メンテナンス更新ファイルおよび Service Pack のインストール
どの製品インストールを Smart Update で更新するかを指定するには、[Target Installation] パネル (図 3-1) を開き、パネルに表示される BEA Products インストールの一覧で目的のエントリを強調表示します。この一覧には、Smart Update を起動したマシン上で検出された製品インストールが表示されます。検出されたすべての BEA ホームディレクトリと、それぞれのディレクトリ内にあるすべての BEA Products インストールが一覧に含まれます。この一覧で現在選択されている製品インストールを、対象インストールと呼びます。
図 3-1 [Target Installation] パネル
これ以降に Smart Update で実行する操作は、対象インストールとして選択されているインストールに対して実行されます。次に例を示します。
特定の対象インストールに適用したメンテナンス更新ファイルは、このパネルに一覧表示される別のインストールには適用されません。たとえば、ある BEA Products について複数のインストールが存在する場合 (同じ BEA ホーム ディレクトリ内または異なる BEA ホーム ディレクトリ内にある場合の両方を含む)、メンテナンスはそれらのうち一度に 1 つだけに対してのみ適用できます (注意 : 通常、1 つのマシン上に複数の BEA ホーム ディレクトリを作成することはお勧めしません)。
対象インストールの選択に際しては、次の事項に留意してください。
注意 : Smart Update グラフィカル インタフェースでは、ツールを実行したマシン以外を使用して作成された BEA ホーム ディレクトリは検出されません。
-prod_dir=
path
パラメータを指定してください。詳細については、「コマンドライン インタフェースの使用」を参照してください。
BEA カスタマサポートからプライベートのパッチまたはパッチ セットをダウンロードするには、次の手順を実行します。
パッチをダウンロードする前にパッチ間の衝突をチェックするかどうかの指定を求められます。パッチ間の衝突とは、Smart Update によって検出される、ダウンロード、適用、削除のいずれかを実行するよう選択したパッチと、対象インストールに適用されているその他のパッチとの間に生じる問題のことです。BEA カスタマサポートから特に推奨された場合を除き、プライベートのパッチまたはパッチ セットをダウンロードする前にパッチ間の衝突をチェックする必要はありません。
プライベート パッチに関する詳細は、[Downloaded Patches] パネルで確認できます。ただし、[Downloaded Patches] パネル上の表示では、プライベート パッチと公開パッチとの区別は特にありません。
BEA カスタマサポートにログインすると、公開パッチをダウンロードできます。公開パッチをダウンロードするには、次の手順を実行します。
パネルに一覧表示される提供可能なパッチに関して詳細情報を確認する方法については、「パッチ情報の表示」を参照してください。
注意 : Smart Update に表示される公開パッチおよびダウンロード済みパッチの一覧は、自動的には更新されません。パッチおよびパッチ セットの一覧の表示を更新するには、[Patches
パッチをダウンロードする前にパッチ間の衝突をチェックするかどうかの指定を求められます。
BEA カスタマサポートからのパッチのダウンロードを要求すると、Smart Update ([Download] ダイアログ ボックス) では、要求したパッチをダウンロードする前にパッチ間の衝突をチェックするかどうかの指定を求められます。公開パッチをダウンロードする場合のみ、この検証を前もって実行することをお勧めします。
衝突のチェック (パッチ検証) とは、あるパッチと、対象インストールのその他のパッチとの間に問題が生じるかどうかを判定する処理です。パッチをダウンロードする前に検証することを選択すると、そのパッチと、対象インストールのデフォルト パッチ プロファイルにすでに適用されているパッチとの間に問題が生じないかが Smart Update によって検証されます。衝突が検出されると (たとえば、ダウンロードするパッチを適用する前に別のパッチを適用する必要がある場合など)、Smart Update からその衝突が報告されます。その場合は続行する前に衝突を解決する作業ができますが、そのままダウンロードを続行することも可能です。
パッチの適用時には Smart Update による検証が必ず実行されますが、パッチのダウンロード前に検証を実行するかどうかは任意です。ただし、ダウンロード前にパッチを検証すれば、後で衝突のあるパッチを適用しようとしたときに発生する解決作業の量を抑えることができます。
次の状況に該当する場合、パッチをダウンロードする前に検証することをお勧めします。
次の状況に該当する場合、パッチをダウンロードする前に検証することはお勧めしません。
