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Oracle Application Server インストレーション・ガイド
10gリリース2(10.1.2)for HP-UX PA-RISC (64-bit)
B25631-02
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高可用性環境へのインストール: OracleAS Cluster(Identity Management)

この章では、Oracle Application ServerをOracleAS Cluster(Identity Management)構成にインストールする方法について説明します。

12.1 OracleAS Cluster(Identity Management): 概要

OracleAS Cluster(Identity Management)構成では、Oracle Identity ManagementコンポーネントおよびOracleAS Metadata Repositoryが別々のノードで実行されます。OracleAS Cluster(Identity Management)構成のすべてのノードがアクティブです。中間層などのクライアントからのリクエストは、ロード・バランサに送られ、次に、アクティブないずれかのノードに送られます。詳細は、図12-1を参照してください。

これらのノードは、ハードウェア・クラスタに属することができますが、必須ではありません。

これらの構成は、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのコンポーネントがクラスタ化されているため、「OracleAS Cluster(Identity Management)」と呼ばれます。つまり、これらのコンポーネントはノード間で同様に構成されています。

データベース(OracleAS Metadata Repository)の要件

OracleAS Cluster(Identity Management)構成をインストールする前に、既存のデータベースが必要です。OracleAS Metadata Repository Creation Assistantを使用して、このデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールします。OracleAS Metadata Repository Creation Assistantでサポートされている任意のデータベース構成を使用できます。サポートされているデータベース構成の詳細は、Oracle Application Server Metadata Repository Creation Assistantのユーザーズ・ガイドを参照してください。OracleAS Cluster(Identity Management)構成には、Real Application ClustersやCold Failover Clusterなどの高可用性データベース構成を使用することをお薦めします。

OracleAS Metadata Repositoryには、1つのOracleAS Cluster(Identity Management)のみインストールできます。


注意

OracleAS Cluster(Identity Management)構成では、インストーラの「Identity Management and OracleAS Metadata Repository」オプションは選択しません。常に、「Identity Management」オプションを選択します。このため、OracleAS Metadata Repository用に既存のデータベースが必要になります。 


常に同じコンポーネントを選択

OracleAS Cluster(Identity Management)構成内のコンポーネントはインストーラによってクラスタ化されるため、クラスタ内のすべてのノードに対して、「構成オプションの選択」画面で同じコンポーネントを選択する必要があります。

たとえば、ノード1へのインストール時にOracle Internet Directory、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesを選択した場合は、後続のインストールでも同じコンポーネントを選択する必要があります。

各インストールで異なるコンポーネントを選択すると、クラスタ化に失敗します。

構成

OracleAS Cluster(Identity Management)は、次の構成でインストールできます。

12.2 OracleAS Cluster(Identity Management)のインストール前の手順

OracleAS Cluster(Identity Management)構成をインストールする前に、次の項目を設定する必要があります。

12.2.1 Oracleホーム・ディレクトリでの同じパスの使用(推奨)

Oracle Identity Managementコンポーネントが実行されるすべてのノードのOracleホームで、同じフルパスを使用します。この方法をお薦めしますが、必須ではありません。

12.2.2 すべてのノードでの時計の同期化

すべてのノードの誤差は250秒以内になるよう各ノードでシステム時計を同期化します。システム時計を同期化するときは、時計を必ず同じタイム・ゾーンに設定します。

注意: 時計を同期化しない場合、ディレクトリ・エントリの動作属性、およびパスワード状態ポリシーの動作に不整合が生じます。その結果、インスタンスが不必要にフェイルオーバーします。

12.2.3 ロード・バランサに対する仮想サーバーの名前およびポートの構成

2つの仮想サーバー名および関連付けられたポートを指定してロード・バランサを構成します。

インストーラによって、仮想サーバー名およびポート番号を指定するように要求されます。LDAP仮想サーバーおよびHTTP仮想サーバーの構成に使用したものと同じ仮想サーバー名をインストーラに入力します。仮想サーバー名には、完全修飾名を使用する場合と、非完全修飾名を使用する場合とがあります。たとえば、LDAP仮想サーバーの構成時に完全修飾ホスト名を使用した場合は、同じ完全修飾ホスト名をインストーラに入力します。


注意

ロード・バランサはインストーラによってチェックされません。インストーラを実行する前に、ロード・バランサが正しく構成され、有効になっていることを確認してください。 


さらに、次の内容を確認します。

12.2.4 LDAP仮想サーバーの構成

ロード・バランサ上でLDAP仮想サーバーを構成して、リクエストが最初にノード1に送られるようにします。別のノードを追加する手順は、ロード・バランサがLDAPサービスの監視をサポートしているかどうかによって異なります。

これらの手順は、ロード・バランサに構成されたLDAP仮想サーバーに対してのみ適用されます。ロード・バランサに構成されたHTTP仮想サーバーには適用されません。

12.2.4.1 ロード・バランサがLDAPサービスの監視をサポートしている場合

ロード・バランサがLDAPサービスの監視をサポートしている場合、インストールを開始する前に、すべてのノードをLDAP仮想サーバーに追加できます。

たとえば、3つのノードがある場合は、次の手順を実行します。

  1. リクエストがノード1にのみ送られるようにLDAP仮想サーバーを構成します。

  2. ノード2をLDAP仮想サーバーに追加します。

  3. ノード3をLDAP仮想サーバーに追加します。

  4. ノード1にOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

  5. ノード2にOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

  6. ノード3にOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

12.2.4.2 ロード・バランサがLDAPサービスの監視をサポートしていない場合

ロード・バランサがLDAPサービスの監視をサポートしていない場合、インストールを開始する前に、LDAP仮想サーバーを、ノード1にのみリクエストを送るように構成します。ノードへのインストールの完了後、そのノードを仮想サーバーに追加できます。

