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Oracle Application Server アップグレードおよび互換性ガイド
10g(10.1.4.0.1)for Microsoft Windows

B31481-01
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A Oracle Identity Managementマルチマスターおよびファンアウト・レプリケーションのアップグレードの実行

この付録では、Oracle Internet Directoryのレプリケートされた環境でのOracle Identity Management 10g(10.1.4.0.1)へのアップグレード方法について説明します。

詳細は、次の項を参照してください。

A.1 タスク1: レプリケーション環境のアップグレードにおける用語、前提条件および主要な概念

この章のアップグレード手順を開始する前に、次の前提条件および要件を確認します。

A.1.1 この章の用語についての規則

この章では、新しくインストールおよびアップグレードした10g(10.1.4.0.1)のレプリカをアップグレード先レプリカと呼び、アップグレード対象の10gリリース2(10.1.2)のレプリカをソース・レプリカと呼びます。

A.1.2 レプリケーション環境におけるアップグレード元のリリース

この章のアップグレード手順は、Oracle Internet Directory 10g(9.0.4)、10gリリース2(10.1.2.0.2)または10gリリース2(10.1.2.1.0)のマルチマスターまたはファンアウト・レプリケーション環境をインストールおよび構成した管理者を対象にしています。

この章では、レプリケーション環境のOracle Identity Managementコンポーネントが分散されていることを前提としています。 つまり、Oracle Internet Directory(オプションでOracle Directory Integration Platform)コンポーネントを1つ以上のOracleホームにインストールし、Oracle Application Server Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントを1つ以上の追加のOracleホームにインストールしたと想定しています。

図A-1に、一般的なOracle Identity Management 10gリリース2(10.1.2)のマルチマスター・レプリケーション環境を示します。この環境の詳細は、『Oracle Application Server高可用性ガイド』の「マルチマスター・レプリケーションでのID管理のデプロイ」を参照してください。

図A-1    一般的なOracle Identity Management 10gリリース2(10.1.2)のマルチマスター・レプリケーション環境


画像の説明

ファンアウト・レプリケーションを使用したOracle Identity Managementの配置については、『Oracle Identity Management概要および配置プランニング・ガイド』を参照してください。これは、Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)のドキュメント・ライブラリで入手できます。

A.1.3 レプリケーション環境における適切なアップグレード順序の理解

最初に、すべてのレプリカにあるOracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration PlatformのOracleホームを10g(10.1.4.0.1)にアップグレードすることをお薦めします。 次に、Oracle Internet Directoryインストールがアップグレードされてから、Oracle Identity ManagementのOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントをアップグレードします。

A.1.4 レプリケーション環境のアップグレード時における推奨事項

アップグレード手順における推奨事項は、次のとおりです。

A.2 タスク2: Oracle Identity Managementのマルチマスターまたはファンアウト・レプリケーションのアップグレードの準備

レプリケートされた環境でOracle Internet Directoryのアップグレードを開始する前に、マスター定義サイト(MDS)レプリカまたはプライマリ・サプライヤ・レプリカ以外のすべてのレプリカに次の手順を実行する必要があります。

  1. アップグレードするレプリカのデータベースのデータベース登録エントリを検索します。

    SOURCE_ORACLE_HOME¥bin¥ldapsearch 
         -h hostname_of_replica_being_upgraded 
         -p port 
         -D cn=orcladmin 
         -w superuser_password 
         -b "cn=oraclecontext" 
         -s one "(objectclass=orcldbserver)" dn
    
    

    これにより、Oracle Internet Directoryに登録されているすべてのデータベースに対応する識別名(DN)のリストが次の形式で返されます。

    cn=database_name,cn=oraclecontext
    
    

