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Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド
10g リリース3（10.1.3.1.0）
B31916-01
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2 アップグレードの概念

この章では、Oracle Application Server 10g リリース3（10.1.3.1.0）と、10g リリース3（10.1.3.1.0）にアップグレードする意図について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

2.1 Oracle Application Server 10g リリース3（10.1.3.1.0）の概要

Oracle Application Server 10g リリース3（10.1.3.0.0）は、完全なJava 2, Enterprise Edition（J2EE）1.4準拠の環境を提供する新しい重要なリリースでした。

Oracle Application Server 10g リリース3（10.1.3.1.0）は、10g リリース3（10.1.3.0.0）のリリースに対するアップグレードであり、10g リリース3（10.1.3.0.0）の信頼性とパフォーマンスが向上され、追加機能がいくつか提供されています。

10g リリース3（10.1.3.0.0）の場合と同様に、10g リリース3（10.1.3.1.0）には、10g （9.0.4）および10g リリース2（10.1.2）で使用できたすべてのOracle Application Serverコンポーネントが含まれているわけではありません。

Oracle Application Server 10g リリース3（10.1.3.1.0）は、次の項目を特に考慮して設計されています。

詳細は、次の項を参照してください。

2.1.1 10g リリース3（10.1.3.0.0）で導入された新機能

表2-1に、10g リリース3（10.1.3.0.0）で新しく導入されたコンポーネントおよび機能の概要を示します。これらの機能は、10g リリース3（10.1.3.1.0）でもそのまま使用可能であるか、または改良されました。

表2-1    Oracle Application Server 10g リリース3（10.1.3.0.0）の主要機能 
機能の説明  詳細情報 

新しいリリースのOracle Containers for J2EE（OC4J）では、J2EE 1.4仕様で認可されているコンテナ、APIおよびサービスが提供されます。 

『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』 

J2EE Management、J2EE Application Deployment仕様などのJava Management Extensions（JMX）テクノロジに基づいた新しいリリースのApplication Server Control。 

『Oracle Application Server管理者ガイド』の管理ツールの概要 

新しいリリースのOracle Process Manager and Notification Server（OPMN）。Oracle Application Server10g リリース3（10.1.3.0.0）インスタンス用のクラスタリング機能を提供します。 

付録B「10g リリース3（10.1.3.1.0）と以前のリリースの相違点」 

新しいリリースのOC4Jでは、より柔軟な方法で、OC4Jインスタンスをグループ化してJ2EEアプリケーションをクラスタ・トポロジに簡単にデプロイおよび管理できます。 

付録B「10g リリース3（10.1.3.1.0）と以前のリリースの相違点」 

クラスタ・トポロジの導入。これによって、アプリケーション・サーバー・インスタンス、OC4Jインスタンス、Oracle HTTP Serverインスタンス、およびOracle Application Server環境内のOC4Jグループの階層と、それらの関係を識別します。 

B.1項「OracleAS Farmのかわりとしてのクラスタ・トポロジの使用」 

2.1.2 10g リリース3（10.1.3.1.0）で導入された新機能

表2-2に、10g リリース3（10.1.3.1.0）で導入された追加機能の概要を示します。

表2-2    Oracle Application Server 10g リリース3（10.1.3.1.0）の新機能 
機能の説明  詳細情報 

開発者が業界標準のSOAアプリケーションを構築およびデプロイするために使用できる一連のService Oriented Architecture（SOA）コンポーネント（Oracle SOA Suite）のサポート。 

第5章「10g リリース3（10.1.3.1.0）のSOAコンポーネントの利用」 

Application Server Controlコンソールの新機能。これには、OC4Jインスタンスを作成し、それらをOC4Jグループに編成する機能と、クラスタ・トポロジ内のポート、ルーティングIDおよびアプリケーション・サーバー・インスタンスを確認および構成する機能が含まれます。 

『Oracle Application Server管理者ガイド』の管理ツールの概要 

OC4J Java Single Sign-On（Java SSO）のサポート。これは、OC4Jとともに提供されるSingle Sign-Onの軽量なソリューションです。 

『Oracle Application Server管理者ガイド』のOC4J Java Single Sign-Onを使用するためのインスタンスの構成に関する項 

Web Services Inspection Language（WSIL）のサポート。これは、サービスの単一ドキュメント・カタログに対して拡張可能なスキーマを提供する軽量なWebサービス・ディレクトリ・プロトコルです。 

『Oracle Application Server Web Services開発者ガイド』のWeb Service Inspection Language 1.0に関する項 

2.2 サポートされているアップグレード・パス

このマニュアルでは、新しいOracle Application Server 10g リリース3（10.1.3.1.0）環境にOracle Application Server 10g （9.0.4）および10g リリース2（10.1.2）のJ2EEアプリケーションを再デプロイする方法について説明します。

リリース2（9.0.2）以下のOracle Application Serverを使用している場合は、このマニュアルの手順を実行する前に、ご使用の環境を10g （9.0.4）または10g リリース2（10.1.2）にアップグレードする必要があります。