たとえば、3つのノードがある場合は、次の手順を実行します。

  1. リクエストがノード1にのみ送られるようにLDAP仮想サーバーを構成します。

  2. ノード1にOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

  3. ノード2にOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

  4. ノード2をLDAP仮想サーバーに追加します。

  5. ノード3にOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

  6. ノード3をLDAP仮想サーバーに追加します。

12.2.5 ロード・バランサへのCookie永続性の設定

ロード・バランサに、HTTPトラフィックのCookie永続性を設定します。具体的には、/oiddas/で始まるURIにCookie永続性を設定します。これは、Oracle Delegated Administration ServicesのURIです。ロード・バランサにURIレベルでCookie永続性を設定できない場合は、すべてのHTTPトラフィックのCookie永続性を設定します。いずれの場合も、ブラウザ・セッションが終了するとCookieも終了するようにCookieを設定します。詳細は、ロード・バランサのドキュメントを参照してください。

12.3 Oracle Internet Directoryパスワード

OracleAS Cluster(Identity Management)構成では、複数のノードにOracle Internet Directoryをインストールし、各インストールの「インスタンス名とias_adminパスワードの指定」画面でインスタンス・パスワードを入力します。

最初のインストールで指定したパスワードは、最初のOracle Internet Directoryのみでなく、クラスタ内のすべてのOracle Internet Directoryインストールでcn=orcladminおよびorcladminユーザーのパスワードとして使用されます。

つまり、いずれのノードのOracle Internet Directoryにアクセスする場合も最初のインストールで入力したパスワードを使用する必要があります。後続のインストールで入力したパスワードは使用できません。

Oracle Internet Directoryにアクセスするには、次の操作を実行します。

Application Server Controlにログインする場合は、後続のインストールで入力したパスワードも必要です。

12.4 Oracle HTTP Server用のSSLポートおよび非SSLポート構成

OracleAS Cluster(Identity Management)構成をインストールする場合は、インストーラに「HTTPロード・バランサのホストおよびリスニング・ポートの指定」画面が表示されます。

この画面には2つのセクションがあります。

この画面を使用して、クライアント、ロード・バランサおよびOracle HTTP Server間での通信タイプ(SSLまたは非SSL)を設定します。次の3つのケースがあります。

12.4.1 ケース1: クライアント ---[HTTP]---> ロード・バランサ ---[HTTP]---> Oracle HTTP Server

HTTPリスナー: ポート: Oracle HTTP ServerのListenポートとして使用するポート番号を入力します。これは、httpd.confファイルのListenディレクティブの値です。
SSL有効: このオプションは選択しないでください。インストーラによって、SSLポートのデフォルトのポート番号が使用されます。

HTTPロード・バランサ: ホスト名: HTTPリクエストを処理するように構成されたロード・バランサ上の仮想サーバーの名前を入力します。

HTTPロード・バランサ: ポート: HTTP仮想サーバーでリスニングを行うポート番号を入力します。これは、httpd.confファイルのPortディレクティブの値です。
SSL有効: このオプションは選択しないでください。

表12-1    ケース1の例 
画面の値  構成ファイルに反映される値 

HTTPリスナー: ポート: 8000

SSL有効: 選択しない

HTTPロード・バランサ: ポート: 80

SSL有効: 選択しない 

httpd.confでは次のようになります。

Port 80
Listen 8000

ssl.confでは次のようになります。

Port <default port number assigned by installer>
Listen <default port number assigned by installer>

12.4.2 ケース2: クライアント ---[HTTPS]---> ロード・バランサ ---[HTTPS]---> Oracle HTTP Server

HTTPリスナー: ポート: Oracle HTTP Serverでリスニングを行うポート番号を入力します。これは、 ssl.confファイルのListenディレクティブの値です。
SSL有効: 選択します。

HTTPロード・バランサ: ホスト名: HTTPSリクエストを処理するように構成されたロード・バランサ上の仮想サーバーの名前を入力します。

HTTPロード・バランサ: ポート: HTTP仮想サーバーでリスニングを行うポート番号を入力します。これは、ssl.confファイルのPortディレクティブの値です。
SSL有効: このオプションは自動的に選択されており、選択解除できません。これは、HTTPリスナー用に「SSL有効」を選択したためです。

opmn.xmlでは、インストーラによって、「Oracle HTTP Server」セクションのssl-enabled行がtrueに設定されます。

表12-2    ケース2の例 
画面の値  構成ファイルに反映される値 

HTTPリスナー: ポート: 90

SSL有効: 選択する

HTTPロード・バランサ: ポート: 443

SSL有効: 選択する 

httpd.confでは次のようになります。

Port <default port number assigned by installer>
Listen <default port number assigned by installer>

ssl.confでは次のようになります。

Port 443
Listen 90

この場合は、さらに別の構成後手順を実行する必要があることに注意してください。詳細は、第12.7.1項「targets.xmlの更新(ケース2のみ)」を参照してください。

12.4.3 ケース3: クライアント ---[HTTPS]---> ロード・バランサ ---[HTTP]---> Oracle HTTP Server

HTTPリスナー: ポート: Oracle HTTP Serverでリスニングを行うポート番号を入力します。これは、httpd.confファイルのListenディレクティブの値です。
SSL有効: このオプションは選択しないでください。

HTTPロード・バランサ: ホスト名: HTTPSリクエストを処理するように構成されたロード・バランサ上の仮想サーバーの名前を入力します。

HTTPロード・バランサ: ポート: HTTP仮想サーバーでリスニングを行うポート番号を入力します。これは、httpd.confファイルのPortディレクティブの値です。
SSL有効: 選択します。

この構成では、ロード・バランサにSSLアクセラレーション機能が必要です。この機能がない場合は、個別のSSLアクセラレータを追加する必要があります。HTTPSからHTTPへの変換は、Oracle HTTP Serverがリクエストを受信する前に実行されます。SSLアクセラレータは、インストール前に正しく構成しておく必要があります。これは、インストーラによってチェックされません。

