Oracle Database インストレーション・ガイド 10g リリース2(10.2) for Linux Itanium B25920-01 |
|
この章では、Oracle Databaseの実行可能な各インストール・タイプと、ソフトウェアをインストールする前の考慮事項について説明します。 この章の内容は、次のとおりです。
Oracle Databaseのインストール・プロセスは、次のフェーズで構成されます。
http://www.oracle.com/technology/documentation
また、付録Gも参照してください。サイトでOracleアプリケーションを使用する場合や、複数のOracle Databaseクライアント接続を必要とする場合に、Oracle Databaseをインストールする方法など、Oracle Databaseコンポーネントのインストールに関してよくある質問が記載されています。
Oracle Databaseをインストールする際には、次のように異なるインストール方法を選択できます。
対話型の方法を使用してOracle Databaseをインストールする場合、Oracle Universal Installerで表示される一連の画面で、Oracle Databaseソフトウェアのインストールおよびデータベースの作成(オプション)に必要な情報をすべて指定できます。
Linux ItaniumにおけるOracle Database 10gリリース10.2では、Oracle Universal Installerが提供する2つの対話型の方法を使用して、Oracle Databaseをインストールできます。
Oracle Databaseを迅速にインストールするには、このインストール方法を選択します。このインストール方法では、ユーザー入力が最小限で済みます。ソフトウェアがインストールされ、オプションで、画面に指定した情報を使用して汎用データベースが作成されます。このインストール方法はデフォルトです。
次のいずれかのタスクを実行する場合、このインストール方法を選択します。
「使用可能な製品コンポーネント」インストール画面では、ほとんどのユーザーにとってOracle Databaseのインストールに必要なコンポーネントが自動的に選択されます。また、デフォルトでは選択されないが組み込むことのできるコンポーネントも複数表示されます。使用可能なコンポーネントをリストで検索するには、「詳細」を選択して「インストール・タイプ」画面で「カスタム」を選択します。
レスポンス・ファイルを作成し、Oracle Universal Installerの起動時にこのファイルを指定することで、Oracle Databaseインストールの一部またはすべてを自動化できます。これらの自動インストール方法は、類似した構成のシステムに複数のインストールを実行する必要がある場合、またはソフトウェアをインストールするシステムにX Window Systemソフトウェアがインストールされていない場合に便利です。
レスポンス・ファイルを使用すると、必要な情報をすべて指定したかどうかによって、Oracle Universal Installerを次のモードで実行できます。
これらのモードと、レスポンス・ファイルを使用したインストールの実行方法の詳細は、付録Aを参照してください。
Oracle Database 10gのインストール時には、次のインストール・タイプから1つ選択できます。
インストール時に、インストールの一環としてOracleデータベースを作成するかどうかを選択できます。Oracleデータベースの作成を選択すると、Oracle Universal Installerは、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用してOracleデータベースを作成します。様々な異なるアプリケーション用に設計されている事前構成済データベース型のうちの1つを作成するか、事前構成済データベース型のうちの1つを修正するか、または自分の要件に適したカスタマイズ・データベースを作成するか選択できます。
この項の内容は、次のとおりです。
Oracleでは、インストール時に作成したりカスタマイズできる次の事前構成済データベース型を提供しています。
これらの事前定義済データベース型の詳細は、Oracle Universal Installerまたはデータベース・コンフィギュレーション・アシスタントのオンライン・ヘルプを参照してください。
Oracle Universal Installerは、インストール時の選択により、次の2通りのモードでデータベース・コンフィギュレーション・アシスタントを実行します。
「Enterprise Edition」インストール・タイプまたは「Standard Edition」インストール・タイプのいずれかを選択し、事前構成済データベース型の作成を選択すると、Oracle Universal Installerにより、選択したデータベース型の作成に必要な最低限の情報がプロンプトで表示されます。ソフトウェアのインストール後にデータベース・コンフィギュレーション・アシスタントが非対話モードで実行され、データベースが作成されます。
「カスタム」インストール・タイプまたは「詳細」データベース構成オプションを選択すると、Oracle Universal Installerによりデータベース情報はプロンプトで表示されません。かわりに、Oracle Universal Installerによりソフトウェアがインストールされ、その後に対話モードでデータベース・コンフィギュレーション・アシスタントが実行されます。データベース・コンフィギュレーション・アシスタントの画面を使用すると、事前構成済データベース型の内1つを変更するか、またはカスタム・データベースを作成して、そのデータベースの構成方法を正確に指定できます。
