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Oracle Identity Manager Toolsリファレンス・ガイド
リリース9.0.3

E05090-01
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7 事前移入アダプタの使用

この章では、事前移入アダプタについて説明します。内容は次のとおりです。

概要

ユーザー作成フォームに、2つのタイプのフィールド(Oracle Identity Managerで事前移入する必要があるフィールドおよびOracle Identity Managerユーザーがデータを入力する必要のあるフィールド)が含まれる場合があります。ユーザーがフィールドに入力する情報がシステム生成フィールドに表示されるデータによって変わる場合は、まずOracle Identity Managerでこのフィールドを事前移入する必要があります。その結果、フォームが表示された際にシステム生成データを確認できるため、Oracle Identity Managerユーザーは正しいフィールドに情報を入力できます。

このためには、ある種のルール・ジェネレータを作成する必要があります。それをシステム生成されるフィールドにアタッチすると、Oracle Identity Managerでは、Oracle Identity Managerデータベースに保存することなく、自動的に適切な情報をこのフィールドに移入します。

このタイプのルール・ジェネレータを、事前移入アダプタと呼びます。事前移入アダプタで生成したデータは、自動または手動で入力して表示できます。「Auto Prepopulate」チェック・ボックスをプロビジョニング・プロセスで選択した場合、Oracle Identity Managerで情報が自動的に表示されます。このチェック・ボックスが選択されていない場合、Oracle Identity Managerユーザーは事前移入アダプタで生成されたデータを手動で生成して表示する必要があります。このためには、管理者はフォームをユーザーにプロビジョニングする時に、Webクライアントのダイレクト・プロビジョニング・ウィザードのフォーム・セクションにある「Prepopulate」ボタンをクリックする必要があります。

効率を高めるために、事前移入アダプタは、異なるフォーム・フィールドで繰り返し使用できます。また、複数の事前移入アダプタを特定のフィールドに関連付けできます。そのため、どの事前移入アダプタをフォーム・フィールドに選択するか、Oracle Identity Managerで明らかになっている必要があります。これは、事前移入ルールを通じて行われます。

事前移入ルールは基準です。これらの基準によって、Oracle Identity Managerで事前移入アダプタが選択されます。この事前移入アダプタがフィールドに割り当てられると、事前移入アダプタはフィールドに関連付けられます。

それぞれの事前移入アダプタには、事前移入ルールが関連付けられています。また、ルールには優先順位があり、Oracle Identity Managerはその順序でルールをトリガーします。

この例では、Oracle Identity Managerは、Rule for Uppercase User IDルールを最初にトリガーします(最も優先順位が高いためです)。このルールの状態がTRUEの場合、ルールは成功です。その結果、Oracle Identity Managerは、関連する事前移入アダプタ(Display Uppercase Letters for User IDアダプタ)を「User ID」フィールドにアタッチします。

一方、ルールの状態がFALSEの場合、ルールは失敗です。Oracle Identity Managerは、次に優先順位が高いルールをトリガーします。このルールが成功すると、Oracle Identity Managerは、関連付けられたアダプタを指定するフィールドにアタッチします。

したがって、この例では、Rule for Uppercase User IDルールが失敗した場合、Oracle Identity ManagerはRule for Lowercase User IDをトリガーします。このルールが成功すると、Oracle Identity Managerは、関連する事前移入アダプタ(Display Lowercase Letters for User IDアダプタ)を「User ID」フィールドにアタッチします。

このタイプのアダプタにアダプタ変数が含まれる場合、ルールを事前移入アダプタに割り当ててから、アダプタ変数を適切な場所にマップする必要があります。そうしない場合、アダプタは機能しません。