インストーラによって、次の行が変更されます。

表12-3    ケース3の例 
画面の値  構成ファイルに反映される値 

HTTPリスナー: ポート: 9000

SSL有効: 選択しない

HTTPロード・バランサ: ポート: 443

SSL有効: 選択する 

httpd.confでは次のようになります。

Port 443
Listen 9000

ssl.confでは次のようになります。

Port <default port number assigned by installer>
Listen <default port number assigned by installer>

12.5 OracleAS Cluster(Identity Management)構成のインストール

この構成には、既存のデータベースが必要で、それはOracleAS Metadata Repository Creation Assistantがサポートする構成内ですでに実行されている必要があります。データベースは、Real Application Clustersなど高可用性環境で実行することをお薦めします。また、Oracle Identity Managementコンポーネントを実行する追加のノード(2つ以上)も必要です。この構成では、各ノードでOracle Internet Directory、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesが実行されます。これらのコンポーネントを分散する場合は、第12.6項「分散OracleAS Cluster(Identity Management)構成のインストール」を参照してください。

これらのノードには、ロード・バランサを介してアクセスします。詳細は、図12-1を参照してください。

既存のデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールした後、このデータベースにOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

図12-1    OracleAS Cluster(Identity Management)構成


画像の説明

この項の内容は次のとおりです。

12.5.1 インストールの順序

OracleAS Cluster(Identity Management)構成を作成するには、次の手順を実行します。

  1. OracleAS Metadata Repositoryを既存のデータベースにインストールします。

  2. 各ノードにOracle Identity Managementをインストールします。各ノードでインストーラを別々に実行します。

  3. 中間層をインストールします。

12.5.2 OracleAS Metadata Repositoryのインストール

既存のデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールするには、OracleAS Metadata Repository Creation Assistantを使用します。詳細は、Oracle Application Server Metadata Repository Creation Assistantのユーザーズ・ガイドを参照してください。

12.5.3 最初のノードへのOracleAS Cluster(Identity Management)のインストール

Oracle Identity Managementコンポーネントをインストールする各ノードでインストーラを実行します。

Oracle Identity Managementコンポーネントを最初のノードにインストールする手順は、後続のノードにコンポーネントをインストールする手順とは異なります。後続のノードにコンポーネントをインストールする方法については、第12.5.4項「後続のノードへのOracleAS Cluster(Identity Management)のインストール」を参照してください。

この項の内容は次のとおりです。

12.5.3.1 staticports.iniファイルの作成

Oracle HTTP ServerまたはOracle Internet Directory以外のコンポーネントのカスタム・ポートを使用する場合は、このインストール用のstaticports.iniファイルを作成する必要があります。

Oracle HTTP ServerまたはOracle Internet Directoryのカスタム・ポートが必要な場合は、「HTTPロード・バランサのホストおよびリスニング・ポートの指定」および「LDAP仮想ホストおよびポートの指定」画面でそれらを指定します。

staticports.iniファイルにもOracle HTTP ServerおよびOracle Internet Directoryのカスタム・ポートを指定し、前述の画面でもポートを指定すると、画面で指定したポートが優先されます。

staticports.iniファイルにOracle HTTP ServerおよびOracle Internet Directoryのポートが指定されないようにするには、staticports.iniファイルに次の行が含まれないようにする必要があります

Oracle HTTP Server port = port_num
Oracle HTTP Server Listen port = port_num
Oracle HTTP Server SSL port = port_num
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_num
Oracle Internet Directory port = port_num
Oracle Internet Directory (SSL) port = port_num

また、staticports.iniファイルがある場合は、後続のノードへのインストールにも同じファイルを使用する必要があります。

12.5.3.2 最初のノードのロード・バランサでTCPの監視を無効にする

最初のノードにインストールする前に、そのノードの仮想IPに対して、TCPの監視が無効になっていることを確認する必要があります。

12.5.3.3 コール側クライアントに即座に応答するようロード・バランサを構成する

送信先のバックエンド・サービスが使用不可能なときに、コール側クライアントに即座に応答するようロード・バランサの仮想サーバーを構成することを強くお薦めします。これは、クライアント・コンピュータのTCP/IP設定に基づいてクライアントをタイムアウト後に切断する方法よりも望ましい構成です。

ロード・バランサがこのように構成されていない場合、Java Security Configuration Assistantによって次のようにレポートされる場合があります。

WARNING: DCM service may not be available at this time to synchronize $ORACLE_
HOME/j2ee/home/config/jazn-data.xml file.

インストール後にこの問題に対処する方法の詳細は、第G.2.17項「警告: この時点ではDCMサービスが使用できない場合があります。」を参照してください。

関連項目

ロード・バランサの要件の詳細は、『Oracle Application Server高可用性ガイド』を参照してください。 

12.5.3.4 OracleAS Metadata RepositoryがいずれのOracle Internet Directoryにも登録されていないことの確認

最初のノードへのインストールを実行する場合は、いずれのOracle Internet Directoryにも登録されていないOracleAS Metadata Repositoryを指定する必要があります。これはインストーラによって確認されます。OracleAS Metadata RepositoryがOracle Internet Directoryにすでに登録されていることがインストーラで確認されると、後続のノードへのインストールが行われており、最初のノードへのインストール時に作成されたクラスタに追加しようとしていると判断されます。既存のクラスタ名およびOracle Internet Directoryの接続情報の入力を要求されます。

12.5.3.5 各ノードに対する同じコンポーネントの選択

各ノードへのインストール時に、「構成オプションの選択」画面で同じコンポーネントを選択する必要があります。たとえば、最初のノードでOracle Internet Directory、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesを選択した場合は、後続のノードでも同じコンポーネントを選択する必要があります。

12.5.3.6 インストーラの実行

表12-4の手順に従います。

最初のノードにインストールする場合の注意
表12-4    最初のノードへのOracleAS Cluster(Identity Management)のインストール手順 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、第6.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

「インストール・タイプの選択」画面で、「Identity Management」を選択します。 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」を選択します。

Oracle Application Server Single Sign-On」を選択します。

Oracle Application Server Delegated Administration Service」を選択します。

Oracle Application Server Directory Integration and Provisioning」を選択します。

Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択しないでください。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

手動」を選択し、表示されたフィールドにstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。OracleAS Cluster(Identity Management)構成には、staticports.iniファイルを使用する必要があります。詳細は、第12.5.3.1項「staticports.iniファイルの作成」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

4. 