ダウンロード前のパッチ検証において衝突が検出された場合、そのパッチがパッチ ダウンロード ディレクトリに移動される前に、解決のための作業を必要に応じて実行できます。衝突が報告された場合、そのままパッチのダウンロードを続行することは可能ですが、適用することはできない場合があります。したがって、衝突が発生する可能性が高いと考えられるパッチのダウンロードは避けることをお勧めします。
注意 : 後でパッチを適用する際には、もう一度 Smart Update によって検証が自動的に実行されます。2 種類の検証の比較については、「パッチ間の衝突の解決」を参照してください。
指定のパッチを検証するプロセスは、ダウンロード前の検証を選択するとすぐに開始されます。プロセスの進行状況については、Smart Update のメッセージ ボックスに表示される状態メッセージによって把握できます。
何らかの理由により、完了していない検証プロセスを途中で終了して [Get Patches] タブに戻る必要が生じた場合は、いつでも [Cancel] をクリックして終了できます。
検証が完了すると、次のいずれかのダイアログ ボックスが表示されます。
以下の節では、[Patch Download Validation] ダイアログ ボックスの使用方法について説明します。
[Patch Download Validation] ダイアログ ボックスの上部には、ダウンロードすることを選択したパッチが表示されます。このダイアログ ボックスで使用されるアイコンについて、表 3-1 で説明します。
ダイアログ ボックスの上部では、衝突が発生した最初のパッチが強調表示され、下部には、そのパッチについて検出された衝突の概要が表示されます。選択されているパッチで発生しなかった衝突条件は、ダイアログ ボックスの下部では、該当しない衝突条件として淡色表示されます。[Patch Validation] ダイアログ ボックスの使用方法について、表 3-2 に説明します。
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報告された衝突をパッチのダウンロード前に解決する方法を調べるには、「パッチのダウンロード時の検証」を参照してください。
[Get Patches] タブおよび [Downloaded Patches] パネルに表示されるパッチやパッチ セットの一覧は、パッチ ダウンロード ディレクトリにあるパッチが追加されたり、削除されたりしても、自動的には更新されません。一覧表示を更新するには、[Patches
Smart Update では、必要に応じて、適用する前のパッチについて詳細情報を読むことができます。厳密には、BEA カスタマサポートでダウンロード可能になっている公開パッチ、および、すでにダウンロードして当該マシン上またはアクセス可能なネットワーク ディスク ドライブに格納してあるパッチについて、この機能を使用できます。
注意 : ダウンロード可能な公開パッチの一覧を取得するには、BEA カスタマサポートにログインする必要があります。
以下の節では、入手可能なパッチを Smart Update で取得する方法について説明します。
以下の節では、次の種類のパッチについて一覧を表示する方法を説明します。
注意 : プライベート パッチは、一般に公開パッチと同じように表示することはできません。ただし、プライベート パッチについても、ダウンロードした後はその他のダウンロード済みパッチと同じように詳細情報を表示できます。プライベート パッチの入手に関する詳細については、「公開パッチのダウンロード」を参照してください。
パッチ ダウンロード ディレクトリは、「パッチ ダウンロード ディレクトリ」で説明するように [Preferences] ダイアログ ボックスで指定します。
注意 : ログインしていない状態で [Get Patches] タブを表示することはできません。
ログインしていれば、入手可能なパッチの一覧が [Get Patches] タブの上部に表示されます。このパネルに表示される情報の詳細については、「[Get Patches] タブに表示されるパッチについて」を参照してください。
パッチ ダウンロード ディレクトリに現在格納されているパッチの一覧を表示するには、Smart Update のメイン ウィンドウで、次のいずれかのタブをクリックします。
[Downloaded Patches] パネルに表示される情報の詳細については、「現在ダウンロードされているパッチの表示」を参照してください。
現在のパッチ ダウンロード ディレクトリ以外のディレクトリにダウンロードされているパッチについても、[Preferences] ダイアログ ボックスで目的のディレクトリを指定することにより、一覧を表示できます。詳細については、「公開パッチのダウンロード」を参照してください。
[Get Patches] タブには、次の 2 つのパネルがあります。
また、いずれかのパネルに表示された任意のパッチについて詳細情報を要求するためのオプションも [Get Patches] タブに表示されます。
どのパッチやパッチ セットが、ダウンロード可能な公開パッチとして表示されるかは、対象インストールのメンテナンス レベルによって決まります。対象インストール (たとえば、WebLogic Server 9.1) の現在のメンテナンス レベル向けに作成されたパッチだけが表示に含まれます。
