pack および unpack コマンドを使用したテンプレートとドメインの作成

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コマンド リファレンス : pack および unpack

この節では、pack および unpack コマンドの目的、構文およびパラメータを説明します。

pack

pack は、ドメイン全体またはドメインのサブセットのスナップショットを含むテンプレート アーカイブ (.jar) ファイルを作成するコマンドです。ドメインのサブセットを含むテンプレートを使用して、リモート マシン上に管理対象サーバ ドメインのディレクトリ階層を作成できます。

表 2-1 は、pack コマンドを使用して作成したテンプレートに含まれるファイルとディレクトリを説明しています。

表 2-1 ファイルとディレクトリ
テンプレート タイプ
ファイルとディレクトリ
ドメイン
次の例外を含めて、ソース ドメインのすべてのファイルとディレクトリが組み込まれる。
  • サーバの起動時に作成される一時ファイル
  • servers ディレクトリ
  • security ディレクトリに格納されている、ドメイン作成時に自動的に作成されるファイル DefaultAuthenticatorInit.ldift および XACMLRoleMapperInit.ldift

注意 : WebLogic Server Administration Console またはその他のオンライン ツールを使用して、ユーザ、グループ、ロールなどの追加のセキュリティ データをコンフィグレーションした場合、そのセキュリティ データは LDAP サーバに格納されており、テンプレートには組み込まれない。最初にデータをエクスポートしてから対象ドメインにインポートする必要がある。

管理対象サーバ
次のファイルとディレクトリは、デフォルトで組み込まれる。
  • ルート ディレクトリに格納されている、.cmd.sh.xml.properties.ini の拡張子を持つすべてのファイル
  • ドメインの SSL コンフィグレーションに定義されている、拡張子 .pem を持つファイル
  • bin ディレクトリ
  • lib ディレクトリ
  • config ディレクトリ内のすべてのファイルとサブディレクトリ
次のファイルとディレクトリは、デフォルトでは管理対象サーバ テンプレートに組み込まれない。
  • アプリケーションと特定のアプリケーション初期化ファイル
  • サーバの起動時に作成される一時ファイル
  • servers ディレクトリ
  • security ディレクトリに格納されている、ドメイン作成時に自動的に作成されるファイル (DefaultAuthenticatorInit.ldiftXACMLRoleMapperInit.ldift など)

注意 : テンプレート作成元のドメインの config.xml ファイルには、対象のリモート マシンの IP アドレスとポートを指定する管理対象サーバ定義が含まれている必要がある。そのドメインから作成する管理対象サーバ テンプレートは、unpack コマンドを使用して、指定されたリモート マシン上に config.xml ファイルに定義されている管理対象サーバの管理対象サーバ ドメイン ディレクトリを作成するために使用できる。

構文

pack -domain=domain -template=template -template_name=“template_name” [-template_author=“author”][-template_desc=“description”] [-managed={true|false}][-log=log_file] [-log_priority=log_priority]

パラメータ

表 2-2 は、pack コマンドと一緒に使用可能なパラメータを説明しています。

表 2-2 パラメータ : pack コマンド 
パラメータ
必須または省略可能
説明
-domain=domain
必須
テンプレートの作成元ドメインの絶対または相対パス。
-template=template
必須
作成するテンプレートの絶対または相対パスとファイル名。テンプレート ファイル名には .jar 拡張子を付ける必要がある。
-template_name=“template_name”
必須
テンプレートを表す名前。このパラメータの値にスペースが含まれている場合にのみ、引用符で囲む必要がある。
-template_author=“author”
省略可能
テンプレートの作成者の名前。このパラメータの値にスペースが含まれている場合にのみ、引用符で囲む必要がある。
-template_desc=“description”
省略可能
テンプレートの説明。このパラメータの値にスペースが含まれている場合にのみ、引用符で囲む必要がある。
-managed={true|false}
省略可能
リモート マシンに管理対象サーバを作成するためにテンプレートを使用するかどうかを指定する。デフォルトは false
このパラメータが true に設定されているときは、SerializedSystemIni.datconfig.xmlnm_password.properties などの最小限のファイルを含む管理対象サーバ テンプレートが作成される。これには、その管理対象サーバ テンプレートに固有の domain.properties ファイルも含まれる。
アプリケーションと特定のアプリケーション初期化ファイルは組み込まれない。
作成されたテンプレートは、リモート マシンに管理対象サーバを作成するために使用できる。
-log=log_file
省略可能
ログ ファイルの名前。
-log_priority=log_priority
省略可能
ログ ファイルの優先順位の設定。log4j 優先順位文字列を使用する。Valid log4j 優先順位文字列は、debuginfowarnerrorfatal。優先順位文字列の値は、Level クラスに定義されているレベルに対応している。

例 :

C:\bea\user_projects\domains ディレクトリに配置する mydomain という既存のドメインを元にテンプレートを作成するには、以下のコマンドを実行します。

pack -domain=C:\bea\user_projects\domains\mydomain -template=C:\bea\user_templates\mydomain.jar -template_name="My WebLogic Domain"

mydomain.jar というテンプレートが C:\bea\user_templates ディレクトリに作成されます。テンプレートの名前は、My WebLogic Domain です。

