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Oracle Collaboration Suiteリリース・ノート
10gリリース1(10.1.1) for HP-UX PA-RISC(64-bit)
B25364-01
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8 Oracle Mobile Collaborationリリース・ノート

この章では、Oracle Mobile Collaboration関連のリリース・ノートの問題がまとめられています。この章の内容は次のとおりです。


注意:

Oracle Mobile Data Sync関連のリリース・ノートの問題については、第4章4.4「Oracle Calendarアプリケーション・システム」で説明しています。


注意:

このドキュメントは2005年9月24日に更新されました。

8.1 Oracle Mobile Collaborationの新機能

この項では、Oracle Mobile Collaborationのこのリリースでの新機能および強化された機能について説明します。Oracle Mobile Collaboration全体にわたって拡張機能がありますが、ここではその一部について取り上げます。

8.1.1 新しい管理機能

Oracle Mobile Collaborationには、次の管理機能が含まれています。

  • Mobile Push Mailサーバー構成

  • モバイル・コラボレーション・パフォーマンス監視

  • デバイスのロックダウン(Mobile Push Mail用)

  • プッシュ・メール・クライアントのアップロード

  • ボイス・グラマーおよびDTMF同等物の生成

8.1.2 Mobile Push Mail

従業員の出先での活動はこれまで以上に増え、モバイル・サービス・プロバイダは、かつてないほど顧客に対して多くのサービスを提供しています。ユーザーとプロバイダは、各種ネットワーク間でシームレスに機能する一連のモバイル・チャネルおよび機器をサポートし、最適化するマルチベンダーの標準ベース・ソリューションを必要としています。次の項では、これらのソリューションについて説明します。

8.1.2.1 Mobile Push Mailソリューション

Oracle Collaboration Suite 10g Mobile Push Mailは、外出中の電子メールへのアクセスにこれまでにない柔軟性と便利さを提供します。Push IMAP(P-IMAP)という新しい標準を使用して、Mobile Push Mailでは、ユーザーに電子メールを手動で同期化(プル)することを要求するかわりに、新規および更新済のメッセージをモバイル機器にプッシュすることにより、常時接続を体験できます。その結果、すべての優先メッセージがどこでもリアルタイムで到着するため、ユーザーは決して電子メールを見逃すことがありません。


注意:

Oracle Collaboration Suite 10gリリース1(10.1.1.0.2)では、プッシュ・メール用のWindows Mobile 2003 Phone Editionを実行するモバイル機器のみをサポートします。

8.1.2.2 主要機能

Mobile Push Mailの主要機能は、次のとおりです。

8.1.2.2.1 リアルタイム、常時接続のプッシュ

P-IMAPベースのMobile Push Mailでは、すべてのモバイル機器に対してリアルタイムに電子メールをプッシュするための、エンドツーエンドの安全な、ファイアウォール背後にあるサーバーによるソリューションを提供します。Oracleソリューションでは、電子メールをリアルタイムでユーザーの介入を必要とせずに、モバイル機器にプッシュします。

8.1.2.2.2 クレードルなしの連続双方向同期

Oracleの連続双方向Mobile Push Mailにより、モバイル機器上のいかなる変更(電子メールの削除、電子メールに対する返信、電子メールのステータスの既読から未読への変更)も無線を使用してサーバーとリアルタイムで確実に同期化されます。同様に、サーバーの変更も、リアルタイムでモバイル機器に無線で反映されます。追加のクレードル、デスクトップ・ソフトウェア、または手動による調整も不要です。

8.1.2.2.3 オープン標準ベースのデバイスおよびネットワーク・アグノスティック・ソリューション

Mobile Push Mailは完全にオープン標準に基づき、機器、トランスポート・プロトコル、ネットワークにはまったく依存しません。Oracle P-IMAPソリューションは、既存のIMAPおよびHTTPSのテクノロジ・スタックを利用し、どの機器または電子メール・サーバー・プロバイダにも採用されるように完全にオープンです。

8.1.2.2.4 無線インストールおよびプロビジョニング

Mobile Push Mailのクライアントの無線(OTA)インストール。クライアントの最新バージョンが入手可能になると、ユーザーの機器にはクライアントをアップグレードするためのリンク付きの通知が自動的に配信されます。さらに、すべてのユーザーおよびアプリケーション設定も、完全に無線でプロビジョニングされるため、最も簡単な設定を実現します。

8.1.2.2.5 安全で信頼性の高い企業クラスのソリューション

ファイアウォールの背後に配置されるMobile Push Mailでは、モバイル・ユーザー向けに、HTTPSおよびSSLスタックに基づく、完全なエンドツーエンドの安全で信頼性の高い企業クラスのソリューションを提供します。

