ヘッダーをスキップ

Oracle Database インストレーション・ガイド
10gリリース2(10.2)for HP-UX Itanium

B28244-01
目次
目次
索引
索引

戻る 次へ

2 インストール前の作業

この章では、Oracle Universal Installerを起動する前に完了しておく必要のある作業について説明します。この章の内容は、次のとおりです。

rootとしてのシステムへのログイン

Oracleソフトウェアをインストールする前に、rootユーザーとして複数の作業を完了しておく必要があります。rootユーザーとしてログインするには、次の手順のどちらか一方を実行します。


注意:

サイレント・モード・インストールを実行する場合を除き、X Window Systemワークステーション、X端末、またはXサーバー・ソフトウェアがインストールされているPCなどのシステムからソフトウェアをインストールする必要があります。

サイレント・モード・インストールの詳細は、付録Aを参照してください。 


ハードウェア要件の確認

システムは、次の最小ハードウェア要件を満たしている必要があります。

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認する手順は、次のとおりです。

  1. 物理RAMのサイズを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/contrib/bin/machinfo  | grep -i Memory
    
    

    物理RAMのサイズが必要サイズより小さい場合は、先に進む前にメモリーを増設する必要があります。

  2. 構成済スワップ領域のサイズを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/swapinfo -a
    
    

    追加のスワップ領域を構成する方法は、必要に応じてオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

  3. /tmpディレクトリで使用可能なディスク領域の量を判別するには、次のコマンドを入力します。

    # bdf /tmp
    
    

    /tmpディレクトリで使用可能な空きディスク領域が400MB未満の場合は、次のいずれかの手順を実行します。

    • ディスク領域の要件が満たされるように、/tmpディレクトリから不要なファイルを削除します。

    • oracleユーザーの環境を設定するときに(後述)、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    • /tmpディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じてシステム管理者に問い合せてください。

  4. システム上の空きディスク領域の量を判別するには、次のコマンドを入力します。

    # bdf
    
    

    次の表に、各インストール・タイプのソフトウェア・ファイルに必要なディスク領域の概算を示します。

    インストール・タイプ  ソフトウェア・ファイルに必要なディスク領域(GB) 

    Enterprise Edition 

    2.0 

    Standard Edition 

    2.5 

    カスタム(最大) 

    2.5 

  5. システム・アーキテクチャでソフトウェアを実行できるかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # /bin/getconf KERNEL_BITS
    


    注意:

    このコマンドで予想される出力は64です。予想される出力が表示されない場合、このシステムにはソフトウェアをインストールできません。 


ソフトウェア要件の確認

インストールする製品に応じて、システムに次のバージョン以上のソフトウェアがインストールされているかどうかを確認します。これらの要件が満たされているかどうかを確認する手順は、表の後に説明します。


注意:

Oracle Universal Installerは、システムをチェックして、リストに示されている要件を満たしているかどうかを検証します。これらのチェックに合格するために、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認してください。 


項目  要件 

オペレーティング・システム 

オペレーティング・システムのバージョン:

HP-UX 11i v2(11.23) 

PL/SQLのネイティブ・
コンパイル 

次のいずれか:

  • HP C/ANSI C Compiler(A.06.00)

  • GCCコンパイラgcc 3.4.2

注意: gccコンパイラがサポートされるのは、PL/SQLネイティブ・コンパイルの場合のみです。 

Pro*C/C++、
Oracle Call Interface、
Oracle C++ Call Interface、
Oracle XML Developer's Kit(XDK) 

HP C/ANSI C Compiler(A.06.00)

HP aC++ Compiler(A.06.00) 

Oracle JDBC/OCI Driver 

Oracle JDBC/OCI Driverを使用して次のオプションのJava SDKバージョンを使用できますが、インストールには必要ありません。

  • HP JDK 1.5.0(5.0)

  • HP JDK 1.4.2.07

  • HP JDK 1.3.1.16

注意: このリリースではJava SDK 1.4.2_07がインストールされます。 

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認する手順は、次のとおりです。

  1. インストールされているHP-UXのバージョンを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # uname -a
    HP-UX hostname B.11.23 ia64 109444686 unlimited-user license
    
    

    この例では、HP-UX 11iのバージョンは11.23です。

  2. バンドル、製品またはファイルセットがインストールされているかどうかを判別するには、次のようなコマンドを入力します。levelは、bundleproductまたはfilesetです。

    # /usr/sbin/swlist -l level | more
    
    

    必要なバンドル、製品またはファイルセットがインストールされていない場合は、インストールする必要があります。製品のインストール方法の詳細は、オペレーティング・システムまたはソフトウェアのマニュアルを参照してください。

また、システムに次のバージョン以上のパッチがインストールされていることを確認する必要があります。これらの要件を確認する手順については、表に続く説明を参照してください。


注意:

システムには、リストに示したパッチよりも新しいバージョンがインストールされている場合があります。リストに示したパッチがインストールされていない場合は、そのバージョンをインストールする前に、それよりも新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認してください。 


インストール・タイプ
または製品
 
要件 

すべてのインストール 

次のオペレーティング・システム・パッチ:

  • BUNDLE11i B.11.23.0409.3: Patch Bundle for HP-UX 11i V2

    注意: 2004年9月版またはそれ以降のリリースのHP-UX 11i v2に更新する前に、システムにHP-UX 11i v2用の2004年8月版BUNDLE11i B.11.23.0408.1がインストールされている必要があります。

  • PHCO 32426: Reboot(1M) cumulative patch

  • PHKL 32646: wsio.h header file patch

  • PHKL 32632: Message Signaled Interrupts (MSI and MSI-X)

  • PHKL 32645: SIO (IO) subsystem MSI/MSI-X/WC Patch

  • PHKL 33552: VM Copy on write data corruption fix

  • PHSS_31850: 11.23 assembler patch

  • PHSS_31851: 11.23 Integrity Unwind Library

  • PHSS_31854: 11.23 milli cumulative patch

  • PHSS_31855: 11.23 aC++ Runtime (IA: A.05.60, PA A.03.60)

  • PHSS_33275: s700_800 11.23 linker + fdp cumulative patch

  • PHSS_33276: 11.23 Math Library Cumulative Patch

 

すべてのインストール 

次のJDKパッチ:

  • PHCO_31553: s700_800 11.23 pthread library cumulative patch

  • PHKL_31500: s700_800 11.23 sept04 base patch

  • PHSS_32213: s700_800 11.23 aries cumulative patch

注意: JDK 1.4.2に必要な場合がある追加パッチについては、次のWebサイトを参照してください。

http://www.hp.com/products1/unix/java/patches/index.html
 

PL/SQLのネイティブ・
コンパイル、Pro*C/C++、
Oracle Call Interface、
Oracle C++ Call Interface、
Oracle XML Developer's Kit(XDK) 

次のCおよびC++パッチ:

  • PHSS_33278: aC++ Compiler

  • PHSS_33279: aC++ Compiler

  • PHSS_33277: HP C Compiler

  • PHSS_33279: HP C Compiler

 

パッチがインストールされているかどうかを判別するには、次のようなコマンドを入力します。

# /usr/sbin/swlist -l patch | grep PHSS_33279

または、インストール済パッチをすべて表示するには、次のコマンドを入力します。

# /usr/sbin/swlist -l patch | more

必要なパッチがインストールされていない場合は、次のWebサイトからダウンロードしてインストールします。

http://itresourcecenter.hp.com

Webサイトに表示されるパッチのバージョンの方が新しい場合は、そのバージョンをダウンロードしてインストールします。

必要なシンボリック・リンクの作成


注意:

この作業が必要になるのは、Motif 2.1 Development Environmentパッケージ(X11MotifDevKit.MOTIF21-PRG)がインストールされていない場合のみです。 