インストール時にデータベースを作成しないように選択した場合は、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用してソフトウェアのインストール後にデータベースを作成できます。データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用してインストール後にデータベースを作成する方法の詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。
このリリースのOracle Databaseにはオプションが用意されており、インストール時に選択してデータベース管理作業を簡素化できます。次のオプションが含まれます。
次の各項では、これらのオプションについて説明します。
インストール時にデータベースを作成するように選択した場合は、データベース・ファイルについて次の3つの記憶域オプションから1つ指定できます。
ファイル・システム・オプションを選択すると、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントにより、コンピュータにマウントされているファイル・システムのディレクトリにデータベース・ファイルが作成されます。オペレーティング・システムまたはOracleソフトウェアで使用されるファイル・システムとは異なるファイル・システムを選択することをお薦めします。次のいずれかのファイル・システムを選択できます。
論理ボリュームまたはRAIDデバイス以外の基本ディスクにデータベースを作成する場合は、付録Cで説明するOptimal Flexible Architecture(OFA)推奨事項に従い、データベース・ファイルを複数のディスクに分散させることをお薦めします。
LVMまたはRAID構成で複数のディスクを使用している場合は、Stripe-And-Mirror-Everything(SAME)方法論を使用してパフォーマンスと信頼性を改善することをお薦めします。この方法論を使用すると、データベース記憶域用に複数のファイル・システムのマウント・ポイントを指定する必要がなくなります。
オラクル社認定のNASデバイスには、データベース・ファイルを格納できます。
「カスタム」インストール・タイプまたは「詳細」データベース作成オプションを選択すると、新規データベースでOracle Managed Filesの機能を使用するように選択できます。この機能を使用する場合は、データベース・ファイルを作成または削除するときに、ファイル名ではなくデータベース・オブジェクト名のみを指定する必要があります。
自動ストレージ管理は、Oracle Databaseファイル向けの高パフォーマンスの記憶域管理ソリューションです。データベースの作成やレイアウトおよびディスク領域の管理など、動的なデータベース環境の管理作業を簡素化します。
自動ストレージ管理は、単一データベース・インストール環境、複数データベース・インストール環境およびOracle Real Application Clusters(RAC)環境で使用できます。また、Oracle Database 10gリリース1(10.1.0.3以上)で作成されたデータベースでも使用できます。ただし、Oracle Database 10gリリース1(10.1)の自動ストレージ管理はOracle Database 10gリリース2(10.2)のデータベースで使用できます。サイトに複数のシングル・インスタンス・データベースがある場合は、Oracle Clusterwareを使用して、複数のデータベースを1つのクラスタ化された記憶域プールに連結し、そのプールを自動ストレージ管理で管理できます。自動ストレージ管理では、REDOログ、制御ファイル、Data Pumpエクスポート・ファイルなど、すべてのデータベース・ファイルの記憶域が管理されます。ただし、Oracle Databaseの実行可能バイナリ・ファイルは管理されません。
高レベルで自動ストレージ管理を実装するには、ストライプ化とミラー化を考慮してパーティション化されたディスクをOracle Databaseに割り当てる必要があります。ディスク領域は自動ストレージ管理により管理されます。これにより、論理ボリューム・マネージャ(LVM)のような従来のディスク管理ツール、ファイル・システムおよび両者の管理に必要な多数のコマンドが不要になります。自動ストレージ管理とデータベース・インスタンスとの同期化は、Oracle Cluster Synchronization Services(CSS)により処理されます。
自動ストレージ管理インストールのコンポーネントは、次のとおりです。
ディスク・グループとは、自動ストレージ管理により1つのユニットとして管理されるディスク・デバイスの集合です。各ディスク・デバイスには、個別の物理ディスク、RAIDストレージ・アレイや論理ボリュームなどの複数のディスク・デバイス、または物理ディスク上のパーティションを使用できます。ただし、ほとんどの場合、ディスク・グループは1つ以上の個別物理ディスクで構成されます。自動ストレージ管理でディスク・グループ内のI/Oと記憶域のバランスを効率的に調整できるように、ディスク・グループ内のすべてのデバイスの記憶容量とパフォーマンスは完全に同じでなくとも、類似していることを確認する必要があります。
