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Oracle Business Intelligence Discoverer 管理ガイド
10gリリース2(10.1.2.0.0)
B15623-01
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マルチディメンション・データソースにアクセスするDiscovererシステムの管理

この章では、マルチディメンション・データソースにアクセスするDiscovererシステムの管理について説明します。項目は次のとおりです。

マルチディメンション・データソースにアクセスするDiscovererシステムを管理するための前提条件

Discovererエンド・ユーザーがマルチディメンション・データソースにアクセスする前に、次の作業を実行する必要があります。

オンライン分析処理(OLAP)

オンライン分析処理(OLAP)は、マルチディメンション・データソースに対して実行するクエリーを示します。 たとえば、「注文84305はいつ出荷されたか」は単純なクエリーの例です。 また、「南西地区の今四半期の売上を、1年前の売上とどのように比較するか、 次の四半期の売上予測はどうなるか、 売上予測を改善するために変更できる要因は何か」は、典型的な一連のクエリーの例です。

最も標準的なクエリーは、単純なデータ選択と取得で構成されます。 ただし、OLAPクエリーは詳細に構造化されているため、ユーザー定義アイテム、時系列の分析、および集計済の履歴データや現行データへのクイック・アクセスを含めることができます。 OLAPクエリーでは、メジャーで使用するディメンションおよび階層を使用します。 データのクエリーを行う際は、「当地区で製品をどのように販売するか」のようにビジネス用語を使用します。 各ディメンションには、質問する方法を反映した独自の選択内容が含まれます。

OLAPの詳細は、次のドキュメントを参照してください。

マルチディメンション・データソース

マルチディメンション・データソースは、大量のデータを分析するために最適化されています。 このようなデータソースは、データ・ウェアハウス、またはオンライン分析処理(OLAP)データソースとも呼ばれます。

リレーショナル・データソースでは、データがテーブルに編成されています。 テーブルは、列と行を持つデータ構造です。 これに対して、マルチディメンション・データは、1つ以上のディメンションで編成されたデータです。 通常、マルチディメンション・データ構造はキューブと呼ばれます。 Oracle9i以上のデータベースには、リレーショナル・データ構造(テーブルと列)とマルチディメンション・データ構造(キューブ)の両方を含めることができます。これら2つの構造を組み合せることによって、マルチディメンション・データに迅速にアクセスする一方で、リレーショナル・データを集計することも可能です。

Discovererカタログ

Discovererカタログは、Discoverer Plus OLAP用のオブジェクトの定義を格納および取得するためのリポジトリです。 Discovererカタログは、Oracle Business Intelligence Beans(BI Beans)を使用して作成されたアプリケーションで使用できます。 エンド・ユーザーはDiscoverer Plus OLAPを使用して、ワークブック、ユーザー定義アイテム、保存済選択などのオブジェクトをDiscovererカタログに格納し、Discovererカタログにアクセスする他のユーザーとそれらのオブジェクトを共有します。 たとえば、ユーザーはBI Beansアプリケーションでグラフを作成してDiscovererカタログに格納できます。 他のユーザーは、適切なアクセス権を持っている場合、Discovererカタログに格納されたグラフを取得して、Discoverer Plus OLAPで新規ワークシートにそのグラフを挿入できます。

Discovererカタログを使用すると、ユーザーやシステム管理者は特定のオブジェクトへのアクセス権を指定できるため、オブジェクト・レベルでのセキュリティを確立できます。

注意: DiscovererカタログをOLAPカタログと混同しないでください。Discovererカタログにはオブジェクト定義が格納されています。 OLAPカタログでは論理マルチディメンション・オブジェクトを定義します。そのオブジェクトは、スター・スキーマまたはスノーフレーク・スキーマのテーブル内の列、あるいはアナリティック・ワークスペースのマルチディメンション・オブジェクトにマップできます。

Discovererカタログのインストールおよび管理の詳細は、『Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイド』を参照してください。

マルチディメンション・データソースにアクセスするDiscovererシステムの管理

この項では、マルチディメンション・データソースにアクセスするDiscovererシステムの管理者の役割、使用するツール、およびマルチディメンション・データソースとリレーショナル・データソースの管理方法の相違について説明します。

マルチディメンション・データソースにアクセスするDiscovererシステムの管理者の役割

Discovererマネージャには、Discoverer Plus OLAPの初期実装、および継続的な管理とメンテナンスを行う責任があります。 Discovererマネージャとしての役割を果たし、マルチディメンション・データソースを使用する際に企業の意思決定担当者をサポートするには、次の事項を理解しておく必要があります。

