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Oracle Application Server Wireless開発者ガイド
10gリリース2(10.1.2)
B15742-02
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3 JDeveloper Wireless Extension

項ごとに様々なトピックを記載しています。各項の内容は、次のとおりです。

3.1 JDeveloper Wireless Extensionの概要

Oracle Extension Framework上に構築されるJDeveloper Wireless Extension(JWE)は、OracleAS Wirelessの機能をOracle JDeveloperと統合することによって、JDeveloperを使用したワイヤレス・アプリケーションの作成を可能にします。この章では、JWEの概要、およびJWEの機能の例をいくつか示します。完全なドキュメント、チュートリアルおよびダウンロードについては、http://www.oracle.com/technology/tech/wireless/tools/index.htmlを参照してください。

JWEを使用すると、WAP、メッセージ、音声などの様々な配信方法でアクセスできるマルチチャネル・アプリケーション、および標準のJ2ME(Java 2 Micro Edition)MIDletアプリケーションとメソッド・コールを通じてWebサービスと通信するMIDletアプリケーションの両方を開発、デバッグ、デプロイおよび実行できます。

エミュレータまたは実際のデバイスを使用してアプリケーションをテストし、ブレーク・ポイントを使用してMIDletをデバッグし、不明瞭化を使用してMIDletを保護できます。JWEを使用すると、様々なメーカーの開発ツールキットとエミュレータを使用できます。

JWEをJDeveloperにインストールすると、JDeveloperのギャラリの「カテゴリ」ペインに、「ワイヤレス・アプリケーション」という新規カテゴリが作成されます。このノードを選択すると、JWEオプション(表3-1を参照)が起動されます。

表3-1 JWEオプション

オプション 説明

J2MEデフォルトMIDlet

MIDletを作成します。

J2ME MIDletデプロイメント

MIDletの実行に必要なデプロイメント・プロファイルを作成します。

J2MEプロキシ接続

J2MEプロキシ・サーバーへの接続を作成します。この接続から、WebサービスをWSDL(Web Services Description Language)文書のURLに登録し、J2MEスタブ・クラスを生成します。

マルチチャネル・アプリケーション作成ウィザード

マルチチャネル・アプリケーション作成ウィザードを使用して、モバイル・ブラウザ・アプリケーションを構築します。

マルチチャネル・メッセンジャ作成ウィザード

モバイル・メッセージをJavaアプリケーションに追加します。


3.2 マルチチャネル・アプリケーションの開発

JWEにより、マルチチャネル・アプリケーション・ウィザードを使用して、JDeveloper IDEからアプリケーションをモバイル対応にできます。このウィザードでは、選択したアプリケーション用のテンプレートを生成できます。このために、ウィザードには「基本機能」と「PushLite APIを使用したメッセージのサポート」の2つのオプションがあります。これらのオプションには、それぞれ特定のテンプレートが関連付けられています。 たとえば、「基本機能」を選択すると、次のテンプレートから選択できます。

アプリケーション用に適切なテンプレートを選択し(複数選択可)、ウィザードを完了すると、JDeveloperによってテンプレートが作成されます。次に、JDeveloperのコンポーネント・パレットを使用してアプリケーションにタグを挿入し、デバイス・エミュレータを使用してアプリケーションをテストします。

3.3 Javaアプリケーションへのメッセージ機能の追加

JWEでは、マルチチャネル・メッセンジャ作成ウィザードを使用し、JDeveloper IDEでOracleAS Wireless MessagingをJavaアプリケーションに追加できます。このウィザードでは、MultiChannelMessenger.javaというファイルが、必要なOracleAS Wireless SDKライブラリとともにJavaプロジェクト・ファイルに生成されます。MultiChannelMessenger.javaファイルには、このユーティリティ・クラスを使用するための例が含まれています。Javaアプリケーションで、MultiChannelMessengerユーティリティに対するimport文を追加します。次に、送信者、受信者および送信情報を指定して、JavaアプリケーションでMultiChannelMessengerのAPIをコールします。

3.4 J2MEアプリケーションの作成

JWEを使用すると、通常のMIDlet、さらにWebサービスをコールするMIDletも作成できます。

MIDletの作成には、デフォルトMIDletを作成する処理、およびその後でデプロイ用にMIDletスイートにパッケージ化する処理の2つの手順があります。

3.4.1 デフォルトMIDletの作成

デフォルトMIDletを作成するために、JWEには、3ページにわたるウィザードが用意されています。ここで、MIDletのパッケージ名とクラス名を選択します。オプションで、MIDletが作成されるプロジェクトに特定のライブラリを追加するか、またはMIDletのクラスの生成直後にデフォルトMIDletをデプロイメント・ウィザードに連鎖できます。アプリケーション固有のコードを追加するとMIDletをさらに拡張できます。

3.4.2 MIDletアプリケーションのデプロイ

デプロイ・ウィザードを使用すると、MIDletの実行に必要なデプロイ・プロファイル情報のパッケージ化とデプロイを指定するMIDletスイートを作成できます。MIDletスイートを作成するには、選択したプロジェクトに組み込むJavaクラス、イメージ(.pngファイル)またはその他のリソースを選択します。次に、javax.microedition.midlet.MIDletクラスを拡張し、MIDletへのエントリ・ポイントとして機能するクラスをプロジェクトのクラスの中から選択します。その後、選択したクラスに対するMIDlet名を入力し、そのMIDletをMIDletスイートに公開するように選択します。MIDletには、アイコンを関連付けることもできます。さらに、MIDletスイートの名前設定、ネットワーク・プロキシの設定(必要な場合)、MIDletのmanifestエントリの管理、MIDletとともにデプロイするライブラリの選択(複数選択可)を行います。MIDletは、MIDletスイートの完成後すぐにデプロイできます。MIDletがデプロイされると、それをエミュレータで実行およびテストできます。

3.4.3 WebサービスをコールするMIDletの作成

JWEを使用すると、WebサービスをコールするMIDletを作成できます。MIDletは、MIDletとWebサービス間の通信を最適化するOracleAS Wireless J2MEプロキシ・サーバーを使用してWebサービスをコールします。

JWEを使用すると、WSDL(Web Services Description Language)文書を使用してWebサービスをJ2MEプロキシ・サーバーに登録し、サービス用のJ2MEスタブ・クラスを生成できます。MIDletは、スタブ・クラスのメソッドをコールします。これらの各メソッドは、Webサービスの操作を順に表します。JWEを使用すると、Webサービスのメソッド・コールをテストするMIDletを迅速に作成できます。その後、MIDletスイートを作成して、MIDletをデプロイおよび実行できます。