8.1.2.2.6 フォルダ、添付ファイルおよびフィルタのサポート

Mobile Push Mailでは、INBOX IMAPフォルダのプッシュ、添付ファイルのオープンおよび表示が完全にサポートされています。これにより、ユーザーはフィルタを作成または変更して、モバイル機器へのプッシュを希望する電子メールを指定できます。

8.1.3 リアルタイム・ブラウザ・アクセス

Oracle Mobile Collaborationは、ブラウザ機能を持つ任意のモバイル機器からコラボレーション情報への、非常に最適化されたワイアレス・アクセスを可能にします。モバイル機器のブラウザから従業員が実行できるタスクには、次のようなものがあります。

  • 電子メールとボイスメールのアクセス、返信または転送

  • 予定の表示、変更、取消しまたはステータス変更

  • グローバルまたは個人のアドレス帳での検索

  • Oracle Collaboration Suite Content Services(Files)の参照と選択したファイルのFAX送信

たとえば、モバイル受信ボックス機能では、ユーザーが緊急メールのみ、過去24時間のメール、ボイスメールのみ、FAXメッセージのみ、選択した送信者からのメールのいずれかを受信する仮想受信ボックスを作成できるため、より高速でパーソナライズされたメール・アクセスが実現します。これらのOracle Collaboration Suiteサービスをサポートするモバイル・アプリケーションは、構成済で出荷されます。モバイル・テキスト・アクセスは、テキストのみのモードをサポートします。

8.1.4 Oracle Voice Access

任意の電話機から音声コマンドを使用して、電子メールの取出しと返信、予定の管理、またはアドレス帳に載っている人への電話を行います。Oracle Collaboration Suiteに音声でアクセスするには、電話機からボイス・ゲートウェイに電話をかけて、音声インタフェースと対話します。Oracle Mobile Collaborationの音声対応アプリケーションは、音声およびプッシュホンの両方のコマンドに応答し、話者に依存しない音声認識機能を持つ任意のOracle対応VoiceXMLゲートウェイで実行されます。

8.1.5 ASKを使用した即時アクセス

ユーザーは、SMSまたは任意の電子メール・クライアントから、ASK(非同期アプリケーション)を使用してOracle Collaboration Suiteにアクセスできます。従業員は、簡単なASKコマンドをSMSまたは電子メールで送信し、その日の予定へのアクセス、従業員情報の検索、またはFAXあるいは電子メールで送信するファイルを選択するためのファイル・カタログの参照ができます。たとえば、ユーザーはASKコマンドcalをSMSで送信し、その日のすべての予定にアクセスしたり、find Harrisを送信してコーポレート・ディレクトリでHarrisを検索したりできます。

8.1.6 マルチチャネルでのアラートと通知

Oracle Collaboration Suiteでは、従業員が特定の電子メールまたはボイスメールを受信したとき、カレンダで重要なイベントの追加や更新が発生したとき、Web会議に招待されたとき、または重要なミーティングやWeb会議のアラームとして、従業員に通知します。従業員にとってユニークな利点は、これらの通知を受信するチャネル(SMS、MMS、電子メール、ボイス・アラートまたはFAX)を自由に指定できることです。

8.2 Oracle Mobile Collaborationの既知の制限および回避策

この項では、次の問題と解決策を説明します。

8.3 Oracle Mobile Collaborationの既知の問題

表8-1に、Oracle Mobile Collaborationの既知の問題を示します。

表8-1 Oracle Mobile Collaborationの既知の問題

説明 操作 バグ番号

ユーザーがOracle Collaboration Suite Portal(ptg/rm)にアクセスするに従い、OracleAS Wirelessデータベース・セッションが増加します。

この問題を修正するには、次のようにします。

  1. Oracle Collaboration Suite 10gリリース1(10.1.1.0.2)をインストールします。

  2. パッチ(Oracle MetaLink(metalink.oracle.com)で入手可能)を適用します。MetaLinkのNote番号は4487987です。

このパッチは、次の問題も修正します。

  • 「モバイル・プリファレンス」のページから戻るときに発生するエラー(バグ番号4473493)。

  • 電子メールの同期化中に発生するOracle Mobile Push Mailクライアントによる例外(バグ番号4482280)。

  • Oracle Voice Access: ユーザーの「メイン・メニュー」発声中に生じる致命的エラー(バグ番号4458550)。ユーザーの「ボイスメール」、「フォルダ」または「メイン・メニュー」発声後にシステムが停止(バグ番号4503356)。

