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Oracle Application Server Standard Edition One インストレーションおよびスタート・ガイド
10g リリース2(10.1.2) for Microsoft Windows(32 Bit)
B19167-01
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管理ツールの使用

この章では、Oracle Application Server Standard Edition Oneの管理に使用できる管理ツールについて説明します。 この章の内容は次のとおりです。

8.1 Oracle Enterprise Manager Application Server Controlの理解

Oracle Application Server Standard Edition OneおよびOracle環境全体を管理する主要なツールは、Oracle Enterprise Manager Application Server Controlです。 Oracle Enterprise Manager Application Server Controlの主要なコンポーネントは、Application Server Controlコンソールです。このコンソールを使用すると、個々のOracle Application Serverインスタンスを管理できます。

Oracle Enterprise Manager Application Server Controlの構成内容は次のとおりです。

8.2 Application Server Controlコンソールの理解

Application Server Controlコンソールは、様々なパフォーマンス・データおよび管理機能を編成して、各アプリケーション・サーバー・コンポーネントに対し、Webベースのホーム・ページを個別に構成します。 単一のOracle Application Serverインスタンス、アプリケーション・サーバー・インスタンスのファーム、またはOracleASクラスタを監視および管理できます。

Webベースのホーム・ページは、Application Server Controlホーム・ページと呼ばれ、通常使用する管理機能にWebブラウザからアクセスできます。Application Server Controlホーム・ページでは、Oracle Application Server Standard Edition One環境の上位レベル・ビューが提供されます。

この項の内容は次のとおりです。

8.2.1 Application Server Controlホーム・ページ

Oracle Application Server Standard Edition Oneは、ビジネスのあらゆる側面の運営に役立つように設計された、様々なソフトウェア・ソリューションを提供します。 そのため、Oracle Application Server Standard Edition Oneインスタンス全体、特定のコンポーネントのみといった、様々な詳細レベルでOracle Application Server Standard Edition Oneを管理できます。

このような複数のレベルの管理をサポートするには、Application Server Controlホーム・ページを使用します。 各ホーム・ページでは、特定の管理の詳細レベルからOracle Application Server Standard Edition Oneのパフォーマンスおよび可用性を監視するために必要な情報が提供されます。また、Application Server Controlホーム・ページでは、Oracle Application Server Standard Edition Oneコンポーネントの構成用のツールも提供されます。

Application Server Controlコンソールで使用できるホーム・ページは、次のとおりです。

8.2.2 Application Server Controlコンソールの表示

Application Server ControlコンソールのURLは、Oracle Application Server Standard Edition Oneのインストール手順の最後に表示されるテキスト・ファイルに含まれています。 このテキスト・ファイルは、インストールの完了後、次の場所に保存されます。

ORACLE_HOME¥install¥setupinfo.txt

Application Server ControlコンソールのURLには、通常、ホスト・コンピュータ名と、インストール中にApplication Server Controlコンソールに割り当てられたポート番号が含まれます。 たとえば、次のようになります。

http://mgmthost1.acme.com:1810


注意

Application Server Controlコンソールのデフォルトのポートは、通常、1810です。ただし、このポートがすでに使用されている場合、インストール手順では別のポートが割り当てられます。 Oracle Application Server Standard Edition Oneインストールの正確なポートについては、setupinfo.txtファイルを参照してください。 


Application Server Controlコンソールを初めて表示する場合、表示されるページは、実行したインストール・タイプによって異なります。表8-1に、Application Server Controlコンソールへの初回アクセス時に開始点として使用されるホーム・ページを示します。

表8-1 Oracle Application Serverの管理用のApplication Server Controlホーム・ページ 
Application Server Controlホーム・ページ  説明 

Application Serverホーム・ページ 

単一のアプリケーション・サーバー・インスタンスを監視および構成できます。

詳細は、8.2.3項を参照してください。

J2EE and Web Servicesのみをインストールしている場合、Application Serverホーム・ページが最初に表示されます。 

OracleAS Farmページ 

共通のOracleAS Metadata Repositoryを使用するすべてのアプリケーション・サーバー・インスタンスのリストを表示できます。

詳細は、8.2.4項を参照してください。

使用可能なOracleAS Portalサービスのいずれかをインストールしている場合、Farmホーム・ページが最初に表示されます。 

8.2.3 Application Serverホーム・ページの使用

図8-1に示すように、Application Serverホーム・ページからは、Oracle Application Server Standard Edition Oneインスタンスの起動と停止、サーバー全体のパフォーマンスの監視、およびサーバーのコンポーネントの確認を行うことができます。 また、個々のコンポーネントの構成や、それらのパフォーマンスの確認も行うことができます。