関連項目:

Oracle Technology Network（OTN）の10g （9.0.4）または10g リリース2（10.1.2.0.2）のドキュメント・ライブラリにあるOracle Application Serverのアップグレード・ガイドを参照してください。 

http://www.oracle.com/technology/documentation/
 

Oracle Application Server 10g リリース3（10.1.3.0.0）を使用している場合は、10g リリース3（10.1.3.0.0）の既存のOracleホーム・ディレクトリに10g リリース3（10.1.3.1.0） Patch Set 1を適用します。

関連項目:

『Oracle Application Server Patchset Notes 10g Release 3 (10.1.3.1.0) Patch Set 1 (10.1.3.1.0)』を参照してください。これは、OracleMetaLinkから入手できます。 

2.3 現在のOracle Application Server環境の確認

アップグレード処理を開始する前に、現在のOracle Application Server環境を理解しておく必要があります。たとえば、次のような質問に回答できる必要があります。

このような質問に回答できるのであれば、10g リリース3（10.1.3.1.0）の新しい環境における同等のトポロジの選択や、10g （9.0.4）または10g リリース2（10.1.2）のアプリケーションを10g リリース3（10.1.3.1.0）にデプロイするために必要となる場合がある構成タスクの実行が容易になります。

2.4 アップグレード・ツールおよび準拠するルール

10g リリース2（10.1.2）などの以前のリリースのOracle Application Serverとは異なり、10g リリース3（10.1.3.1.0）へのアップグレードには、特定のアップグレード・ツールを使用しません。

かわりに、Oracle Universal Installerを使用して、10g リリース3（10.1.3.1.0）の新しい環境をインストールし、必要な構成変更を行い、使用しているアプリケーションが10g リリース3（10.1.3.1.0）と互換性があることを確認してから、10g （9.0.4）および10g リリース2（10.1.2）のアプリケーションを10g リリース3（10.1.3.1.0）に再デプロイします。

アプリケーションを10g リリース3（10.1.3.1.0）に再デプロイする前に、付録C「10g （9.0.4）および10g リリース2（10.1.2）アプリケーションの再デプロイ時における考慮事項」に示す考慮事項を含め、このマニュアルの指示に厳密に従ってください。

2.5 10g リリース3（10.1.3.1.0）へのアップグレード時におけるシステムの可用性およびバックアップ計画

10g （9.0.4）または10g リリース2（10.1.2）から10g リリース3（10.1.3.1.0）にアップグレードする場合、既存のインストールに対する変更はありません。かわりに、10g リリース3（10.1.3.1.0）の新しいOracleホームをインストールおよび構成し、アプリケーションを新しい環境に再デプロイします。

このため、アップグレードのために特別なバックアップを実行したり、アップグレードの処理中に既存の環境を停止する必要はありません。アップグレード手順は、既存のインストールから独立して実行できます。10g リリース3（10.1.3.1.0）の新しい環境が完全に稼働するまでは、現行の環境に対する通常のバックアップおよびメンテナンスの既存のスケジュールを持続するだけです。

アップグレード操作は別のホストで実行できます（別のホストで実行する必要があります）。アップグレードが完了し、再デプロイしたアプリケーションが正常に動作することを確認してから、任意のタイミングでスイッチオーバーし、10g リリース3（10.1.3.1.0）の新しいインストールの使用を開始します。

ただし、アプリケーションがデータベースや他のバックエンド・コンポーネント（LDAPディレクトリなど）に依存している場合は、10g リリース3（10.1.3.1.0）の新しい環境への移行時にデータが損失しないように注意する必要があります。

同様に、10g （9.0.4）または10g リリース2（10.1.2）のOracleAS Clusterにわたるアプリケーションの状態レプリケーションは、10g リリース3（10.1.3.1.0）へのスイッチオーバー時に損失します。10g リリース3（10.1.3.1.0）における状態レプリケーションおよびアプリケーションのクラスタリングの詳細は、『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』を参照してください。

2.6 以前のOracle Application Serverユーザー用のドキュメント・ロードマップ

Oracle Application Server 10g リリース3（10.1.3.1.0）をさらに理解するには、次に示すドキュメント・リソースを参照してください。たとえば、次の順序で10g リリース3（10.1.3.1.0）マニュアルを参照することを検討してみてください。

  1. 使用するプラットフォームに応じたOracle Application Serverのインストレーション・ガイドを参照してください。

    特に、10g リリース3（10.1.3.1.0）のインストール時に考慮する必要がある一般的な構成については、推奨されるトポロジに関する項を参照してください。

  2. 『Oracle Application Serverエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』を参照してください。このマニュアルでは、Oracle Application Serverのエンタープライズ全体のデプロイで10g リリース3（10.1.3.1.0）を中間層として使用する場合の詳細例が提供されています。

  3. 10g リリース3（10.1.3.1.0）環境の管理に使用可能なツールおよび手順の詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

  4. OC4J 10g リリース3（10.1.3.1.0）インスタンスの管理の概要は、『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』を参照してください。

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