このソフトウェアのインストール後にOracle製品を正常に再リンクできるようにするには、次のコマンドを入力して必須のXライブラリ・シンボリック・リンクを/usr/libディレクトリに作成します。

# cd /usr/lib
# ln -s libX11.3 libX11.sl
# ln -s libXIE.2 libXIE.sl
# ln -s libXext.3 libXext.sl
# ln -s libXhp11.3 libXhp11.sl
# ln -s libXi.3 libXi.sl
# ln -s libXm.4 libXm.sl
# ln -s libXp.2 libXp.sl
# ln -s libXt.3 libXt.sl
# ln -s libXtst.2 libXtst.sl

ネットワーク設定の確認

通常、Oracle Databaseをインストールするコンピュータはネットワークに接続され、Oracle Databaseインストールを格納するためのローカル記憶域があり、ディスプレイ・モニターとCD-ROMまたはDVDドライブを備えています。

この項では、このような標準的な構成とは異なるコンピュータにOracle Databaseをインストールする方法について説明します。この項の内容は、次のとおりです。

名前解決の構成

名前解決が設定されていない場合は、Oracle Universal Installerを実行するとエラーが発生することがあります。このエラーを回避するには、インストール前に、ホスト名が/etc/hostsファイルを介してのみ解決されることを確認する必要があります。

ホスト名が/etc/hostsファイルを介してのみ解決されることを確認する手順は、次のとおりです。

  1. /etc/hostsファイルが名前解決に使用されることを確認します。そのためには、次のようにnsswitch.confファイル内のhostsファイル・エントリを確認します。

    # cat /etc/nsswitch.conf | grep hosts
    
    

    このコマンドの出力には、ファイルのエントリが含まれています。

  2. 次のようにhostnameコマンドを使用して、ホスト名が設定されていることを確認します。

    # hostname
    
    

    このコマンドの出力は、次のようになります。

    myhost.mycomputer.com
    
    
  3. 次のようにdomainnameコマンドを使用して、ドメイン名が動的に設定されていないことを確認します。

    # domainname
    
    

    このコマンドでは結果が戻されません。

  4. 次のコマンドを使用して、hostsファイルに完全修飾ホスト名が含まれていることを確認します。

    # cat /etc/hosts | grep `eval hostname`
    
    

    このコマンドの出力には、完全修飾ホスト名とlocalhostのエントリが含まれています。

    次に例を示します。

    192.168.100.16    myhost.us.mycompany.com   myhost
    127.0.0.1         localhost                 localhost.localdomain
    
    

    hostsファイルに完全修飾ホスト名が含まれていない場合は、ファイルを開き、必要な変更を行います。

DHCPコンピュータへのインストール

Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)は、ネットワーク上で動的なIPアドレスを割り当てます。動的アドレッシングにより、コンピュータはネットワークに接続するたびに異なるIPアドレスを使用できます。コンピュータを接続したままでIPアドレスを変更できる場合もあります。DHCPシステムでは、静的IPアドレッシングと動的IPアドレッシングを混在させることができます。

DHCP設定時に、ソフトウェアによりIPアドレスが追跡され、ネットワーク管理が簡素化されます。これにより、新規コンピュータに一意のIPアドレスを手動で割り当てなくても、ネットワークに追加できます。

マルチホーム・コンピュータへのインストール

Oracle Databaseをマルチホーム・コンピュータにインストールできます。マルチホーム・コンピュータは複数のIPアドレスに関連付けられています。通常は、そのためにコンピュータに複数のネットワーク・カードが搭載されています。各IPアドレスはホスト名に関連付けられています。また、ホスト名の別名を設定できます。デフォルトでは、Oracle Universal InstallerはORACLE_HOSTNAME環境変数の設定を使用してホスト名を検索します。ORACLE_HOSTNAMEが設定されておらず、インストール先コンピュータに複数のネットワーク・カードが搭載されている場合、Oracle Universal Installerでは/etc/hostsファイルの最初のエントリを使用してホスト名が判別されます。

クライアントは、このホスト名を使用するか、このホスト名の別名を使用して、コンピュータにアクセスできる必要があります。これを確認するには、短縮名(ホスト名のみ)および完全名(ホスト名とドメイン名)を使用して、クライアント・コンピュータからホスト名をpingします。両方のテストに成功する必要があります。

ORACLE_HOSTNAME環境変数の設定

ORACLE_HOSTNAME環境変数を設定する手順は、次のとおりです。

たとえば、完全修飾ホスト名がsomehost.us.acme.comの場合は、次のいずれかのコマンドを入力します。

Bourne、BashまたはKornシェルの場合

$ ORACLE_HOSTNAME=somehost.us.acme.com
$ export ORACLE_HOSTNAME

Cシェルの場合

% setenv ORACLE_HOSTNAME somehost.us.acme.com

複数の別名を持つコンピュータへのインストール

複数の別名を持つコンピュータは、ネーミング・サービスに1つのIPと複数の別名で登録されます。ネーミング・サービスでは、これらの別名のいずれかが同じコンピュータに解決されます。この種のコンピュータにOracle Databaseをインストールする前に、ORACLE_HOSTNAME環境変数を、ホスト名を使用するコンピュータに設定してください。

非ネットワーク・コンピュータへのインストール

Oracle Databaseを非ネットワーク・コンピュータにインストールできます。ラップトップなどのコンピュータがDHCP用に構成されており、そのコンピュータをOracle Databaseのインストール後にネットワークに接続する予定の場合は、データベースのインストール先コンピュータでpingコマンドを使用して、コンピュータ自体に接続できるかどうかを確認します。この手順は、最初にホスト名のみ、次に完全修飾名を使用して実行します。この名前は/etc/hostsファイルで指定されている必要があります。


注意:

コンピュータ自体でpingコマンドを実行すると、そのコンピュータのIPアドレスが戻されます。 


pingコマンドに失敗した場合は、ネットワーク管理者に問い合せてください。

インストール後のコンピュータのネットワーク接続

インストール後にコンピュータをネットワークに接続すると、コンピュータ上のOracle Databaseインスタンスはネットワーク上の他のインスタンスで作業できます。コンピュータでは、接続先ネットワークに応じて静的IPまたはDHCPを使用できます。

必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成

このシステムへOracleソフトウェアを初めてインストールするかどうかにより、またインストールする製品により、複数のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成が必要になる場合があります。

Oracle Databaseをインストールする場合は、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーが必要です。

すべてのインストールに、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーが必要です。

システム上のOracleソフトウェアの全インストールに対して、1つのOracleインベントリ・グループが必要です。初回インストール後は、そのシステムへの以降のすべてのOracleソフトウェアのインストールに、同じOracleインベントリ・グループを使用する必要があります。ただし、個別にインストールする場合は、異なるOracleソフトウェア所有者ユーザー、OSDBAグループおよびOSOPERグループ(oracledbaおよびoper以外)を作成するように選択できます。インストールごとに異なるグループを使用すると、各グループのメンバーは、システム上のすべてのデータベースではなく、関連するデータベース上でのみDBA権限を持つことになります。

関連項目:

OSDBAグループとOSOPERグループおよびSYSDBA権限とSYSOPER権限の詳細は、『Oracle Database管理者リファレンス for UNIX Systems』および『Oracle Database 管理者ガイド』を参照してください。 


注意:

ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法については後述します。ローカル・ユーザーおよびグループを作成するかわりに、Network Information Service(NIS)などのディレクトリ・サービスに適切なユーザーおよびグループを作成できます。ディレクトリ・サービスの使用方法は、システム管理者に問い合せるか、またはオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。  


必要なオペレーティング・システム・ユーザーおよびグループの作成方法については後述します。

Oracleインベントリ・グループの作成

Oracleインベントリ・グループが存在しない場合は、作成する必要があります。ここでは、Oracleインベントリ・グループが存在する場合にその名前を判別する方法と、必要な場合に作成する方法について説明します。

