ここでは、Oracle HTML DBリリース2.0の新機能について説明し、それらの追加情報の参照先を示します。
Oracle HTML DBリリース2.0には、アプリケーション・ビルダーおよびSQLワークショップに多数の新機能および拡張機能が追加されています。
内容は次のとおりです。
アプリケーション・ビルダーは多数の新機能を備えており、ナビゲーションが一部変更されています。 アプリケーションのリストが、Oracle HTML DBのホームページから下位ページの「アプリケーション」ページに移動しています。 また、ユーザー・インタフェースのデフォルト値が、SQLワークショップからアプリケーション・ビルダーに移動しています。
アプリケーションの作成ウィザード: リリース2.0では、以前の2つのウィザード(「アプリケーションを最初から作成」ウィザードおよび「表に基づいてアプリケーションを作成」ウィザード)の機能が「アプリケーションの作成」ウィザードに統合されています。 リリース2.0では、問合せ、更新および分析のページを複数の表で作成できるため、表は1つという以前のリリースでの制限が撤廃されています。 「アプリケーションの作成」ウィザードは、次の拡張機能も備えています。
ページ編成: ページを追加する場合に、ページを順次および階層的に編成できます。
ドリルダウン・レポート: ウィザードでページを追加する場合に、1つのレポートから別のレポートへのリンクを作成して、ドリルダウン・レポートを作成することができます。
アプリケーション・モデル: アプリケーション・モデルを使用すると、以前のアプリケーション定義から始めてアプリケーションを再作成できます。 「アプリケーションの作成」ウィザードでアプリケーションの定義に時間を費やしたが、結果に完全に満足できない場合に、以前のアプリケーション定義から始めて別のアプリケーションを作成できます。
文脈依存のヘルプ: 各ページの「ヘルプ」アイコンが、文脈依存のヘルプ・トピックにリンクされました。 以前のリリースでは、「ヘルプ」アイコンをクリックするとヘルプの目次が表示されました。
プルダウン・メニューのナビゲーション: Oracle HTML DBユーザー・インタフェースの大きいグラフィカル・アイコンにプルダウン・メニューが採用されたため、特定のタスクへのリンクが一層容易になっています。 アイコンの右側にある下矢印をクリックするだけで、プルダウン・メニューが表示されます。 プルダウン・メニューによって、画面の雑然さが緩和され、ページ・ビューの削減によってナビゲーションの速度が向上します。また、ユーザーはプルダウン・メニューのオプションを参照することでサブシステムの機能を把握できるため、より幅広い状況に対応できます。
階層リストおよび階層リスト・テンプレート: リリース2.0は、階層リストに対応しています。 リスト・エントリは以前のリリースと同様に作成します。 各リスト・エントリには親属性が追加されています。 階層リストは、1つのリスト・エントリを別のリスト・エントリの親に指定して定義します。 リリース2.0には、テンプレートをレベル固有に指定できる新しいテンプレート属性も追加されています。 また、提供される各テーマには、各種の階層リストに対応する3つの新しいリスト・テンプレートが付属しています。
セッション・ステート保護: 新しいセッション・ステート保護機能を使用すると、ハッカーによるURLの改ざんからアプリケーションが保護されます。URL改ざんにより、プログラム・ロジック、セッション・ステートの内容および情報プライバシーが悪影響を受ける可能性があります。
テンプレートの改善: リリース2.0で提供されている各テーマには、新しいテンプレートと改善されたテンプレートが含まれています。 ページのフッターをページ下部にフロート表示できるようになり、HTMLが改善されています。 各テーマには、部分ページ・リフレッシュを使用してレポート・リージョンをレンダリングできるレポート・テンプレートも含まれています。 部分ページ・リフレッシュでは、レポートのページ区切りによってページ属性も他のレポートもリフレッシュされず、1つのリージョンのレポート部分だけがリフレッシュされます。
アイコン・ビュー: Oracle HTML DBのアプリケーション、ページおよびコンポーネントは、アイコン・ビューまたはリスト・ビューの形式で表示できます。 たとえば、アプリケーション・ビルダーのホームページではアプリケーションがアイコンとして表示されます。 「ビュー」リストから選択して、このデフォルトのアイコン・ビューを変更できます。 表示モードを変更すると、Oracle HTML DBでは後続のすべてのビューおよびセッションでその選択内容が継承されます。 アイコン・ビューにより画面の雑然さが緩和され、アプリケーション・ビルダー内での状況に関して一貫した視覚的ヒントが得られます。