ASMディスク・グループ・テンプレートを使用すると、ディスク・グループ内の個別ファイル・タイプの冗長性およびストライプ化属性を設定できます。ディスク・グループの作成時に、自動ストレージ管理ではそのディスク・グループ用に一連のデフォルト・テンプレートが作成されます。デフォルトのテンプレート設定は、ディスク・グループのタイプに応じて異なります。たとえば、標準冗長性ディスク・グループの制御ファイルのデフォルト・テンプレートでは、3方向ミラー化が設定されます。その他のファイル・テンプレートはすべて2方向でミラー化されます。高冗長性ディスク・グループでは、デフォルトのミラーリングを変更することはできません。つまり、すべてのファイルが高冗長性ディスク・グループで常に3方向でミラー化されます。デフォルト・テンプレートは、サイトのニーズにあわせて変更できます。詳細は、『Oracle Database 管理者ガイド』を参照してください。
自動ストレージ管理はディスク・グループのデバイスすべてにデータを均等に分散させて、パフォーマンスと使用率を最適化します。データベースを停止せずに、ディスク・グループにディスク・デバイスを追加または削除できます。ディスクを追加または削除すると、自動ストレージ管理によりディスク・グループ内の各ファイルのバランスが再調整されます。複数のディスク・グループを作成し、通常のファイル格納アクティビティに加えて、バックアップおよびリカバリ操作のような特定のタスクを処理できます。
ディスク・グループにデバイスを追加するときに、そのデバイスの障害グループを指定できます。障害グループにより、同じコントローラに接続されているデバイスなど、共通の障害特性を持つディスク・デバイスが識別されます。コントローラに障害が発生すると、そこに接続されているデバイスがすべて使用不可能になります。デフォルトでは、各デバイスはそれぞれの障害グループにも属しています。自動ストレージ管理では、指定の障害グループを使用してデータをディスク・グループ内のデバイス間に分散し、コンポーネント障害によるデータ消失の危険性を最小限に抑えることができます。
ASMインスタンスでは、ASMディスク・グループが管理されます。このインスタンスは、自動ストレージ管理を使用するデータベース・インスタンスを開始する前に、実行する必要があります。データベース記憶域メカニズムとして自動ストレージ管理を選択すると、このインスタンスが必要に応じて作成され、開始されます。シングル・インスタンスOracle Databaseインストールの場合、必要な自動ストレージ管理インスタンスはシステム上のデータベース・インスタンス数に関係なく1つのみです。単一クラスタ内のどのノードにあるASMインスタンスでも、ディスク・グループ・タイプの任意の組合せを処理できます。
自動ストレージ管理をインストールするには、Oracle Universal Installerを使用します。このマニュアルでは、自動ストレージ管理をインストールするための次の一般手順について説明します。
サイトのディスク要件を判断する方法のガイドラインは、「自動ストレージ管理インストールのためのディスク・グループの準備」を参照してください。
自動ストレージ管理のインストール先に関するガイドラインとインストールにおけるその他の考慮事項については、「手順1: 自動ストレージ管理のインストールに関する考慮事項の確認」を参照してください。自動ストレージ管理インスタンスおよびディスク・グループの作成方法は、「手順2: 自動ストレージ管理インスタンスおよびディスク・グループの作成」を参照してください。
自動ストレージ管理インスタンスおよび関連ディスク・グループの作成後は、新規に作成するデータベースでファイル記憶域管理に自動ストレージ管理を使用できます。自動ストレージ管理のインストール前に作成したデータベースがある場合は、Oracle Enterprise Managerの「データベースの移行ウィザード」を使用して自動ストレージ管理に移行できます。このウィザードは、Oracle Enterprise Manager Grid ControlまたはDatabase Controlで使用可能です。あるいは、Oracle Database Recovery Manager(RMAN)を使用して移行を実行することもできます。
自動ストレージ管理に使用するデータベースの作成方法は、3-15ページの「手順3: 自動ストレージ管理とともに使用するOracle Databaseのインストール」を参照してください。
自動ストレージ管理のインストールに成功したかどうかを確認できる単純なテストについては、「手順3: 自動ストレージ管理とともに使用するOracle Databaseのインストール」を参照してください。自動ストレージ管理の起動およびアクセス方法と、管理に使用できるOracle Databaseツールについては、「自動ストレージ管理の管理」を参照してください。
関連項目:
|
RAWデバイスは、ファイル・システムでフォーマットされていないディスク・パーティションまたは論理ボリュームです。データベース・ファイル記憶域にRAWデバイスを使用すると、Oracleはオペレーティング・システムのファイル・システム・レイヤーを迂回して、データをパーティションまたはボリュームに直接書き込みます。このため、RAWデバイスを使用するとパフォーマンスを改善できる場合があります。ただし、RAWデバイスの作成と管理には困難な場合があり、最新のファイル・システムに使用してもパフォーマンスはわずかしか改善されないため、RAWデバイスよりも自動ストレージ管理またはファイル・システム記憶域を選択することをお薦めします。