図8-1 Application Serverホーム・ページ


画像の説明

このページには、アプリケーション・サーバーのコンポーネントがリストされた「システム・コンポーネント」表があります。 この表から、各コンポーネントの実行状況のスナップショットを取得することもできます。 また、アプリケーション・サーバーの各コンポーネントのホーム・ページを表示することもできます。

Application Serverホーム・ページから実行できる管理機能は、次のとおりです。

詳細は、Application Serverホーム・ページでオプションを選択した後、「ヘルプ」をクリックしてください。

8.2.4 Oracle Application Server Farmホーム・ページの使用

アプリケーション・サーバー・インスタンスでOracleAS Metadata Repositoryを使用する場合、Application Server Controlコンソールの開始ページは、図8-2に示すOracleAS Farmページになります。

Oracle Application Server Farmホーム・ページには、OracleAS Infrastructureに関連付けられたスタンドアロンのアプリケーション・サーバー・インスタンスおよびOracleASクラスタのリストが表示されます。 スタンドアロンのインスタンスとは、OracleASクラスタに属さないアプリケーション・サーバー・インスタンスです。

Application Serverホーム・ページで「インフラストラクチャ」をクリックすることによって、OracleAS Infrastructureを使用できるようにOracle Application Server Standard Edition Oneインスタンスを構成できます。 詳細は、Application Server Controlのオンライン・ヘルプを参照してください。

Oracle Application Server Farmホーム・ページを使用して、各インスタンスのApplication Serverホーム・ページにドリルダウンできます。

図8-2 OracleAS Farmページ


画像の説明

8.2.5 Oracle Application Serverコンポーネント・ホーム・ページの使用

コンポーネント・ホーム・ページは、各コンポーネントが様々な監視要件および構成要件を持つため、コンポーネントによって異なります。 ただし、ほとんどのコンポーネント・ホーム・ページには、次の共通の要素があります。

8.2.6 Application Server Controlコンソールによる監視および診断

Application Server Controlコンソールは、監視および診断アクティビティへのトップダウン・アプローチが行えるように設計されています。 たとえば、Application Serverホーム・ページでアプリケーション・サーバーの基本特性を確認してからドリルダウンし、そのサーバーの個々のコンポーネントのパフォーマンスを調べることができます。

以降の項では、この監視方法の概要を説明します。

8.2.6.1 アプリケーション・サーバー・コンポーネント・トポロジの確認

Application Server Controlコンソールで、いずれかのページの上部にある「トポロジ」をクリックすると、トポロジ・ビューアが表示されます(図8-3を参照)。 トポロジ・ビューアでは、OPMNによって管理されるアプリケーション・サーバー・プロセスがリアルタイムでグラフィカルに表示されます。 このビューアを使用すると、アプリケーション・サーバーのコンポーネントの関係の理解に役立ちます。

トポロジ・ビューアでは、アプリケーション・サーバーの各コンポーネントはアイコンで識別されます。 ページ上の各アイコンの位置、およびアイコン間の連結が、各コンポーネント間の関係を表しています。 トポロジ・ビューアの視覚的な表現によって、停止しているコンポーネントやパフォーマンスが低下しているコンポーネントを簡単に識別できます。

OracleAS Farmに属する複数のアプリケーション・サーバーを管理している場合でも、このビューアには、作成したOracleASクラスタを含むアプリケーション・サーバー・インスタンス間の関係が表示されます。

トポロジ・ビューアからは、次の作業を実行できます。

画像の説明

関連項目

Application Server Controlのオンライン・ヘルプのトポロジ・ビューアに関する項を参照してください。 

8.2.6.2 一般情報およびリソース使用状況の確認

Application Serverホーム・ページには、サーバーのステータスに関する一般情報(名前、場所、アプリケーション・サーバー可用性など)が表示されます。 また、CPU使用率およびメモリー使用量に関する概要も表示されます。 ホーム・ページを表示したら、「CPU使用率」および「メモリー使用量」グラフで、アプリケーション・サーバーが過剰にCPUまたはメモリーを使用していないかどうかを確認してください。

