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デプロイメント ガイド

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はじめに

このドキュメントでは、プロダクション環境に BEA AquaLogic Service Bus コンフィグレーションをデプロイする方法について説明します。以下の節では、組織で AquaLogic Service Bus をデプロイする場合の主要な概念と操作について説明します。

このドキュメントでは、AquaLogic Service Bus ソフトウェアのライフサイクルのデプロイメント フェーズについてのみ説明します。AquaLogic Service Bus の概要については、『BEA AquaLogic Service Bus 概念とアーキテクチャ』を参照してください。

AquaLogic Service Bus コンフィグレーションについては、次の URL にあるドキュメントを参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/alsb/docs20/index.html

 


デプロイメントの目標

AquaLogic Service Bus では、インテリジェントなメッセージ ブローカリングとサービスのモニタおよび管理を統合しているため、1 つのソフトウェア製品でサービス指向アーキテクチャ (SOA) の実装とデプロイを行うことができます。AquaLogic Service Bus のコンフィグレーションをデプロイするときは、以下の目標を考慮します。

AquaLogic Service Bus コンフィグレーションでは、常にこれらの目標を達成できます。

 


主要なデプロイメントの作業

AquaLogic Service Bus をデプロイするときは、以下の作業の一部または全部を完了している必要があります。

  1. デプロイメントの目標」を参照して、AquaLogic Service Bus デプロイメントの目標を定義します。
  2. AquaLogic Service Bus コンフィグレーションをクラスタにデプロイします。そのためにはまず、クラスタを設計する必要があります。設計を始める前に、AquaLogic Service Bus デプロイメントのコンポーネントを理解してください。「AquaLogic Service Bus クラスタについて」にこれらのコンポーネントの説明があり、コンフィグレーションに最適な環境を設計するのに役立ちます。高可用性を備えた AquaLogic Service Bus コンフィグレーションをデプロイする手順については、「クラスタ デプロイメントのコンフィグレーション」を参照してください。
  3. 『BEA AquaLogic Service Bus ユーザーズ ガイド』の「着信メッセージおよび発信メッセージの保護」の説明に従って、AquaLogic Service Bus デプロイメントのセキュリティを設定します。

 


AquaLogic Service Bus のデプロイメントにおける役割

統合型ソリューションを正しくデプロイするためには、デプロイメント チームに、以下の役割を果たすメンバーを加える必要があります。

一人で複数の役割を兼任することもできます。デプロイメントのすべてのシナリオに全員が等しく関わることはありませんが、正しくデプロイするためには、各担当者の参加が必要です。

デプロイメント スペシャリスト

デプロイメント スペシャリストは、デプロイメント作業を調整します。デプロイメント スペシャリストには、AquaLogic Service Bus 製品の機能に精通していることが要求されます。デプロイメント スペシャリストは、1 つまたは複数のサーバにさまざまな AquaLogic Service Bus 機能をコンフィグレーションしてきた経験を基に、専門知識を活かして、ESB ソリューションのデプロイメント トポロジを設計します。デプロイメント スペシャリストには、以下の分野の経験が要求されます。

WebLogic Server 管理者

WebLogic Server 管理者は、組織内の WebLogic Server デプロイメントに関する技術と操作について深い知識を持っていることが要求されます。ハードウェアとプラットフォームの知識を持ち、WebLogic Server のインストール、コンフィグレーション、モニタ、セキュリティ、パフォーマンス チューニング、トラブルシューティングなど、WebLogic Server デプロイメントのすべての管理作業に対する経験が要求されます。

データベース管理者

データベース管理者は、組織内にデプロイされたデータベース システムに関する技術と操作について深い知識を持っている必要があります。データベース管理者には、以下の分野の知識が要求されます。

 


