デプロイメント ガイド
この節では、クラスタ環境で AquaLogic Service Bus をデプロイするためのコンフィグレーションに必要な作業について説明します。
クラスタ ドメインのアーキテクチャを、「クラスタ デプロイメントの設計」の説明に従ってプランニングしたら、AquaLogic Service Bus をクラスタ環境に設定できます。そのためには、管理サーバと管理対象サーバをコンフィグレーションし、AquaLogic Service Bus リソースをサーバにデプロイする必要があります。着信 HTTP ロード バランス機能が必要な場合は、ルータ (ハードウェアまたはソフトウェア) も必要です。WebLogic Server インスタンスとクラスタのドメインの永続コンフィグレーションは、AquaLogic Service Bus ドメインのルート ディレクトリの config
ディレクトリにある XML コンフィグレーション ファイル (config.xml
) に格納されます。
クラスタ ドメインで AquaLogic Service Bus を設定およびデプロイするには、次の手順を実行します。
AquaLogic Service Bus を単一のサーバにデプロイする方法については、「単一サーバ デプロイメントのコンフィグレーション」を参照してください。
この節では、クラスタ環境で実行される AquaLogic Service Bus をコンフィグレーションするための以下の前提条件について説明します。
1 つのクラスタ内のすべての WebLogic Server インスタンスは、コンフィグレーションおよびモニタに同じ管理サーバを使用します。サーバをクラスタに追加する場合、各サーバが使用する管理サーバを指定する必要があります。
注意 : Configuration Wizard による BEA AquaLogic Service Bus ドメインの作成時に、マルチキャスト アドレスの割り当てが要求されます (「手順 2. AquaLogic Service Bus ドメインの準備」を参照してください)。
マルチキャスト アドレスは、クラスタ メンバー間の通信に使用されます。クラスタ化されたサーバは、1 つの専用マルチキャスト アドレスを共有する必要があります。ネットワーク上の各クラスタに対して、一意のマルチキャスト アドレスとポート番号の組み合わせを割り当てる必要があります。ネットワーク上の 2 つのクラスタが同じマルチキャスト アドレスを使用する場合、異なるポートを使用する必要があります。クラスタのマルチキャスト アドレスが異なる場合は、同じポートを使用するか、またはデフォルトのポート (7001) をそのまま使用することもできます。マルチキャスト メッセージをサポートするため、1 つのクラスタ内の管理サーバおよび管理対象サーバを同じサブネット上に配置する必要があります。
注意 : Configuration Wizard による BEA AquaLogic Service Bus ドメインの作成時に、サーバに対するリスン アドレスの割り当てが要求されます (「手順 2. AquaLogic Service Bus ドメインの準備」を参照してください)。
1 つの IP アドレスとサーバごとに異なるポート番号をクラスタ サーバに割り当てることにより、1 つのマシンに、そのマシンをマルチホーム サーバ化することなく、クラスタ環境を設定することができます。
クライアントからこのような IP アドレスにアクセスできるようにするには、以下のいずれかの方法で、IP アドレスとポート番号で URL を構成します。
この方法では、複数のサーバが 1 つのマシン上で実行されている場合、そのマシンはマルチホーム サーバとしてコンフィグレーションする必要があります。つまり、複数の IP アドレスが 1 つのコンピュータに割り当てられます。この場合は、クラスタ アドレスは、カンマ区切りの IP アドレスのリストの形にします。
たとえば、次のリストは、config.xml
ファイルで指定されているクラスタ アドレスの例です。MyCluster
という名前のクラスタ内の、4 つのサーバのそれぞれに対して、静的 IP アドレスが指定されています。
<Cluster ClusterAddress="127.0.0.1:7001,127.0.0.2:7001,127.0.0.3,127.0.0.4:7001" Name="MyCluster"/>
アドレス指定の詳細については、『WebLogic Server クラスタ ユーザーズ ガイド』の「WebLogic クラスタの設定」の「リスン アドレスの問題を回避する」を参照してください。
注意 : WebLogic Server とともにインストールされる PointBase データベースのローカル コピーは評価のみを目的としています。PointBase Server を評価以外の開発または他の目的で使用する場合は、エンド ユーザが直接 DataMirror から個別の PointBase ライセンスを入手する必要があります。
データベースをプロダクション用に適切にコンフィグレーションすることが重要です。データおよびログ メッセージを格納するための十分な領域を用意し、データベース管理のベスト プラクティスに従う必要があります。
注意 : 同時アクセス機能を使用するようにデータベースをコンフィグレーションすることができます。