[Get Patches] タブの上部パネルには、パッチおよびパッチ セットの一覧が次の 2 つのカテゴリについて表示されます。
いずれの一覧も、見やすいように表示を展開したり折りたたんだりできます。
注意 : Smart Update に表示される公開パッチおよびダウンロード済みパッチの一覧は、自動的には更新されません。パッチおよびパッチ セットの一覧の表示を更新するには、[Patches
表 3-3 では、[Get Patches] タブの上部パネルの各カラムに表示される情報について説明します。
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以下の節では、パッチおよびパッチ セットについて表示できる詳細情報について説明します。
パッチの詳細情報を表示するには、目的のパッチ ID の横にあるアイコンをクリックします。
Smart Update のダイアログボックスに表示される詳細情報の項目について、表 3-4 で説明します。
[OK] をクリックすると [Patch Details] ダイアログ ボックスが終了し、Smart Update のメイン ウィンドウに戻ります。
パッチ セットの詳細情報を表示するには、目的のパッチ セット ID の横にあるアイコンをクリックします。
Smart Update のダイアログボックスに表示される詳細情報の項目について、表 3-4 および表 3-5 で説明します。
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[Get Patches] タブの [Downloaded Patches] パネルには、現在選択されている対象インストール用のパッチ ダウンロード ディレクトリにあるパッチの一覧が表示されます。ダウンロードされているすべてのパッチが、適用済みかどうかに関係なく表示されます。
[Downloaded Patches] パネルは、[Get Patches] タブにも、[Manage Patches] タブにも表示されます。[Get Patches] タブでこのパネルを表示した場合は、[Apply] ボタンが非アクティブになります。[Manage Patches] タブに表示した場合は、[Apply] ボタンがアクティブになります。詳細については、「パッチの適用および管理」を参照してください。
デフォルト以外のディレクトリをパッチ ダウンロード ディレクトリとして指定すると、それに応じて [Downloaded Patches] パネルに表示されるパッチおよびパッチ セットの一覧が更新されます。パッチをダウンロードした場所がシステム環境内に複数あり、それらの場所にネットワーク ディスク ドライブを介してアクセスできる場合は、単に新しくパッチ ダウンロード ディレクトリを指定するだけでそれらのパッチにアクセスできます。異なるパッチ ダウンロード ディレクトリを指定する場合の詳細については、「公開パッチのダウンロード」を参照してください。
[Downloaded Patches] パネルに表示されたパッチ セットについては、各パッチ セットに含まれる個別パッチのエントリを表示するか、非表示にするかを選択できます。この設定を切り替えるには、「[Downloaded Patches] パネルでのパッチ セットの表示」で説明するように、[File] メニューからアクセスできる [Preference] ダイアログ ボックスを使用します。パッチ セット内の個別パッチを一覧に表示しないようにする機能は、[Downloaded Patches] パネルでのみサポートされています。
パッチ ダウンロード ディレクトリにパッチをダウンロードした後は、対象インストールにパッチを適用できます。以下の節では、パッチを適用および管理する方法について説明します。
対象インストールにパッチを適用する用意ができたら、Smart Update のメイン ウィンドウで [Manage Patches] タブを選択します。
[Manage Patches] タブには次のパネルがあります。
Smart Update では、パッチのセットを複数管理するのを容易にするために、パッチ プロファイルという概念を使用します。パッチ プロファイルには、適用されているパッチの一覧が収められます。すべての対象インストールには、それぞれの定義済みデフォルト パッチ プロファイルがあります。デフォルト パッチ プロファイルに含まれるパッチは、該当する対象インストール全体に対して有効になり、また、その対象インストール上で動作するすべてのドメインおよび WebLogic Server インスタンスに対してもデフォルトで有効になります。
BEA の一般的なメンテナンス要件に適合するために、デフォルト パッチ プロファイルだけはほとんどのユーザが使用する必要があります。デフォルト パッチ プロファイルはあらかじめ用意されており、コンフィグレーション不要ですぐに使用できます。