リポジトリの指定 

最初のノードにインストールする場合、Oracle Internet Directoryに登録されていないOracleAS Metadata Repositoryを指定する必要があります。後続のノードにインストールする場合、OracleAS Metadata Repositoryは最初のノード上のOracle Internet Directoryに登録されます。

ユーザー名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースにログインするために使用するユーザー名を入力します。ユーザーは、DBA権限を持っている必要があります。

パスワード: ユーザーのパスワードを入力します。

ホスト名とポート: Real Application Clustersデータベースが実行されているすべてのノードの名前およびポート番号を入力します。次の書式を使用します。

host1.domain.com:port1, host2.domain.com:port2, ...

サービス名: データベースのサービス名を入力します。サービス名には、データベースのドメイン名が含まれている必要があります。

例: orcl.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

5. 

高可用性またはレプリケーション・オプションの選択 

OracleASクラスタ(ID管理)」を選択し、「次へ」をクリックします。 

6. 

新規OracleASクラスタ名の指定 

新規OracleAS Cluster(Identity Management)の名前を入力します。クラスタ名では、大文字と小文字が区別されます。後続のノードのインストール時に使用できるように、クラスタ名を書き留めておくことをお薦めします。

例: cluster1

次へ」をクリックします。 

7. 

Internet Directoryのネームスペースの指定 

推奨されるネームスペースを選択するか、またはデフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所のカスタム・ネームスペースを入力します。

推奨されるネームスペース」に表示された値が配置要件を満たしていることを確認します。要件を満たさない場合は、「カスタム・ネームスペース」に必要な値を入力します。詳細は、第6.16項「「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面での入力」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

8. 

LDAP仮想ホストおよびポートの指定 

この画面で入力する値は、シナリオによって異なります。次の2つのシナリオが考えられます。

シナリオ1: Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-OnからOracle Internet DirectoryへのLDAPトラフィックを処理するようにロード・バランサの仮想サーバーを構成済。

シナリオ2: ロード・バランサなし。

ホスト名: シナリオ1では、このフィールドに仮想サーバーの名前を入力します。ロード・バランサに構成されたものと同じ仮想サーバー名を入力します。シナリオ2では、Oracle Internet Directoryが実行されているコンピュータの名前を入力します。

ポート値に関する注意(詳細は、第12.2.3項「ロード・バランサに対する仮想サーバーの名前およびポートの構成」を参照):

  • この画面で指定したポート番号は、staticports.iniファイルに指定されているOracle Internet Directoryポート番号より優先されます。

  • 後続のノードのOracle Internet Directoryおよびロード・バランサで同じポート番号が使用されます。

SSLポート: シナリオ1では、SSL LDAP接続を処理するように仮想サーバーに構成されたポートを入力します。シナリオ2では、Oracle Internet DirectoryでSSL接続に使用するポートを入力します。SSL LDAP接続の標準ポート番号は636ですが、任意のポートを使用できます。

非SSLポート: シナリオ1では、非SSL LDAP接続を処理するように仮想サーバーに構成されたポートを入力します。シナリオ2では、Oracle Internet Directoryで非SSL接続に使用するポートを入力します。非SSL LDAP接続の標準ポート番号は389ですが、任意のポートを使用できます。

次へ」をクリックします。 

9. 

HTTPロード・バランサのホストおよびポートの指定 

詳細は、第12.4項「Oracle HTTP Server用のSSLポートおよび非SSLポート構成」を参照してください。

HTTPリスナー: ポート: Oracle HTTP Serverでリスニングを行うポート番号を入力します。SSL有効: このオプションは、このポートでSSLに対応するOracle HTTP Serverを構成する場合に選択します。

HTTPロード・バランサ: ホスト名: ロード・バランサに構成されたHTTP仮想サーバーの名前を入力します。ロード・バランサに構成されたものと同じ仮想サーバー名を入力します。

HTTPロード・バランサ: ポート: HTTP仮想サーバーのポートを入力します。SSL有効: このオプションは、このポートがSSL通信のみに対応する場合に選択します。

次へ」をクリックします。 

10. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、第5.8項「Oracle Application Serverインスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: id_mgmt

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限の詳細は、第5.9項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

11. 

-- 

インストールを終了します。詳細は、第6.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 

12.5.4 後続のノードへのOracleAS Cluster(Identity Management)のインストール

Oracle Identity Managementコンポーネントをインストールする各ノードでインストーラを実行します。この手順は、最初のノード以外のノードにOracle Identity Managementをインストールする場合に実行します。最初のノードについては、第12.5.3項「最初のノードへのOracleAS Cluster(Identity Management)のインストール」を参照してください。

後続のノードにインストールする場合の注意

表12-5の手順に従います。

表12-5    後続のノードへのOracleAS Cluster(Identity Management)のインストール手順 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、第6.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

「インストール・タイプの選択」画面で、「Identity Management」を選択します。 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」を選択します。

Oracle Application Server Single Sign-On」を選択します。

Oracle Application Server Delegated Administration Service」を選択します。

Oracle Application Server Directory Integration and Provisioning」を選択します。

Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択しないでください。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

手動」を選択し、表示されたフィールドにstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。OracleAS Cluster(Identity Management)構成には、staticports.iniファイルを使用する必要があります。詳細は、第12.5.3.1項「staticports.iniファイルの作成」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

4. 