特定のデータベースに関する問題の最新情報については、『BEA AquaLogic Service Bus リリース ノート』を参照してください。
高可用性のクラスタをコンフィグレーションする方法については、『WebLogic JMS のコンフィグレーションと管理』の「クラスタ化 WebLogic JMS リソースのコンフィグレーション」で「WebLogic JMS のクラスタ化のコンフィグレーション」を参照してください。
ハードウェアおよびソフトウェア ルータについては、『WebLogic Server クラスタ ユーザーズ ガイド』を参照してください。
注意 : 1 つまたは複数のファイアウォールを含めるようにドメインを設計する場合は、この他にも要件があります。ドメイン コンフィグレーション ファイルにファイアウォール情報を追加する方法については、「プロキシ サーバまたはファイアウォール情報のドメイン コンフィグレーションへの追加」を参照してください。詳細については、『WebLogic Server クラスタ ユーザーズ ガイド』の「クラスタでの通信」を参照してください。
アーカイブ、ステージ、エラーの各ディレクトリのコンフィグレーション方法については、AquaLogic Service Bus Console のオンライン ヘルプの「プロキシ サービス」で「プロキシ サービスの表示と変更」を参照してください。
クラスタ化された WebLogic Server インスタンスを設定する方法の詳細については、『WebLogic Server クラスタ ユーザーズ ガイド』の「WebLogic クラスタの設定」を参照してください。
AquaLogic Service Bus ドメインを準備する際には、各管理対象サーバの定義をドメイン コンフィグレーション ファイル (config.xml
) に追加し、すべての管理対象サーバをクラスタに割り当て、AquaLogic Service Bus コンポーネントをドメイン上のサーバに指定する必要があります。
クラスタ化ドメインで AquaLogic Service Bus 環境を準備するには、以下の節で説明する作業を行う必要があります。
AquaLogic Service Bus デプロイメントの定義は、Configuration Wizard によるドメインの作成から始まります。
注意 : この節で説明するドメインの設定手順は、Configuration Wizard が Windows の [スタート] メニューから GUI モードで実行されていることを前提としています。さまざまなモードで Configuration Wizard を使用する方法については、『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照してください。
Configuration Wizard を使用して AquaLogic Service Bus ドメインを作成するには、以下の手順を実行します。
注意 : WebLogic Server リソース命名規則に準拠するため、ドメイン、WebLogic Server インスタンス、JMS サーバ、および JMS ストアにユニークな名前を指定する必要があります。AquaLogic Service Bus には、WebLogic メッセージング ブリッジと同じ相互運用命名要件があります。詳細については、『WebLogic メッセージング ブリッジのコンフィグレーションと管理』の「WebLogic Server の別のリリースや外部プロバイダとの相互運用」で「WebLogic Server の別のリリースとの相互運用」の「WebLogic Server およびドメインの命名ガイドライン」を参照してください。
表 4-2 Configuration Wizard プロンプトでの実行手順
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Configuration Wizard によるドメインのコンフィグレーションが完了すると、指定した場所に新しいドメインが作成されます。
AquaLogic Service Bus ドメインには、管理サーバの定義が入ったコンフィグレーション ファイル (config.xml
) があります。詳細については、『ドメインのコンフィグレーションについて』の「ドメイン コンフィグレーション ファイル」で「config.xml」を参照してください。
Configuration Wizard を使用しないドメインのコンフィグレーションについては、『ドメインのコンフィグレーションについて』を参照してください。
プロキシ サーバまたはファイアウォールの背後で Web サービスを使用する場合は、config.xml
ファイルを編集して、そのプロキシ サーバまたはファイアウォールに関する情報を追加する必要があります。
プロキシ サーバまたはファイアウォールの情報をドメイン コンフィグレーションに追加するには、次の手順を実行します。
<Cluster
FrontendHTTPPort="proxyPort
" FrontendHTTPSPort="proxySSLPort
" FrontendHost="proxyServerHost
"
たとえば、次のリストは、config.xml
ファイルで指定されているクラスタ アドレスとファイアウォールの例です。クラスタ名は MyCluster