    返されたエントリのリストから、アップグレードされるレプリカに対応する次のエントリのDNを検索して記録します。

    cn=dbname_of_replica_to_be_upgraded,cn=oraclecontext
    
    
  2. 次のコマンドを実行して、アップグレードするレプリカのIDを確認します。

    SOURCE_ORACLE_HOME¥bin¥ldapsearch 
         -h hostname_of_replica_being_upgraded 
         -p port 
         -D cn=orcladmin 
         -w superuser_password 
         -b "" -s base "(objectclass=*)" orclreplicaid
    
    
  3. アップグレード対象のデータベースを指すように、レプリカのサブエントリのseeAlso属性を変更します。

    seeAlso属性は、Oracle Internet Directoryの標準の属性です。 詳細は、『Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』の属性のリファレンスに関する項を参照してください。

    seeAlso属性を変更するには、次の手順を実行します。

    1. ファイル(mod.ldifなど)を次の内容で作成します。

      #File Name : mod.ldif
      dn: orclreplicaid=replicaid_from_step_2,cn=replication configuration
      changetype: modify
      replace: seeAlso
      #The DN used in seealso attribute is obtained in Step #1.
      seeAlso: cn=dbname_of_replica_being_upgraded,cn=oraclecontext
      
      
    2. ldapmodifyコマンドを使用して、レプリカのサブエントリを変更します。

      SOURCE_ORACLE_HOME¥bin¥ldapmodify 
         -h hostname_of_replica_being_upgraded 
         -p port 
         -D superuser_DN 
         -w superuser_password 
         -v 
         -f mod.ldif
      
      
  4. 次のディレクトリに移動し、ias.propertiesファイルを検索します。

    SOURCE_ORACLE_HOME¥config
    
    
  5. ias.propertiesファイルを開き、表A-1に示すプロパティが適切であり、有効であることを確認します。

  6. Oracle Internet Directoryサーバーが起動され、実行中であることを確認します。

    Oracle Internet Directoryが実行中であることを確認するには、次のいずれかのコマンドを入力します。


    注意:

    場合によっては、ldapbindコマンドを実行する前に、ORACLE_HOME環境変数を一時的にOracle Internet DirectoryのOracleホームに設定する必要があります。

    Oracle Internet Directoryが実行中であることを確認した後、アップグレード手順を開始するために10g(10.1.4.0.1)インストーラを起動する前に、ORACLE_HOME環境変数が定義されていないことを確認する必要があります。 


    Oracle Internet Directoryをセキュアでないポートで実行している場合:

    SOURCE_ORACLE_HOME¥bin¥ldapbind -p Non-SSL_port
    
    

    Oracle Internet Directoryをセキュアなポートで実行している場合:

    SOURCE_ORACLE_HOME¥bin¥ldapbind -p SSL_port -U 1
    
    

    これらのコマンドにより、「バインドは正常に完了しました。」というメッセージが返されます。

  7. 10g(9.0.4)のレプリケーション環境をアップグレードする場合は、tnsnames.oraファイルに含まれるローカル・データベースの別名が1つのみであることを確認します。

    たとえば、次の例に示すように、tnsnames.oraファイルにはORCL03というデータベースのエントリが2つ含まれている場合があります。

    ORCL03 =
      (DESCRIPTION =
         (ADDRESS_LIST =
             (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)
                        (HOST = stakb03.acme.com)
                        (PORT = 1521)))
          (CONNECT_DATA =
              (SERVICE_NAME = orcl03.acme.com)))
    
    ORCL03.US.ORACLE.COM =
      (DESCRIPTION =
          (ADDRESS_LIST =
               (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)
                          (HOST = stakb03.acme.com)
                          (PORT = 1521)))
           (CONNECT_DATA =
                (SERVICE_NAME = orcl03.us.oracle.com)))
    
    

    この例では、アップグレード手順を開始する前に、ローカル・データベースの完全修飾された2つ目のエントリを削除します。アップグレードが完了すると、完全修飾されたデータベース名の別名をtnsnames.oraファイルに追加できます。

  8. 10g(9.0.4)からアップグレードしている場合は、次の手順を実行して、必須エントリをOracle Internet Directoryサーバーに追加します。