Oracleインベントリ・グループの有無の判別

Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールするときには、Oracle Universal InstallerによりoraInst.locファイルが作成されます。このファイルでは、Oracleインベントリ・グループ名およびOracleインベントリ・ディレクトリのパスが識別されます。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

# more /var/opt/oracle/oraInst.loc

oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

inventory_loc=/u01/app/oracle/oraInventory
inst_group=oinstall

inst_groupパラメータは、Oracleインベントリ・グループ名oinstallを示します。

Oracleインベントリ・グループの作成

oraInst.locファイルが存在しない場合は、次のコマンドを入力してOracleインベントリ・グループを作成します。

# /usr/sbin/groupadd oinstall

OSDBAグループの作成

次の場合には、OSDBAグループを作成する必要があります。

OSDBAグループが存在しない場合、または新規OSDBAグループが必要な場合は、次の手順で作成します。次のコマンドでは、同じ名前のグループが存在する場合を除き、グループ名にはdbaを使用してください。

# /usr/sbin/groupadd dba

OSOPERグループの作成(オプション)

OSOPERグループを作成するのは、一連の限られたデータベース管理権限(SYSOPERオペレータ権限)を持つオペレーティング・システム・ユーザーのグループを識別する必要がある場合のみです。ほとんどのインストールの場合は、OSDBAグループのみを作成すれば十分です。OSOPERグループを使用する必要があれば、次の場合に作成してください。

新規のOSOPERグループが必要な場合は、次の手順で作成します。次のコマンドでは、同じ名前のグループが存在する場合を除き、グループ名にはoperを使用してください。

# /usr/sbin/groupadd oper

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

次の場合には、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかの判別

oracleという名前のOracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

# id oracle

oracleユーザーが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

uid=440(oracle) gid=200(oinstall) groups=201(dba),202(oper)

ユーザーが存在する場合は、既存のユーザーを使用するか、または別のoracleユーザーを作成するかを決定します。既存のユーザーを使用する場合は、ユーザーのプライマリ・グループがOracleインベントリ・グループであり、かつ適切なOSDBAグループおよびOSOPERグループのメンバーであることを確認してください。詳細は、次のいずれかの項を参照してください。


注意:

必要に応じて、既存のユーザーを使用または変更する前にシステム管理者に問い合せてください。 


Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合、または新規Oracleソフトウェア所有者ユーザーが必要な場合は、次の手順で作成します。次の手順では、同じ名前のユーザーが存在する場合を除き、ユーザー名にはoracleを使用してください。

  1. oracleユーザーを作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/useradd -g oinstall -G dba[,oper] oracle
    
    

    各項目の意味は次のとおりです。

    • -gオプションでは、プライマリ・グループを指定します。oinstallなど、Oracleインベントリ・グループを指定する必要があります。

    • -Gオプションでは、セカンダリ・グループを指定します。OSDBAグループおよび必要な場合はOSOPERグループを指定する必要があります。たとえば、dbaまたはdba,operなどを指定します。

  2. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle
    

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの変更

oracleユーザーが存在するが、そのプライマリ・グループがoinstallでない場合、あるいは適切なOSDBAグループまたはOSOPERグループのメンバーでない場合は、次のようなコマンドを入力して変更します。-gオプションを使用してプライマリ・グループを指定し、-Gオプションを使用して必要なセカンダリ・グループを指定します。

# /usr/sbin/usermod -g oinstall -G dba[,oper] oracle

権限のないユーザーの作成

extjob実行可能ファイルの所有者として、権限のないローカル・ユーザーを新規に作成する必要があります。このユーザーには任意のユーザー名を使用できますが、このマニュアルではextjobという名前を使用します。extjobユーザーを作成するには、次のコマンドを入力します。

# /usr/sbin/useradd extjob

ユーザーnobodyの有無の確認

ソフトウェアをインストールする前に、次の手順でシステム上にnobodyユーザーが存在することを確認します。

  1. このユーザーが存在するかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # id nobody
    
    

    このコマンドでnobodyユーザーに関する情報が表示される場合、そのユーザーを作成する必要はありません。

  2. nobodyユーザーが存在しない場合は、次のコマンドを入力して作成します。

    # /usr/sbin/useradd nobody
    

カーネル・パラメータの構成


注意:

この項に示すカーネル・パラメータ値は、あくまでも推奨値です。本番データベース・システムでは、これらの値をチューニングして、システムのパフォーマンスを最適化することをお薦めします。カーネル・パラメータのチューニングの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。 


次の表の各カーネル・パラメータが、表に示す計算式に設定されているか、または推奨値以上の値に設定されていることを確認してください。表の後に、値を確認および設定する手順について説明します。

パラメータ  推奨する計算式または値 

ksi_alloc_max 

(nproc*8) 

executable_stack 

max_thread_proc 

1024 

maxdsiz 

1073741824(1 GB) 

maxdsiz_64bit 

2147483648(2 GB) 

maxssiz 

134217728(128 MB) 

maxssiz_64bit 

1073741824(1 GB) 

maxuprc 

((nproc*9)/10) 

msgmap 

(msgtql+2) 

msgmni 

(nproc) 

msgseg 

32767 

msgtql 

(nproc) 

ncsize 

(ninode+1024) 

nfile 

(15*nproc+2048) 

nflocks 

(nproc) 

ninode 

(8*nproc+2048) 

nkthread 

(((nproc*7)/4)+16) 

nproc 

4096 

semmni 

(nproc) 

semmns 

(semmni*2) 

semmnu 

(nproc-4) 

semvmx 

32767 

shmmax 

物理メモリーのサイズまたは1073741824(0X40000000)のうち大きい方の値

注意: パフォーマンスの低下を避けるために、使用可能メモリーのサイズ以上の値に設定する必要があります。 

shmmni 

512 

shmseg 

120 

vps_ceiling 

64 

前述のカーネル・パラメータに指定されている現行の値または計算式を表示し、必要に応じて変更する手順は、次のとおりです。

  1. 次の手順を実行します。

    1. 次のコマンドを入力してkcwebアプリケーションを起動します。

      # /usr/sbin/kcweb -F
      
      
    2. 各パラメータに指定されている値または計算式を確認し、必要に応じて変更します。

      この手順の詳細は、必要に応じてkcwebのオンライン・ヘルプを参照してください。


      注意:

      動的でないパラメータの値を変更した場合は、システムを再起動する必要があります。 


  2. 必要な場合は、システムが再起動した時点でログインしてユーザーをrootに切り替えます。

必須ソフトウェア・ディレクトリの識別

Oracleソフトウェアについて、次の各ディレクトリを識別または作成する必要があります。

Oracleベース・ディレクトリ

Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールのトップレベル・ディレクトリです。Microsoft Windowsシステム上でOracleソフトウェアに使用されるC:¥Oracleディレクトリに似ています。HP-UXシステム上では、Optimal Flexible Architecture(OFA)ガイドラインに、Oracleベース・ディレクトリに次のようなパスを使用するという推奨事項があります。

/mount_point/app/oracle_sw_owner

各項目の意味は次のとおりです。

複数のインストールに同じOracleベース・ディレクトリを使用する方法と、インストールごとに個別のOracleベース・ディレクトリを作成する方法があります。様々なオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステムにOracleソフトウェアをインストールする場合は、各ユーザーが個別のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。次の例では、Oracleベース・ディレクトリがすべて同じシステムに存在します。

/u01/app/oracle
/u01/app/orauser
/opt/oracle/app/oracle

次の各項では、インストールに適した既存のOracleベース・ディレクトリの識別方法、および必要に応じたOracleベース・ディレクトリの作成方法について説明します。

Oracleベース・ディレクトリを作成するか既存のものを使用するかに関係なく、ORACLE_BASE環境変数を設定して、このディレクトリへのフル・パスを指定する必要があります。