リポジトリの指定 

最初のノードのOracle Internet Directoryに登録したOracleAS Metadata Repositoryを指定します。

ユーザー名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースにログインするために使用するユーザー名を入力します。ユーザーは、DBA権限を持っている必要があります。

パスワード: ユーザーのパスワードを入力します。

ホスト名とポート: Real Application Clustersデータベースが実行されているすべてのノードの名前およびポート番号を入力します。次の書式を使用します。

host1.domain.com:port1, host2.domain.com:port2, ...

サービス名: データベースのサービス名を入力します。サービス名には、データベースのドメイン名が含まれている必要があります。

例: orcl.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

5. 

警告 

この警告によって、インスタンスがOracleAS Cluster(Identity Management)の一部としてインストールされていること、およびクラスタ内のノードの時計を同期する必要があることが警告されます。詳細は、第12.2.2項「すべてのノードでの時計の同期化」を参照してください。「OK」をクリックします。 

6. 

既存のOracleASクラスタ名の指定 

現行のインスタンスを追加する既存のOracleAS Cluster(Identity Management)を指定します。このクラスタは、同様のインストールを前回行った際に作成されたものです。クラスタ名では、大文字と小文字が区別されます。

例: cluster1

次へ」をクリックします。 

7. 

ODSパスワードの指定 

OracleAS Metadata Repository内のODSスキーマのパスワードを入力します。ODSスキーマは、Oracle Internet Directoryで使用される主要スキーマです。

デフォルトでは、ODSパスワードはias_adminパスワード(「インスタンス名とias_adminパスワードの指定」画面で入力したパスワード)と同じです。

次へ」をクリックします。 

8. 

LDAP仮想ホストおよびポートの指定 

この画面に入力する値は、最初のノードにインストールしたときに入力した値と同じです。インストーラはこれらの値を使用して、最初のノードのOracle Internet Directoryに接続します。

ホスト名: ロード・バランサのLDAP仮想サーバー名を入力します。ロード・バランサに構成されたものと同じ仮想サーバー名を入力します。

SSLポート: LDAP SSL接続を処理するために、ロード・バランサに構成されたポートを入力します。

非SSLポート: LDAP非SSL接続を処理するために、ロード・バランサに構成されたポートを入力します。ロード・バランサがSSLのみのモードで実行されている場合、このフィールドは画面に表示されません。

次へ」をクリックします。 

9. 

警告 

この警告は、リクエストを既存のOracleAS Cluster(Identity Management)ノードに送信するようにLDAP仮想サーバーを設定し、インストール後にこのノードをLDAP仮想サーバーに追加する必要があることを示します。詳細は、第12.2.4項「LDAP仮想サーバーの構成」を参照してください。「OK」をクリックします。 

10. 

Oracle Internet Directoryへのログインの指定 

ユーザー名: Oracle Internet Directoryにログインするためのユーザー名を入力します。Oracle Internet Directoryスーパーユーザー(cn=orcladmin)としてログインする必要があります。

パスワード: ユーザー名のパスワードを入力します。

レルム: ユーザー名の妥当性を検証するレルムを入力します。このフィールドは、Oracle Internet Directoryに複数のレルムがある場合にのみ表示されます。

次へ」をクリックします。 

11. 

HTTPロード・バランサのホストおよびポートの指定 

詳細は、第12.4項「Oracle HTTP Server用のSSLポートおよび非SSLポート構成」を参照してください。

この画面に入力する値は、最初のノードにインストールしたときに入力した値と同じです。

HTTPリスナー: ポート: Oracle HTTP Serverでリスニングを行うポート番号を入力します。SSL有効: このオプションは、このポートでSSLに対応するOracle HTTP Serverを構成する場合に選択します。

HTTPロード・バランサ: ホスト名: ロード・バランサに構成されたHTTP仮想サーバーの名前を入力します。ロード・バランサに構成されたものと同じ仮想サーバー名を入力します。

HTTPロード・バランサ: ポート: HTTP仮想サーバーのポートを入力します。SSL有効: このオプションは、このポートがSSL通信のみに対応する場合に選択します。

次へ」をクリックします。 

12. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、第5.8項「Oracle Application Serverインスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: id_mgmt

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限の詳細は、第5.9項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

13. 

-- 

インストールを終了します。詳細は、第6.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 

12.5.5 Cluster Configuration Assistantが失敗した場合

Cluster Configuration Assistantが失敗した場合でも、インストール後にインスタンスをクラスタ化できます。この場合、インスタンスをクラスタ化するには、Application Server Controlではなく、dcmctl joinclusterコマンドを使用する必要があります。Application Server Controlでは使用できないコンポーネントが含まれているインスタンスはクラスタ化できないため、Application Server Controlは使用できません。この場合は、OC4Jホーム・インスタンスが使用不可です。

12.6 分散OracleAS Cluster(Identity Management)構成のインストール

この構成には、既存のデータベースが必要で、それはOracleAS Metadata Repository Creation Assistantでサポートされている構成内ですでに実行されている必要があります。データベースは、Real Application Clustersなど高可用性環境で実行することをお薦めします。このデータベースに、OracleAS Metadata Repositoryを格納します。

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのコンポーネントを実行するためのノードも2つ必要です。また、Oracle Internet Directoryを実行するにはさらに2つのノードが必要です。これらのノードには、ロード・バランサを介してアクセスします。詳細は、図12-2を参照してください。