    1. LDIFファイル(add.ldifなど)を例A-1に示す内容で作成します。

    2. Oracle Internet Directoryサーバーの第2インスタンスを、次に示すように、変更ログの生成を無効にして起動します。

      この例では、第2インスタンスは未使用であり、ポート4444はどのプロセスでも使用されていないと想定していることに注意してください。

      oidctl connect=connect_string_of_db 
             server=oidldapd 
             instance=2 
             flags="-p 4444 -l false" 
             start
      
      
    3. ldapaddツールを次に示すように使用して、手順8で作成したldifファイルに定義されているエントリを追加します。 これらのエントリを追加するには、手順bで起動したLDAPサーバーで使用しているポートを使用する必要があります。

      この例では、手順8で起動したLDAPサーバーがポート4444でリスニングを行っていると想定しています。

      ldapadd -p 4444 
              -h hostname 
              -D cn=orcladmin 
              -w password 
              -f ldif_filename 
              -c
      
      

      次に例を示します。

      ldapadd -p 4444 
              -h mgmt42.acme.com 
              -D cn=orcladmin 
              -w m03kslj 
              -f add.ldif 
              -c
      
      
  9. 第2 LDAPサーバーを次に示すように停止します。

    この例では、第2インスタンスが使用していたインスタンス番号が2であると想定しています。

    oidctl connect=<connect_string_of_db> server=oidldapd instance=2 stop
    
    表A-1     レプリケーションのアップグレード前に確認するias.properties内のプロパティ
    プロパティ名  レプリケーションのアップグレード前の適正値 

    OID.LaunchSuccess 

    True 

    OIDhost 

    レプリカのホスト名 

    OIDport 

    レプリカのポート 

    OIDsslport 

    SSL レプリカのポート 

    例A-1    レプリケーションのアップグレードの準備に使用するLDIFファイルの内容

    #File Name : add.ldif
    ################################
    # Event Type Configuration 
    ################################
    
    dn: cn=ProvisioningEventTypeConfig,cn=odi,cn=oracle internet directory
    changetype: add
    cn: ProvisioningEventTypeConfig
    orclaci: access to entry by group="cn=Provisioning Admins,
      cn=changelog subscriber,cn=oracle internet directory" (browse,add,delete) 
    orclaci: access to attr=(*) by group="cn=Provisioning Admins,
      cn=changelog subscriber,cn=oracle internet directory" 
      (read,search,write,compare)
    objectclass: orclContainer
    
    dn: orclODIPProvEventObjectType=ENTRY,cn=ProvisioningEventTypeConfig,cn=odi,
      cn=oracle internet directory
    changetype: add
    orclODIPProvEventObjectType: ENTRY
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Add
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Modify
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Delete
    orclODIPProvEventCriteria: objectclass=*
    objectclass: orclODIPProvEventTypeConfig
    
    dn: orclODIPProvEventObjectType=USER,cn=ProvisioningEventTypeConfig,cn=odi,
      cn=oracle internet directory
    changetype: add
    orclODIPProvEventObjectType: USER
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Add
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Modify
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Delete
    orclODIPProvEventCriteria: objectclass=InetOrgPerson
    orclODIPProvEventCriteria: objectclass=orclUserV2
    objectclass: orclODIPProvEventTypeConfig
    
    dn: orclODIPProvEventObjectType=IDENTITY,cn=ProvisioningEventTypeConfig,cn=odi,
      cn=oracle internet directory
    changetype: add
    orclODIPProvEventObjectType: IDENTITY
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Add
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Modify
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Delete
    orclODIPProvEventCriteria: objectclass=InetOrgPerson
    orclODIPProvEventCriteria: objectclass=orclUserV2
    objectclass: orclODIPProvEventTypeConfig
    
