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メンテナンス更新ファイルおよび Service Pack のインストール

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個別のドメインまたはサーバへのパッチ適用

インストール環境全体を対象とすることが必須でないパッチは、カスタム パッチ プロファイルを使用することにより、特定のドメインまたはサーバのみに対して適用できます。

この節では、以下のトピックを取り上げます。

 


ドメインまたはサーバへのパッチ適用について

パッチをダウンロードして適用する際、パッチはデフォルトで対象インストール全体に対して有効になります。インストール全体にパッチが適用された環境で実行するようにコンフィグレーションされているドメインやサーバはすべて、その環境に適用されたパッチを使用して実行されます。しかし、場合によっては、プロダクション環境内の特定のサーバまたはドメインだけを異なるパッチ レベルで実行することが必要になります。そのようなニーズを満たすため、Smart Update では、インストール環境全体を対象とすることが必須でない特定のパッチを、個別のドメイン、サーバ、またはクラスタに対して適用できます。

たとえば、(a) 1 つの BEA ホーム ディレクトリに複数の BEA Products がインストールされている状態で、(b) それらのうち 1 つの製品しか使用しないドメインがある場合、そのようなドメインでは、使用する特定の製品に適用されているパッチだけを参照するようにすることをお勧めします。

インストール全体に対して有効にすることが適切でない 1 つまたは複数のパッチを個別のドメインまたはサーバから参照するには、大まかにいって、次の 3 つの手順からなる作業が必要となります。

  1. カスタム パッチ プロファイルを作成する。
  2. 対応するドメインまたはサーバの適切な起動スクリプトに、カスタム パッチ プロファイルへのポインタを挿入する。
  3. カスタム パッチ プロファイルに目的のパッチを適用する。

図 6-1 では、この手順の詳細を示しています。

図 6-1 個別のドメイン、クラスタ、またはサーバからカスタム パッチ プロファイルを参照する方法

ドメイン、クラスタ、またはサーバからカスタム パッチ プロファイルを参照するための手順


 

 


カスタム プロファイルによって個別のドメインおよびサーバにパッチを適用する方法

デフォルトでは、デフォルト パッチ プロファイルに含まれるすべてのパッチが、インストール環境全体のすべてのドメインとサーバに対して有効になります。ただし、カスタム パッチ プロファイル内のパッチは、インストール環境内の一部のドメインまたはサーバのみに対して有効にすることができます。「すべてのドメインおよびサーバに対して自動的に有効になるパッチ」で説明するように、システム全体のリソースを置き換えるパッチは、一部のドメインやサーバのみを選択的に対象とすることはできません。しかし、起動スクリプトでロードされることによりシステム内にある同名の既存リソースに取って代わるようなクラスまたはライブラリ ファイルのパッチについては、選択的に対象を指定できます。

これ以降の節では、個別のドメインおよびサーバにパッチを適用するためにカスタム パッチ プロファイルを使用する方法の背景情報について説明します。

ドメインまたはサーバでカスタム プロファイル内のパッチを参照する方法

コンフィグレーション ウィザードを使用してドメインを作成すると、ドメインに対して次のスクリプトが作成されます。

注意 : 詳細については、「すべてのドメインおよびサーバで使用されるクラスパスとライブラリ パスを定義したデフォルト スクリプト」を参照してください。

デフォルトでは、製品インストール スクリプト commEnv で提供される環境変数 PATCH_CLASSPATHWEBLOGIC_EXTENSION_DIRSPATCH_LIBPATH、および PATCH_PATH の値は、そのインストール環境で実行されるすべてのサーバ インスタンスで使用されます。ただし、ドメイン レベルのスクリプトでこれらの変数の値をオーバライドした場合は、ドメイン レベルのスクリプトで起動された WebLogic Server インスタンスによってのみ新しい値が使用されます。

注意 : 1 つのパッチ変数の定義において、複数のパッチ マニフェスト JAR を参照してはなりません。複数のパッチ マニフェスト JAR ファイルを参照すると、実行時に予期しない動作が発生するおそれがあります。