主要なデプロイメントのリソース

この節では、デプロイメントの段階で変更可能なリソースの概要を示します。

注意 : 「リソース」という用語は、このドキュメントでは主に技術的な資産を指します。セキュリティについては例外的に、セキュリティ ロールとセキュリティ ポリシーを使用して無許可のアクセスから保護する基本的な WebLogic Server エンティティのことのみを指します。

WebLogic Server リソース

この節では、AquaLogic Service Bus ソリューションのデプロイメントに深く関係する WebLogic Server リソースの一般情報を示します。これらのリソースは WebLogic Server Administration Console で直接コンフィグレーションすることも、J2EE と WebLogic のリソース記述子を通じてコンフィグレーションすることもできます。

WebLogic Server には、多くのコンフィグレーション オプションと調整可能な設定があり、サポートされている任意の環境で AquaLogic Service Bus ソリューションをデプロイするために使うことができます。以下の節では、AquaLogic Service Bus のデプロイメントに最も関係する WebLogic Server のコンフィグレーション可能な機能について説明します。

クラスタ化

作業負荷に対する許容量を増やすには、WebLogic Server をクラスタ環境で実行します。クラスタは、単体のユニットとして管理できるサーバのグループです。クラスタ化により、単一サーバよりもスケーラビリティの高いデプロイメント プラットフォームを構築できます。クラスタ化の詳細については、「AquaLogic Service Bus クラスタについて」を参照してください。

Java Message Service

WebLogic Java Message Service (JMS) により、Java アプリケーションでメッセージ システムを共有し、メッセージを交換 (作成、送信、受信) することができます。WebLogic JMS は、Sun Microsystems, Inc の Java Message Service Specification version 1.0.2 に準拠しています。

JMS サーバはクラスタ化が可能です。また、接続ファクトリは WebLogic Server の複数のインスタンスにデプロイできます。WebLogic JMS の詳細については、以下のトピックを参照してください。

EJB プールとキャッシング

AquaLogic Service Bus デプロイメントでは、EJB の数がシステムのスループットに影響します。システムの EJB の数は、EJB の種類に応じて、EJB プールまたは EJB キャッシュを使用して調整できます。次の表に、EJB の種類と関連する可変パラメータを示します。

表 1-1 EJB の調整用パラメータ 

EJB の種類

調整可能なパラメータ名

調整可能なパラメータの説明

メッセージ駆動型 Bean

max-beans-in-free-pool

キューから作業を取り出すリスナの最大数

ステートレス セッション Bean

max-beans-in-free-pool

作業要求に対応できる bean の最大数

ステートフル セッション Bean

max-beans-in-cache

一度にアクティブにできる bean の数。設定が小さすぎると、CacheFullExceptions が発生する。設定が大きすぎると、メモリを過度に消費する。

エンティティ Bean


 

スループットの制御の詳細については、『WebLogic Server 環境のコンフィグレーション』の「WebLogic Server 環境の新機能と変更点」の「プロダクション環境でのサーバの自動チューニング」を参照してください。

JDBC 接続プール

JDBC (Java Database Connectivity) は、Java アプリケーションから SQL データベース内のデータにアクセスするために使用します。データベース接続を確立する際のオーバーヘッドを減らすために、WebLogic JDBC には接続プールが用意されており、すぐに使える DBMS への接続のストックとして利用できます。

JDBC 接続プールは、DBMS 接続の最適化に使用します。AquaLogic Service Bus JMS レポート プロバイダを使用している場合、JDBC 接続プールのサイズをコンフィグレーションすることで、AquaLogic Service Bus のパフォーマンスを調整できます。設定が小さすぎると、接続可能になるまでの AquaLogic Service Bus の待機時間が長くなります。設定が大きすぎると、DBMS のパフォーマンスが低下します。

WebLogic JDBC 接続プールの詳細については、以下を参照してください。

実行スレッド プール

実行スレッドプールによって、WebLogic Server で同時に実行可能なスレッド数を制御できます。設定が小さすぎると、処理が同時に行われなくなり、さらにデッドロックの発生する危険性が高くなります。設定が大きすぎると、メモリを過度に消費し、スラッシングが発生する可能性が高くなります。

