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Oracle Reports レポート作成ガイド
10gリリース2(10.1.2)
B25068-01
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グループ上マトリックス・レポートの作成

この章では、グループ上マトリックス・レポートについて学習します。この章の手順に従うと、図27-1に示すようなレポート出力を生成できます。

図27-1    グループ上マトリックス・レポートの出力


画像の説明

概要

データ・リレーションシップ

このグループ上マトリックス・レポートの例では、1つの問合せと5つ以上のグループを使用します。1つ以上のグループをクロス積の上に配置し、マスター・グループとします。

レイアウト

このレポートでは、グループ別マトリックスのレイアウト・スタイルを使用します。

使用例

この例では、各年度の給与を部門と職種ごとにクロス集計するレポートを作成します。結果のグループ・レポートは、年度がマスターとなり、ディテールのマトリックスには職種が上の横方向、部門が左端の縦方向に表示され、セル内には給与の合計が含まれます。これにより、ある年度の部門20における事務員の全給与の合計がすぐにわかります。

このサンプル・レポートの作成過程では、次を行います。

グループ上マトリックス・レポートのサンプルを表示するには、サンプル・フォルダmatrixgroupを開き、Oracle Reportsのサンプルmatrixgroup.rdfを開きます。アクセス方法の詳細は、「はじめに」の「サンプル・レポートへのアクセス」を参照してください。

27.1 この例の前提条件

この章の例を作成するには、Oracle Database付属のSCOTTサンプル・スキーマに対するアクセス権が必要です。このサンプル・スキーマに対するアクセス権の有無が不明のときは、データベース管理者に問い合せてください。

27.2 マトリックス・グループのデータ・モデルとレイアウトの作成

このレポートは単一問合せレポートであるため、レポート・ウィザードで簡単に作成できます。

レポート・ウィザードでデータ・モデルとレイアウトを作成するには:

  1. Reports Builderを起動します。すでに起動している場合は、「ファイル」→「新規」→「レポート」を選択します。

  2. 「ようこそ」ダイアログ・ボックスまたは「新規レポート」ダイアログ・ボックスで、「レポート・ウィザードを使う」を選択して「OK」をクリックします。

  3. 「ようこそ」ページが表示されたら、「次へ」をクリックします。

  4. 「レポート・タイプ」ページで、「ペーパー・レイアウトのみ作成」を選択し、「次へ」をクリックします。

  5. 「スタイル」ページでレポートのタイトルを入力し、「グループ別マトリックス」を選択し、「次へ」を選択します。

  6. 「データ・ソース」ページで、「SQL問合せ」をクリックし、「次へ」をクリックします。

  7. 「データ」ページの「データ・ソース定義」フィールドに次のSELECT文を入力します。

    SELECT TO_CHAR(HIREDATE, 'YY') YEAR, DEPTNO, JOB, SUM(SAL)
    FROM EMP
    GROUP BY TO_CHAR(HIREDATE, 'YY'), DEPTNO, JOB
    


    注意

    この問合せは、次のいずれかの方法で入力できます。

    • 提供されているテキスト・ファイルmatrixgroup_code.txtからコードをコピーして、「データ・ソース定義」フィールドに貼り付けます。

    • 「クエリー・ビルダー」をクリックして、コードを入力せずに問合せを作成します。

    • 「データ・ソース定義」フィールドにコードを入力します。

     

  8. 「次へ」をクリックします。


    注意

    データベースにまだ接続していない場合は、「クエリー・ビルダー」または「次へ」をクリックしたときに、データベースに接続するよう求められます。この例に該当するスキーマが含まれるデータベースに接続してください。第27.1項「この例の前提条件」に、この例のサンプル・スキーマの要件に関する説明があります。 


  9. 「グループ」ページで、「使用可能フィールド」リストの「YEAR」をクリックし、「>」ボタンをクリックしてこのフィールドを「マトリックス・グループ・フィールド」リストに移動し、「次へ」をクリックします。

  10. 「行」ページで、「使用可能フィールド」リストの「DEPTNO」をクリックし、「>」ボタンをクリックしてこのフィールドを「マトリックス行フィールド」リストに移動し、「次へ」をクリックします。

  11. 「列」ページで、「使用可能フィールド」リストの「JOB」をクリックし、「>」ボタンをクリックしてこのフィールドを「マトリックス列フィールド」リストに移動し、「次へ」をクリックします。

  12. 「セル」ページで、「使用可能フィールド」リストの「SUM_SAL」をクリックし、「>」ボタンをクリックしてこのフィールドを「マトリックス・セル・フィールド」リストに移動し、「次へ」をクリックします。


    注意

    このケースでは、問合せ自身がSUMファンクションを使用してサマリーを実行します。そのため、ここでは「合計」ボタンは使用しません。 


  13. 「合計」ページで、「使用可能フィールド」リストの「SUM_SAL」をクリックし、「合計」をクリックしてこのフィールドを「マトリックス合計」リストに移動し、「次へ」をクリックします。

  14. 「ラベル」ページで、SUM_SALのラベルを削除し、「次へ」をクリックします。

  15. 「テンプレート」ページで、「テンプレートなし」を選択し、「終了」をクリックして、ペーパー・デザイン・ビューにレポート出力を表示します。表示は次のようになります。

    図27-2    グループ上マトリックス・レポートのペーパー・デザイン・ビュー


    画像の説明

  16. レポートをmatrixgroup_<自分のイニシャル>.rdfという名前で保存します。

27.3 サマリーのラベルと線の追加

レポートをさらに読みやすくするには、行と列のサマリーにラベルを追加します。また、列サマリーの上に線があると、セルの値と区別しやすくなります。

ラベルを追加するには:

  1. ペーパー・デザイン・ビューで、ツール・パレットの「テキスト」ツールをクリックします。

  2. 最初の部門番号の真下から最初の合計の左側までの空いている領域をクリックします。

  3. Job Tot.:と入力し、ペーパー・デザイン・ビューの空き領域をクリックします。この手順を正しく実行すると、レポート内のすべての行サマリーにラベルが表示されます。

  4. 必要に応じて、矢印キーを使用して、ラベルとサマリーの位置を調整します。

    ヒント

    より厳密に移動する必要がある場合は、「表示」メニューの「グリッド指定」をオフにします。また、ツールバーの「フレックス・オフ」ボタンをクリックして、フレックス・モードをオフにすると、便利です。 

  5. ツール・パレットの「テキスト」ツールをクリックします。

  6. 行サマリーの真上の空いている領域をクリックします。

  7. Dept. Tot.と入力し、ペーパー・デザイン・ビューの空き領域をクリックします。この手順を正しく実行すると、レポート内のすべての行サマリーにラベルが表示されます。

  8. 必要に応じて、矢印キーを使用して、ラベルとサマリーの位置を調整します。

    図27-3    サマリー・ラベルが付いたグループ上マトリックス・レポートの出力


    画像の説明

列サマリーの上に線を追加するには:

  1. ペーパー・デザイン・ビューで、前述の項で作成した「Job Tot.」ラベルをクリックします。

  2. [Shift]を押しながら「Job Tot.」の右側にある各サマリーをクリックします。

  3. ツールバーの「フレックス・オン」ボタンをクリックして、フレックス・モードをオンにします。

  4. 「Job Tot.」とサマリー・フィールドをクリックし、約0.25インチ(0.5 cm)下へドラッグします。

  5. ツールバーの「ペーパー・レイアウト」ボタンをクリックして、ペーパー・レイアウト・ビューを表示します。

  6. ペーパー・レイアウト・ビューでは、F_SumSUM_SALPerJOBフィールドとF_SumSUM_SALPerYEARフィールドの真上に空白が2つあります。

  7. ツール・パレットの「線」ツールをクリックします。

  8. 「F_SumSUM_SALPerJOB」の上で空白をクリックし、そのままドラッグして線を作成します。

  9. 手順7と8を繰り返して、「F_SumSUM_SALPerYEAR」の上にも線を作成します。

    図27-4    列サマリーの上に線が追加されたレイアウト・モデル


    画像の説明

27.4 グループ間への空白の追加

出力では、グループの間に空白はありません。

空白を追加するには:

  1. ペーパー・レイアウト・ビューで、ツールバーの「制限オフ」ボタンおよび「フレックス・オン」ボタンをクリックして、制限モードをオフに、フレックス・モードをオンにします。

  2. 「Year」ラベルをクリックして選択し、[Shift]を押しながらその右側の「F_YEAR」フィールドもクリックして選択します。

  3. 「F_YEAR」フィールドをクリックし、約0.25インチ(0.5 cm)下へドラッグします。

  4. ツールバーの「ペーパー・デザイン」ボタンをクリックして、ペーパー・デザイン・ビューでレポート出力をプレビューします。

    図27-5    空白を追加したグループ上マトリックス・レポートの出力


    画像の説明

27.5 Webレイアウトの作成

ペーパー・レイアウトを作成したので、次にこのレポートのWebレイアウトも作成します。Webレイアウトは、ペーパー・レイアウトを変更しなくても、レポート・ウィザードで簡単に作成できます。

Webレイアウトを作成するには:
  1. 「ツール」→「レポート・ウィザード」を選択します。

  2. 「Webレイアウトのみ作成」を選択します。

  3. 「終了」をクリックします。

  4. ツールバーの「Webソース」ボタンをクリックし、WebレイアウトのWebソースを確認します。

  5. 「プログラム」→「Webレイアウトを実行」を選択し、Webレイアウトをプレビューします。


    注意

    • デフォルトのブラウザがNetscape 7.0で、ブラウザが表示されない場合、レジストリ・キーHKEY_CURRENT_USERS¥Software¥Oracle¥Toolkit¥Tkbrowserをデフォルトのブラウザの場所に設定します。BrowserNameキーおよびBrowserPathキーが正しい値を反映していることを確認してください。たとえば、次のようになります。BrowserName=Netscape 7; BrowserPath=C:¥Program Files¥Netscape¥Netscape¥Netscp.exe

    • major.minorバージョン関連のエラーで「Webレイアウトを実行」が失敗した場合、CLASSPATH環境変数またはREPORTS_CLASSPATH環境変数を次のように更新する必要があります。oc4j.jarファイル・パス内の9.0.x ORACLE_HOMEの指定を削除します(oc4j.jarファイル・パスは10gリリース2(10.1.2) ORACLE_HOMEのみを指定している必要があります)。

     

27.6 まとめ

これで、すべての作業が完了しました。グループ上マトリックス・レポートは正常に作成されました。この章で学習した内容は次のとおりです。

この例で使用されているウィザード、ビュー、プロパティの詳細は、Oracle Reportsオンライン・ヘルプを参照してください。このヘルプは、第3.1.1項「Oracle Reportsオンライン・ヘルプの使用」で説明しているとおり、Reports BuilderまたはOracle Technology Network(OTN)から表示できます。


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