起動スクリプト内でパッチ パス変数の定義を変更することは、起動スクリプトから起動されるサーバでカスタム パッチ プロファイル内にあるパッチを参照する便利な方法です。たとえば、カスタム パッチ プロファイルに適用されているパッチに含まれる WebLogic システム クラスをサーバから参照する場合は、そのサーバの起動スクリプトに PATCH_CLASSPATH 変数の定義を追加し、その変数をカスタム パッチ プロファイル内のパッチ マニフェスト JAR ファイルのパスに設定するだけで済みます。同様に、カスタム パッチ プロファイルのネイティブ ライブラリ ファイルをサーバまたはドメインから参照するには、そのネイティブ ファイルを含むカスタム パッチ プロファイルにディレクトリへの参照を追加します。この参照を追加するには、適切なサーバまたはドメイン用の起動スクリプトに PATCH_PATH または PATCH_LIBPATH 変数の定義を追加します。

注意 : 起動スクリプト内にパッチ パス変数の定義を追加する際は、別の起動スクリプトを呼び出すステートメントよりも前に定義を記述する必要があります。たとえば、setDomainEnv スクリプトにパッチ パス変数の定義を追加する場合、commEnv スクリプトを呼び出すステートメントよりも前に追加してください。この位置関係を守れば、追加した定義がその後呼び出される別の起動スクリプト内の定義によって上書きされることはありません。

起動スクリプトの変更方法は、Smart Update によって強制または制限されることはありません。ただし、コンフィグレーション ウィザードなどの標準ツールによってデフォルトで作成される起動スクリプトの内容と、ツールによって決定されるデフォルトの格納場所にはそのまま従うことをお勧めします。そうすることで、パッチ プロファイル内のパッチを参照するよう修正が必要な起動スクリプトを見つける機能や、それらのスクリプトに追加する具体的な変更内容の候補を表示する機能が期待どおりに動作し、Smart Update をより便利に利用できます。

図 6-2 は、インストール環境で使用される 2 つのパッチ プロファイルであるデフォルト パッチ プロファイルとカスタム パッチ プロファイルを示しています。この図では以下のことを示しています。

サーバからパッチ クラスを参照する PATCH_CLASSPATH の使用例

次の PATCH_CLASSPATH 変数は、カスタム プロファイル ProductionServer1 内にあるパッチ マニフェスト JAR ファイル weblogic_patch.jar を参照します。

set PATCH_CLASSPATH=
%BEA_HOME%\patch_weblogic910\profiles\ProductionServer1
\sys_manifest_classpath\weblogic_patch.jar

あるドメイン用の startWebLogic スクリプトに前述の定義が追加されると、そのスクリプトによってドメインで起動されるサーバ インスタンスは、ProductionServer1 カスタム プロファイルの weblogic_patch.jar ファイルで参照される WebLogic Server クラスパスにクラス ファイルをロードします。このクラスパスは、commEnv スクリプト内の次の行が引き続き実行される (PATCH_CLASSPATH太字で示されている) ときにロードされます。

set WEBLOGIC_CLASSPATH=%PATCH_CLASSPATH%;%JAVA_HOME%\lib\tools.jar;
%WL_HOME%\server\lib\weblogic_sp.jar;%WL_HOME%\server\lib\weblogic.jar;
%WL_HOME%\server\lib\webservices.jar

注意 : ProductionServer1 プロファイル内の weblogic_patch.jar は、デフォルト パッチ ファイルの weblogic_patch.jar で参照されるパッチ JAR ファイル セットとはまったく異なるパッチ JAR ファイル セットを参照する可能性があります。