データベース管理を容易にするために、OracleではOracle Enterprise Managerと呼ばれるWebベースの管理ツールが提供されています。Oracle Enterprise Managerは、次の2通りの方法により配置できます。
Oracle Enterprise Managerを中心に配置するには、1つ以上のOracle Management Repositoryと1つ以上のOracle Management Serviceを自分の環境にインストールした後、管理する必要のあるすべてのコンピュータにOracle Enterprise Management Agentをインストールする必要があります。その後、単一のHTMLインタフェースを使用して、それらの全システムのソフトウェア・ターゲットおよびハードウェア・ターゲットを管理および監視できます。ターゲットには、Oracleデータベース、アプリケーション・サーバー、Netリスナーおよびサード・パーティのソフトウェアを含めることができます。この単一のインタフェースは、Oracle Enterprise Manager Grid Control(または簡単にGrid Control)と呼ばれています。
Oracle Enterprise Manager Database Controlソフトウェアは、「カスタム」インストール・タイプを選択した場合を除き、Oracle Databaseのインストール時にデフォルトでインストールされます。「カスタム」インストール・タイプを選択した場合は、Oracle Enterprise Manager Database Controlをインストールしないように選択できますが、インストールすることをお薦めします。このローカルでのインストールにより、Oracle Enterprise Manager Database Controlと呼ばれるWebベース・インタフェースが提供されます。Database Controlは、Grid Controlの機能と類似していますが、Database Controlの場合は単一のデータベースのみを管理できます。このシステム上で複数のデータベースを管理する場合は、各データベースに個別のDatabase Controlを構成するか、またはOracle Enterprise Manager 10g Grid Controlをインストールする必要があります。
この項の内容は、次のとおりです。
インストール時に事前構成済データベースの作成を選択する場合、データベースの管理に使用するOracle Enterprise Managerインタフェースを選択する必要があります。次のオプションを使用できます。
このオプションは、Oracle Management Agentがシステム上にインストールされている場合にのみ使用できます。Oracle Universal Installerによりシステム上でOracle Management Agentが検出された場合は、このオプションを選択して、データベースの管理に使用するOracle Management Serviceを指定できます。
Oracle Management Agentがインストールされていない場合、データベースの管理にDatabase Controlを使用するよう選択する必要があります。ただし、Oracleデータベースのインストール後にOracle Management Agentをインストールする場合には、このデータベースの管理にGrid Controlを使用できます。
このオプションは、Oracle Management Agentがシステム上にインストールされていない場合に、デフォルトで選択されます。ただし、Management Agentがインストールされている場合でも、データベースの管理にDatabase Controlを構成するように選択できます。
「詳細」データベース構成オプションを選択した場合、またはカスタム・インストール時にデータベースの作成を選択した場合は、Oracle Universal Installerにより、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントが対話モードで実行されます。データベース・コンフィギュレーション・アシスタントの画面を使用して、データベースの管理に使用するOracle Enterprise Managerインタフェースを指定できます。あるいは、Enterprise Managerによりデータベースを構成しないように選択することもできます。
Oracle Enterprise Manager Database Controlでは、Oracleデータベースを監視、管理および保守できるWebベースのユーザー・インタフェースが提供されます。これを使用して、すべてのデータベース管理タスクを実行できます。また、データベースに関する情報の確定にも使用できます。
さらに、Oracle Enterprise Manager Database Controlでは、セキュリティ・アラートの自動通知が行われ、ソフトウェア用のパッチをダウンロードおよび適用する機能が提供されます。
インストール時にOracle Enterprise Manager Database Controlを使用するように選択した場合は、オプションでオラクル社推奨のデフォルト・バックアップ方法を使用する自動データベース・バックアップを有効にできます。
この項の内容は、次のとおりです。