、プロキシ サーバ名は MyProxy
です。
<Cluster ClusterAddress="127.0.0.1:7001,127.0.0.2:7001,127.0.0.3,127.0.0.4:7001"
FrontendHTTPPort="7006
" FrontendHTTPSPort="7007
" FrontendHost="MyProxy
" MulticastAddress="127.0.0.5" MulticastPort="7010"Name="MyCluster"/>
Configuration Wizard で JMS ファイル ストアをコンフィグレーションすると共に、JMS を使用するプロキシ サービスおよびビジネス サービスには、以下のリソースのコンフィグレーションも必要です。
プロキシ サービスでは、異なる BEA ドメインのリモート キューからのメッセージを消費できます。この場合、AquaLogic Service では自動的にキューが作成されません。プロキシ サービス用の JMS キューを作成できるのは、キューが同じローカル AquaLogic Service Bus ドメインにある場合に限ります。
JMS リソースのコンフィグレーションについては、『WebLogic JMS のコンフィグレーションと管理』を参照してください。
AquaLogic Service Bus では、WebLogic Server のセキュリティ機能を利用して、メッセージの機密性と整合性を保証し (メッセージレベルのセキュリティ)、WebLogic Server、サービス クライアント、およびビジネス サービスの間の接続を保護し (転送レベルのセキュリティ)、認証と認可 (アクセス制御) を行います。必要な作業の詳細については、『BEA AquaLogic Service Bus ユーザーズ ガイド』の「着信メッセージおよび発信メッセージの保護」を参照してください。
警告 : 各 AquaLogic Service Bus ドメインに別々にセキュリティをコンフィグレーションする必要があります。AquaLogic Service Bus では、セキュリティ コンフィグレーションのエクスポートおよびインポートは行いません。
クラスタに SSL をコンフィグレーションするには、ドメインの作成時に行うか、または WebLogic Server Administration Console を使用します。セキュリティ機能がマルチノード クラスタにデプロイされているドメインの場合は、クラスタ内の各マシンに対して、キーストア、サーバ証明書、プライベート キーなどもコンフィグレーションする必要があります。各マシンに独立したキーストアを使用するか、すべてのマシンで利用可能な場合は単一のキーストアを使用します。
この節では、クラスタ ドメインの管理対象サーバに対する基本管理タスクについて説明します。
ノード マネージャは、WebLogic Server インスタンスの起動、停止、および移行に使用できるユーティリティです。WebLogic Server Administration Console と共にノード マネージャを使用して管理対象サーバを起動できます。また、WLST スクリプトを作成し、ノード マネージャの機能を自動化することもできます。
デフォルトでは、Configuration Wizard で AquaLogic Service Bus クラスタ ドメインが生成されるときに、wliaggregator.ear
がクラスタの最初の管理対象サーバに割り当てられます。データ集約を正しく実行するには、wliaggregator.ear
が指定されたサーバを最初に起動し、他の管理対象サーバが起動するときに使用できるようにする必要があります。
ノード マネージャの詳細については、『サーバの起動と停止の管理』の「ノード マネージャを使用したサーバの制御」を参照してください。管理対象サーバの起動方法と停止方法の概要については、『サーバの起動と停止の管理』の「サーバの起動と停止」を参照してください。
起動が完了したら、AquaLogic Service Bus Console を使用してサーバの状態を確認できます。AquaLogic Service Bus Console を使用してサーバをモニタする方法については、AquaLogic Service Bus Console のオンライン ヘルプの「モニタ」で「サーバの表示と検索」を参照してください。
クラスタ環境に AquaLogic Service Bus コンフィグレーションをデプロイするときは、単一サーバのデプロイメントと同じ手順に従います。デプロイメント手順については、「手順 4. AquaLogic Service Bus コンフィグレーションのデプロイ」を参照してください。
注意 : 単一サーバ環境からコンフィグレーションをインポートし、そのコンフィグレーションにファイル、FTP、または電子メール転送を使用するプロキシ サービスが含まれている場合、それらの各プロキシ サービスに管理対象サーバを指定する必要があります。[管理対象サーバ] ドロップダウン リストは、クラスタ化された AquaLogic Service Bus ドメインの AquaLogic Service Bus Console にしか表示されません。