部分ページ・リフレッシュによるレポートの改善: アプリケーション・ビルダーのレポートに、部分ページ・リフレッシュというレンダリング技術が採用されました。 部分ページ・リフレッシュを使用すると、ページ全体はリフレッシュされず、レポートの内容だけがリフレッシュされるため、ページ区切りおよびレポートのソートのパフォーマンスが改善されます。
新しい日付ピッカー・アイテム・タイプ: HTML DB 2.0には、宣言的な日付ピッカー・アイテム・タイプの完全なセットが含まれ、一般的に使用されるすべての日付書式に対応しています。 日付ピッカー・アイテム・タイプは、アプリケーション言語またはユーザーの言語プリファレンスのローカライゼーション属性にも完全に準拠します。
自動CSVエンコーディング: Oracle HTML DBリリース2.0には、自動CSVエンコーディングという新しいアプリケーション属性が追加されています。 この属性は、すべてのレポートCSVダウンロード・ファイルのキャラクタ・エンコーディングを制御します。 Oracle HTML DBの以前のリリースでは、CSVファイルのキャラクタ・エンコーディングはデータベース・アクセス記述子のキャラクタ・セットによって決定されていました。 リリース2.0では、自動CSVエンコーディング属性を使用してCSVダウンロード・ファイルのキャラクタ・エンコーディングを変更することで、アプリケーションの言語プリファレンスによって決定されるユーザーのクライアント・キャラクタ・セットに対応させることができます。
SQLワークショップは完全に再設計されています。 また、データ・ワークショップがSQLワークショップに統合されています。
SQL、SQLスクリプトおよびPL/SQLエディタ: SQLスクリプトおよびPL/SQLをより効率的に記述および編集できるよう、SQLワークショップにテキスト・エディタが追加されています。 PL/SQLプログラム・ユニットの編集時、またはSQLスクリプトの作成または編集時に、このエディタを使用できます。 このエディタは、行番号、検索および置換機能を備え、32Kを超えるテキストに対応しています。
クエリー・ビルダー: クエリー・ビルダーのGraphical User Interfaceを使用すると、SQLの知識がほとんどあるいはまったくなくても、データベース・オブジェクトの検索およびフィルタ適用、オブジェクトおよび列の選択、オブジェクト間の関係の作成、問合せ結果の書式の表示、問合せの保存を行うことができます。
オブジェクト・ブラウザ: オブジェクト・ブラウザを使用すると、単一のデータベースで複数のスキーマのオブジェクトを参照、作成および編集できます。 オブジェクト・ブラウザには新しいPL/SQLエディタが追加されています。 このエディタを使用すると、構文のハイライトおよびエラー・レポートを利用して、パッケージ、プロシージャ、ファンクションおよびトリガーの編集とコンパイルを行うことができます。
データベース・リンク・テスター: オブジェクト・ブラウザには、データベース・リンクを作成するための改善された新しいインタフェースが含まれています。 「オブジェクトの詳細」ビューでは、データベース・リンクについての情報を表示できるだけでなく、リンクをテストできます。
SQLコマンド・プロセッサ: SQLコマンド・プロセッサが、バインド変数およびはるかに堅牢な実行計画機能に対応しました。 SQLコマンド・プロセッサは、画面の領域をより詳細に制御できる分割画面機能を備えています。 また、新しい[Ctrl]+[Enter]キーボード・ショートカットを使用して、選択されているテキストを実行することもできます。
SQLスクリプト: SQLコマンド・プロセッサが、SQL*Plusスクリプトを解釈できるようになりました。 CONNECT
などのSQL*Plusコマンドは使用できません。 対応していないコマンドは、フラグが付けられ、レポートされます。 SQLコマンド・プロセッサによるSQLスクリプトの解析と実行がより効率的になりました。 また、実行されたスクリプトをアーカイブして、サマリー・モードまたは詳細モードで表示できます。 さらに、「スクリプト結果の管理」ページでスクリプトの結果を表示および削除できます。
データベース監視: データベース・セッションおよび上位SQL監視が追加されています。 この監視を使用するには、追加の資格証明を提供する必要があります。これは、この監視ではデータベース全体に関するレポートが行われるためです。 この監視では、データベース内で現在実行されているSQLが識別されるとともに、上位SQLについてのレポートが行われます。 堅牢な実行計画へのドリルダウンにも対応しています。
SQLインジェクション分析ツール: 新しいSQLインジェクション・レポートを使用して、アプリケーションに潜在的なセキュリティの脆弱性がないかどうかを評価できます。