アプリケーション・サーバーがリソースを過剰に使用していると考えられる場合は、コンポーネントのリストを参照して、各コンポーネントが起動され実行されていること、およびそれらのコンポーネントのリソース使用状況を確認します。

このアプリケーション・サーバー・インスタンスの一部として現在使用していないコンポーネントを無効化することを考慮します。 無効化したコンポーネントは、アプリケーション・サーバーの起動時に起動されないため、システム・リソースを消費しません。無効化したアプリケーション・サーバー・コンポーネントは、後でいつでも有効化できます。

関連項目

Application Server Controlのオンライン・ヘルプのコンポーネントの無効化および有効化に関する項を参照してください。 

8.2.6.3 アプリケーション・サーバー・ホストのリソースの確認

パフォーマンスまたは構成に関する問題の多くは、ホスト上の使用可能なリソースの不足に直接関連しています。 ドリルダウンして個々のアプリケーション・サーバー・コンポーネントのパフォーマンスおよびリソース使用状況を分析する前に、アプリケーション・サーバー・ホストのリソースおよび特性を確認してください。

Application Serverホーム・ページの「一般」セクションでホスト名をクリックすると、そのホストのホーム・ページが表示されます。 ホストのホーム・ページには、オペレーティング・システム、メモリーおよびディスク容量の概要が表示されます。 このページの「ロード」セクションには、CPU使用率を使用状況別に分類したCPUグラフがあります。このグラフの下の「ロード・メトリック」に、システム・メモリー使用量の詳細が表示されます。

関連項目

Application Server ControlによるOracle Application Server Standard Edition Oneのメモリー使用量の計算方法については、Application Server Controlのオンライン・ヘルプのメモリー使用量に関する項を参照してください。 

ページの下部までスクロールすると、リアルタイム・パフォーマンス・メトリックへの一連のリンクが表示されます。 システムのCPU使用率およびメモリー使用量に問題があると考えられる場合は、「すべてのメトリック」をクリックして、ホスト上のプロセスおよびそのリソース使用状況がリストされた表を表示します。

8.2.6.4 アプリケーション・サーバー・コンポーネントの監視

アプリケーション・サーバー・ホスト・コンピュータのパフォーマンス・メトリックの概要および使用可能なリソースを確認したら、個々のアプリケーション・サーバー・コンポーネント内で問題が発生していないかどうかを確認します。

個々のアプリケーション・サーバー・コンポーネントの問題を診断するには、Application Serverホーム・ページの「システム・コンポーネント」表でコンポーネント名をクリックします。 このドリルダウンによって詳細を得ることで、アプリケーション・サーバーの特定のコンポーネントまたは領域に絞り込んで問題を検出できます。

8.2.6.5 J2EEアプリケーションの監視

Oracle Application Server Standard Edition OneによるJ2EEアプリケーションのデプロイおよびメンテナンスは、アプリケーション・サーバーのデプロイで最も重要な側面です。 そのため、Application Server Controlコンソールでは、J2EEアプリケーションのパフォーマンスの確認に使用できるショートカットも提供されます。 Application Serverホーム・ページで「J2EEアプリケーション」をクリックすると、このアプリケーション・サーバー・インスタンスからデプロイしたアプリケーションのリストが表示されます。

このJ2EEアプリケーションのリストから、OC4Jインスタンスまたはアプリケーション・ページに素早く移動して、デプロイ済の各アプリケーションのパフォーマンスおよび可用性に関する情報を確認できます。


注意

監視の詳細は、Application Server Controlコンソールのオンライン・ヘルプおよび『Oracle Application Serverパフォーマンス・ガイド』を参照してください。 


8.3 基礎となるソフトウェア・テクノロジの理解

Application Server Controlコンソールは、様々なテクノロジに依存してOracle Application Server Standard Edition One環境を監視および管理しています。

8.3.1 使用可能なテクノロジ

表8-2に、Application Server Controlコンソールで利用されている基礎となるテクノロジの概要を示します。

表8-2 Application Server Controlの基礎となるテクノロジの概要 
テクノロジ  説明 

Dynamic Monitoring Service(DMS) 

Application Server Controlコンソールは、DMSを使用してOracle Application Serverコンポーネントに関するパフォーマンス・データを収集します。

『Oracle Application Serverパフォーマンス・ガイド』を参照してください。 

Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN) 