Oracleインベントリ・ディレクトリ

Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)には、システムにインストールされた全ソフトウェアのインベントリが格納されます。このディレクトリは、単一システムにインストールされたすべてのOracleソフトウェアに必須であり、共有のものです。システムにOracleソフトウェアを初めてインストールするときには、Oracle Universal Installerからこのディレクトリへのパス指定を求めるプロンプトが表示されます。次のパスを選択することをお薦めします。

oracle_base/oraInventory

指定したディレクトリが作成され、そこに適切な所有者、グループおよびアクセス権が設定されます。Oracleインベントリ・ディレクトリを手動で作成する必要はありません。


注意:

このディレクトリは、すべてのOracleソフトウェアのインストールで使用されます。必ず定期的にバックアップを作成してください。

すべてのOracleソフトウェアをシステムから完全に削除する場合を除き、このディレクトリを削除しないでください。 


Oracleホーム・ディレクトリ

Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするために選択するディレクトリです。様々なOracle製品、または同じOracle製品の異なるリリースは、個別のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを実行すると、このディレクトリへのパスと識別名の指定を求めるプロンプトが表示されます。Oracleホーム・ディレクトリは、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリとして指定する必要があります。Oracleホーム・ディレクトリについては、次のようなパスを指定することをお薦めします。

oracle_base/product/10.2.0/db_1

指定したディレクトリ・パスがOracleベース・ディレクトリの下に作成されます。また、適切な所有者、グループおよびアクセス権も設定されます。Oracleホーム・ディレクトリを手動で作成する必要はありません。


注意:

インストール時には、事前にアクセス権が設定されている既存のディレクトリをOracleホーム・ディレクトリとして指定しないでください。 指定した場合、ファイルおよびグループの所有権のアクセス権エラーによってインストール・エラーが生じる可能性があります。 


Oracleベース・ディレクトリの識別または作成

インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリを識別するか、必要な場合は作成する必要があります。この項の内容は、次のとおりです。

既存のOracleベース・ディレクトリの識別

既存のOracleベース・ディレクトリのパスが、OFAガイドラインに準拠していない場合があります。ただし、既存のOracleインベントリ・ディレクトリまたは既存のOracleホーム・ディレクトリを識別する場合、通常はOracleベース・ディレクトリを次の手順で識別できます。

このインストールに既存のOracleベース・ディレクトリを使用するように決定する前に、次の条件を満たしているかどうかを確認します。

決定した方法に応じて、次のどちらかを参照してください。

Oracleベース・ディレクトリの作成

Oracleベース・ディレクトリを作成する前に、次に示すように、十分な空きディスク領域を持つ適切なファイル・システムを識別する必要があります。

要件  空きディスク領域 

Oracleベース・ディレクトリにソフトウェア・ファイルのみを格納する場合 

3GBまで。プラットフォームによって異なります。 

Oracleベース・ディレクトリにソフトウェア・ファイルとデータベース・ファイルの両方を格納する場合(本番データベースの場合は推奨外) 

4GBまで。プラットフォームによって異なります。 

適切なファイル・システムを識別する手順は、次のとおりです。

  1. bdfコマンドを使用して、マウントされている各ファイル・システムの空きディスク領域を判別します。

  2. 表示される出力から、適切な空き領域のあるファイル・システムを識別します。

    ローカル・ファイル・システム、クラスタ・ファイル・システム、または認定されているNASデバイス上のNFSファイル・システムを識別できます。

  3. 識別したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前をメモします。

Oracleベース・ディレクトリを作成し、適切な所有者、グループおよびアクセス権を指定する手順は、次のとおりです。

  1. 次のような各コマンドを入力して、識別したマウント・ポイント・ディレクトリに推奨のサブディレクトリを作成し、それに対する適切な所有者、グループおよびアクセス権を設定します。

    # mkdir -p /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chown -R oracle:oinstall /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chmod -R 775 /mount_point/app/oracle_sw_owner
    
    

    たとえば、識別したマウント・ポイントが/u01で、oracleがOracleソフトウェア所有者のユーザー名の場合、推奨されるOracleベース・ディレクトリ・パスは次のようになります。

    /u01/app/oracle
    
    
  2. oracleユーザーの環境を構成するときに(後述)、作成したOracleベース・ディレクトリを指定するようにORACLE_BASE環境変数を設定します。

Oracleデータベース・ファイルおよびリカバリ・ファイルの記憶域オプションの選択

次の表に、Oracle DatabaseファイルおよびOracle Databaseリカバリ・ファイルを格納するにあたり、サポートされる記憶域オプションを示します。Oracle Databaseファイルには、データファイル、制御ファイル、REDOログ・ファイル、サーバー・パラメータ・ファイルおよびパスワード・ファイルが含まれます。

すべてのインストールについて、Oracle Databaseファイルに使用する記憶域オプションを選択する必要があります。また、インストール時に自動バックアップを有効にする場合は、リカバリ・ファイル(フラッシュ・リカバリ領域)に使用する記憶域オプションを選択する必要があります。各ファイル・タイプに、同じ記憶域オプションを使用する必要はありません。


重要

データベース・ファイルは、ファイル・システム、自動ストレージ管理およびRAWデバイスでサポートされます。リカバリ・ファイルは、ファイル・システムと自動ストレージ管理でのみサポートされます。 


記憶域オプション 

サポートされるファイル・タイプ 

データベース  リカバリ 

ファイル・システム 

Yes 

Yes 

自動ストレージ管理 

Yes 

Yes 

RAWデバイス 

Yes 

No 

各ファイル・タイプに使用する記憶域オプションを選択する場合は、次のガイドラインに従ってください。

インストールを開始する前にディスク記憶域を構成する方法については、選択するオプションに応じて次の各項を参照してください。

Oracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイル用ディレクトリの作成

この項の内容は、次のとおりです。

Oracle Databaseファイルのファイル・システムへの格納に関するガイドライン

ファイル・システムにOracle Databaseファイルを格納する場合は、次のガイドラインを使用してファイルの格納場所を決定できます。

Oracleリカバリ・ファイルのファイル・システムへの格納に関するガイドライン


注意:

インストール時に自動バックアップを有効にする場合のみ、リカバリ・ファイルの場所を選択する必要があります。 


ファイル・システムにOracleリカバリ・ファイルを格納する場合は、次のガイドラインを使用してファイルの格納場所を決定できます。

必要なディレクトリの作成


注意:

この手順を実行する必要があるのは、個別のファイル・システム上でOracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイルをOracleベース・ディレクトリに格納する場合のみです。 


個別のファイル・システム上でOracleデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルのディレクトリをOracleベース・ディレクトリに作成する手順は、次のとおりです。

  1. bdfコマンドを使用して、マウントされている各ファイル・システムの空きディスク領域を判別します。

  2. 表示される内容から、使用するファイル・システムを識別します。

    ファイル・タイプ  ファイル・システム要件 

    データベース・
    ファイル 

    次のいずれかを選択します。

    • 1.2GB以上の空きディスク領域を持つ単一のファイル・システム

    • 合計で1.2GB以上の空きディスク領域を持つ2つ以上のファイル・システム

     

    リカバリ・ファイル 

    2.4 GB以上の空きディスク領域を持つファイル・システムを選択します。 

    複数のファイル・タイプに対して同じファイル・システムを使用している場合は、タイプごとのディスク領域要件を加算して、合計ディスク領域要件を判別します。

  3. 識別したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前をメモします。

  4. 次のような各コマンドを入力して、各マウント・ポイント・ディレクトリに推奨のサブディレクトリを作成し、それに対する適切な所有者、グループおよびアクセス権を設定します。

    • データベース・ファイル・ディレクトリ

      # mkdir /mount_point/oradata
      # chown oracle:oinstall /mount_point/oradata
      # chmod 775 /mount_point/oradata
      
      
    • リカバリ・ファイル・ディレクトリ(フラッシュ・リカバリ領域)