Oracle Directory Integration and Provisioningは最初のノードでのみ起動

インストーラでは、Oracle Directory Integration and Provisioningは、後続のノードで選択した場合でも、最初のノードでのみ起動されます。後続のノードでは、Oracle Directory Integration and Provisioningは構成されますが、起動されません。

Oracle Internet DirectoryによってSSLポートのみリスニングする場合

Oracle Internet DirectoryによってSSLポートでのみリスニングする場合は、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesをインストールした後にこの構成を実行します。OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール時には、Oracle Internet DirectoryによってSSLおよび非SSLの両方のポートでリスニングしている必要があります。

図12-2    分散OracleAS Cluster(Identity Management)構成


画像の説明

この項の内容は次のとおりです。

12.6.1 インストールの順序

分散OracleAS Cluster(Identity Management)構成を作成するには、次の手順を実行します。

  1. OracleAS Metadata Repositoryを既存のデータベースにインストールします。

  2. 各ノードにOracle Internet Directoryをインストールします。各ノードでインストーラを別々に実行します。


    注意

    SSLポートでのみリスニングするようにOracle Internet Directoryを構成する場合は、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesをインストールした後にこの構成を実行します。OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール時には、Oracle Internet DirectoryによってSSLおよび非SSLの両方のポートでリスニングしている必要があります。 


  3. 各ノードにOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesをインストールします。各ノードでインストーラを別々に実行します。

  4. 中間層をインストールします。

12.6.2 OracleAS Metadata Repositoryのインストール

既存のデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールするには、OracleAS Metadata Repository Creation Assistantを使用します。詳細は、Oracle Application Server Metadata Repository Creation Assistantのユーザーズ・ガイドを参照してください。

12.6.3 最初のノードへのOracle Internet Directoryのインストール

各ノードで別々にインストーラを実行して、Oracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

12.6.3.1 staticports.iniファイルの設定

最初のノードにOracle Internet Directoryをインストールする場合、ロード・バランサは必要ありません。ロード・バランサは、後で設定および構成できます。ただし、Oracle Internet Directoryで使用されるポート番号とロード・バランサで使用されるポート番号を同じにする必要があります。

この場合、staticports.iniファイルを作成してOracle Internet Directoryで使用するポート番号を指定します。ロード・バランサで、LDAP通信用のポート番号と同じポート番号が使用されるようになります。staticports.iniファイルには、次の行を含める必要があります。

Oracle Internet Directory port = port_num
Oracle Internet Directory (SSL) port = port_num

12.6.3.2 各インストールでの同じコンポーネントの選択

2番目のノードを最初のノードのフェイルオーバーとして設定する場合は、インストールごとに「構成オプションの選択」画面で同じコンポーネントを選択する必要があります。たとえば、最初のノードでOracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration and Provisioningを選択した場合は、後続のノードへのインストール時にもそれらを選択する必要があります。

12.6.3.3 インストーラの起動

最初のノードにOracle Internet Directoryをインストールするには、表12-6の次の手順に従います。

後続のノードにOracle Internet Directoryをインストールする方法については、第12.6.4項「後続のノードへのOracle Internet Directoryのインストール」を参照してください。

すべてのノードに対して「構成オプションの選択」画面で同じコンポーネントを選択する必要があります。たとえば、最初のノードでOracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration and Provisioningの両方を選択した場合は、この層の後続のノードへのインストール時にもそれらを選択する必要があります。

表12-6    最初のノードの分散OracleAS Cluster(Identity Management)へのOracle Internet Directoryのインストール手順 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、第6.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

「インストール・タイプの選択」画面で、「Identity Management」を選択します。 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」を選択します。

Oracle Application Server Single Sign-On」を選択しないでください。

Oracle Application Server Delegated Administration Services」を選択しないでください。

このコンポーネントが必要な場合は、「Oracle Application Server Directory Integration and Provisioning」を選択します。

Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択しないでください。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

手動」を選択し、表示されたフィールドにstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。OracleAS Cluster(Identity Management)構成には、staticports.iniファイルを使用する必要があります。詳細は、第12.6.3.1項「staticports.iniファイルの設定」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

4. 

リポジトリの指定 

最初のノードにインストールする場合、Oracle Internet Directoryに登録されていないOracleAS Metadata Repositoryを指定する必要があります。後続のノードにインストールする場合、OracleAS Metadata Repositoryは最初のノード上のOracle Internet Directoryに登録されます。

ユーザー名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースにログインするために使用するユーザー名を入力します。ユーザーは、DBA権限を持っている必要があります。

パスワード: ユーザーのパスワードを入力します。

ホスト名とポート: データベースが稼働しているコンピュータの名前を入力し、そのコンピュータによってリスニングが行われているポートのポート番号を入力します。書式には、host:portを使用します。

サービス名: データベースのサービス名を入力します。サービス名には、データベースのドメイン名が含まれている必要があります。

例: orcl.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

5. 

高可用性またはレプリケーション・オプションの選択 

OracleASクラスタ(ID管理)」を選択し、「次へ」をクリックします。 

6. 

Internet Directoryのネームスペースの指定 

推奨されるネームスペースを選択するか、またはデフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所のカスタム・ネームスペースを入力します。

推奨されるネームスペース」に表示された値が配置要件を満たしていることを確認します。要件を満たさない場合は、「カスタム・ネームスペース」に必要な値を入力します。詳細は、第6.16項「「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面での入力」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

7. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、第5.8項「Oracle Application Serverインスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: oid_das

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限の詳細は、第5.9項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

8. 