また、実行スレッドの数によって、受信ソケット メッセージを読み込むスレッド数 (ソケット リーダ スレッド) が決まります。デフォルトでは、この数は、実行スレッド数の 1/3 です。この数が小さすぎると、ソケットを読み込むスレッドが競合したり、デッドロックの原因となったりします。

実行スレッド プールは、予想されるスレッドの合計数を実行できる程度に設定してください。ただし、システム内のコンテキストの過度の切り替えによってパフォーマンスが低下してしまうほど高く設定しないでください。実行しているシステムをモニタし、さまざまな値を試して実行スレッド プールに最適な値を決めてください。

注意 : ほとんどのプロダクション アプリケーションでは、実行スレッド カウントをデフォルト値より大きくする必要があります。一般的に使用されるスレッド カウント値は 50 です。実際のスレッド カウント値に合わせて JDBC 接続プールを調整してください。

スループットの制御の詳細については、『WebLogic Server 環境のコンフィグレーション』の「WebLogic Server 環境の新機能と変更点」の「プロダクション環境でのサーバの自動チューニング」を参照してください。

J2EE コネクタ アーキテクチャ

WebLogic J2EE コネクタ アーキテクチャ (J2EE Connector Architecture : JCA) により、J2EE プラットフォームを異機種のエンタープライズ情報システム (Enterprise Information Systems : EIS) と統合できます。WebLogic JCA は、Sun Microsystems, Inc の J2EE コネクタ仕様バージョン 1.0 に準拠しています。

WebLogic J2EE-CA については、『WebLogic リソース アダプタ プログラマーズ ガイド』の「J2EE コネクタ アーキテクチャ」を参照してください。

AquaLogic Service Bus のコンフィグレーション リソース

AquaLogic Service Bus のコンフィグレーション リソースには、コンフィグレーションを新しいドメインにデプロイするときに変更または調整可能な環境固有の設定があります。以下の節では、コンフィグレーションのデプロイ後に再コンフィグレーションが必要なリソースについて説明します。

WSDL

AquaLogic Service Bus では WSDL (Web Service Definition Language) を使用して、プロキシ サービスとビジネス サービスを記述します。WSDL は Web サービスの内容、場所、呼び出し方法の記述に使用されます。

プロキシ サービスとビジネス サービスは既存の WSDL ファイルに基づいて定義することができ、AquaLogic Service Bus Console でサービスのコンフィグレーションを完了できます。サービスの定義の基になる WSDL ファイルは、AquaLogic Service Bus のリソースとして格納されます。これらのリソースを新しい環境にデプロイする場合、リソースを更新する必要はほとんどありません。AquaLogic Service Bus では、WSDL ファイル内の URL を実行時に使用しないためです。

注意 : AquaLogic Service Bus では、HTTP プロキシ サービスごとに新しい WSDL ファイルが作成されます。サービスのエンドポイントに ?wsdl を追加すると、この WSDL ファイルの内容を表示できます。たとえば、AquaLogic Service Bus Examples Server を起動すると ([スタートプログラムBEA ProductsExamplesAquaLogic Service BusStart Examples Server])、loadgateway2 プロキシ サービスの WSDL を http://localhost:7001/crejws_basic_ejb/loadgateway2?wsdl で表示できます。

ビジネス サービス

ビジネス サービスは、メッセージの交換先となるエンタープライズ情報サービスの AquaLogic Service Bus での定義です。プロダクション環境のビジネス サービスでは、ロード バランシングと高可用性のため、複数のエンドポイント (URL) を指定できます。ビジネス サービスにエンドポイントを追加する方法については、AquaLogic Service Bus Console のオンライン ヘルプで「ビジネス サービス」で「ビジネス サービスの表示と変更」を参照してください。既存のエンドポイントの値を更新する方法については、AquaLogic Service Bus Console のオンライン ヘルプの「Change Center の使用」で「環境値の検索と置換」を参照してください。