      # mkdir /mount_point/flash_recovery_area
      # chown oracle:oinstall /mount_point/flash_recovery_area
      # chmod 775 /mount_point/flash_recovery_area
      
      
  5. 記憶域に自動ストレージ管理またはRAWデバイスも使用する場合は、次のいずれかの項を参照してください。

    それ以外の場合は、「既存のOracleプロセスの停止」を参照してください。

自動ストレージ管理インストールのためのディスク・グループの準備

この項では、自動ストレージ管理で使用できるようにディスクを構成する方法について説明します。ディスクを構成する前に、必要なディスク数および空きディスク領域の量を判別する必要があります。次の項では、要件の識別方法および各プラットフォームにおけるディスクの構成方法を説明します。

自動ストレージ管理の一般的な構成手順

自動ストレージ管理を構成する一般的な手順は、次のとおりです。

  1. サイトの記憶域要件を識別します。

  2. 必要に応じて、既存の自動ストレージ管理ディスク・グループを使用します。

  3. 新規の自動ストレージ管理ディスク・グループを作成する場合は、DASまたはSANディスク用のパーティションを作成します。

  4. 次のいずれかの方法で自動ストレージ管理構成を完了します。

    • 対話型モードでOracle Databaseをインストールする場合、Oracle Universal Installerでは、インストール中に自動ストレージ管理用ディスクの構成情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。

    • 非対話型モードでOracle Databaseをインストールする場合は、インストールを実行する前にディスクを手動で構成する必要があります。

手順1: 自動ストレージ管理の記憶要件の識別

自動ストレージ管理を使用して記憶要件を識別するには、必要なデバイス数および空きディスク領域の量を判別する必要があります。このタスクを完了する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイル、あるいはその両方に自動ストレージ管理を使用するかどうかを判断します。


    注意:

    同じ記憶域メカニズムをデータファイルとリカバリ・ファイルに使用する必要はありません。一方のファイル・タイプにファイル・システムを使用し、もう一方のファイル・タイプに自動ストレージ管理を使用できます。データファイルとリカバリ・ファイルの両方に自動ストレージ管理を使用する場合は、データファイル用とリカバリ・ファイル用に個別の自動ストレージ管理ディスク・グループを作成してください。 


    インストール時に自動バックアップを有効にする場合、フラッシュ・リカバリ領域に自動ストレージ管理ディスク・グループを指定して、リカバリ・ファイルの記憶域メカニズムとして自動ストレージ管理を選択できます。インストール時のデータベース作成の選択方法により、次のオプションを指定できます。

    • 対話型モードでOracle Database Configuration Assistantを実行するインストール方法(たとえば、「詳細」データベース構成オプション)を選択すると、データベース・ファイルとリカバリ・ファイルに同じ自動ストレージ管理ディスク・グループを使用するかどうかを判断できます。あるいは、各ファイル・タイプに対して異なるディスク・グループをそれぞれ選択できます。可能であれば、データファイル用とリカバリ・ファイル用に個別の自動ストレージ管理ディスク・グループを作成する必要があります。

      Oracle Database Configuration Assistantを使用してインストール後にデータベースを作成する場合は、同じ選択ができます。

    • 非対話型モードでOracle Database Configuration Assistantを実行するインストール・タイプを選択する場合は、データファイルとリカバリ・ファイルに同一の自動ストレージ管理ディスク・グループを使用する必要があります。

  2. 作成する自動ストレージ管理ディスク・グループごとに、使用する自動ストレージ管理の冗長性レベルを選択します。

    自動ストレージ管理ディスク・グループに冗長性レベルを選択すると、ディスク・グループにおける自動ストレージ管理によるファイルのミラー化方法および必要なディスク数とディスク領域の量を、次のように判別できます。

    • 外部冗長性

      外部冗長性ディスク・グループには、1つ以上のディスク・デバイスが必要です。外部冗長性ディスク・グループの有効なディスク領域は、その全デバイス内のディスク領域の合計です。

      このオプションを選択した場合、自動ストレージ管理では、ディスク・グループの内容はミラー化されません。この冗長性レベルは、次のいずれかの場合に選択します。

      • RAIDデバイスなど、それ自体がデータ保護を提供するデバイスがディスク・グループに含まれる場合。

      • 適切なバックアップ方法がある開発環境など、データベースの使用方法が割込みなしのデータ・アクセスを必要としない場合。

    • 標準冗長性

      標準冗長性ディスク・グループでは、パフォーマンスおよび信頼性を改善するために、自動ストレージ管理により、データファイルには2方向ミラー化、制御ファイルには3方向ミラー化がデフォルトで使用されます。あるいは、2方向ミラー化を使用するか、ミラー化を使用しないこともできます。2方向ミラー化を使用する場合、標準冗長性ディスク・グループには、2つ以上の障害グループ(または2つ以上のディスク・デバイス)が必要です。標準冗長性ディスク・グループの有効なディスク領域は、その全デバイス内のディスク領域の合計の1/2です。

      Oracleでは、ほとんどのインストールに標準冗長性ディスク・グループの使用をお薦めします。

    • 高冗長性

      ディスク・グループの内容は、デフォルトで3方向でミラー化されます。高冗長性ディスク・グループを作成するには、3つ以上の障害グループ(3つ以上のデバイス)を指定する必要があります。

      高冗長性ディスク・グループでは最高水準のデータ保護が提供されますが、この冗長性レベルの使用を決定する前に追加するストレージ・デバイスの高コストを考慮する必要があります。

  3. データベース・ファイルおよびリカバリ・ファイルに必要なディスク領域の合計量を判別します。

    次の表を使用して、インストールに必要な最小ディスク数と最小ディスク領域を判別します。

    冗長性レベル  最小ディスク数  データファイル  リカバリ・ファイル  両方のファイル・タイプ 

    外部 

    1.15GB 

    2.3GB 

    3.45GB 

    標準 

    2.3GB 

    4.6GB 

    6.9GB 

    高 

    3.45GB 

    6.9GB 

    10.35GB 

    ASMインスタンスがシステム上ですでに実行中である場合、これらの領域要件を満たすように既存のディスク・グループを使用できます。必要に応じて、インストール時にディスクを既存のディスク・グループに追加できます。

    次の手順では、既存のディスク・グループの識別方法およびディスク・グループに含まれる空きディスク領域の判別方法を説明します。

  4. オプションで、自動ストレージ管理ディスク・グループ・デバイスに対する障害グループを識別します。


    注意:

    この操作は、対話型モードでOracle Database Configuration Assistantを実行するインストール方法を使用する場合にのみ実行する必要があります。たとえば、「カスタム」インストール・タイプまたは「詳細」データベース構成オプションを選択する場合です。他のインストール・タイプでは、障害グループは指定できません。 


    標準冗長性ディスク・グループまたは高冗長性ディスク・グループを使用する場合、ディスク・デバイスのセットをカスタム障害グループに関連付けることにより、データベースをハードウェア障害からさらに保護できます。デフォルトでは、各デバイスはそれぞれの障害グループを導出します。ただし、標準冗長性ディスク・グループの2つのディスク・デバイスが同じSCSIコントローラに接続されている場合、コントローラに障害が発生するとディスク・グループは使用できなくなります。この例のコントローラは、シングル・ポイント障害です。

    このような障害を防ぐために、2つのSCSIコントローラ(それぞれが2つのディスクを持つ)を使用し、各コントローラに接続するディスクに対して障害グループを定義できます。この構成では、ディスク・グループによる1つのSCSIコントローラの障害の許容が可能になります。


    注意:

    カスタム障害グループを定義する場合、標準冗長性ディスク・グループに対して2つ以上の障害グループ、および高冗長性ディスク・グループに対して3つ以上の障害グループを指定する必要があります。 


