コンセプト ガイド

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モデリングとサービス指向アーキテクチャ

この章では、エンタープライズのデータ サービス レイヤを構築する上で、モデリングが果たす役割について説明します。 この章の内容は以下のとおりです。

 


モデルの役割

モデリングは、大規模で入り組んだデータ システムの複雑さを軽減するのに役立ちます。 BEA AquaLogic Data Services Platform は、データ リソースを視覚的に表現することで、疎結合のモデリング サービスを提供します。 モデリング サービスを使用すると、複雑なシステムの全体像を俯瞰したり、複雑な問題を複数の小さな問題に分割したりできます。

モデリングは、エンタープライズ内に存在するすべてのデータ サービス (またはその一部) を整理したり文書化したりする際に便利です。 モデリングを行うことで、基底の物理データの全体像の複雑さと、データ サービスが表す直感的な論理データ モデルとの間のギャップを埋めることができます。

多くの場合、モデリングはデータ サービス レイヤを開発するための最初のステップになります。 この作業によって、論理データ サービス開発のおおまかな道筋が決まります。

AquaLogic Data Services Platform モデラー (図 4-1) は、データ サービスを作成、管理、および変更するための仮想モデリング ツールです。 データ サービスを作成し、それらの間の関係をモデラー内で直接定義できます。

図 4-1 サンプル モデル ダイアグラム

サンプル モデル ダイアグラム

 


データ サービスのモデル化

データベース設計の場合と同じように、データ モデリングを行うことでデータ サービス レイヤの最適な設計を実現できます。 モデリングは、データ サービスを効率的に分析および開発するのに役立ちます。 また、複雑なデータを、理解しやすいビジネス レベルのデータ モデルとして表現する際にも便利です。 モデリングの結果に基づいて、データ サービスを文書化することもできます。

物理データ サービスは、論理データ サービスの構成要素として捉えることもできます。 たとえば、リレーショナル データ ソースであれば、メタデータをインポートすることで各テーブルのデータ サービスを作成できます。 そして、このデータ サービスを 1 つまたは複数のモデルで表現できます。

モデリングでは、AquaLogic Data Services Platform 実装内のデータ サービスを表現するだけでなく、データ サービス間の関係をキャプチャすることもできます。 関係とは、2 つのデータ サービス間の論理的な接続です。たとえば、Customers データ サービスと Orders データ サービスの間を、顧客 ID を主キーとして接続できます。

関係の方向性は、以下のいずれかになります。

 


XML 型を使用したデータ モデリング

AquaLogic Data Services Platform では、XML Schema 言語を使用してデータをモデリングします。 XML Schema (標準的な XML ベースのスキーマ定義言語) は、標準化されたデータを AquaLogic Data Services Platform で定義する方法の 1 つです。データを標準化することで、各基底ソースにおける表現の違いを気にすることなく、消費アプリケーションでデータを使用できます。

各データ サービスは、XML 型というデータ型を備えています。これは、XML Schema で定義されたデータ形式です。 スキーマは、データ サービスの構造 (その要素、属性、ルール) を定義します。 たとえば、次のコードでは、整数型の CUSTOMERID と文字列型の CUSTOMERNAME という 2 つの要素で構成されるシーケンスを CUSTOMER に定義しています。

<xs:element name="CUSTOMER">
<xs:complexType>
<xs:sequence>
<xs:element name="CUSTOMERID" type="xs:int"/>
<xs:element name="CUSTOMERNAME" type="xs:string" />
...
</xs:sequence>
</xs:complexType>
</xs:schema>

拡張子 .xsd の XML スキーマ ファイルは、物理データ ソースのメタデータをインポートしたときに自動的に生成されます。 論理データ サービスのスキーマは、XQuery エディタで自動的に作成するか、モデラーおよびデザイン ビューに組み込まれているスキーマ エディタを使用して作成できます。 また、XMLSpy などのツールを使用して外部的にスキーマを作成することも可能です。 どの方法で作成した場合でも、XML スキーマ定義を関連付けないと、データ サービスを有効にすることはできません。


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