あるドメイン内のサーバまたはあるインストール環境内のドメインで、デフォルト パッチ プロファイル内のパッチを引き続き参照する必要がある場合、コンフィグレーション ウィザードで提供されるサーバおよびドメインのデフォルト スクリプトを使用する限り、そのサーバまたはドメイン用の起動スクリプトを変更する必要はありません。ただし、1 つまたは複数のサーバまたはドメインでカスタム パッチ プロファイルを参照する必要がある場合は、変更を加える起動スクリプトの影響が、該当するサーバまたはドメイン以外に及ばないことを確認してください。

起動スクリプトが実行される順序と、パッチ パス変数の特定の定義がパッチ パス変数定義のあるスクリプトで起動されるサーバにどのように影響するかの詳細については、「起動スクリプトの実行順序」を参照してください。

カスタム パッチ プロファイルを使用するためのベスト プラクティス

この節では、カスタム パッチ プロファイルの使用法に関する重要な情報について説明します。

カスタム プロファイルの増大を回避する

ダウンロードした新しいパッチをドメインまたはサーバから参照する際には、できるだけ既存のパッチ プロファイルにパッチを適用してください。特定のドメインまたはサーバから参照するパッチのセットを変更する必要がある場合は、そのパッチを含んでいるカスタム パッチ プロファイルの内容を変更してください。これは、新しいカスタム パッチ プロファイルを作成し、そのプロファイルを参照するように起動スクリプトを変更するよりも望ましいアプローチです。ダウンロードしたパッチごとに新しくプロファイルを作成することは避けてください。作成するプロファイルの数を最小限に抑えることによって、Smart Update および BEA カスタマサポート リポジトリに構築されているパッチ検証および依存関係チェックを効率的に活用することができます。

また、使用するカスタム プロファイルの数を最小限にすると、メンテナンスが必要な起動スクリプトの変更も最小限に抑えることになります。その結果、スクリプトにミスを混入する可能性も減らすことができます。それに加えて、パッチの削除に必要な作業も簡略化され、適切なパッチ プロファイルを更新するだけでよくなります。スクリプトを更新する必要は最小限になります。

ドメインおよびサーバ起動スクリプトを変更する

BEA では、起動スクリプトの使用法に関しては柔軟性を尊重しています。起動スクリプトに特定の名前や格納場所を使用することは強制していません。ただし、コンフィグレーション ウィザードによってドメイン用に作成されるデフォルトのディレクトリ構造と、提供される起動スクリプトの場所および構造が維持されている場合、カスタム プロファイルの使用時に必要な起動スクリプトを見つけ、変更内容の候補を表示する Smart Update の機能が最も確実に動作します。

一般に、カスタム パッチ プロファイルをドメインまたはサーバから参照するときには、次のガイドラインに留意してください。

インストール環境全体のリソースに影響するパッチを削除する

通常、カスタム パッチ プロファイルに対して追加または削除できるパッチ セットには制限はありません。ただし、インストール環境全体のリソースに影響するパッチについては、対象インストール環境の既存のパッチ プロファイルすべてに自動的に配置されます。

インストール環境全体のリソースに影響を与えるパッチを、1 つのパッチ プロファイル (デフォルト プロファイルまたはカスタム プロファイル) から削除すると、そのパッチは自動的にすべてのパッチ プロファイルから削除されます。対象インストールに複数のプロファイルがある場合、インストール環境全体のリソースに影響するパッチの置き換えや削除を行おうとすると、Smart Update から警告が表示されます。

 


カスタム パッチ プロファイルの作成

カスタム パッチ プロファイルを作成するには、次の手順を実行します。

  1. [Target Installation] パネルで製品インストール環境を 1 つ選択します。
  2. [PatchesPatch Profiles...New] を選択します。
  3. [New Patch Profile] ダイアログ ボックスで次を選択します。
    1. カスタム パッチ プロファイルの名前
    2. プロファイルの初期内容
    3. 注意 : カスタム パッチ プロファイルを作成すると、そのプロファイル用にユーザが選択した名前でディレクトリが作成されます。そのため、BEA Products ソフトウェアでサポートされるハードウェアとオペレーティング システムのすべての組み合わせにおいてカスタム パッチ プロファイルを確実に使用できるようにするには、カスタム パッチ プロファイルの名前に英数字のみを使用してください。