  5. システムに最適なディスク・グループが存在しないことが確実な場合、適切なディスク・デバイスをインストールまたは識別して新しいディスク・グループに追加します。適切なディスク・デバイスを識別する場合は、次のガイドラインを適用します。

手順2: 既存の自動ストレージ管理ディスク・グループの使用


注意:

これはオプションの手順です。 


既存の自動ストレージ管理ディスク・グループにデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルのいずれかを格納する場合は、選択するインストール方法に応じて次を選択します。

既存の自動ストレージ管理ディスク・グループが存在するかどうか、またはディスク・グループ内に十分なディスク領域があるかどうかを判断するには、Oracle Enterprise Manager Grid ControlまたはDatabase Controlを使用できます。あるいは、次の手順を使用できます。

  1. oratabファイルの内容を表示して、ASMインスタンスがシステム上に構成されているかどうかを判別します。

    # more /etc/oratab
    
    

    ASMインスタンスがシステム上に構成されると、次の行に類似した行がoratabファイルに含まれます。

    +ASM:oracle_home_path:N
    
    

    この例では、+ASMはASMインスタンスのシステム識別子(SID)であり、oracle_home_pathはインストールされているOracleホーム・ディレクトリです。表記規則では、ASMインスタンスのSIDは、プラス記号で始まります。

  2. シェル・ウィンドウを開き、ORACLE_SIDおよびORACLE_HOME環境変数を一時的に設定して、使用するASMインスタンスに適切な値を指定します。

    たとえば、自動ストレージ管理のSIDがOraDB10g+ASMで、ORACLE_BASEディレクトリのasmサブディレクトリにある場合は、次のコマンドを入力して必須設定を作成します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_SID=OraDB10g+ASM
      $ export ORACLE_SID
      $ ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/10.1.0/asm
      $ export ORACLE_HOME
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_SID OraDB10g+ASM
      % setenv ORACLE_HOME /u01/app/oracle/product/10.1.0/asm
      
      
  3. 必要に応じて、SQL*PlusでSYSDBA権限を使用してSYSユーザーとしてASMインスタンスに接続し、インスタンスを開始します。

    # $ORACLE_HOME/bin/sqlplus "SYS/SYS_password as SYSDBA"
    SQL> STARTUP
    
    
  4. 次のコマンドを入力して、既存のディスク・グループ、そのディスク・グループの冗長性レベルおよび各グループの空きディスク領域を表示します。

    SQL> SELECT NAME,TYPE,TOTAL_MB,FREE_MB FROM V$ASM_DISKGROUP;
    
    
  5. この出力から、ディスク・グループと適切な冗長性レベルを識別し、含まれる空き領域を書き留めます。

  6. 必要に応じて、ディスク・デバイスを追加してインストールまたは識別し、前述の項で記述した記憶要件を満たします。


    注意:

    既存のディスク・グループにデバイスを追加する場合、そのディスク・グループにある既存のデバイスと同じサイズおよび同じパフォーマンス特性を持つデバイスを使用するようお薦めします。 


手順3: 自動ストレージ管理に使用するDASまたはSANディスク・パーティションの作成

自動ストレージ管理にDASまたはSANディスクを使用するには、そのディスクにパーティション表が必要です。ディスクごとに、全体を含むパーティションを1つのみ作成することをお薦めします。


注意:

パーティション化されていれば、任意の物理ディスクを自動ストレージ管理に使用できます。 


手順4: 自動ストレージ管理に使用するディスクの構成

自動ストレージ管理用ディスクを構成する手順は、次のとおりです。

  1. 必要に応じて、自動ストレージ管理ディスク・グループに使用するディスクをインストールします。

  2. ディスクが使用可能であることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/ioscan -fun -C disk
    
    

    このコマンドの出力は、次のようになります。

    Class  I  H/W Path    Driver S/W State   H/W Type     Description
    ==========================================================================
    disk    0  0/0/1/0.6.0 sdisk  CLAIMED     DEVICE       HP   DVD 6x/32x
                           /dev/dsk/c0t6d0   /dev/rdsk/c0t6d0
    disk    1  0/0/1/1.2.0 sdisk  CLAIMED     DEVICE      SEAGATE ST39103LC
                           /dev/dsk/c1t2d0   /dev/rdsk/c1t2d0
    
    

    このコマンドでは、ブロック・デバイス名(/dev/dsk/cxtydz)およびキャラクタRAWデバイス名(/dev/rdsk/cxtydz)を含め、システムに連結されている各ディスクの情報が表示されます。

  3. ioscanコマンドを入力しても使用するデバイスのデバイス名情報が表示されない場合は、次のコマンドを入力して新規デバイス用の特殊デバイス・ファイルをインストールします。

    # /usr/sbin/insf -e
    
    
  4. ディスク・グループに追加するディスクごとに、次のコマンドを入力して、LVMボリューム・グループの一部になっていないことを確認します。

    # /sbin/pvdisplay /dev/dsk/cxtydz
    
    

    このコマンドでボリューム・グループ情報が表示される場合、そのディスクはボリューム・グループの一部になっています。LVMボリューム・グループの一部でないディスクを選択する必要があります。


    注意:

    他のボリューム管理ソフトウェア(VERITAS Volume Managerなど)を使用している場合、ディスクが使用中でないことを確認する方法については該当するドキュメントを参照してください。 


  5. 次のようなコマンドを入力して、ディスク・グループに追加するディスクごとに、キャラクタRAWデバイス・ファイルの所有者、グループおよびアクセス権を変更します。

    # chown oracle:dba /dev/rdsk/cxtydz
    # chmod 660 /dev/rdsk/cxtydz
    


    注意:

    マルチ・パスのディスク・ドライバを自動ストレージ管理で使用している場合、ディスクに適切な論理デバイス名にのみアクセス権が設定されていることを確認します。 


  6. 記憶域にRAWデバイスも使用する場合は、次の項を参照してください。

    それ以外の場合は、「既存のOracleプロセスの停止」を参照してください。

RAW論理ボリュームの構成

次の各項では、RAW論理ボリュームの構成方法について説明します。

ボリューム・グループの作成

ボリューム・グループを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 必要な場合は、データベースに使用するディスクをインストールします。

  2. ディスクが使用可能であることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /sbin/ioscan -fun -C disk
    
    

    このコマンドの出力は、次のようになります。

    Class  I  H/W Path    Driver S/W State   H/W Type     Description
    ==========================================================================
    disk    0  0/0/1/0.6.0 sdisk  CLAIMED     DEVICE       HP   DVD 6x/32x
                           /dev/dsk/c0t6d0   /dev/rdsk/c0t6d0
    disk    1  0/0/1/1.2.0 sdisk  CLAIMED     DEVICE      SEAGATE ST39103LC
                           /dev/dsk/c1t2d0   /dev/rdsk/c1t2d0
    disk    2  0/0/2/0.2.0 sdisk  CLAIMED     DEVICE       SEAGATE ST118202LC
                           /dev/dsk/c2t2d0   /dev/rdsk/c2t2d0
    
    

    このコマンドでは、ブロック・デバイス名(/dev/dsk/cxtydz)およびキャラクタRAWデバイス名(/dev/rdsk/cxtydz)を含め、システムに連結されている各ディスクの情報が表示されます。

  3. ioscanコマンドを入力しても使用するデバイスのデバイス名情報が表示されない場合は、次のコマンドを入力して新規デバイス用の特殊デバイス・ファイルをインストールします。

    # /usr/sbin/insf -e
    
    
  4. ボリューム・グループに追加するディスクごとに、次のコマンドを入力して、LVMボリューム・グループの一部になっていないことを確認します。

    # /sbin/pvdisplay /dev/dsk/cxtydz
    
    

    このコマンドでボリューム・グループ情報が表示される場合、そのディスクはボリューム・グループの一部になっています。

  5. ボリューム・グループに追加するディスクごとに、次のようなコマンドを入力します。

    # /sbin/pvcreate /dev/rdsk/cxtydz
    
    
  6. ボリューム・グループ用のディレクトリを/devディレクトリに作成するには、次のようなコマンドを入力します。vg_nameは、ボリューム・グループに使用する名前です。

