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メンテナンス更新ファイルおよび Service Pack のインストール

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パッチのダウンロードおよび適用

この節では、以下のトピックを取り上げます。

 


対象インストールの選択

どの製品インストールを Smart Update で更新するかを指定するには、[Target Installation] パネル (図 3-1) を開き、パネルに表示される BEA Products インストールの一覧で目的のエントリを強調表示します。この一覧には、Smart Update を起動したマシン上で検出された製品インストールが表示されます。検出されたすべての BEA ホームディレクトリと、それぞれのディレクトリ内にあるすべての BEA Products インストールが一覧に含まれます。この一覧で現在選択されている製品インストールを、対象インストールと呼びます。

図 3-1 [Target Installation] パネル

[Target Installation] パネル


 

これ以降に Smart Update で実行する操作は、対象インストールとして選択されているインストールに対して実行されます。次に例を示します。

特定の対象インストールに適用したメンテナンス更新ファイルは、このパネルに一覧表示される別のインストールには適用されません。たとえば、ある BEA Products について複数のインストールが存在する場合 (同じ BEA ホーム ディレクトリ内または異なる BEA ホーム ディレクトリ内にある場合の両方を含む)、メンテナンスはそれらのうち一度に 1 つだけに対してのみ適用できます (注意 : 通常、1 つのマシン上に複数の BEA ホーム ディレクトリを作成することはお勧めしません)。

対象インストールの選択に際しては、次の事項に留意してください。

 


プライベート パッチのダウンロード

BEA カスタマサポートからプライベートのパッチまたはパッチ セットをダウンロードするには、次の手順を実行します。

  1. BEA カスタマサポートにログインしていることを確認します。
  2. Smart Update のメイン ウィンドウにある [Target Installation] パネルで、対象インストールを選択します。
  3. [Get Patches] タブを選択します。
  4. [PatchesRetrieve Private...] メニュー オプションを選択します。[View Private Patch] ダイアログ ボックスが表示されます。
  5. [View Private Patch] ダイアログ ボックスで、プライベートのパッチまたはパッチ セットを指定する ID とパスコードを入力します。
  6. プライベートのパッチまたはパッチ セットを指定する ID とパスコードは、BEA カスタマサポートから提供されます。

  7. [Download] をクリックします。

パッチをダウンロードする前にパッチ間の衝突をチェックするかどうかの指定を求められます。パッチ間の衝突とは、Smart Update によって検出される、ダウンロード、適用、削除のいずれかを実行するよう選択したパッチと、対象インストールに適用されているその他のパッチとの間に生じる問題のことです。BEA カスタマサポートから特に推奨された場合を除き、プライベートのパッチまたはパッチ セットをダウンロードする前にパッチ間の衝突をチェックする必要はありません。

プライベート パッチに関する詳細は、[Downloaded Patches] パネルで確認できます。ただし、[Downloaded Patches] パネル上の表示では、プライベート パッチと公開パッチとの区別は特にありません。

関連トピック

 


公開パッチのダウンロード

BEA カスタマサポートにログインすると、公開パッチをダウンロードできます。公開パッチをダウンロードするには、次の手順を実行します。

  1. Smart Update を起動し、BEA カスタマサポートにログインします。
  2. Smart Update のメイン ウィンドウにある [Target Installation] パネルで、対象インストールを選択します。
  3. [Get Patches] タブを選択します。
  4. 提供可能なパッチが表示されたパネルで、ダウンロードする各パッチの横にある [Select] ボタンをクリックします。
  5. パネルに一覧表示される提供可能なパッチに関して詳細情報を確認する方法については、「パッチ情報の表示」を参照してください。

    注意 : Smart Update に表示される公開パッチおよびダウンロード済みパッチの一覧は、自動的には更新されません。パッチおよびパッチ セットの一覧の表示を更新するには、[PatchesRefresh View] を選択します。

  6. [Download Selected] をクリックします。

パッチをダウンロードする前にパッチ間の衝突をチェックするかどうかの指定を求められます。

ダウンロード前のパッチ検証

BEA カスタマサポートからのパッチのダウンロードを要求すると、Smart Update ([Download] ダイアログ ボックス) では、要求したパッチをダウンロードする前にパッチ間の衝突をチェックするかどうかの指定を求められます。公開パッチをダウンロードする場合のみ、この検証を前もって実行することをお勧めします。