  4. [Create] をクリックします。

カスタム プロファイルの詳細については次のトピックを参照してください。

関連トピック

カスタム パッチ プロファイルの初期内容

カスタム パッチ プロファイルには次のタイプのパッチが含まれています。

デフォルトでは、インストール全体に対して有効になるパッチがすでに対象インストールに適用されている場合、それらのパッチは新しいパッチ プロファイルを作成するたびに自動的に含まれます。ただし、Smart Update では、最初には何も含まないパッチ プロファイルを作成するオプションも提供しています。

カスタム パッチ プロファイルを作成するために既存のパッチ プロファイルの内容のクローンを作成すると、実際にディスクに複製されるのは既存のパッチ プロファイルのパッチの一部のみです。

注意 : ファイルまたは他のアーティファクトの置き換えを含むパッチは、インストール環境全体に自動的に適用されます。

パッチ プロファイルのクローンを作成する

既存のパッチ プロファイル内と同じパッチを含むカスタム パッチ プロファイルを作成する場合、既存のプロファイルのクローンを作成してから、パッチの追加や削除を行うことで必要に応じてカスタマイズできます。この方法は、カスタム パッチ プロファイルを短時間で作成する場合に便利です。

注意 : インストール環境全体のリソースに影響を与えるパッチは、対象インストール環境で作成されるパッチ プロファイルすべてに含まれます。この種のパッチを削除する場合は、対象インストール環境にあるすべてのパッチ プロファイルから削除する必要があり、特定のプロファイルからのみ削除することはできません。1 つのプロファイルのみについてこの種のパッチを削除しようとすると、Smart Update から警告メッセージが表示されます。

カスタム パッチ プロファイルにパッチを追加する

カスタム パッチ プロファイルを作成すると、デフォルト パッチ プロファイルに対してパッチの追加や削除を行うのと同様に、カスタム パッチ プロファイルに対してもパッチの追加や削除を行うことができます。

  1. [Manage Patches] タブから作成したカスタム パッチ プロファイルを選択します。
  2. プロファイルにパッチを追加するには、[Downloaded Patches] パネルから追加するパッチを選択して、[Apply] をクリックします。
  3. プロファイルからパッチを削除するには、表示されるパッチ プロファイルのリストからパッチを選択して [Remove] をクリックします。

対象インストールにパッチを適用する場合、次の処理が実行されます。

  1. パッチは、現在のパッチ プロファイルにあるパッチに対して検証されます。
  2. パッチ間の衝突が発生しない場合は、パッチが適用されます。
  3. 注意 : パッチは対象インストール環境に対して検証され、適用されますが、クラスパスにロードされる予定のクラスまたはライブラリ パスにロードされる予定のネイティブ ライブラリ ファイルを含むパッチは、次の手順を完了するまで有効にはなりません。その手順としては、(a) 必要に応じて適切なドメインまたはサーバの起動スクリプトを変更してパッチを参照し、(b) 適切なドメインまたはサーバを再起動します。

    衝突が検出された場合は、[Patch Installation Validation] ダイアログ ボックスにそれらの衝突の概要が表示されます。パッチは衝突が解決するまで適用できません。詳細については、「パッチ間の衝突の解決」を参照してください。

  4. パッチは、適用されると、現在のパッチ プロファイルに追加されます。このプロファイルの [Manage Patches] タブの [Downloaded Patches] パネルにはリストされなくなります。
  5. 注意 : [Get Patches] タブの [Downloaded Patches] パネルでは、このパッチは引き続きリストされます。

カスタム パッチ プロファイルを削除する

カスタム パッチ プロファイルを削除するには、次の手順を実行します。

  1. [Manage Patches] タブから削除するカスタム パッチ プロファイルを選択します。
  2. [PatchesPatch ProfilesDelete] を選択します。
  3. 確認用のダイアログ ボックスが表示されるので、削除操作を続行するか、取り消すかを選択することができます。