    dn: orclODIPProvEventObjectType=GROUP,cn=ProvisioningEventTypeConfig,cn=odi,
        cn=oracle internet directory
    changetype: add
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Add
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Modify
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Delete
    orclODIPProvEventCriteria: objectclass=orclGroup
    orclODIPProvEventCriteria: objectclass=orclPrivilegeGroup
    orclODIPProvEventCriteria: objectclass=groupOfUniqueNames
    orclODIPProvEventCriteria: objectclass=groupofNames
    objectclass: orclODIPProvEventTypeConfig 
    
    dn: orclODIPProvEventObjectType=SUBSCRIPTION,cn=ProvisioningEventTypeConfig,
      cn=odi,cn=oracle internet directory
    changetype: add
    orclODIPProvEventObjectType: SUBSCRIPTION
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Add
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Modify
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Delete
    orclODIPProvEventCriteria: objectclass=orclServiceSubscriptionDetail
    objectclass: orclODIPProvEventTypeConfig
    
    dn: orclODIPProvEventObjectType=SUBSCRIBER,cn=ProvisioningEventTypeConfig,
      cn=odi,cn=oracle internet directory
    changetype: add
    orclODIPProvEventObjectType: SUBSCRIBER
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Add
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Modify
    orclODIPProvEventLDAPChangeType: Delete
    orclODIPProvEventCriteria: objectclass=orclSubscriber
    objectclass: orclODIPProvEventTypeConfig
    
    ######################################################################
    # DIPADMIN Account 
    ######################################################################
    
    dn: cn=dipadmin,cn=odi,cn=oracle internet directory
    changetype: add
    cn: dipadmin
    sn: dipadmin
    description: DIP Administrator Idenitity in OID
    objectclass: person
    
    ######################################################################
    # DIPADMIN Group 
    ######################################################################
    
    dn: cn=dipadmingrp,cn=odi,cn=oracle internet directory
    changetype: add
    cn: dipadmin
    owner: cn=dipadmin,cn=odi,cn=oracle internet directory
    uniquemember: cn=orcladmin
    uniquemember: cn=dipadmin,cn=odi,cn=oracle internet directory
    description: DIP Administrator Group in OID
    objectclass: groupOfUniqueNames
    objectclass: orclprivilegegroup
    
    ######################################################################
    # ODIPGROUP getting recreated here from 904 (Had been removed in 902*)
    ######################################################################
    
    dn: cn=odipgroup,cn=odi,cn=oracle internet directory
    changetype: add
    cn: odipgroup
    objectclass: top
    objectclass: groupofUniquenames
    objectclass: orclprivilegegroup
    uniquemember: cn=orcladmin
    orclaci: access to entry by group="cn=dipadmingrp,cn=odi,cn=oracle internet 
      directory" (browse) by * (none) 
    orclaci: access to attr=(uniquemember) by  group="cn=dipadmingrp,cn=odi, 
      cn=oracle internet directory" (search,read,write,compare) by * (none)
    
    dn: cn=odisgroup,cn=odi,cn=oracle internet directory
    changetype: add
    cn: odisgroup
    objectclass: top
    objectclass: groupofUniquenames
    objectclass: orclprivilegegroup
    uniquemember: cn=orcladmin
    orclaci: access to entry by * (none)
    orclaci: access to attr=(*) by * (none)
    

A.3 タスク3: Oracle Internet Directoryレプリカのアップグレードの実行

一度に1つのレプリカのアップグレード、またはすべてのレプリカのアップグレードが可能です。詳細は、次の項を参照してください。

A.3.1 レプリカのアップグレード方法の選択

レプリケートされた環境で一度に1台のコンピュータをアップグレードする場合は、アップグレード時の追加、変更または検索にOracle Internet Directoryを使用できます。 この方法を使用すると、アップグレードするレプリカのみが停止します。 その他のレプリカは動作し続け、ユーザーは使用できます。