衝突のチェック (パッチ検証) とは、あるパッチと、対象インストールのその他のパッチとの間に問題が生じるかどうかを判定する処理です。パッチをダウンロードする前に検証することを選択すると、そのパッチと、対象インストールのデフォルト パッチ プロファイルにすでに適用されているパッチとの間に問題が生じないかが Smart Update によって検証されます。衝突が検出されると (たとえば、ダウンロードするパッチを適用する前に別のパッチを適用する必要がある場合など)、Smart Update からその衝突が報告されます。その場合は続行する前に衝突を解決する作業ができますが、そのままダウンロードを続行することも可能です。

パッチの適用時には Smart Update による検証が必ず実行されますが、パッチのダウンロード前に検証を実行するかどうかは任意です。ただし、ダウンロード前にパッチを検証すれば、後で衝突のあるパッチを適用しようとしたときに発生する解決作業の量を抑えることができます。

ダウンロード前の検証が推奨される場合

次の状況に該当する場合、パッチをダウンロードする前に検証することをお勧めします。

次の状況に該当する場合、パッチをダウンロードする前に検証することはお勧めしません。

ダウンロード前のパッチ検証において衝突が検出された場合、そのパッチがパッチ ダウンロード ディレクトリに移動される前に、解決のための作業を必要に応じて実行できます。衝突が報告された場合、そのままパッチのダウンロードを続行することは可能ですが、適用することはできない場合があります。したがって、衝突が発生する可能性が高いと考えられるパッチのダウンロードは避けることをお勧めします。

注意 : 後でパッチを適用する際には、もう一度 Smart Update によって検証が自動的に実行されます。2 種類の検証の比較については、「パッチ間の衝突の解決」を参照してください。

検証プロセス

指定のパッチを検証するプロセスは、ダウンロード前の検証を選択するとすぐに開始されます。プロセスの進行状況については、Smart Update のメッセージ ボックスに表示される状態メッセージによって把握できます。

何らかの理由により、完了していない検証プロセスを途中で終了して [Get Patches] タブに戻る必要が生じた場合は、いつでも [Cancel] をクリックして終了できます。

検証が完了すると、次のいずれかのダイアログ ボックスが表示されます。

以下の節では、[Patch Download Validation] ダイアログ ボックスの使用方法について説明します。

[Patch Download Validation] ダイアログ ボックスの使用

[Patch Download Validation] ダイアログ ボックスの上部には、ダウンロードすることを選択したパッチが表示されます。このダイアログ ボックスで使用されるアイコンについて、表 3-1 で説明します。

表 3-1 [Patch Download Validation] ダイアログ ボックスで使用されるアイコンの説明

アイコン

説明

[Patch Download Validation] ダイアログ ボックスの OK アイコン


 

該当するパッチまたはパッチ セットでは衝突が発生していない。

[Patch Download Validation] ダイアログ ボックスの衝突アイコン


 

該当するパッチまたはパッチ セットで、ダイアログ ボックスの下部に示す衝突が発生した。


 

ダイアログ ボックスの上部では、衝突が発生した最初のパッチが強調表示され、下部には、そのパッチについて検出された衝突の概要が表示されます。選択されているパッチで発生しなかった衝突条件は、ダイアログ ボックスの下部では、該当しない衝突条件として淡色表示されます。[Patch Validation] ダイアログ ボックスの使用方法について、表 3-2 に説明します。

表 3-2 [Patch Validation] ダイアログ ボックスの使用

目的の操作

実行手順

ダウンロードすることを選択したパッチの 1 つについて衝突情報を表示する

衝突が発生したパッチをダイアログ ボックスの上部で選択し、下部に衝突の概要を表示する。

個々の衝突に関する意味と解決手順について詳細な情報を得る

パッチ間の衝突の解決」を参照。

ダウンロード操作を取り消す

[Cancel] をクリックする。

これによりダウンロード手順を取り消し、もう一度パッチのダウンロードを試行する前に必要に応じた具体的なアクションを実行できる。

注意 : 通常は、ダウンロード前に衝突を解決することが推奨される。ただし、「ダウンロード前の検証が推奨される場合」の説明にある例外の場合を除く。

衝突の有無にかかわらずダウンロード操作を続行する

[Download All] をクリックする。

注意 : パッチは適用されず、ただパッチ ダウンロード ディレクトリに移動されるのみ。

衝突が発生しないパッチだけをダウンロードする

    1. [Cancel] をクリックする。

    2. [Get Patches] タブで、衝突が発生しないパッチだけを追加してダウンロードする。


 