カスタム パッチ プロファイルを削除するときには、次のことに留意してください。

 


ドメインおよびサーバからカスタム パッチ プロファイルへの参照

作成したカスタム パッチ プロファイルをドメインまたはサーバから参照するには、次の手順を実行します。

  1. 変更予定の各スクリプトのバックアップ コピーを作成します。
  2. Smart Update 内の [Target Installation] パネルで対象インストール環境を選択します。
  3. [PatchesStart Script Editor] メニュー オプションを選択します。[Start Script Editor] ダイアログ ボックスが表示されます。
  4. [Start Script Editor] ダイアログ ボックスで次の操作を実行します。
    1. ドメインまたはサーバから参照するカスタム パッチ プロファイルを選択します。
    2. 変更を加える起動スクリプトを開きます。手順については、「起動スクリプトを開く方法」を参照してください。
    3. 新しいカスタム パッチ プロファイルを参照するパッチ パス変数を追加します。Smart Update により、PATCH_CLASSPATHWEBLOGIC_EXTENSION_DIRSPATCH_LIBPATH、および PATCH_PATH の各変数に対する定義内容の候補を含んだコードが表示されます。それらの定義では、システム クラスとライブラリ パスに挿入されるクラスとファイルを含むパッチを参照しています。ただし、カスタム パッチ プロファイルの内容と参照する必要のある具体的なパッチ パス変数によっては、異なる変更を行う必要があることもあります。
    4. 起動スクリプトを保存します。

注意 : 起動スクリプト内にパッチ パス変数の定義を追加する際は、別の起動スクリプトを呼び出すステートメントよりも前に定義を記述する必要があります。たとえば、setDomainEnv スクリプトにパッチ パス変数の定義を追加する場合、commEnv スクリプトを呼び出すステートメントよりも前に追加してください。この位置関係を守れば、追加した定義がその後呼び出される別の起動スクリプト内の定義によって上書きされることはありません。

WebLogic Server 製品ホーム ディレクトリのデフォルト起動スクリプトは、WL_HOME\common\bin\commEnv です。このスクリプトには、クラスパスやライブラリ パスにパッチ ファイルを挿入するために使用される次の変数のデフォルト値が入っています。

詳細については、「デフォルト パッチ パス環境変数」を参照してください。

サーバまたはドメインの起動スクリプトにこれらの変数の定義を追加した場合、新しい定義は対応するサーバまたはドメインの commEnv スクリプトにあるデフォルト定義よりも優先されます。このため、サーバまたはドメイン スクリプトでこれらの変数を定義するときには、新しい定義が適切なサーバ インスタンスに適用されることを必ず確認してください。

また、起動スクリプトが実行される順序にも注意してください。これらの変数に対する 1 つの定義がスクリプトで設定されると、その後に実行されるスクリプト内の定義で上書きされることはありません。詳細については、「起動スクリプトの実行順序」を参照してください。

カスタム スクリプトを使用する際の重要な注意

WL_HOME\common\bin\commEnv スクリプトを起動しない環境でカスタム スクリプトを使用する場合、定義した環境変数が Set WEBLOGIC_CLASSPATHSet PATH などのステートメントに適切に挿入されるように、使用している環境用のクラスパスとライブラリ パスを設定するスクリプト内のステートメントを変更する必要もあります。

たとえば、カスタム パッチ プロファイルのパッチ JAR がクラスパス内に後で現れる同じ名前のクラスを無効にするように WebLogic システム クラスパスを設定する場合、次に太字で示されている PATCH_CLASSPATH 変数を追加します。

set WEBLOGIC_CLASSPATH=%PATCH_CLASSPATH%;%JAVA_HOME%\lib\tools.jar;
%WL_HOME%\server\lib\weblogic_sp.jar;%WL_HOME%\server\lib\weblogic.jar;%WL_HOME%\server\lib\webservices.jar