自動バックアップを有効にすると、Oracle Enterprise Managerでは、フラッシュ・リカバリ領域と呼ばれるディスク上の記憶域にすべてのデータベース・ファイルをバックアップするOracle Recovery Manager(RMAN)を使用して、日常的なバックアップ・ジョブがスケジュールされます。バックアップ・ジョブの初回実行時には、データベースの全体バックアップが作成されます。その後のバックアップ・ジョブでは、増分バックアップが実行され、先行する24時間のあらゆる時点におけるデータベースの状態までそのデータベースをリカバリできます。
自動バックアップ・ジョブをインストール時に有効にするには、次の情報を指定する必要があります。
フラッシュ・リカバリ領域には、ファイル・システム・ディレクトリまたは自動ストレージ管理ディスク・グループのいずれかの使用を選択できます。フラッシュ・リカバリ領域に構成されるデフォルトのディスク割当て制限は、2 GBです。自動ストレージ管理ディスク・グループでは、必要なディスク領域は選択するディスク・グループの冗長性レベルにより決定します。第2章では、フラッシュ・リカバリ領域の位置の選択方法を説明し、そのディスク領域要件を識別します。
Oracle Enterprise Managerでは、バックアップ・ジョブの実行時に指定するオペレーティング・システムの接続情報が使用されています。指定するユーザー名は、データベース管理者(OSDBAグループ、通常はdba
)を識別するUNIXグループに属している必要があります。ソフトウェアのインストールに使用するOracleソフトウェア所有者ユーザー(通常はoracle
)は、このユーザーにとって適切な選択です。第2章では、OSDBAグループとOracleソフトウェア所有者ユーザーの要件、およびそれらの作成方法を説明します。
インストール時に事前構成済データベースの1つを選択した後に自動バックアップを有効にすると、自動バックアップは次のデフォルト設定で構成されます。
インストール時またはインストール後のいずれかの時点で、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用して自動バックアップを有効にすると、様々なバックアップ・ジョブの開始時間および様々なフラッシュ・リカバリ領域のディスク割当て制限を指定できます。
Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用した自動バックアップの構成やカスタマイズ、またはバックアップしたデータベースのリカバリに関する詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。
バックアップ方法の定義とOracleデータベースのバックアップとリカバリの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ基礎』または『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・アドバンスト・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用するようにインストール時に選択した場合は、特定のイベントが発生した場合に電子メールを送信するようにEnterprise Managerを構成できます。これらのイベントには、ディスク領域のクリティカル制限(しきい値)への到達、またはデータベースの予期しない停止などの状態変化を含めることができます。
電子メール通知を使用可能にするように選択した場合は、次の情報を指定する必要があります。
電子メール・アドレスには、個人のアドレス、共有電子メール・アカウントまたは配布リストを指定できます。
Enterprise Manager Database Controlを使用すると、データベースの作成後に電子メール通知を設定、変更またはカスタマイズできます。
この項では、この製品のインストール方法を決定する前に考慮する必要のある情報について説明します。この項の内容は、次のとおりです。
このマニュアルに記載されているプラットフォーム固有のハードウェア要件とソフトウェア要件は、このマニュアルの発行時点での最新情報です。ただし、このマニュアルの発行後にプラットフォームおよびオペレーティング・システム・ソフトウェアの新バージョンが認定されている場合があるため、認定済ハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システム・バージョンの最新リストは、OracleMetaLink Webサイトで認定済マトリクスを確認してください。OracleMetaLinkのWebサイトは、次のURLで参照できます。
http://metalink.oracle.com
現在、オラクル社とサポート・サービス契約をしていない場合は、次のWebサイトから同じ情報にアクセスできます。
http://www.oracle.com/technology/support/metalink/content.html
この製品は、複数のOracleホームをサポートしています。つまり、このリリース以前のソフトウェアを、同じシステムの異なるOracleホーム・ディレクトリに複数回インストールできます。
この製品は、新規のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Databaseのあるリリースから別のリリースのOracleホーム・ディレクトリには、製品をインストールできません。たとえば、既存のOracle9iのOracleホーム・ディレクトリにはリリース10.2のソフトウェアをインストールできません。このリリースを以前のOracleリリースのソフトウェアを含むOracleホーム・ディレクトリにインストールしようとすると、インストールに失敗します。
このリリースは同じシステムに複数回インストールできますが、別のOracleホーム・ディレクトリにインストールする場合にかぎります。