関連トピック

リモート マシンにおける管理対象サーバの作成と起動 : 主な手順

unpack

unpack コマンドを使用すると、リモート マシンの管理対象サーバ ドメイン ディレクトリに使用されるドメイン全体またはドメインのサブセットが作成されます。unpack は、現在のインストールと互換性のあるテンプレートでのみ使用できます。テンプレートは以下のいずれかです。

ドメイン テンプレートで unpack コマンドを使用すると、テンプレートに定義されているアプリケーション ファイルとリソース ファイルすべてを含むドメインが作成されます。また、起動スクリプトおよび特定のセキュリティ ファイルとコンフィグレーション ファイルも作成されます。

管理対象サーバ テンプレートで unpack コマンドを使用すると、以下を含む管理対象サーバ ドメイン ディレクトリが作成されます。

管理対象サーバ ドメイン ディレクトリ用のエントリも NM_HOME/nodemanager.domains ファイルに作成されます。ここで、NM_HOME は、リモート マシンの製品インストール用のノード マネージャ インストール ディレクトリを示します。デフォルトでは、このディレクトリが WL_HOME/common/nodemanager に存在しています。

注意 : pack コマンドを使用して作成された管理対象サーバ テンプレートには、デフォルトではアプリケーション ファイルは含まれません。管理対象サーバ テンプレートの作成元ドメイン内に、external_stage モードを使用してデプロイされたアプリケーションがある場合、unpack コマンドを使用して作成される管理対象サーバ ドメイン ディレクトリに、それら external_stage モードのアプリケーションは含まれません。管理対象サーバを起動する前には、該当する external_stage モードのアプリケーションのファイルにその管理対象サーバからアクセスできることを確認する必要があります。詳細については、『WebLogic Server アプリケーションのデプロイメント』の「ステージング モードによるデプロイメント ファイルのコピーの制御」を参照してください。

pack および unpack コマンドを使用して管理対象サーバ ドメイン ディレクトリを作成する方法の詳細については、「リモート マシンにおける管理対象サーバの作成と起動 : 主な手順」を参照してください。

構文

unpack -template=template -domain=domain [-user_name=username] [-password=password] [-app_dir=application_directory]
[-java_home=java_home_directory] [-server_start_mode={dev|prod}]
[-log=log_file] [-log_priority=log_priority]

パラメータ

表 2-3 は、unpack コマンドと一緒に使用可能なパラメータを説明しています。

表 2-3 Unpack コマンドのパラメータ
パラメータ
必須または省略可能
説明
-template=template
必須
ドメインの作成に使用されるテンプレートの絶対または相対パスとファイル名。
-domain=domain
必須
作成するドメインの絶対または相対パス。
-user_name=username
-password=password
省略可能
テンプレートに現在定義されているデフォルトの管理者のユーザ名とパスワード。このユーザ名とパスワードの組み合わせは、管理サーバの起動および管理サーバとの接続に使用される。デフォルトの管理者に新しいパスワードを指定した場合、パスワードは指定した値にリセットされる。

注意 : デフォルトの管理者のパスワードがテンプレートに定義されていない場合は、指定する必要がある。

管理ユーザがテンプレートに定義されていない場合は、-user_name-password パラメータを指定して新しいデフォルトの管理者を作成できる。
デフォルトの管理者とパスワードが現在テンプレートに定義されている場合は、-user_name-password パラメータを指定して新しい管理ユーザを追加できる。
値としてコンマ、タブまたは< > # | & ? の入力は不可。( ){ } を含めることはできない。ユーザ名では、大文字と小文字が区別される。
有効なパスワードは 8 つ文字以上の文字列で、大文字と小文字が区別される。unpack コマンドではパスワード値が暗号化される。

注意 : これらのパラメータは、管理対象サーバ テンプレートを使用してドメインを作成する場合には使用できない。

-app_dir=application_directory
省略可能
テンプレートに定義されているアプリケーションを格納するために使用するディレクトリの絶対パス。

注意 : このパラメータは、テンプレートが個別のアプリケーション ディレクトリをサポートしている場合にのみ使用できる。

-java_home=java_home_directory
省略可能
Java ホーム ディレクトリの絶対パス。設定した場合は、ドメインの管理サーバによって使用されるデフォルトの JVM が識別される。

注意 : このパラメータは、管理対象サーバ テンプレートを基にドメインを作成する場合には使用できない。

-server_start_mode={dev|prod}
省略可能
管理サーバの起動モード (開発またはプロダクション)。

注意 : このパラメータは、管理対象サーバ テンプレートを使用してドメインを作成する場合には使用できない。

-log=log_file
省略可能
ログ ファイルの名前。
-log_priority=log_priority
省略可能
ログ ファイルの優先順位の設定。log4j 優先順位文字列を使用する。Valid log4j 優先順位文字列は、debuginfowarnerrorfatal。優先順位文字列の値は、Level クラスに定義されているレベルに対応している。

例 :

C:\bea\user_projects\domains ディレクトリの my_new_domain というテンプレートを使用して C:\bea\user_templates ディレクトリに mydomain.jar というドメインを作成するには、以下のコマンドを実行します。

unpack -template=C:\bea\user_templates\mydomain.jar -domain=C:\bea\user_projects\domains\my_new_domain

関連トピック

リモート マシンにおける管理対象サーバの作成と起動 : 主な手順


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