フィールドに関連付けられている事前移入アダプタが最終的に有効ではなくなった場合、アダプタをフィールドから削除する必要があります。

次の項では、事前移入アダプタをフォーム・フィールドにアタッチする方法およびフォーム・フィールドから削除する方法を説明します。

事前移入アダプタのフォーム・フィールドへのアタッチ

事前移入アダプタをフォーム・フィールドにアタッチするには、次の手順を実行します。

  1. 事前移入アダプタをアタッチするフィールドを選択します。

  2. 指定したフィールドに情報を移入するためにアダプタを使用するかどうかを決定するルールを選択します。

  3. 指定したフィールドに関連付けるアダプタを選択します。

  4. 選択したルールに優先順位を設定します。

  5. 事前移入アダプタのアダプタ変数を正しい場所にマップします。

次の手順では、これらの手順を完了して、事前移入アダプタをフォーム・フィールドにアタッチする方法を説明します。


注意

事前移入アダプタをフォーム・フィールドにアタッチするには、次の点を確認する必要があります。

  • フォームがアクティブな状態ではないこと。あてはまらない場合は、新しいフォーム・バージョンを作成します。

  • アタッチしたアダプタを使用する前に、フォームをアクティブ化する必要があります。

 

事前移入アダプタのフォーム・フィールドへのアタッチ

事前移入アダプタをフォーム・フィールドにアタッチするには、次の手順を実行します。

  1. 「Form Designer」フォームを開きます。

  2. 事前移入アダプタをアタッチするフォーム(Solarisなど)を問い合せます。

  3. 「Prepopulate」タブをクリックします。

    問い合せたフォームにすでにアタッチされている事前移入アダプタが、タブ内に表示されます。


    注意

    アダプタをフォーム・フィールドにアタッチしていない場合、「Prepopulate」タブは空白です。 


  4. 「Add」をクリックします。

    「Prepopulate Adapter」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    次の表で、「Prepopulate Adapter」ダイアログ・ボックスの様々な領域を説明します。

    名前  説明 

    Field Name 

    このコンボ・ボックスには、事前移入アダプタをアタッチできるすべてのフォーム・フィールドのリストが表示されます。 

    Rule 

    この検索フィールドで、指定したフォーム・フィールドに情報を移入するために関連付けられたアダプタを使用するかどうかを決定するルールを選択します。 

    Adapter 

    この検索フィールドで、指定したフィールドに関連付けるアダプタを選択します。 

    Order 

    このテキスト・ボックスで、選択したルールに優先順位を設定します。 

    Adapter Status 

    このフィールドには、アダプタ変数のマッピング・ステータスが表示されます。

    アダプタのマッピング・ステータスの詳細は、「プロセス・タスク・アダプタのプロセス・タスクへのアタッチ」を参照してください。 

    Adapter Variables 

    この領域には、次の項目が表示されます。

    Mapped。アダプタ変数のマッピング・ステータス。Yはアダプタ変数が正しくマップされたことを表し、Nはこの変数が正しくマップされなかったことを表します。

    Name。このアダプタ変数の名前。

    Mapped to。変数がマッピングされるフォーム・フィールド。アダプタ変数がマッピングされていない場合、列内の対応するセルは空白です。 

  5. 「Field Name」コンボ・ボックスから、事前移入アダプタをアタッチするフィールド(「User ID」など)を選択します。

  6. 「Rule」検索フィールドをダブルクリックします。表示される「Lookup」ダイアログ・ボックスで、指定したフォーム・フィールドに情報を移入するために関連付けられたアダプタを使用するかどうかを決定するルール(Rule for Lowercase User IDなど)を選択します。

  7. 「Adapter」検索フィールドをダブルクリックします。表示される「Lookup」ダイアログ・ボックスで、手順5で選択したフィールドに関連付けるアダプタ(Display Lowercase Letters for User IDなど)を選択します。

  8. 「Order」フィールドに、手順6で選択したルールの優先順位(2など)を入力します。

  9. 「Prepopulate Adapter」ウィンドウのツールバーで「Save」をクリックします。

  10. 「Mapping Incomplete」が「Adapter Status」フィールドに表示されます。これは、選択したアダプタに、正しくマップされていない変数が含まれていることを示しています。変数を正しい場所にマップする必要があります。そうしない場合、アダプタは動作しません。

  11. 「Prepopulate Adapter」ウィンドウの「Adapter Variable」領域に表示される各変数にマッピングを設定します。それには、マップする変数の行ヘッダー(UserIDなど)をダブルクリックします。