Oracle Database 10gをシステムに初めてインストールする場合は、インストールによって、単一ノードのOracle Cluster Synchronization Services(CSS)デーモンが構成および起動されます。CSSデーモンは、自動ストレージ管理インスタンスと、データベース・ファイルの記憶域に関して自動ストレージ管理インスタンスに依存するデータベース・インスタンスとの間の同期をとるために必要です。デフォルトでは、Oracle Universal InstallerではOracle Cluster Synchronization Servicesは構成されません。これらのサービスがOracle Universal Installerにより構成されるのは、記憶域オプションまたはリカバリ・オプションとして自動ストレージ管理を選択した場合のみです。CSSデーモンは、自動ストレージ管理インスタンスまたはデータベース・インスタンスが開始される前に実行されている必要があるため、システムのブート時に自動的に起動するように構成されます。
Oracle Real Application Clustersのインストールの場合、CSSデーモンは、Oracle Clusterwareとともに別のOracleホーム・ディレクトリ(Clusterwareホーム・ディレクトリとも呼ばれます)にインストールされます。単一ノードのインストールの場合、CSSデーモンはOracle Databaseと同じOracleホームにインストールされ、実行されます。
Oracle Databaseと同じOracleホームからOracle Cluster Synchronization Servicesをインストールした場合、Oracle Database 10gソフトウェアをシステムから削除するときには注意が必要です。Oracle Database 10gが格納されているOracleホーム・ディレクトリを削除する前に、CSSデーモン構成を削除するか、または必要に応じて別のOracleホーム・ディレクトリから実行されるようにCSSデーモンを再構成する必要があります。
Oracle Database 10gでは、ディスクへの書込みが正常に完了したことを確認できることが必要です。NASデバイス上のファイル・システムを含め、NFSファイル・システムは、ディスクへの書込みが正常に完了したことを保証できないことがあります。この場合、データファイルが破損する可能性があります。ストレージ・ベンダーおよびストレージ・デバイスがOracle Storage Compatibility Programリストに記載されていない場合は、NFSマウント・ファイル・システムにファイルを格納しないことをお薦めします。このリストは、次のWebサイトから入手できます。
http://www.oracle.com/technology/deploy/availability/htdocs/oscp.html
ストレージ・デバイスがサポートされている場合は、Oracleソフトウェア・ファイルまたはOracleデータベース・ファイル、あるいはその両方の格納に使用できます。
以前のリリースのOracle DatabaseからOracle Database 10gリリース2(10.2)へのアップグレードについては、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。ここでは、既存のデータベースをアップグレードする前に検討する必要のある、プラットフォーム固有のその他のアップグレード情報について説明します。
AL24UTFFSSキャラクタ・セットを使用する既存のデータベースをアップグレードするには、データベース・キャラクタ・セットをUTF8にアップグレードする必要があります。既存のデータベース・キャラクタ・セットをアップグレードする前にCharacter Set Scanner(csscan
)ユーティリティを使用してデータを分析することをお薦めします。
Character Set Scannerユーティリティでは、データベース内のすべての文字データがチェックされ、キャラクタ・セットのエンコーディングを変更した場合の効果と問題点がテストされます。Character Set Scannerユーティリティを実行する前に、$ORACLE_HOME/lib
ディレクトリを含めるように、プラットフォームの共有ライブラリ・パス環境変数を設定します。設定する必要のある共有ライブラリ・パス環境変数は、LD_LIBRARY_PATH
です。
Red Hat Enterprise Linux 2.1にリリース8.1.7、9.0.1、9.2.0または10.1のOracle Databaseがインストールされている場合は、データベースをアップグレードする前に、オペレーティング・システムをRed Hat Enterprise Linux 3(update 4)にアップグレードする必要があります。そのためには、次のいずれかの手順を実行します。
http://www.oracle.com/technology/tech/linux/pdf/rhel_23_upgrade.pdf
Oracle Database 10gリリース1(10.1)に付属していた次のOracle Database 10g リリース2(10.2)コンポーネントは、Oracle Database 10g リリース2(10.2)のインストールでは使用できません。
|
Copyright © 2005 Oracle Corporation. All Rights Reserved. |
|