-- 

インストールを終了します。詳細は、第6.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 

12.6.4 後続のノードへのOracle Internet Directoryのインストール

この項の手順を実行する前に、第12.6.3項「最初のノードへのOracle Internet Directoryのインストール」の説明に従って、最初のノードにOracle Internet Directoryをインストールしておく必要があります。

12.6.4.1 Staticports.iniファイルは不要

このインストールでは、インストーラによって、最初のノードのOracle Internet Directoryと同じポートを使用するようにOracle Internet Directoryが構成されるため、staticports.iniファイルは必要ありません。

最初のノードのOracle Internet Directoryが起動され、実行されている必要があります。

12.6.4.2 各インストールでの同じコンポーネントの選択

2番目のノードを最初のノードのフェイルオーバーとして設定する場合は、インストールごとに「構成オプションの選択」画面で同じコンポーネントを選択する必要があります。たとえば、最初のノードでOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesを選択した場合は、後続のノードへのインストール時にもそれらを選択する必要があります。

12.6.4.3 「Oracle Internet Directoryへの登録」画面のSSLに関するチェック・ボックスは選択しない

「Oracle Internet Directoryへの登録」画面の「Oracle Internet DirectoryにはSSL接続のみ使用」チェック・ボックスは選択しないでください。

12.6.4.4 インストーラの起動

後続のノードにOracle Internet Directoryをインストールするには、次の手順を実行します。

表12-7    後続のノードの分散Oracle Internet DirectoryへのOracleAS Cluster(Identity Management)のインストール手順 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、第6.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

「インストール・タイプの選択」画面で、「Identity Management」を選択します。 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」を選択します。

Oracle Application Server Single Sign-On」を選択しないでください。

Oracle Application Server Delegated Administration Services」を選択しないでください。

このコンポーネントが必要な場合は、「Oracle Application Server Directory Integration and Provisioning」を選択します。

Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択しないでください。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

自動」を選択します。インストーラによって、最初のノードのOracle Internet Directoryと同じポートを使用するようにOracle Internet Directoryが構成されます。

次へ」をクリックします。 

4. 

リポジトリの指定 

最初のOracle Internet Directoryに入力した内容と同じ接続情報を入力します。

ユーザー名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースにログインするために使用するユーザー名を入力します。ユーザーは、DBA権限を持っている必要があります。

パスワード: ユーザーのパスワードを入力します。

ホスト名とポート: データベースが稼働しているコンピュータの名前を入力し、そのコンピュータによってリスニングが行われているポートのポート番号を入力します。書式には、host:portを使用します。

サービス名: データベースのサービス名を入力します。サービス名には、データベースのドメイン名が含まれている必要があります。

例: orcl.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

5. 

警告 

この警告によって、インスタンスがOracleAS Cluster(Identity Management)の一部としてインストールされていること、およびクラスタ内のノードの時計を同期する必要があることが警告されます。詳細は、第12.2.2項「すべてのノードでの時計の同期化」を参照してください。「OK」をクリックします。 

6. 

ODSパスワードの指定 

OracleAS Metadata Repository内のODSスキーマのパスワードを入力します。ODSスキーマは、Oracle Internet Directoryで使用される主要スキーマです。

デフォルトでは、ODSパスワードはias_adminパスワード(「インスタンス名とias_adminパスワードの指定」画面で入力したパスワード)と同じです。

次へ」をクリックします。 

7. 

Oracle Internet Directoryへのログインの指定 

ユーザー名: 最初のOracle Internet Directoryにログインするためのユーザー名を入力します。Oracle Internet Directoryスーパーユーザー(cn=orcladmin)としてログインする必要があります。

パスワード: ユーザー名のパスワードを入力します。

レルム: ユーザー名の妥当性を検証するレルムを入力します。このフィールドは、Oracle Internet Directoryに複数のレルムがある場合にのみ表示されます。

次へ」をクリックします。 

8. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、第5.8項「Oracle Application Serverインスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: oid_das

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限の詳細は、第5.9項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

12.6.5 各ノードへのOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール

各ノードで別々にインストーラを実行して、次のOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

12.6.5.1 staticports.iniファイルの設定

Oracle HTTP Server以外のコンポーネントのカスタム・ポートを使用する場合は、このインストール用のstaticports.iniファイルを作成する必要があります。

Oracle HTTP Serverにカスタム・ポートが必要な場合は、「HTTPロード・バランサのホストおよびリスニング・ポートの指定」画面でそれらを指定します。

staticports.iniファイルにもOracle HTTP Serverのカスタム・ポートを指定し、前述の画面でもポートを指定すると、画面で指定したポートが優先されます。

staticports.iniファイルにOracle HTTP Serverのポートが指定されないようにするには、staticports.iniファイルに次の行が含まれないようにする必要があります

Oracle HTTP Server port = port_num
Oracle HTTP Server Listen port = port_num
Oracle HTTP Server SSL port = port_num
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_num

また、staticports.iniファイルがある場合は、後続のノードへのインストールにも同じファイルを使用する必要があります。

12.6.5.2 インストーラの起動

インストーラを起動する場合の注意点は、次のとおりです。

表12-8    分散OracleAS Cluster(Identity Management)構成へのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、第6.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

「インストール・タイプの選択」画面で、「Identity Management」を選択します。 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」を選択しないでください。

Oracle Application Server Single Sign-On」を選択します。

Oracle Application Server Delegated Administration Service」を選択します。

このコンポーネントが必要な場合は、「Oracle Application Server Directory Integration and Provisioning」を選択します。

Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択しないでください。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

手動」を選択し、表示されたフィールドにstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。OracleAS Cluster(Identity Management)構成には、staticports.iniファイルを使用する必要があります。詳細は、第12.6.5.1項「staticports.iniファイルの設定」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

4. 

高可用性オプションの選択 

OracleASクラスタ(ID管理)」を選択し、「次へ」をクリックします。 

5. 

OracleASクラスタ(ID管理)の作成または追加 

最初のノードでは、「新規OracleASクラスタの作成」を選択します。

後続のノードでは、「既存のクラスタに追加」を選択します。

次へ」をクリックします。 

6. 