    「Map Adapter Variables」ウィンドウが表示されます。

    次の表で、「Map Adapter Variables」ウィンドウに表示される様々なフィールドを説明します。

    フィールド名  説明 

    Variable Name 

    このフィールドには、マッピングを設定するアダプタ変数の名前(UserIDなど)が表示されます。 

    Data Type 

    このフィールドには、アダプタ変数のデータ型が表示されます(たとえば、UserIDアダプタ変数のデータ型は文字列です)。 

    Map To 

    このフィールドには、アダプタ変数に設定可能なマッピング型(「Process Data」など)が含まれます。

    アダプタ変数を場所または連絡先にマップする場合、Oracle Identity Managerでは隣接するコンボ・ボックスが有効化されます。このコンボ・ボックスから、アダプタ変数をマップする場所または連絡先の特定のタイプを選択します。

    アダプタ変数を場所または連絡先にマップしない場合、このフィールドは無効です。 

    Qualifier 

    このフィールドには、「Map To」コンボ・ボックスで選択したマッピングの修飾子が含まれます(「User ID」など)。 

    IT Asset Type 

    このフィールドでは、アダプタ変数をITリソースにマップし、この変数のデータ型が文字列である場合に、特定のITリソース(Solarisなど)を選択できます。

    アダプタ変数をITリソースにマップしない場合、またはアダプタ変数のデータ型が文字列ではない場合、このフィールドは表示されません。 

    IT Asset Property 

    このフィールドでは、アダプタ変数をITリソースにマップし、この変数のデータ型が文字列である場合に、マッピングの結果を受け取る特定のフィールド(「User Name」など)を選択できます。

    アダプタ変数をITリソースにマップしない場合、またはアダプタ変数のデータ型が文字列ではない場合、このフィールドは表示されません。

    重要: 「IT Asset Type」および「IT Asset Property」フィールドは、下位互換性のためにこのウィンドウに含まれています。アダプタ変数を「IT Resource」データ型で作成することをお薦めします。この場合、これらのフィールドは表示されません。 

    Literal Value 

    アダプタ変数をリテラルにマップする場合、このフィールドでリテラル値を指定します。

    アダプタ変数をリテラルにマップしない場合、このフィールドは表示されません。 

  12. 「Map To」、「Qualifier」、「IT Asset Type」、「IT Asset Property」および「Literal Value」のフィールドをすべて入力します。


    注意

    選択するマッピングの詳細は、「アダプタ変数のマッピング情報」を参照してください。 


  13. 「Map Adapter Variables」ツールバーで「Save」をクリックします。次に、「Close」をクリックします。

    「Map Adapter Variables」ウィンドウが閉じます。「Prepopulate Adapter」ウィンドウが再びアクティブになります。

    「Adapter Status」フィールドのテキストが、「Mapping Incomplete」から「Ready」に変化します。アダプタ変数のマッピング・ステータスも、「No(N)」から「Yes(Y)」へ変化します。

  14. 「Prepopulate Adapter」ウィンドウのツールバーで「Close」をクリックします。

「Prepopulate Adapter」ウィンドウが閉じ、「Form Designer」フォームが再びアクティブになります。「User ID」フォーム・フィールドにアタッチした事前移入アダプタ(Display Lowercase Letters for User ID)が、「Results of 1Q Sales 2003」フォームの「Prepopulate」タブに表示されます。

このフォームを参照するプロセスを、ターゲット・ユーザーまたは組織にプロビジョニングすると、フォームが表示されます。Oracle Identity Managerは、優先順位が最も高い事前移入ルールが有効かどうかを確認します。有効な場合、Oracle Identity Managerは関連付けられた事前移入アダプタを指定するフィールド(「User ID」)に割り当てて実行します。この時、次のアクションのいずれか1つが発生します。

事前移入アダプタのフォーム・フィールドからの削除

フォーム・フィールドに関連付けられた事前移入アダプタが有効ではなくなった場合、アダプタをフィールドから削除する必要があります。

次の手順では、事前移入アダプタをフォーム・フィールドから削除する方法を説明します。


注意

事前移入アダプタをフォーム・フィールドから削除する前に、新しいバージョンのフォームを作成してください。 


事前移入アダプタのフォーム・フィールドからの削除

事前移入アダプタをフォーム・フィールドから削除するには、次の手順を実行します。

  1. 削除する事前移入アダプタを選択します。

  2. 「Delete」をクリックします。事前移入アダプタがフォーム・フィールドから削除されます。フォームが起動している場合は、トリガーできません。

  3. アダプタを削除した後に、フォームをアクティブ化する必要があります。


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