報告された衝突をパッチのダウンロード前に解決する方法を調べるには、「パッチのダウンロード時の検証」を参照してください。

パッチおよびパッチ セットの表示の更新

[Get Patches] タブおよび [Downloaded Patches] パネルに表示されるパッチやパッチ セットの一覧は、パッチ ダウンロード ディレクトリにあるパッチが追加されたり、削除されたりしても、自動的には更新されません。一覧表示を更新するには、[PatchesRefresh View] を選択します。

 


パッチ情報の表示

Smart Update では、必要に応じて、適用する前のパッチについて詳細情報を読むことができます。厳密には、BEA カスタマサポートでダウンロード可能になっている公開パッチ、および、すでにダウンロードして当該マシン上またはアクセス可能なネットワーク ディスク ドライブに格納してあるパッチについて、この機能を使用できます。

注意 : ダウンロード可能な公開パッチの一覧を取得するには、BEA カスタマサポートにログインする必要があります。

以下の節では、入手可能なパッチを Smart Update で取得する方法について説明します。

パッチを表示する方法

以下の節では、次の種類のパッチについて一覧を表示する方法を説明します。

注意 : プライベート パッチは、一般に公開パッチと同じように表示することはできません。ただし、プライベート パッチについても、ダウンロードした後はその他のダウンロード済みパッチと同じように詳細情報を表示できます。プライベート パッチの入手に関する詳細については、「公開パッチのダウンロード」を参照してください。

パッチ ダウンロード ディレクトリは、「パッチ ダウンロード ディレクトリ」で説明するように [Preferences] ダイアログ ボックスで指定します。

公開パッチの一覧の表示

  1. [Target Installation] パネルで、目的の対象インストールを選択します (詳細については、「対象インストールの選択」を参照)。
  2. [Get Patches] タブを選択します。まだログインしていない状態でこのタブを選択すると、ログインするよう Smart Update から求められます。

注意 : ログインしていない状態で [Get Patches] タブを表示することはできません。

ログインしていれば、入手可能なパッチの一覧が [Get Patches] タブの上部に表示されます。このパネルに表示される情報の詳細については、「[Get Patches] タブに表示されるパッチについて」を参照してください。

パッチ ダウンロード ディレクトリの内容の表示

パッチ ダウンロード ディレクトリに現在格納されているパッチの一覧を表示するには、Smart Update のメイン ウィンドウで、次のいずれかのタブをクリックします。

[Downloaded Patches] パネルに表示される情報の詳細については、「現在ダウンロードされているパッチの表示」を参照してください。

現在のパッチ ダウンロード ディレクトリ以外のディレクトリにダウンロードされているパッチについても、[Preferences] ダイアログ ボックスで目的のディレクトリを指定することにより、一覧を表示できます。詳細については、「公開パッチのダウンロード」を参照してください。

[Get Patches] タブに表示されるパッチについて

[Get Patches] タブには、次の 2 つのパネルがあります。

また、いずれかのパネルに表示された任意のパッチについて詳細情報を要求するためのオプションも [Get Patches] タブに表示されます。

どのパッチやパッチ セットが、ダウンロード可能な公開パッチとして表示されるかは、対象インストールのメンテナンス レベルによって決まります。対象インストール (たとえば、WebLogic Server 9.1) の現在のメンテナンス レベル向けに作成されたパッチだけが表示に含まれます。

[Get Patches] タブの上部パネルには、パッチおよびパッチ セットの一覧が次の 2 つのカテゴリについて表示されます。

いずれの一覧も、見やすいように表示を展開したり折りたたんだりできます。

注意 : Smart Update に表示される公開パッチおよびダウンロード済みパッチの一覧は、自動的には更新されません。パッチおよびパッチ セットの一覧の表示を更新するには、[PatchesRefresh View] を選択します。