アクセス対象がマルチディメンション・データソースの場合とリレーショナル・データソースの場合のDiscovererシステムの管理方法の相違

マルチディメンション・データソースにアクセスするDiscovererシステムを管理するためには、リレーショナル・データソースにアクセスするDiscovererシステムとの管理方法の相違を理解する必要があります。相違点は次のとおりです。

リレーショナル・データソースとともにDiscovererを使用する場合とDiscoverer Plus OLAPを使用する場合の相違については、『Oracle Business Intelligence Discoverer Plusユーザーズ・ガイド』を参照してください。

マルチディメンション・データソースにアクセスするDiscovererシステムを管理するために使用するツール

マルチディメンション・データソースにアクセスするDiscovererシステムを管理する際は、指定のツールを使用して次の管理作業を実行します。

Discoverer Plus OLAPの開始時にユーザーを支援する方法

Discovererマネージャは、次の各項で説明する方法でDiscoverer Plus OLAPのユーザーを支援できます。

サンプル・ワークブックへのアクセスを有効にする方法

Discoverer Plus OLAPには、製品に含まれる多数の強力な機能を説明するためにサンプル・ワークブックが同梱されています。 ユーザーがサンプル・ワークブックにアクセスできるようにするには、Discovererカタログとサンプル・ワークブックをインストールする必要があります。 このインストール処理に関するドキュメントは、Oracle Technology NetworkのDiscovererの項から入手できます。

プリプロセッサ・プログラムの作成方法

Discovererマネージャは、Discoverer Plus OLAPまたはDiscoverer Viewerの起動前にユーザーが特定の作業を実行するためのプリプロセッサ・プログラムを作成できます。

プリプロセッサ・プログラムを作成する理由

Discoverer Plus OLAPおよびDiscoverer Viewerのユーザーは、製品の起動前にプリプロセッサ・プログラムを実行すると便利な場合があります。 プリプロセッサ・タスクを指定するには、PL/SQLコードを入力し、D4OSYSスキーマにD4O_AUTOGOストアド・プロシージャを定義します。 このストアド・プロシージャは、Discoverer Plus OLAPおよびDiscoverer Viewerの起動時に自動的に実行されます。

D4O_AUTOGOストアド・プロシージャを使用して、次のような作業を実行できます。

D4O_AUTOGOストアド・プロシージャの引数

D4O_AUTOGOストアド・プロシージャが受け取る引数は、ログインするユーザーのユーザーIDのテキスト値のみです。D4O_AUTOGOストアド・プロシージャが定義されている場合、Discoverer Plus OLAPおよびDiscoverer Viewerは現行ユーザーのユーザーIDをストアド・プロシージャに渡します。

プリプロセッサ・プログラムの作成例

ユーザーが分析を許可されるデータ値の範囲を設定することは、プリプロセッサ・タスクの一例です。 たとえば、サンプル・ワークブックでは、ユーザーScottは将来の予測データ(たとえば、2005年データ)を参照することは許可されていません。 このようなセキュリティを設定するには、D4O_AUTOGOストアド・プロシージャを使用してデータの範囲を設定するための環境を指定する必要があります。

サンプル・ワークブックで使用するデータは、shawという名前のOracle OLAPアナリティック・ワークスペースに格納されます。 このワークスペースにはscope_dataというストアド・プロシージャが定義され、現行のデータベース・ユーザーIDに基づいて期間の範囲が設定されます。scope_dataストアド・プロシージャは次のように定義されます。

DEFINE SCOPE_DATA PROGRAM

PROGRAM

"Scopes data based on user id

trap on error noprint

aw attach CS_OLAP.SHAW first

"***

"* shawt_time_isvisible specifies for each user the time periods that are visible.

"* The SCOTT user does not have access to 2002 forecast data

"***

limit shawusers to upcase(userid)

cns shawt_time

permit read when shawt_time_isvisible

error:

return

END

scope_dataストアド・プロシージャを実行するために、D4O_AUTOGOストアド・プロシージャを次のように定義できます。

CREATE OR REPLACE PROCEDURE D4OSYS.D4O_AUTOGO (user_id IN VARCHAR) is

BEGIN

dbms_aw.aw_attach('CS_OLAP', 'SHAW');

dbms_aw.execute('scope_data');

END;


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