    # mkdir /dev/vg_name
    
    
  7. 使用されているデバイス・マイナー番号を識別するには、次のコマンドを入力します。

    # ls -la /dev/*/group
    
    

    このコマンドでは、次のように、すべての構成済ボリューム・グループで使用されているデバイス番号に関する情報が表示されます。

    crw-r-----   1 root    sys        64 0x000000 Mar  4  2002 /dev/vg00/group
    crw-r--r--   1 root    sys        64 0x010000 Mar  4  2002 /dev/vg01/group
    
    

    この例で、64はすべてのボリューム・グループ・デバイスで使用されているメジャー番号で、0x000000 および0x010000はそれぞれボリューム・グループvg00およびvg01で使用されているマイナー番号です。マイナー番号の書式は0xnn0000で、nnは00〜maxvgsカーネル・パラメータから1を引いた値までの範囲内の番号です。maxvgsパラメータのデフォルト値は10であるため、デフォルトの範囲は00〜09です。

  8. 使用されていない適切なマイナー番号を識別します。

  9. ボリューム・グループを作成してアクティブにするには、次のようなコマンドを入力します。

    # /sbin/mknod /dev/vg_name/group c 64 0xnn0000
    # /sbin/vgcreate /dev/vg_name /dev/dsk/cxtydz . . .
    # /sbin/vgchange -a y vg_name
    
    

    各項目の意味は次のとおりです。

    • vg_nameは、ボリューム・グループに使用する名前です。

    • 0xnn0000は、使用されていないマイナー番号です。

    • /dev/dsk/cxtydz...は、ボリューム・グループに追加するディスクの1つ以上のブロック・デバイス名のリストです。

新規ボリューム・グループ内のRAW論理ボリュームの作成

新規ボリューム・グループに必要なRAW論理ボリュームを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 作成するデータベースの名前を選択します。

    英字で始まる4文字以内の名前(orclなど)を選択する必要があります。

  2. 作成する必要のある論理ボリュームを識別します。

    表2-1に、データベース・ファイル用に作成する必要がある論理ボリュームの数およびサイズを示します。

    表 2-1    HP-Itanium上のデータベース・ファイルに必要なRAW論理ボリューム 
      サイズ(MB)  用途とサンプル論理ボリューム名 

    500 

    SYSTEM表領域:

    dbname_system_raw_500m
     

    500 

    SYSAUX表領域:

    dbname_sysaux_raw_500m
     

    500 

    UNDOTBS1表領域:

    dbname_undotbs1_raw_500m
     

    250 

    TEMP表領域:

    dbname_temp_raw_250m
     

    160 

    EXAMPLE表領域:

    dbname_example_raw_160m
     

    1  

    120 

    USERS表領域:

    dbname_users_raw_120m
     

    120 

    2つのオンラインREDOログ・ファイル(mはログ番号1または2):

    dbname_redo1_m_raw_120m
     

    110 

    制御ファイル1および2:

    dbname_control{1|2}_raw_110m
     

    サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE):

    dbname_spfile_raw_5m
     

    パスワード・ファイル:

    dbname_pwdfile_raw_5m
     
  3. 必要な論理ボリュームを個別に作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /sbin/lvcreate -n LVname -L size /dev/vg_name
    
    

    この構文の各項目の意味は次のとおりです。

    • LVnameは、作成する論理ボリュームの名前です。

      論理ボリュームには、前述の表に示したサンプル名を使用することをお薦めします。サンプル論理ボリューム名のdbname変数を、手順1でデータベース用に選択した名前で置き換えてください。

    • vg_nameは、論理ボリュームを作成するボリューム・グループの名前です。

    • sizeは、論理ボリュームのサイズ(MB単位)です。

    次の例に、データベースtestのSYSAUX表領域用にoracle_vgボリューム・グループ内で500 MBの論理ボリュームを作成するためのサンプル・コマンドを示します。

    # /sbin/lvcreate -n test_sysaux_raw_500m -L 500 /dev/oracle_vg
    


    注意:

    特定のストライプ・サイズを指定して複数のディスクにまたがる論理ボリュームを作成するには、次のようなコマンドを使用します。

    # /sbin/lvcreate -L size -i stripe -I stripe_size_in_KB vg_name

    この例で、stripeはボリューム内のディスク数です。

    たとえば、ストライプ・サイズが64 KBの3つのディスクにまたがってストライプ化された90 MBのボリュームを作成するには、次のコマンドを使用します。

    # /sbin/lvcreate -L 90 -i 3 -I 64 /dev/vg03
     

  4. 次のように、作成した論理ボリュームに関連付けられているキャラクタ・デバイス・ファイルの所有者、グループおよびアクセス権を変更します。

    # chown oracle:dba /dev/vg_name/r*
    # chmod 755 /dev/vg_name
    # chmod 660 /dev/vg_name/r*
    
    
  5. 次のようなコマンドを使用して、ボリューム・グループをアクティブにします。

    # vgchange -a y vg_name
    

Oracle Database Configuration AssistantのRAWデバイス・マッピング・ファイルの作成

Oracle Database Configuration Assistantでデータベース・ファイルごとに適切なRAWデバイスを識別できるように、次のようにRAWデバイス・マッピング・ファイルを作成する必要があります。

  1. ORACLE_BASE環境変数を設定し、以前に識別または作成したOracleベース・ディレクトリを指定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_BASE=/u01/app/oracle ; export ORACLE_BASE
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_BASE /u01/app/oracle
      
      
  2. Oracleベース・ディレクトリの下にデータベース・ファイル・サブディレクトリを作成し、適切な所有者、グループおよびアクセス権を設定します。

    # mkdir -p $ORACLE_BASE/oradata/dbname
    # chown -R oracle:oinstall $ORACLE_BASE/oradata
    # chmod -R 775 $ORACLE_BASE/oradata
    
    

    この例で、dbnameは前に選択したデータベース名です。

  3. $ORACLE_BASE/oradata/dbnameディレクトリに移動します。

  4. 次のようなコマンドを入力して、RAWデバイス・マッピング・ファイルの作成に使用できるテキスト・ファイルを作成します。

    # find /dev/vg_name -user oracle -name 'r*' -print > dbname_raw.conf
    
    
  5. テキスト・エディタでdbname_raw.conf ファイルを編集し、次のようなファイルを作成します。

    system=/dev/vg_name/rdbname_system_raw_500m
    sysaux=/dev/vg_name/rdbname_sysaux_raw_500m
    example=/dev/vg_name/rdbname_example_raw_160m
    users=/dev/vg_name/rdbname_users_raw_120m
    temp=/dev/vg_name/rdbname_temp_raw_250m
    undotbs1=/dev/vg_name/rdbname_undotbs1_raw_500m
    redo1_1=/dev/vg_name/rdbname_redo1_1_raw_120m
    redo1_2=/dev/vg_name/rdbname_redo1_2_raw_120m
    control1=/dev/vg_name/rdbname_control1_raw_110m
    control2=/dev/vg_name/rdbname_control2_raw_110m
    spfile=/dev/vg_name/rdbname_spfile_raw_5m
    pwdfile=/dev/vg_name/rdbname_pwdfile_raw_5m
    
    

    各項目の意味は次のとおりです。

    • vg_nameはボリューム・グループ名です。

    • dbnameはデータベース名です。

    このファイルの作成または編集時には、次のガイドラインに従ってください。

    • ファイルの各行には次の書式を使用する必要があります。

      database_object_identifier=logical_volume
      
      

      このマニュアルで提示している論理ボリューム名には、このマッピング・ファイルで使用する必要のあるデータベース・オブジェクト識別子が含まれています。たとえば、次の論理ボリューム名では、redo1_1はデータベース・オブジェクト識別子です。