表 3-3 では、[Get Patches] タブの上部パネルの各カラムに表示される情報について説明します。

表 3-3 ダウンロード可能なパッチに関する情報 

カラムのタイトル

説明

Patch ID

パッチ ID : 単一のエンティティとしてダウンロードされる個別パッチまたはパッチ セットに付けられた固有の文字列。

パッチ ID の横には次のいずれかのアイコンが表示される。

パッチ情報アイコン


 

対象インストールに適用できる単独の個別パッチを表す。

パッチ セット情報アイコン


 

パッチ セット (1 回の操作で対象インストールに適用できる複数のパッチの集合) を表す。複数のパッチをセットとして扱うことには、セットを構成するパッチの適用順序をあらかじめ決定しておけるなど多くの利点がある。

Description

パッチ ID で示されるパッチまたはパッチ セットに関する簡単な説明。

Product

パッチの適用先となる BEA Products の名前 (WebLogic Server、BEA JRockit、AquaLogic Service Bus など)。

CR

問題の報告に対して割り当てられ、BEA カスタマサポート内部で使用される番号。

Category

パッチが該当する製品カテゴリ。次に例を示す。

  • JMS - WebLogic JMS (Java Message Service) 用のパッチ

  • Security - WebLogic セキュリティ サービス用のパッチ

  • Console - WebLogic Administration Console 用のパッチ

Select

このボックスをクリックすることで、ダウンロードするパッチを選択する。


 

パッチおよびパッチ セットの詳細の表示

以下の節では、パッチおよびパッチ セットについて表示できる詳細情報について説明します。

パッチの詳細の表示

パッチの詳細情報を表示するには、目的のパッチ ID の横にあるアイコンをクリックします。

パッチ情報アイコン


 

Smart Update のダイアログボックスに表示される詳細情報の項目について、表 3-4 で説明します。

表 3-4 パッチ詳細情報の項目 

詳細情報の項目

説明

Version

パッチの適用対象となる BEA Products のバージョン。

Severity

パッチの重大度 (重大または任意)。

Size (KB)

パッチのサイズ (単位は KB)。

Restart

パッチの適用後に再起動が必要となるソフトウェア コンポーネント。

Status

パッチの提供方法。

  • Public - 一般に公開されているパッチ

  • Private - 特定の顧客のためにカスタマイズされた、一般には公開されていないパッチ

OS

パッチの動作環境として想定されているオペレーティング システム。

Invalidated

次のいずれかの理由により無効に指定されたパッチ。

  • 当該パッチを置き換える代替パッチが提供されている。代替パッチの ID が表示される。

  • 非推奨パッチに指定された。代替パッチは提供されていない。

注意 : パッチ ダウンロード ディレクトリ内に無効なパッチが検出された場合は、Smart Update により自動的に報告される。

Replaces

既存の無効なパッチを置き換える代替パッチ。置き換え対象となる無効なパッチの ID が表示される。


 

[OK] をクリックすると [Patch Details] ダイアログ ボックスが終了し、Smart Update のメイン ウィンドウに戻ります。

パッチ セットの詳細の表示

パッチ セットの詳細情報を表示するには、目的のパッチ セット ID の横にあるアイコンをクリックします。

パッチ セット情報アイコン


 

Smart Update のダイアログボックスに表示される詳細情報の項目について、表 3-4 および表 3-5 で説明します。

表 3-5 パッチ セット詳細情報の項目 

詳細情報の項目

説明

Patches Included in Set

セットに含まれる各パッチの ID。いずれかのパッチ ID をクリックすると、ダイアログ ボックスが展開され、該当するパッチの詳細が表示される。

Size (KB)

セットに含まれるパッチすべての合計サイズ (単位は KB)。

Invalidated

次のいずれかの理由により無効に指定されたパッチ セット。

  • 当該パッチ セットを置き換える代替パッチ セットが提供されている。代替パッチ セットの ID が表示される。

  • 非推奨パッチ セットに指定された。代替パッチ セットは提供されていない。

注意 : パッチ ダウンロード ディレクトリ内に無効なパッチ セットが検出された場合は、Smart Update により自動的に報告される。


 

現在ダウンロードされているパッチの表示

[Get Patches] タブの [Downloaded Patches] パネルには、現在選択されている対象インストール用のパッチ ダウンロード ディレクトリにあるパッチの一覧が表示されます。ダウンロードされているすべてのパッチが、適用済みかどうかに関係なく表示されます。