多くのユーザは、必要に応じてカスタム パッチ プロファイルを作成することを選択します。カスタム パッチ プロファイルを使用すると、インストール全体に対して有効にすることが適切でないパッチのセットを、インストール内にある特定のサーバまたはドメインのみに関連付けることができます。ただし、カスタム パッチ プロファイルを使用する場合は BEA Products インストールの管理について複雑さが増します。カスタム パッチ プロファイルについては、「個別のドメインまたはサーバへのパッチ適用」を参照してください。
対象インストールにパッチを適用するには、[Downloaded Patches] パネルで、目的のパッチの横にある [Apply] をクリックします。対象インストールにパッチを適用する場合、次の処理が実行されます。
検証時に衝突が検出された場合は、そのパッチを適用する前に衝突を解決する必要があります。詳細については、「パッチ間の衝突の解決」を参照してください。
注意 : 対象インストールに複数のパッチ プロファイルがある場合、インストール全体のリソースに影響するパッチを適用すると、Smart Update の警告のポップアップが表示されます。インストール全体に対して有効になるパッチとしては、システム リソースを置き換えるパッチや、セキュリティ勧告に対応するためのパッチなどがあります。適用を続行することを選択すると、そのパッチは、対象インストールに定義されているすべてのパッチ プロファイルに対して自動的に適用されます。
適用済みのパッチまたはパッチ セットを対象インストールから削除する必要がある場合 (たとえば、適用の目的であった問題が解決しなかった場合、パッチが不要になった場合、または、パッチによって新たな問題が発生したため BEA カスタマサポートから代替パッチが適用されるのを待つ場合など) には、該当するパッチ プロファイル内の一覧で、削除するパッチの横にある [Remove] をクリックします。
対象インストールからパッチを削除する場合、次の処理が実行されます。
削除によって発生する衝突を解決する方法の詳細については、「パッチ間の衝突の解決」を参照してください。
Smart Update では、ダウンロード、適用、または削除するパッチについて、対象インストールにすでに適用されている他のパッチとの互換性が検証されることにより、ご使用のシステムが保護されます。検証によって問題が検出されればパッチ間の衝突として報告されるので、衝突を解決してからパッチの操作を完了できます。
この節では、次の検証プロセスにおいて検出される場合がある衝突の種類について説明します。
各節では、衝突の種類ごとに、解決の手順についても説明します。
パッチのダウンロード時に衝突が報告されても、ダウンロード プロセスを続行することはできます。しかし、報告された問題はこの段階で解決してからダウンロードを続行することをお勧めします。
表 3-6 では、ダウンロード時の検証で報告される可能性がある衝突の種類について説明し、それぞれの種類について解決の手順を示します。
警告 : Smart Update によるパッチのダウンロードは、必要に応じてどのような順序でも実行できます。ただし、特定の順序で適用する必要があるパッチについては、Smart Update での適用時に所定の順序に従う必要があります。誤った順序でパッチを適用しようとすると、パッチ間の衝突が報告され、衝突を解決しないと適用できません。
パッチの適用プロセスでは、さまざまな種類の衝突が報告される可能性があります。衝突が報告された場合は、目的のパッチを適用する前に衝突を解決する必要があります。
表 3-7 では、適用時の検証で報告される可能性がある衝突の種類について説明し、それぞれの種類について解決の手順を示します。
表 3-8 では、削除時の検証で報告される可能性がある衝突の種類について説明し、解決の手順を示します。
問題解決に必要な情報を BEA カスタマサポートに提供する作業が容易になるように、Smart Update には、特定のパッチ プロファイルに適用されているパッチに関する情報を簡単にキャプチャする方法が用意されています。その方法とは、メンテナンス スナップショットを作成することです。これは、[Manage Patches] タブで選択されたパッチ プロファイルに関する情報 (当該プロファイルに適用されている各パッチの ID など) を含んだ、プレーンな ASCII ファイルです。
BEA カスタマサポートに問題を報告すると、問題解決の最初の手順として、このスナップショットを提供するよう求められます。したがって、問題が発生した場合は、あらかじめメンテナンス スナップショットを用意してから BEA カスタマサポートに連絡することを強くお勧めします。
メンテナンス スナップショットは、Smart Update グラフィカル インタフェースを使用してすぐに作成できます。
メンテナンス スナップショットは、Smart Update コマンドライン インタフェースを使用して作成することもできます。その方法については、「コマンドライン インタフェースの例」に示す例を参照してください。
メンテナンス スナップショットを作成する際には、必ず次の事項を守ることをお勧めします。
MyCustomProfile.txt
など)。メンテナンス スナップショットを BEA カスタマサポートに送付する際には、サポート関連の行動を必ず記録しておいてください。