パッチ プロファイルをカスタム スクリプトから参照する方法の詳細については、「すべてのドメインに対するカスタム スクリプトでのパッチの参照」を参照してください。

関連トピック

 


ノード マネージャ環境でのカスタム パッチ プロファイルの管理

ドメインでノード マネージャを使用し、ドメインで使用するパッチすべてがデフォルト パッチ プロファイルに適用される場合、ノード マネージャで起動されるサーバは、自動的にそれらのパッチを使用して実行されます。ただし、ノード マネージャを使用するようにコンフィグレーションされたドメインでカスタム パッチ プロファイルを使用する場合、この節で説明する追加の手順を実行する必要があります。

ドメイン クラスタ内のすべての管理対象サーバが起動時にカスタム パッチ プロファイル内のパッチを必ず参照するようにするには、次の手順を実行します。

  1. すべてのノード マネージャ インスタンスが、Java Virtual Machine (JVM) プロセス内で実行される Java ベースのバージョンであることを確認します。システムが再起動するとき確実にノード マネージャを自動的に再起動するために、すべてのノード マネージャ インスタンスを次のように実行することをお勧めします。
  2. この節で説明している手順では、ノード マネージャのスクリプト ベースのバージョンの使用はサポートされません。

  3. 管理対象サーバの起動時に参照する必要があるカスタム パッチ プロファイルに、WebLogic システム クラスパス用のパッチ JAR ファイルは含まれているがシステム パスに挿入される必要があるネイティブ ライブラリ ファイルは含まれない場合、次のように、WebLogic Server Administration Console から影響を受ける管理対象サーバのクラスパスを設定することができます。
    1. 管理サーバを起動します。
    2. 次の URL を入力して WebLogic Server Administration Console にアクセスします。
    3. http://hostname:port/console

      hostname は管理サーバの DNS 名または IP アドレス、port は管理サーバがリクエストをリスンしているポートの番号 (デフォルトではポート 7001) です。

    4. Administration Console の [チェンジ センタ] で、[ロックして編集] をクリックします。
    5. Administration Console の左ペインで、[環境] を展開して [サーバ] を選択します。
    6. [サーバ] テーブルで、コンフィグレーションする管理対象サーバの名前をクリックします。それぞれの管理対象サーバについて、以下の手順 (f) および (g) を実行します。
    7. [コンフィグレーションサーバの起動] メニュー オプションを選択します。
    8. [クラスパス] フィールドの先頭に PATCH_CLASSPATH 環境変数を追加します。
    9. [保存] をクリックします。
    10. 以上の変更をアクティブ化するには、Administration Console の [チェンジ センタ] で、[変更のアクティブ化] をクリックします。
  4. 起動時に管理対象サーバから参照される必要のあるカスタム パッチ プロファイルがシステム パスに挿入される必要のあるネイティブ ライブラリ ファイルを含む場合、カスタム パッチ プロファイルにもパッチ JAR ファイルが存在するかどうかにかかわらず、クラスタ内で管理対象サーバをホストする各マシンにノード マネージャの nodemanager.properties ファイルを編集する必要があります。そのような nodemanager.properties ファイルを開き、次の変更を行う必要があります。
    1. 次の例のように、StartScriptEnabled プロパティを true に設定します。
    2. StartScriptEnabled=true

    3. StartScriptName プロパティが、ドメイン内のすべてのサーバ インスタンスで使用される WebLogic Server 起動スクリプトに設定されることを確認します。デフォルトの起動スクリプトはオペレーティング システムごとに次のようになります。
    4. Windows :

      startWebLogic.cmd

      UNIX :

      startWebLogic.sh

      nodemanager.properties ファイルを変更する詳細については、『サーバの起動と停止の管理』の「ノード マネージャを使用したサーバの制御」を参照してください。