  • ボイス・グラマー生成の失敗(バグ番号4414450)。

  • モバイルWebサービスでユーザー・プリンシパルからのユーザーIDの検証が必要(バグ番号4493790)。

  • モバイル・メールに対するストレス・テストで許容できないレスポンス時間(バグ番号4394574)。

  • 9042 UPG M15D: アップブレード後に音声によるログインが不可能(バグ番号4540413。このバグの別のエントリを参照)。

このパッチで対応するその他のバグのリストは、Oracle MetaLinkを参照してください。

4487987

9.0.4.xから10.1.1.0.2へのアップグレードの結果、追加のメッセージング・サーバー・プロセスが生じます。

Oracle Collaboration Suiteリリース2(9.0.4.x)からOracle Collaboration Suite 10gリリース1(10.1.1.0.2)へのアップグレードの結果、2つのメッセージング・サーバー・プロセスが生じます。パフォーマンスを高めるには、不要なメッセージング・サーバー・プロセスを削除、停止または無効にし、適切なメッセージング・サーバー・プロセスが完全に構成されている(PushDriverのインスタンスにユーザー名およびパスワードに定義したパラメータが含まれている)ことを確認します。そのためには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Collaboration Suite 10g Application Server Controlの「システム・コンポーネント」表で「ワイヤレス」をクリックして、OracleAS Wirelessのシステム・マネージャにアクセスします。OracleAS Wirelessシステム・マネージャの「ホーム」ページが表示されます。ページの「スタンドアロン」セクションには、2つのメッセージング・サーバー・プロセスが示されます(messaging_gtwy_1009およびmessagingserver1_1034など)。これらのプロセスの1つはリリース9.0.4.xのものです。もう一方はリリース10.1.1.0.2のメッセージング・サーバー・プロセスです(通常9.0.4.xプロセスの前に表示されます)。10.1.1.0.2プロセスでは、完全に構成されていない(ユーザー名もパスワードも定義されていない)PushDriverのインスタンスを使用し、メッセージ・ゲートウェイURLのパラメータはhttp://messenger.oracle.com/push/webservicesに設定されています。

  2. 適用されなくなったメッセージング・サーバー・プロセスを無効化、停止または削除します。

  3. 必要に応じて、適切なメッセージング・サーバー・プロセスの構成を次のように完了します。

    1. メッセージング・サーバー・プロセス(messaging_gtwy_1000など)を選択します。これは、「ホーム」ページの「スタンドアロン・プロセス」セクションにあります。

    2. 「停止」をクリックし、そのメッセージング・サーバー・プロセスを停止することを確認します。

    3. 「ドライバ・インスタンス」表から、PushDriverInstanceを選択し、「編集」をクリックします。PushDriverInstanceの「プロパティ」ページが表示されます。

    4. MessaginggatewayURLパラメータ(「ドライバ指定パラメータ」表)がhttp://messenger.oracle.com/push/webservicesと定義されていることを確認します。

    5. ユーザー名およびパスワードを入力します。

    6. 「OK」をクリックします。

    7. メッセージング・サーバー・プロセスを起動します。

4545277

アップグレード後のボイス・ナビゲーションにエラーが発生します。

リリース9.0.3.1がリリース10.1.1.0.2にアップグレードされたインストール上のOracle Voice Accessにエラーが発生しているという間欠的エラーが報告されています。このエラーの場合、ユーザーは電話を切り、再びダイアルインして、モバイル・アプリケーション(モジュール)の1つから「メイン・メニュー」に戻ることを試みる必要があります。

このエラーを修正するは、次のようにします。

  1. OracleAS Wirelessツールの1つであるOracleAS Wirelessコンテンツ・マネージャにアクセスします。OracleAS Wirelessツールにアクセスするには、Application Server Controlの「ホーム」ページの「システム・コンポーネント」表で「Mobile Collaboration」の管理アイコンをクリックします。

  2. 管理者ユーザー名およびパスワードを入力します。OracleAS Wirelessツールが表示されます。

  3. 「コンテンツ」をクリックします。コンテンツ・マネージャが表示され、アプリケーションの参照画面にデフォルト設定されています。

  4. 「アプリケーション・リンクの追加」をクリックします。ウィザードのマスター・アプリケーション・ページが表示され、ここでマスター・アプリケーションに基づくアプリケーション・リンク(アプリケーション)を作成します。

  5. このアプリケーションのベースとなるマスター・アプリケーションとしてメイン・メニューを選択します。

  6. 「次へ」をクリックします。「一般」ページが表示されます。

  7. 「アプリケーション名」フィールドに、Voice Main Menu Newと入力します。

  8. アプリケーション設定OMP URLフィールドに設定された値がomp://oracle/services/voice/mainmenuであることを確認します。

  9. 「終了」をクリックします。

  10. 元のVoice Main MenuアプリケーションのPAoidではなく、Voice Main Menu NewアプリケーションのPAoid(OracleAS Wirelessリポジトリ内のVoice Main Menu NewアプリケーションのオブジェクトID)を使用して、ボイス・ログインを指す電話番号を再プロビジョニングします。