複数のレプリカを同時にアップグレードすると、ネットワーク全体を一時的な段階を経ないでアップグレードできます。この手順は、一度に1つのレプリカをアップグレードする場合より簡単ですが、ディレクトリ・サービスの停止時間が発生します。

A.3.2 1度に1つのレプリカをアップグレードする方法

一度に1つのレプリカをアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. A.2項「タスク2: Oracle Identity Managementのマルチマスターまたはファンアウト・レプリケーションのアップグレードの準備」の手順が完了していることを確認します。

  2. アップグレードするレプリカを特定します。

    レプリカは、LDAPベースの部分レプリカまたはファンアウト・レプリカ、あるいはOracle Advanced Replication(ASR)ベースのマルチマスター・レプリカである可能性があります。

    関連項目:

    『Oracle Internet Directory管理者ガイド』のディレクトリ・レプリケーションの概要の項を参照してください。 

  3. アップグレードするレプリカでレプリケーション・サーバーを停止します。

    SOURCE_ORACLE_HOME¥oidctl
       connect=db_connect_string
       server=OIDREPLD
       instance=1
       flags="-p port_at_which_ldap_server_is_listening"
       stop
    

    関連項目:

    oidctl管理ツールの詳細は、『Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』のOracle Identity Management Server管理ツールに関する項を参照してください。 

  4. Oracle Internet Directoryサーバー、Oracle Internet Directoryデータベースおよびデータベース・リスナーが起動され、実行中であることを確認します。

  5. ASRベースのレプリカをアップグレードしている場合は、次のコマンドを実行して他のレプリカのすべてのASRジョブを削除します。

    SOURCE_ORACLE_HOME¥ldap¥admin¥oidrdjob.sql
    
    

    このレプリカに変更を転送する他のマスター・サイトのすべてのASRジョブが削除されます。これにより、現在アップグレードしているレプリカがレプリケートされた環境から切り離され、他のレプリカが動作を続けて変更をレプリケートする間、変更は転送されません。

  6. 第7章「Oracle Universal InstallerによるOracle Identity Managementのアップグレード」の説明に従ってレプリカをアップグレードします。

  7. アップグレードされたレプリカのOracleホームでデータベースが起動され、実行中であるとを確認します。

  8. 他のレプリカへの接続をテストします。

    Net Services Upgrade Assistantによってlistener.oraおよびtnsnames.oraが変更され、接続が切断される場合があります。接続が切断された場合、それらのファイルで変更されたエントリを検索し、ソースOracleホームの該当するファイルからエントリをリストアします。

    たとえば、元のエントリをソースOracleホームの次のファイルからアップグレード先Oracleホームの対応するファイルにコピーします。

    SOURCE_ORACLE_HOME¥network¥admin¥listener.ora
    SOURCE_ORACLE_HOME¥network¥admin¥sqlnet.ora
    SOURCE_ORACLE_HOME¥network¥admin¥tnsnames.ora
    
    

    10g(9.0.4)のレプリケーション環境からアップグレードしている場合は、A.2項の手順7tnsnames.oraファイルから削除したデータベース別名を追加します。

  9. Oracle Advanced Replication(ASR)ベースのレプリカをアップグレードしている場合は、アップグレード後に、次のコマンドを実行して各レプリカのジョブを再作成します。

    DESTINATION_ORACLE_HOME¥ldap¥bin¥remtool -a srrectify
    
    

    手順5で削除されたジョブが再作成されます。このジョブによって、他のレプリカにある既存の変更および新しい変更がアップグレードされたレプリカへ転送され始めます。

  10. Oracle Internet Directoryのアップグレード後の手順を実行します。

    関連項目:

    9.2項「タスク2: Oracle Internet Directoryのアップグレード後の手順の実行」 

  11. 新しくアップグレードされたレプリカに対し、A.4項「タスク4: 各レプリカのアップグレードの完了」で説明した手順を実行します。

  12. レプリケーション・サーバーが、新しくアップグレードされたレプリカで実行されていない場合は起動します。

    DESTINATION_ORACLE_HOME¥oidctl
       connect=db_connect_string
       server=OIDREPLD
       instance=1
       flags="-p port_at_which_ldap_server_is_listening"
       start
    