OPMNは、Oracle HTTP Server、OC4Jおよびその他のOracle Application Serverプロセスを管理します。 また、様々なコンポーネント・インスタンスのすべてのイベントを、関連するすべてのコンポーネントに送信します。

詳細は、7.4.1項を参照してください。 

Distributed Configuration Management(DCM) 

Application Server Controlコンソールは、DCMを使用して構成変更を行い、クラスタ全体にそれらの変更およびデプロイ済アプリケーションを伝播します。

詳細は、7.4.2項を参照してください。 

Oracle管理エージェント 

アプリケーション・サーバー・コンポーネントの監視および管理用に特別に設計されたローカルのOracle管理エージェントです。 

Oracle Management Watchdog Process 

Management Watchdog Processは、管理エージェントおよびApplication Server Controlコンソールを監視して、両方のプロセスが実行され常に使用可能であるようにします。 

8.3.2 コマンドライン・ツール

Oracle Application Server Standard Edition Oneでは、いくつかの主要な管理テクノロジに対してコマンドライン・インタフェースも提供されます。 アプリケーション・サーバーのアーキテクチャおよびコンポーネントを理解してから、コマンドライン・ツールを使用すると、スクリプトおよびカスタム・ユーティリティによって管理手順を自動化することができます。

最も重要な管理コマンドライン・ツールは、次の2つです。

OPMNの詳細は、『Oracle Process Manager and Notification Server管理者ガイド』を参照してください。

DCMの詳細は、『Distributed Configuration Management管理者ガイド』を参照してください。

opmnctlおよびdcmctl以外にも、Oracle Application Server Standard Edition Oneでは、特定のタスクを実行するための多くのコマンドライン・ツールが提供されます。


注意

Oracle Application Server Standard Edition Oneでは、Application Server Controlコンソールを使用せずに、組込みパフォーマンス・メトリックを直接表示できる一連のコマンドライン・ツールおよびサーブレットベースのツールも提供されます。 これらの組込みパフォーマンス・メトリックは、Oracle Application Server Standard Edition Oneコンポーネントの実装に挿入されたパフォーマンス・インスツルメンテーションによって、継続的に測定されます。 


8.4 Database ControlによるOracleAS Metadata Repositoryデータベースの管理

Oracle Application Server Standard Edition Oneの機能の多くはOracleAS Metadata Repositoryに依存しており、OracleAS Metadata Repositoryの格納にOracleデータベースを使用しています。 OracleAS Metadata Repositoryをインストールする際、OracleAS Metadata Repository用に事前構成されたOracle Database 10gのインスタンスをインストールできます。

OracleAS Metadata Repositoryデータベースには、Oracle Database 10gによって提供されたOracle Enterprise Manager 10g Database Controlが含まれます。

Database ControlはOracleAS Metadata Repositoryデータベースの管理に使用できます。Database Controlを表示するには、次の手順を実行します。

  1. WebブラウザからDatabase ControlのURLにアクセスします。

    http://hostname.domain:port/em
    
    

    この例では、次のようになります。

    • hostnameは、Oracleデータベースをインストールしたコンピュータの名前です。

    • portは、インストール中にDatabase Control用に予約したポート番号です。

    使用する正しいポート番号がわからない場合は、OracleAS Metadata RepositoryのOracleホームのinstallディレクトリに格納されているportlist.iniファイルで次の行を確認します。

    Enterprise Manager Console HTTP Port (db_name) = 5500
    
    

    インストールでは、5500〜5519の範囲内で使用可能な最初のポートが予約されます。たとえば、ホストmgmt42にOracleデータベースをインストールしており、Database Controlでポート5500を使用している場合は、次のURLを入力します。

    http://mgmt42.acme.com:5500/em
    
    

    Oracle Application Server Controlによって、Database Controlのログイン・ページが表示されます。

  2. ユーザー名SYSを使用してデータベースにログインし、SYSDBAとして接続します。

    インストール中にSYSアカウントに対して指定したパスワードを使用します。

  3. Application Server Controlによって、データベース・ホーム・ページが表示されます。

    データベース・ホーム・ページから、データベースの現在の状態を確認したり、様々な監視機能および管理機能にアクセスできます。

Database Controlコンソールによるデータベース管理の概要および詳細は、Oracle Database 10g Documentation Libraryの『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。


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