
UNIX プラットフォームでは、-p 引数を指定しなかった場合、snmptrapd は、UNIX syslog ユーティリティを使用して、WARNING ステータスのメッセージをログに記録します。LOG_LOCAL0 機能が使用可能な場合は、syslog または snmptrapd の代わりに、この機能が使用されます。 Windows システムでは、-p 引数を指定しなかった場合、イベント ログを使用して WARNING メッセージを記録します。

以下のコマンドは、別のホストから送られてきた SNMP トラップを収集し、それを標準出力に出力します。
snmptrapd -p ホストがトラップを受信すると、以下の情報が表示されます。 192.84.232.47: Cold Start Trap (0) Uptime: 0:00:00
Name: private.enterprises.bea. beaSystem.beaTrapDescr.0
OCTET STRING- (ascii): host xyz is booting

snmpwalk

目的

SNMP GetNext 要求を使用して OID ツリーを検索することにより、管理対象オブジェクトに問い合わせます。

形式

snmpwalk [-d] [-p port] host community [variable_name...]

引数

-d

パケットごとにプログラムでメッセージを表示します。

-p port

SNMP エージェントとの通信に使用する UDP ポートを指定します (デフォルトは 161)。

host

SNMP 要求を送信するホストのインターネット アドレスまたは名前をピリオドで区切って指定します。

community

SNMP 要求で使用するコミュニティ名。

variable_name

シンボリック名、10 進数、またはその 2 つを組み合わせたユニークなオブジェクト識別子。変数名が指定されていない場合、snmpwalk は MIB 全体を検索します。

説明

このユーティリティは、コマンドラインで指定したオブジェクトから OID ツリーをたどります。コマンドラインには、1 つまたは複数のオブジェクト識別子を引数として入力できます。この名前は、絶対パスで指定しても、ツリーのルートから始めても、.iso.org.dod.internet を基にした相対パスで指定してもかまいません。オブジェクトを指定しなかった場合、snmpwalk は、SNMP エージェントでサポートされている MIB ツリー全体を検索します。

環境変数

BEA_SM_SNMP_MIBFILE
mib.txt へのパスを指定する場合に使用します。このファイルには、プライベート MIB オブジェクトが ASCII テキストで記述されています。

診断

ツリー検索で MIB の最後を超えて検索する場合は、以下のメッセージが表示されます。
End of MIB

次に、snmpwalk コマンドの例を示します。
snmpwalk blueberry public private.enterprises.bea.beaSystem このコマンドによって、以下の部分を含む出力が生成されます。 Name: private.enterprises.bea.beaSystem.beaSysSysname.0
OCTET STRING- (ascii): SunOS
Name: private.enterprises.bea.beaSystem.beaSysNodename.0
OCTET STRING- (ascii): blueberry

 


SNMP 要求の形式

Oracle SNMP エージェント ユーティリティは、SNMP 要求を使用して、管理対象オブジェクトに関する情報を SNMP エージェントに問い合わせます。SNMP 要求の形式については、RFC 1157 (SNMP) を参照してください。この RFC はインターネットでも公開されています。詳細については、「SNMP に関する情報」を参照してください。

 


MIB 変数定義ファイル

MIB 変数を Oracle SNMP エージェント ユーティリティで使用する場合、ユーティリティは、この変数を数値 OID に変換するために検索を実行します。検索順序は、現在のディレクトリにある mib.txt ファイル、環境変数 BEA_SM_SNMP_MIBFILE で指定したファイル、tux_prod_dir\udataobj\snmp\etc\mib.txt ファイル (Windows システムの場合) または tux_prod_dir/udataobj/snmp/etc/mib.txt ファイル (UNIX システムの場合) です。これらのファイルには、RFC 1155 (管理情報の構造) で定義されている ASN.1 表記および OBJECT TYPE マクロを使用する必要があります。

mib.txt ファイルには、RFC 1213 (MIB-II) および Oracle プライベート MIB オブジェクトが記述されています。


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