    関連項目:

    oidctl管理ツールの詳細は、『Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』のOracle Identity Management Server管理ツールに関する項を参照してください。 

  13. 1つ目のレプリカをアップグレードしたときと同じ手順を使用して、残りのレプリカをアップグレードします。

A.3.3 複数のレプリカでのOracle Internet Directoryの同時アップグレード

すべてのレプリカを同時にアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. MDSレプリカまたはプライマリ・サプライヤ・レプリカ以外のすべてのレプリカで、A.2項「タスク2: Oracle Identity Managementのマルチマスターまたはファンアウト・レプリケーションのアップグレードの準備」に示すアップグレード前の手順が完了していることを確認します。

  2. ディレクトリ・レプリケーション・グループ(DRG)のすべてのレプリカでレプリケーション・サーバーを停止します。

    SOURCE_ORACLE_HOME¥oidctl
       connect=db_connect_string
       server=OIDREPLD
       instance=1
       flags="-p port_at_which_ldap_server_is_listening"
       stop
    

    関連項目:

    oidctl管理ツールの詳細は、『Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』のOracle Identity Management Server管理ツールに関する項を参照してください。 

  3. Oracle Universal Installerおよび10g(10.1.4.0.1)のインストール手順を使用して、各Oracle Internet Directoryレプリカをアップグレードします。

    Oracle Universal Installerの起動およびインストーラ画面での適切なオプションの選択については、7.5.2項「異なる場所に配置されたInfrastructureにおけるOracleAS Identity Managementのアップグレード」を参照してください。

  4. アップグレードされた各レプリカでデータベースが起動され、実行中であることを確認します。

  5. 他のレプリカへの接続をテストします。

    Net Services Upgrade Assistantによってlistener.oraおよびtnsnames.oraが変更され、接続が切断される場合があります。接続が切断された場合、それらのファイルで変更されたエントリを検索し、ソースOracleホームの該当するファイルからエントリをリストアします。

    たとえば、元のエントリをソースOracleホームの次のファイルからアップグレード先Oracleホームの対応するファイルにコピーします。

    SOURCE_ORACLE_HOME¥network¥admin¥listener.ora
    SOURCE_ORACLE_HOME¥network¥admin¥sqlnet.ora
    SOURCE_ORACLE_HOME¥network¥admin¥tnsnames.ora
    
    

    10g(9.0.4)のレプリケーション環境からアップグレードしている場合は、A.2項の手順7tnsnames.oraファイルから削除したデータベース別名を追加します。

  6. Oracle Internet Directoryのアップグレード後の手順を実行します。

    関連項目:

    9.2項「タスク2: Oracle Internet Directoryのアップグレード後の手順の実行」 

  7. アップグレードされた各レプリカに対し、A.4項「タスク4: 各レプリカのアップグレードの完了」の手順を実行します。

  8. アップグレードされた各レプリカで、レプリケーション・サーバーを起動します。

    DESTINATION_ORACLE_HOME¥oidctl
       connect=db_connect_string
       server=OIDREPLD
       instance=1
       flags="-p port_at_which_ldap_server_is_listening"
       start
    

    関連項目:

    oidctl管理ツールの詳細は、『Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』のOracle Identity Management Server管理ツールに関する項を参照してください。 

A.4 タスク4: 各レプリカのアップグレードの完了

次の項では、レプリカのアップグレードの完了後に実行する必要があるタスクについて説明します。

A.4.1 各レプリカでのOracle Internet Directory WalletのレプリケーションDNのパスワードの変更

レプリカのアップグレード後、レプリケーション識別名(DN)のパスワードを変更します。 パスワードを変更またはリセットした後、oidmon、LDAPサーバーおよびレプリケーション・サーバーの起動が可能になります。