プロキシ サービス

プロキシ サービスとは、AquaLogic Service Bus によって WebLogic Server のローカルに実装される仲介 Web サービスの AquaLogic Service Bus での定義です。プロキシ サービスを定義する大部分のメタデータは、新しい環境にデプロイする際に変更する必要はありませんが、以下の情報の更新が必要になることがあります。

プロキシ サービスの詳細については、AquaLogic Service Bus Console のオンライン ヘルプの「プロキシ サービス」を参照してください。

スキーマ

スキーマとは、XML ドキュメントの有効なコンテンツを定義するドキュメントです。スキーマは、AquaLogic Service Bus で交換されるメッセージに XML 情報を追加するときに使用されます。これらのリソースを新しい環境にデプロイする場合、更新の必要はほとんどありません。

サービス アカウント

AquaLogic Service Bus では、サービスやサーバに接続するときに、サービス アカウントを使用して認証が行われます。このリソースのプロダクション環境に合わせて使用する方法については、『BEA AquaLogic Service Bus ユーザーズ ガイド』の「着信メッセージおよび発信メッセージの保護」の「JMS、電子メール、FTP、およびファイル転送のセキュリティ」を参照してください。

プロキシ サービス プロバイダ

AquaLogic Service Bus では、プロキシ サービス プロバイダを使用して、プロキシ サービスに資格レベルの検証を提供します。次の種類のセキュリティを使用できます。

このリソースを使用環境に合わせてコンフィグレーションする方法については、AquaLogic Service Bus Console のオンライン ヘルプの「プロキシ サービス プロバイダ」を参照してください。

WS-Policy

AquaLogic Service Bus では、Web サービス ポリシー (WS-Policy) を使用して、Web サービス セキュリティ ポリシーをプロキシ サービスとビジネス サービスに関連付けます。このリソースをプロダクション環境に合わせてコンフィグレーションする方法については、『BEA AquaLogic Service Bus ユーザーズ ガイド』の「着信メッセージおよび発信メッセージの保護」の「Web サービス ポリシー」を参照してください。

これらのリソースを新しい環境にデプロイする場合、更新の必要はほとんどありません。

XQuery トランスフォーメーションと XSLT トランスフォーメーション

トランスフォーメーション マップには 2 つのデータ型の間のマッピングが記述されます。AquaLogic Service Bus は、XQuery または eXtensible Stylesheet Language Transformation (XSLT) 標準のどちらかを使用したデータ マッピングに対応しています。これらのリソースを新しい環境にデプロイする場合、更新の必要はほとんどありません。

MFL

メッセージ フォーマット言語 (MFL) は、フォーマットされたバイナリ データを XML データに変換するルールを定義する BEA 独自の言語です。MFL ドキュメントを新しい環境にデプロイする場合、更新の必要はほとんどありません。

リレーショナル データベース管理システムのリソース

AquaLogic Service Bus では、JMS レポート プロバイダによるメッセージ レポート データの格納はデータベース リソースに依存します。データベースのパフォーマンスは、AquaLogic Service Bus 全体のパフォーマンスを決定する要因の 1 つです。AquaLogic Service Bus アプリケーションに関連するデータベース チューニングの要件については、『BEA AquaLogic Service Bus リリース ノート』を参照してください。

データベースをチューニングする詳細については、データベース ベンダのドキュメントを参照してください。

ハードウェア、オペレーティング システム、およびネットワーク リソース

ハードウェア、オペレーティング システム、およびネットワーク リソースは、AquaLogic Service Bus パフォーマンスにとって重要な役割を果たします。デプロイメントは、『BEA AquaLogic Service Bus リリース ノート』に記述されたハードウェアおよびソフトウェアの要件に従う必要があります。

 

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