      /dev/oracle_vg/rrac_redo1_1_raw_120m
      
      
    • このファイルでは自動UNDO表領域データファイルを1つ(undotbs1)と、REDOログ・ファイルを2つ以上(redo1_1redo1_2)指定する必要があります。

    • 制御ファイルを2つ以上(control1control2)指定します。

    • 自動UNDO管理のかわりに手動UNDO管理を使用するには、自動UNDO管理表領域データファイルのかわりにRBS表領域データファイル(rbs)を1つ指定します。

    • ファイルを保存し、指定したファイル名をメモします。

    • oracleユーザーの環境を構成するときに(後述)、DBCA_RAW_CONFIG環境変数を設定して、このファイルへのフルパスを指定します。

既存のOracleプロセスの停止


注意:

Oracle Database 10g製品を既存のOracleホームに追加でインストールするには、Oracleホームで実行中のすべての処理を停止します。Oracle Universal Installerを有効にして特定の実行可能ファイルおよびライブラリを再リンクするには、このタスクを完了する必要があります。 


インストール時にデータベースの作成を選択する場合、ほとんどのインストール・タイプではTCP/IPポート1521とIPCキー値EXTPROCを使用してデフォルトのOracle Net Listenerが構成および開始されます。しかし、既存のOracle Net Listenerプロセスが同じポートまたはキー値を使用している場合には、Oracle Universal Installerは新しいリスナーを構成するのみで開始はできません。新しいリスナー・プロセスがインストール時に確実に開始されるようにするには、Oracle Universal Installerを開始する前にすべての既存のリスナーをシャットダウンする必要があります。

既存のリスナー・プロセスが実行しているかどうかを判別し、必要に応じてシャットダウンする手順は、次のとおりです。

  1. ユーザーをoracleに切り替えます。

    # su - oracle
    
    
  2. 次のコマンドを入力して、リスナー・プロセスが実行中かどうかを判別し、その名前とそのプロセスがインストールされているOracleホーム・ディレクトリを識別します。

    $ ps -ef | grep tnslsnr
    
    

    このコマンドを実行すると、システム上で実行しているOracle Net Listenerに関する情報が表示されます。

    ... oracle_home1/bin/tnslsnr LISTENER -inherit
    
    

    この例では、oracle_home1はリスナーがインストールされているOracleホーム・ディレクトリで、LISTENERはリスナー名です。


    注意:

    Oracle Net Listenerが実行されていない場合は、「oracleユーザーの環境の構成」の項を参照して作業を続行してください。 


  3. ORACLE_HOME環境変数を設定し、リスナーの適切なOracleホーム・ディレクトリを指定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_HOME=oracle_home1
      $ export ORACLE_HOME
      
      
    • Cまたはtcshシェルの場合

      % setenv ORACLE_HOME oracle_home1
      
      
  4. 次のコマンドを入力して、リスナーが使用しているTCP/IPポート番号およびIPCキー値を識別します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl status listenername
    


    注意:

    リスナーがデフォルト名LISTENERを使用している場合、このコマンドでリスナー名を指定する必要はありません。 


  5. 次のようなコマンドを入力して、リスナー・プロセスを停止します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl stop listenername
    
    
  6. この手順を繰り返して、このシステム上で実行しているリスナーを停止します。

oracleユーザーの環境の構成

Oracle Universal Installerは、oracleアカウントから実行します。ただし、Oracle Universal Installerを起動する前に、oracleユーザーの環境を構成する必要があります。環境を構成するには、次の設定が必要です。

oracleユーザーの環境を設定する手順は、次のとおりです。

  1. X端末(xterm)などの新規ターミナル・セッションを開始します。

  2. 次のコマンドを入力して、X Windowアプリケーションがこのシステム上で正しく表示されることを確認します。

    $ xhost fully_qualified_remote_host_name
    
    

    次に例を示します。

    $ xhost somehost.us.acme.com
    
    
  3. ソフトウェアをインストールするシステムにログインしていない場合は、そのシステムにoracleユーザーとしてログインします。

  4. oracleユーザーとしてログインしていない場合は、ユーザーをoracleに切り替えます。

    $ su - oracle
    
    
  5. oracleユーザーのデフォルト・シェルを判別するには、次のコマンドを入力します。

    $ echo $SHELL
    
    
  6. テキスト・エディタでoracleユーザーのシェル起動ファイルを開きます。

    • Cシェル(cshまたはtcsh)の場合

      % vi .login
      
      
  7. 次の行を入力または編集して、デフォルトのファイル・モード作成マスクに値022を指定します。

    umask 022
    
    
  8. ファイル内でORACLE_SIDORACLE_HOMEまたはORACLE_BASE環境変数が設定されている場合は、ファイルから該当する行を削除します。

  9. ファイルを保存してエディタを終了します。

  10. シェル起動スクリプトを実行するには、次のいずれかのコマンドを入力します。

    • Bashシェルの場合

      $ . ./.bash_profile
      
      
    • BourneまたはKornシェルの場合

      $ . ./.profile
      
      
    • Cシェルの場合

      % source ./.login
      
      
  11. ソフトウェアをローカル・システムにインストールしない場合は、次のコマンドを入力し、Xアプリケーションをローカル・システム上に表示するように指示します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ DISPLAY=local_host:0.0 ; export DISPLAY
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv DISPLAY local_host:0.0
      
      

    この例で、local_hostは、Oracle Universal Installerの表示に使用するシステム(ワークステーションまたはPC)のホスト名またはIPアドレスです。

  12. /tmpディレクトリの空きディスク領域が400MB未満であることが判明した場合は、400MB以上の空き領域を持つファイル・システムを識別し、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定して、このファイル・システム上の一時ディレクトリを指定します。

    1. bdfコマンドを使用して、十分な空き領域がある適切なファイル・システムを識別します。

    2. 必要な場合は、次のようなコマンドを入力して、識別したファイル・システム上に一時ディレクトリを作成し、そのディレクトリに適切な権限を設定します。

      $ su - root
      # mkdir /mount_point/tmp
      # chmod a+wr /mount_point/tmp
      # exit
      
      
    3. 次のようなコマンドを入力して、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

      • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

        $ TMP=/mount_point/tmp
        $ TMPDIR=/mount_point/tmp
        $ export TMP TMPDIR
        
        
      • Cシェルの場合

        % setenv TMP /mount_point/tmp
        % setenv TMPDIR /mount_point/tmp
        
        
  13. 次のようなコマンドを入力して、ORACLE_BASEおよびORACLE_SID環境変数を設定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
      $ ORACLE_SID=sales
      $ export ORACLE_BASE ORACLE_SID
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_BASE /u01/app/oracle
      % setenv ORACLE_SID sales
      
      

    これらの例で、/u01/app/oracleは前に作成または識別したOracleベース・ディレクトリ、salesはデータベースの名前(通常は5文字以内)です。

  14. データベース記憶域にRAWデバイスを使用する場合、DBCA_RAW_CONFIG環境変数を設定し、RAWデバイス・マッピング・ファイルへのフルパスを指定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ DBCA_RAW_CONFIG=$ORACLE_BASE/oradata/dbname/dbname_raw.conf
      $ export DBCA_RAW_CONFIG
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv DBCA_RAW_CONFIG=$ORACLE_BASE/oradata/dbname/dbname_raw.conf
      
      
  15. 次のコマンドを入力して、ORACLE_HOMEおよびTNS_ADMIN環境変数が設定されていないことを確認します。

  16. 環境が適切に設定されたかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    $ umask
    $ env | more
    
    

    umaskコマンドで値22022または0022が表示され、この項で設定した環境変数が正しい値になっていることを確認します。


戻る 次へ
Oracle
Copyright © 2006 Oracle Corporation.

All Rights Reserved.
目次
目次
索引
索引