[Downloaded Patches] パネルは、[Get Patches] タブにも、[Manage Patches] タブにも表示されます。[Get Patches] タブでこのパネルを表示した場合は、[Apply] ボタンが非アクティブになります。[Manage Patches] タブに表示した場合は、[Apply] ボタンがアクティブになります。詳細については、「パッチの適用および管理」を参照してください。

デフォルト以外のディレクトリをパッチ ダウンロード ディレクトリとして指定すると、それに応じて [Downloaded Patches] パネルに表示されるパッチおよびパッチ セットの一覧が更新されます。パッチをダウンロードした場所がシステム環境内に複数あり、それらの場所にネットワーク ディスク ドライブを介してアクセスできる場合は、単に新しくパッチ ダウンロード ディレクトリを指定するだけでそれらのパッチにアクセスできます。異なるパッチ ダウンロード ディレクトリを指定する場合の詳細については、「公開パッチのダウンロード」を参照してください。

[Downloaded Patches] パネルに表示されたパッチ セットについては、各パッチ セットに含まれる個別パッチのエントリを表示するか、非表示にするかを選択できます。この設定を切り替えるには、「[Downloaded Patches] パネルでのパッチ セットの表示」で説明するように、[File] メニューからアクセスできる [Preference] ダイアログ ボックスを使用します。パッチ セット内の個別パッチを一覧に表示しないようにする機能は、[Downloaded Patches] パネルでのみサポートされています。

 


パッチの適用および管理

パッチ ダウンロード ディレクトリにパッチをダウンロードした後は、対象インストールにパッチを適用できます。以下の節では、パッチを適用および管理する方法について説明します。

[Manage Patches] タブについて

対象インストールにパッチを適用する用意ができたら、Smart Update のメイン ウィンドウで [Manage Patches] タブを選択します。

[Manage Patches] タブには次のパネルがあります。

パッチ プロファイルについて

Smart Update では、パッチのセットを複数管理するのを容易にするために、パッチ プロファイルという概念を使用します。パッチ プロファイルには、適用されているパッチの一覧が収められます。すべての対象インストールには、それぞれの定義済みデフォルト パッチ プロファイルがあります。デフォルト パッチ プロファイルに含まれるパッチは、該当する対象インストール全体に対して有効になり、また、その対象インストール上で動作するすべてのドメインおよび WebLogic Server インスタンスに対してもデフォルトで有効になります。

BEA の一般的なメンテナンス要件に適合するために、デフォルト パッチ プロファイルだけはほとんどのユーザが使用する必要があります。デフォルト パッチ プロファイルはあらかじめ用意されており、コンフィグレーション不要ですぐに使用できます。

多くのユーザは、必要に応じてカスタム パッチ プロファイルを作成することを選択します。カスタム パッチ プロファイルを使用すると、インストール全体に対して有効にすることが適切でないパッチのセットを、インストール内にある特定のサーバまたはドメインのみに関連付けることができます。ただし、カスタム パッチ プロファイルを使用する場合は BEA Products インストールの管理について複雑さが増します。カスタム パッチ プロファイルについては、「個別のドメインまたはサーバへのパッチ適用」を参照してください。

対象インストールへのパッチの適用

対象インストールにパッチを適用するには、[Downloaded Patches] パネルで、目的のパッチの横にある [Apply] をクリックします。対象インストールにパッチを適用する場合、次の処理が実行されます。

  1. 適用するパッチが、現在のパッチ プロファイル内にあるパッチに対して検証されます。
  2. パッチ間の衝突が発生しない場合は、パッチが適用されます。
  3. 衝突が発生する場合は、衝突の概要を示す [Patch Installation Validation] ダイアログ ボックスが表示されます。パッチは適用されません。

  4. パッチが適用されると、そのパッチは現在のパッチ プロファイルに追加されます。適用されたパッチは、該当するプロファイルに対しては [Manage Patches] タブの [Downloaded Patches] パネルに表示されなくなります。
  5. ただし、[Get Patches] タブの [Downloaded Patches] パネルの一覧にはそれ以降も表示されます。