詳細は、次の項を参照してください。

A.4.1.1 レプリケーションDNのパスワードの変更

レプリカをアップグレードしたら、次のようにレプリケーション環境管理ツール(remtool)を使用して、Walletに格納されたレプリケーション識別名(DN)のパスワードを変更します。

DESTINATION_ORACLE_HOME¥ldap¥bin¥remtool -pchgwalpwd -v -bind host:port/repl_dn_pwd

remtoolコマンドラインで既存のパスワードを指定する必要があることに注意してください。 レプリケーションDNのパスワードが不明な場合は、A.4.1.2項「レプリケーションDNのパスワードのリセット」を参照してください。

関連項目:

-pchgwalpwd-presetpwd引数など、remtoolコマンドに使用できる引数の詳細は、『Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』のremtoolに関する項を参照してください。 

A.4.1.2 レプリケーションDNのパスワードのリセット

レプリケーションDNのパスワードが不明な場合は、次のコマンドを使用して、レプリケーションDNのパスワードをリセットします。

DESTINATION_ORACLE_HOME¥ldap¥bin¥remtool -presetpwd -v -bind host:port

ファンアウト・レプリカをアップグレードしている場合は、そのサプライヤでもレプリケーションDNのパスワードをリセットする必要があります。 そのサプライヤでレプリケーションDNのパスワードをリセットするには、次の手順を実行します。

LDIFファイル(modpwd.ldifなど)を次に示す内容で作成します。

dn: cn=replication dn,orclreplicad=consumer_replicaid,cn=replication configuration
changetype: modify
replace: userpassword
userpassword: new_password

ldapmodifyをツール使用して、次に示すようにサプライヤで変更を適用します。

ldapmodify  -h supplier_hostname
            -p supplier_port_number> 
            -D cn=orcladmin
            -w super_user_password_of_supplier
            -f modpwd.ldif

A.4.2 アップグレードされた10g(10.1.4.0.1)のディレクトリでのorclreplicationid属性の設定

ファンアウト・レプリケーションを使用した環境でレプリカをアップグレードしている場合は、Oracle Internet Directory属性のorclreplicationidを有効な値に設定する必要があります。 これは、Oracle Identity Management 10g(10.1.4.0.1)での新しい属性です。

この属性の値は、既存のorclagreementID属性の値と一致するように設定することをお薦めします。 このタスクを実行するには、次の手順を実行します。

  1. id.ldifというLDIFファイルを次に示す内容で作成します。

    dn: orclagreementid=000002,orclreplicaid=replicaid,cn=replication configuration
    changetype: modify
    replace: orclreplicationid
    orclreplicationid: 2 
    
    

    LDIFファイルでは、前述の例に示す最初の2行がすべて1行で表示されることに注意してください。

  2. 次のldapmodifyコマンドを使用して、LDIFファイルを適用します。

    ldapmodify -p port 
               -h host 
               -D DN 
               -w password 
               -f id.ldif
    
    

    この例では、porthostDNおよびpasswordを、使用する環境に適した値に置き換えます。

    関連項目:

    orclreplicationid属性については、『Oracle Internet Directory管理者ガイド』の「Oracle Internet Directory Replicationの概要」のレプリケーション承諾のエントリに関する項を参照してください。

    ldapmodifyコマンドの使用方法の詳細は、『Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』のOracle Internet Directoryデータ管理ツールに関する項を参照してください。 

A.5 タスク5: レプリケートされた環境におけるOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのアップグレード

Oracle Internet DirectoryのOracleホームをアップグレードした後で、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration ServicesのOracleホームをアップグレードできます。

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration ServicesのOracleホームをアップグレードするには、Oracle Universal Installerおよび10g(10.1.4.0.1)のインストール手順を使用します。

Oracle Universal Installerの起動およびインストーラ画面での適切なオプションの選択については、7.5.3項「分散OracleAS Identity Management構成のアップグレード」を参照してください。


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