    5. テキスト エディタで、ドメインの setDomainEnv スクリプト (Windows の場合は setDomainEnv.cmd、UNIX の場合は setDomainEnv.sh) を開き、表 6-1 に示すパッチ パス環境変数を 1 つまたは複数定義します。
    6. BEA ホーム ディレクトリのインストール レベル パッチ ディレクトリ (BEA_HOME\patch_weblogic910) に含まれる、表 6-1 の各ファイルまたはディレクトリで、対応するパッチ パス変数用の setDomainEnv スクリプトに定義を追加することにより、パッチ パス変数でそのファイルまたはディレクトリが参照されるようにします。表 6-1 で、custom-profile はインストール レベル パッチ ディレクトリに作成されたカスタム パッチ プロファイルの名前を表します。

      たとえば、使用しているマシンで BEA_HOME\patch_weblogic910\profiles\custom-profile\sys_manifest_classpath\weblogic_patch.jar という名前の JAR ファイルをホストしている場合、そのファイルを参照する setDomainEnv スクリプトに PATCH_CLASSPATH 変数の定義を追加します。

      表 6-1 ノード マネージャ環境用に setDomainEnv で定義するパッチ変数 

      定義する変数

      カスタム プロファイル ディレクトリで次のように表される場合

      PATCH_CLASSPATH

      ファイル :

      BEA_HOME\patch_weblogic910\profiles\custom-profile
      \sys_manifest_classpath\weblogic_patch.jar

      変数の目的 :

      PATCH_CLASSPATH 変数は、ドメイン内のノード マネージャで起動される各管理対象サーバによって使用される WebLogic システム クラスパスに挿入される予定のパッチ JAR ファイルのクラスを参照する。

      例 :

      PATCH_CLASSPATH=
      "%BEA_HOME%\patch_weblogic910\profiles
      \myCustomProfile\sys_manifest_classpath
      \weblogic_patch.jar"

      注意 : BEA カスタマサポートから提供されるパッチの大多数は、このパッチ マニフェスト JAR ファイルによって参照される。

      WEBLOGIC_EXTENSION_DIRS

      ファイル :

      BEA_HOME\patch_weblogic910\profiles\custom-profile
      \sysext_manifest_classpath\weblogic_ext_patch.jar

      変数の目的 :

      WEBLOGIC_EXTENSION_DIRS 変数は、WebLogic Server 上にデプロイされ、BEA Products によって必要とされるアプリケーションのクラスパスに挿入される予定のパッチ JAR ファイルのクラスを参照する。

      例 :

      WEBLOGIC_EXTENSION_DIRS=
      "%BEA_HOME%\bea_home\patch_weblogic901\profiles
      \myCustomProfile\sysext_manifest_classpath
      \weblogic_patch.jar"

      注意 : アプリケーション レベル クラスを参照するパッチ マニフェスト JAR ファイルは WebLogic Server 9.1 ではサポートされない。

      PATCH_LIBPATH

      ディレクトリ (UNIX のみ) :

      BEA_HOME/patch_weblogic910/profiles/custom-profile
      /native

      変数の目的 :

      PATCH_LIBPATH 変数は、LIBPATH 環境変数によってシステム パスに挿入される予定のネイティブ ライブラリ ファイルを参照する。

      例 :

      PATCH_LIBPATH="${BEA_HOME}/patch_weblogic910/profiles/myCustomProfile/native"

      PATCH_PATH

      ディレクトリ (Windows のみ) :

      BEA_HOME\patch_weblogic910\profiles\custom-profile
      \native

      変数の目的 :

      PATCH_PATH 変数は、PATH 環境変数によってシステム パスに挿入される予定のネイティブ ライブラリ ファイルを参照する。

      例 :

      set PATCH_PATH=
      %BEA_HOME%\patch_weblogic910\profiles\myCustomProfile\native


       
  5. 管理対象サーバの各インスタンスを再起動します。再起動を行わないと、ノード マネージャ コンフィグレーションとパッチ パス変数定義に対して行った更新は有効にはなりません。

 

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