  11. コンテンツ・マネージャの「制御コンテンツへのアクセス」タブを次のように使用して、ユーザーがVoice Main Menu Newにアクセスできるようにします。

  • 「制御コンテンツへのアクセス」タブを選択します。「グループ」ページが表示されます。

  • 「ユーザー」を選択します。

  • 「アプリケーションの割当て」をクリックします。「ユーザー」グループの「アプリケーション・コンテンツ」ページが表示されます。

  • 「Voice Main Menu New」(「使用可能アプリケーション」セクション)を選択し、「グループに追加」をクリックします。

  • 「終了」をクリックします。

4473879

電話通知が失敗します。

Oracleがホストではないゲートウェイで配信通知が失敗します。

Oracleがホストであるゲートウェイを使用する場合は、何の操作も必要ありません。Oracleがホストでないゲートウェイを使用する場合は、このバグの修正をそのゲートウェイにデプロイする必要があります。修正には、更新されたwireless.jarファイルが含まれます。これはOracle Application Server 10gリリース2(10.1.2.0.2)に付属している他、オラクル社カスタマ・サポート・センターから1回かぎりのパッチとして入手できます。

4291557

Mobile Push MailをSSL接続用に構成します。

SSL接続性を構成するには、pimap.propertiesファイル($ORACLE_HOME/wireless/server/classes/oracle/panama/imap/config/pimap.propertiesにある)を、(SSLサーバーの構成設定に基づいて)次のキーを非コメント化して更新することにより変更する必要があります。

  • dm.external.URL

  • pimap.external.URL

  • syncml.external.URL

pimap.propertiesファイルには、これらのキーの例が含まれています。

HTTPSをサポートするためのOracle Application Server Wirelessの設定の詳細は、『Oracle Application Server Wireless管理者ガイド』を参照してください。

4510910関連

Wirelessの構成後に「ポート」ページでエラーが発生します。Oracle Mobileを使用するために、Wirelessの構成が必要になることがあります。

すべてのOracle Collaboration Suiteコンポーネントが、Collaboration Suite Controlを使用して構成されている場合、構成手順の後で、Oracle Enterprise Managerを再起動する必要があります。

4475021

グローバリゼーション: マルチバイト文字のユーザー名を持つモバイル・ユーザーは、Oracle Collaboration Suite 10g Content Services(Oracle Files)にアクセスできません。

ユーザー名は、Oracle Content Servicesへのモバイル・アクセスを可能にするASCII文字で指定する必要があります。

2563595

9.0.4.1から10.1.1.0.2へのアップグレード後、Oracle Collaboration Suite 10g Voice Access Messages(メール)では、プロが録音した音声ではなく、テキストから音声への変換のみを再生します。

この問題を修正するには、Oracle Collaboration Suiteのアプリケーション層インスタンスで、次のコマンドを実行することにより、catspeech.xmlをアップロードします。

$ORACLE_HOME/wireless/bin/upload.sh

$ORACLE_HOME/wireless/repository/xml/catspeech.xml -lorcladmin/<password for the orcladmin user>

4540413

9.0.4.1から10.1.1.0.2へのアップグレード後、ユーザーには、メッセージのプロンプト用、および連絡先リストにエントリがない場合に、プロが録音した音声ではなく、テキストから音声への変換が聞こえます。Oracle Collaboration Suite 10g Voice Access連絡先の場合、ユーザーには、「「メイン・メニュー」、「ヘルプ」と言うか、停止することができます。」という音声が聞こえます。システムでは、「メイン・メニュー」コマンドは理解されません。

この問題は、音声ナビゲーションを修正する手順に従い(バグ番号447389)、バグ番号4540413で説明されているようにcatspeech.xmlを適用すれば、修正されます。

4545819

グローバリゼーション: Oracle Collaboration Suite Portal(ptg/rm)では、アラビア語に対する双方向のサポートは提供されていません。

なし。

4400585

midtierSSLConfigToolは、ptg/rm URLをHTTPSで更新しません。

なし。

4510910


8.4 Oracle Mobile Collaborationのグローバリゼーション関連の問題

次の表に、Oracle Mobile Collaborationのグローバリゼーション関連の問題を示します。

表8-2 Oracle Mobile Collaborationのグローバリゼーション関連の問題

説明 操作 バグ番号

41バイトより長いマルチバイトの添付ファイル名は、受信メールではUTF-8エンコーディングで表示されます。これを保存しようとすると、エラーが発生します。

メッセージに添付する前に、マルチバイトのファイル名を短くします。

4513583