プロキシ サービスの管理対象サーバの値を編集する方法については、AquaLogic Service Bus Console のオンライン ヘルプの「プロキシ サービス」で「プロキシ サービスの表示と変更」を参照してください。
プロダクション環境は、時間の経過や、アプリケーション使用の増加に伴って変化します。この節では、一般的なプロダクション環境の変化に応じてドメインを更新する方法を説明します。
AquaLogic Service Bus の使用が増加するに従って、AquaLogic Service Bus クラスタに新しい管理対象サーバを追加して能力を強化できます。クラスタに管理対象サーバを追加するには、WebLogic Server Administration Console を使用します。コンフィグレーションによっては、AquaLogic Service Bus Console を使用した管理タスクの実行が必要になることがあります。
新しい管理対象サーバを AquaLogic Service Bus クラスタに追加するには、WebLogic Server Administration Console を使用して以下の手順を実行します。
注意 : 新しいサーバのファイル ストア定義に指定するディレクトリを必ず作成してください。
TemporaryTmplt
と入力し、[保存] をクリックします。wlsb.internal.transport.task.queue.email_auto_
x
を dist_wlsb.internal.transport.task.queue.email_auto
に追加します。web.xml
ファイルに新しいサーバを追加します。詳細については、『WebLogic Server クラスタ ユーザーズ ガイド』の「クラスタでのロード バランシング」を参照してください。AquaLogic Service Bus コンフィグレーションに JMS 要求/応答機能を使用する 1 つまたは複数のビジネス サービスがある場合、新しい管理対象サーバをクラスタに追加した後、AquaLogic Service Bus Console を使用して以下の手順も実行する必要があります。
ビジネス サービスは拡張したドメインでの処理用にコンフィグレーションされました。
AquaLogic Service Bus コンフィグレーションに、クラスタ アドレスを持つ JMS エンドポイントを使用する 1 つまたは複数のプロキシ サービスがある場合、新しい管理対象サーバをクラスタに追加した後、AquaLogic Service Bus Console を使用して以下の手順も実行する必要があります。
プロキシ サービスは拡張されたドメインでの処理用にコンフィグレーションされました。
WebLogic Server 管理ツールを使用して、AquaLogic Service Bus クラスタから管理対象サーバを削除できます。管理対象サーバの削除を決定する前に、以下の点に注意してください。
クラスタから管理対象サーバを削除する方法については、WebLogic Server Administration Console のオンライン ヘルプの「ドメインのコンフィグレーション」で「管理対象サーバの削除」を参照してください。
ビジネス サービスを変更する手順は、単一サーバでもクラスタ環境でも同じです。ビジネス サービスの変更方法については、「ビジネス サービスの変更」を参照してください。
しかし、クラスタのビジネス サービスへの変更をデプロイする手順は、ビジネス サービスに行った変更の種類および同時にデプロイする他の変更の性質によって異なります。詳細については、以下の節のインストール方針に関する説明を参照してください。
ビジネス要件の変化に伴い、プロキシ サービスの変更が必要になることがあります。このような変更はオンラインで動的に行うことも、部分的または完全にオフラインで行うこともできます。変更に下位互換性がある (つまり、インタフェースは変更しない) 場合、AquaLogic Service Bus Console を使用してオンラインで動的に変更できます。他の種類の変更は、部分的または完全にオフラインで行う必要があり、システム管理の追加手順が必要です。
プロキシ サービスで参照されるリソースに下位互換性がないインタフェースの変更を行う場合、処理中のメッセージに一時的な問題が生じないように、部分的なオフライン デプロイメントが必要です。新しいバージョンをインストールするには、以下の手順を実行します。
管理対象サーバの停止方法の詳細については、WebLogic Server Administration Console のオンライン ヘルプの「サーバの起動と停止」で「正常な停止の制御」を参照してください。
管理対象サーバの再起動方法の詳細については、WebLogic Server Administration Console のオンライン ヘルプの「サーバの起動と停止」で「Administration Console からの管理対象サーバの起動」を参照してください。
プロキシ サービス インタフェースへの下位互換性がない変更を含む変更を行うには、完全なオフライン デプロイメントが必要です。新しいバージョンをインストールするには、すべてのサーバが作動中に以下の手順を実行します。
下位互換性とインストール方針の詳細については、「新しいバージョンのプロキシ サービスのインストール」を参照してください。