新規OracleASクラスタ名の指定

- または -

既存のOracleASクラスタ名の指定 

最初のノードでは、新規OracleAS Cluster(Identity Management)の名前を入力します。

例: cluster1

後続のノードでは、既存のOracleAS Cluster(Identity Management)の名前を入力します。注意: 入力した名前が正しいことを確認してください。この名前の確認は、インストーラでは行われません。名前が正しくない場合、インストールに失敗します。

次へ」をクリックします。 

7. 

LDAP仮想ホストおよびポートの指定 

インストーラで、この画面の値を使用してOracle Internet Directoryに接続します。

ホスト名: ロード・バランサのLDAP仮想サーバー名を入力します。ロード・バランサに構成されたものと同じ仮想サーバー名を入力します。

SSLポート: LDAP SSL接続を処理するために、ロード・バランサに構成されたポートを入力します。

Oracle Internet DirectoryがSSLのみに構成されている場合は、「このLDAP仮想ホストにはSSL接続のみ使用」オプションを選択します。それ以外の場合は、「非SSLポート」フィールドに、このロード・バランサの非SSLポート番号を入力します。

次へ」をクリックします。 

8. 

Oracle Internet Directoryへのログインの指定 

ユーザー名: 前述の画面で指定したロード・バランサのホストおよびポートを介してアクセスするOracle Internet Directoryにログインするためのユーザー名を入力します。

Oracle Internet Directoryのスーパーユーザー(cn=orcladmin)またはOracle Internet Directoryで必要なグループに属するユーザーとしてログインします。必要なグループは、インストールするコンポーネントによって異なります。詳細は、第8.3項「コンポーネントの構成または削除に必要なグループ」を参照してください。

パスワード: ユーザー名のパスワードを入力します。

レルム: ユーザー名の妥当性を検証するレルムを入力します。このフィールドは、Oracle Internet Directoryに複数のレルムがある場合にのみ表示されます。

次へ」をクリックします。 

9. 

HTTPロード・バランサのホストおよびポートの指定 

詳細は、第12.4項「Oracle HTTP Server用のSSLポートおよび非SSLポート構成」を参照してください。

この画面に入力する値は、すべてのノードで同じである必要があります。

HTTPリスナー: ポート: Oracle HTTP Serverでリスニングを行うポート番号を入力します。SSL有効: このオプションは、このポートでSSLに対応するOracle HTTP Serverを構成する場合に選択します。

HTTPロード・バランサ: ホスト名: ロード・バランサに構成されたHTTP仮想サーバーの名前を入力します。ロード・バランサに構成されたものと同じ仮想サーバー名を入力します。

HTTPロード・バランサ: ポート: HTTP仮想サーバーのポートを入力します。SSL有効: このオプションは、このポートがSSL通信のみに対応する場合に選択します。

次へ」をクリックします。 

10. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、第5.8項「Oracle Application Serverインスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: das_sso

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限の詳細は、第5.9項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

11. 

-- 

インストールを終了します。詳細は、第6.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 

12.6.5.3 Cluster Configuration Assistantが失敗した場合

インストール後に、インスタンスをクラスタ化できます。詳細は、第12.5.5項「Cluster Configuration Assistantが失敗した場合」を参照してください。

12.7 インストール後の手順

すべてのノードにOracle Identity Managementコンポーネントをインストールした後、すべてのノードにリクエストが送られるようにロード・バランサを再構成します。インストールを開始する前に、リクエストがノード1にのみ送られるようにロード・バランサを構成したためです。詳細は、第12.2.4項「LDAP仮想サーバーの構成」を参照してください。

12.7.1 targets.xmlの更新(ケース2のみ)

次の構成手順は、第12.4.2項「ケース2: クライアント ---[HTTPS]---> ロード・バランサ ---[HTTPS]---> Oracle HTTP Server」のインストールのシナリオにのみ必要です。

このケースでは、クラスタの各物理ホストで、targets.xmlファイルのoracle_sso_serverエントリを、ローカルのSSLポートを監視するように再構成する必要があります。


注意

ホスト名は同じままにしておきます。ホスト名を変更しないでください。 


次の手順を実行して、クラスタの各ノードでtargets.xmlを更新します。

  1. targets.xmlファイルのバックアップを作成します。

    cp ORACLE_HOME/sysman/emd/targets.xml
        ORACLE_HOME/sysman/emd/targets.xml.BACKUP
    
    
  2. ファイルを開き、oracle_sso_serverのターゲットのタイプを検索します。このターゲット・エントリ内で、次の2つの属性を検索し編集します。

    • HTTPPort: サーバーのSSLポート番号。

    • HTTPProtocol: サーバー・プロトコルで、このケースではHTTPSです。

      たとえば、2つの属性を次のように更新できます。

      <Property NAME="HTTPPort" VALUE="4443"/>
      <Property NAME="HTTPProtocol" VALUE="HTTPS"/>
      
      
  3. ファイルを保存して閉じます。

  4. OracleASコンソールを再ロードします。

    ORACLE_HOME/bin/emctl reload

12.8 OracleAS Cluster(Identity Management)構成への中間層のインストール

インストール前

中間層のインストールを開始する前に、Oracle Internet Directoryの1つのノードのみを指すように、Oracle Internet Directoryで使用しているLDAPロード・バランサを構成します。

インストール

OracleAS Cluster(Identity Management)構成に中間層をインストールする場合は、第7章「中間層のインストール」で説明している手順に従います。

Oracle Internet Directoryのホストおよびポートを入力するようにインストーラによって要求された場合は、ロード・バランサに構成されているLDAP仮想ホスト名および関連付けられたポートを入力します。

インストール後

中間層のインストール後、Oracle Internet Directoryのすべてのノードを指すようにLDAPロード・バランサを再構成できます。


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