検証時に衝突が検出された場合は、そのパッチを適用する前に衝突を解決する必要があります。詳細については、「パッチ間の衝突の解決」を参照してください。

注意 : 対象インストールに複数のパッチ プロファイルがある場合、インストール全体のリソースに影響するパッチを適用すると、Smart Update の警告のポップアップが表示されます。インストール全体に対して有効になるパッチとしては、システム リソースを置き換えるパッチや、セキュリティ勧告に対応するためのパッチなどがあります。適用を続行することを選択すると、そのパッチは、対象インストールに定義されているすべてのパッチ プロファイルに対して自動的に適用されます。

対象インストールからのパッチまたはパッチ セットの削除

適用済みのパッチまたはパッチ セットを対象インストールから削除する必要がある場合 (たとえば、適用の目的であった問題が解決しなかった場合、パッチが不要になった場合、または、パッチによって新たな問題が発生したため BEA カスタマサポートから代替パッチが適用されるのを待つ場合など) には、該当するパッチ プロファイル内の一覧で、削除するパッチの横にある [Remove] をクリックします。

対象インストールからパッチを削除する場合、次の処理が実行されます。

  1. パッチ適用時の検証と同じように、削除操作についての検証が実行されます。対象インストールからパッチを削除する際には、現在のパッチ プロファイルに含まれる他のパッチが削除するパッチに依存していないかどうかが Smart Update によりチェックされます。
  2. 衝突が検出されると、具体的な衝突の内容を示す [Patch Removal Validation] ダイアログ ボックスが表示されます。衝突が発生する場合は、そのパッチを削除する前に衝突を解決する必要があります。
  3. 削除によって発生する衝突が検出されない場合は、次の処理が実行されます。
    1. 対象インストールおよび現在のパッチ プロファイルから、該当するパッチが削除されます。
    2. 削除されたパッチが、現在のパッチ プロファイルに対して [Manage Patches] タブの [Downloaded Patches] パネルに表示されるようになります。

パッチを削除する際には、次の点に注意してください。

削除によって発生する衝突を解決する方法の詳細については、「パッチ間の衝突の解決」を参照してください。

 


パッチ間の衝突の解決

Smart Update では、ダウンロード、適用、または削除するパッチについて、対象インストールにすでに適用されている他のパッチとの互換性が検証されることにより、ご使用のシステムが保護されます。検証によって問題が検出されればパッチ間の衝突として報告されるので、衝突を解決してからパッチの操作を完了できます。

この節では、次の検証プロセスにおいて検出される場合がある衝突の種類について説明します。

各節では、衝突の種類ごとに、解決の手順についても説明します。

パッチのダウンロード時の検証

パッチのダウンロード時に衝突が報告されても、ダウンロード プロセスを続行することはできます。しかし、報告された問題はこの段階で解決してからダウンロードを続行することをお勧めします。

表 3-6 では、ダウンロード時の検証で報告される可能性がある衝突の種類について説明し、それぞれの種類について解決の手順を示します。

表 3-6 パッチのダウンロード時に検出される衝突条件 

報告される
衝突

該当するパッチの状況

衝突を解決し、選択したパッチをダウンロードするための手順

Prerequisite not met

このパッチを適用する前に、別のパッチを適用する必要がある

    1. 前提となるパッチの ID を確認する。

    2. [Cancel] をクリックして、選択したパッチのダウンロード プロセスを終了する。

    3. 手順 1 で確認した ID を使用し、前提となるパッチをダウンロードして適用する。

    4. 目的のパッチをダウンロードする。

Out of sequence

このパッチを適用する前に、適用されている別のパッチをいったん削除する必要がある

    1. 削除が必要なパッチの ID を確認する。

    2. [Cancel] をクリックして、選択したパッチのダウンロード プロセスを終了する。

    3. ID が示されたパッチを削除する。

    4. 目的のパッチをダウンロードして適用する。

    5. 手順 1 で削除したパッチをもう一度適用する。

Mutually exclusive

このパッチと併用できない別のパッチがすでに適用されている

    1. 適用済みのパッチの ID を確認する。

    2. 今回ダウンロードすることを選択したパッチと、すでに適用済みのパッチとで、いずれの必要性が大きいかを判断する。

ダウンロードするパッチのほうが重要と判断した場合は、衝突が報告された ID のパッチをすべて削除してから、目的のパッチをダウンロードして適用する。

すでに適用済みのパッチのほうが重要と判断した場合は、Smart Update を終了する。


 

警告 : Smart Update によるパッチのダウンロードは、必要に応じてどのような順序でも実行できます。ただし、特定の順序で適用する必要があるパッチについては、Smart Update での適用時に所定の順序に従う必要があります。誤った順序でパッチを適用しようとすると、パッチ間の衝突が報告され、衝突を解決しないと適用できません。

パッチの適用時の検証

パッチの適用プロセスでは、さまざまな種類の衝突が報告される可能性があります。衝突が報告された場合は、目的のパッチを適用する前に衝突を解決する必要があります。

表 3-7 では、適用時の検証で報告される可能性がある衝突の種類について説明し、それぞれの種類について解決の手順を示します。

表 3-7 パッチの適用時に検出される衝突条件 

報告される衝突

該当するパッチの状況

衝突を解決し、選択したパッチを適用するための手順

Prerequisite not met

このパッチを適用する前に、別のパッチを適用する必要がある

    1. 前提となるパッチの ID を確認する。

    2. [Cancel] をクリックして、選択したパッチの適用プロセスを終了する。

    3. 手順 1 で確認した ID を使用し、前提となるパッチをダウンロードして適用する。

    4. 本来適用しようとしていた目的のパッチを適用する。

Out of sequence

このパッチを適用する前に、適用されている別のパッチをいったん削除する必要がある

    1. 削除が必要なパッチの ID を確認する。

    2. [Cancel] をクリックして、選択したパッチの適用プロセスを終了する。

    3. 手順 1 で確認した ID のパッチを削除する。

    4. 本来適用しようとしていた目的のパッチを適用する。

    5. 手順 3 で削除したパッチをもう一度適用する。

Mutually exclusive

このパッチと併用できない別のパッチがすでに適用されている

対象インストールに適用する必要があるパッチを選択し、必要に応じて適用する。


 

パッチの削除時の検証

表 3-8 では、削除時の検証で報告される可能性がある衝突の種類について説明し、解決の手順を示します。

表 3-8 パッチの削除時に検出される衝突条件

報告される衝突

該当するパッチの状況

衝突を解決し、選択したパッチを削除するための手順

Dependency violated

このパッチを必要とする別のパッチがすでに適用されている

    1. 依存しているパッチの ID を確認する。

    2. [Cancel] をクリックして、ダウンロード手順を終了する。

    3. 依存しているパッチを必要に応じて削除する。

    4. 本来削除しようとしていた目的のパッチを削除する。


 

 


メンテナンス スナップショットの作成および使用

問題解決に必要な情報を BEA カスタマサポートに提供する作業が容易になるように、Smart Update には、特定のパッチ プロファイルに適用されているパッチに関する情報を簡単にキャプチャする方法が用意されています。その方法とは、メンテナンス スナップショットを作成することです。これは、[Manage Patches] タブで選択されたパッチ プロファイルに関する情報 (当該プロファイルに適用されている各パッチの ID など) を含んだ、プレーンな ASCII ファイルです。

BEA カスタマサポートに問題を報告すると、問題解決の最初の手順として、このスナップショットを提供するよう求められます。したがって、問題が発生した場合は、あらかじめメンテナンス スナップショットを用意してから BEA カスタマサポートに連絡することを強くお勧めします。

メンテナンス スナップショットは、Smart Update グラフィカル インタフェースを使用してすぐに作成できます。

  1. Smart Update のメイン ウィンドウにある [Target Installation] パネルで、報告する問題が発生した製品インストールを選択します。
  2. [Manage Patches] タブで、報告する問題が発生したパッチ プロファイルを選択します。
  3. [PatchesPatch ProfilesSave Snapshot...] を選択します。
  4. メンテナンス スナップショットの名前と場所の指定を求めるダイアログ ボックスが表示されます。デフォルトでは、メンテナンス スナップショット ファイルは BEA_HOME\utils\bsu 内に作成されます。別の場所を指定する場合は、目的の場所にあるファイルへのアクセスに必要な権限があることを確認してください。

メンテナンス スナップショットは、Smart Update コマンドライン インタフェースを使用して作成することもできます。その方法については、「コマンドライン インタフェースの例」に示す例を参照してください。

メンテナンス スナップショットを作成する際には、必ず次の事項を守ることをお勧めします。

メンテナンス スナップショットを BEA カスタマサポートに送付する際には、サポート関連の行動を必ず記録しておいてください。

 

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