Oracle Database インストレーション・ガイド 10gリリース2(10.2)for Solaris Operating System(x86) B31302-01 |
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この付録では、レスポンス・ファイルを使用してOracle製品をインストールおよび構成する方法について説明します。 この付録の内容は、次のとおりです。
Oracle Universal Installerの起動時にレスポンス・ファイルを指定することで、Oracleソフトウェアのインストールおよび構成を完全または部分的に自動化できます。Oracle Universal Installerでは、一部またはすべてのプロンプトに対する応答にレスポンス・ファイル内の値が使用されます。
通常、Oracle Universal Installerは対話型モードで実行されます。つまり、Graphical User Interface(GUI)画面に情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。レスポンス・ファイルを使用してこの情報を提供する場合は、Oracle Universal Installerをコマンド・プロンプトから次のいずれかのモードで実行します。
すべてのプロンプトに対する応答をレスポンス・ファイルに組み込み、Oracle Universal Installerの起動時に-silent
オプションを指定すると、Oracle Universal Installerはサイレント・モードで実行されます。サイレント・モードによるインストールでは、画面は一切表示されません。かわりに、インストーラの起動に使用した端末に進捗情報が表示されます。
一部またはすべてのプロンプトに対する応答をレスポンス・ファイルに組み込み、-silent
オプションを指定しない場合、Oracle Universal Installerは抑制モードで実行されます。抑制モードによるインストールでは、必要な情報をすべて指定していない画面のみが表示されます。また、レスポンス・ファイルまたはコマンドライン・オプション内の変数を使用して、情報の入力を求めないその他のインストーラ画面(「ようこそ」画面や「サマリー」画面など)を非表示にすることもできます。
サイレント・インストールまたは非対話型インストールの設定を定義するには、レスポンス・ファイルにリストされる変数の値を入力します。たとえば、Oracleホーム名を指定するには、次の例に示すように、ORACLE_HOME_NAME
変数に適切な値を指定します。
ORACLE_HOME_NAME="OraDBHome1"
レスポンス・ファイルの変数設定を指定するには、Oracle Universal Installerの実行時にコマンドライン引数として渡す方法もあります。次に例を示します。
-silent "ORACLE_HOME_NAME=OraDBHome1" ...
このコマンドで、directory_path
はDVD上のdatabase
ディレクトリのパスまたはハード・ドライブ上のDisk1
ディレクトリのパスです。
この方法は、パスワードなどの機密情報をレスポンス・ファイルに埋め込まないようにする場合に特に便利です。次に例を示します。
-silent "s_dlgRBOPassword=binks342" ...
変数と設定は引用符で囲んでください。
次の表に、Oracle Universal Installerをサイレント・モードまたは抑制モードで実行する理由をいくつか示します。
自動ストレージ管理を使用したデータベースを作成する前に、root.sh
スクリプトを実行する必要があります。このため、サイレント・モードによるインストールでは、データベース・ファイルの記憶域オプションとして自動ストレージ管理を使用したデータベースは作成できません。かわりに、サイレント・モードを使用してソフトウェアのみのインストールを実行してから、root.sh
スクリプトを実行した後に、Oracle Netコンフィギュレーション・アシスタント(NetCA)およびデータベース・コンフィギュレーション・アシスタントをサイレント・モードで実行できます。
Oracle Universal Installerをサイレント・モードまたは抑制モードで使用し、Oracle製品をインストールして構成するための一般的な手順は、次のとおりです。
oraInst.loc
ファイルを作成します。
ここでは、各手順について説明します。
Oracle Universal Installerを使用してサイレント・モードまたは抑制モードでOracle製品をインストールする場合に、oraInst.loc
ファイルが存在しなければ手動で作成する必要があります。このファイルではOracleインベントリ・ディレクトリの位置を指定します。このディレクトリには、Oracle Universal InstallerによりシステムにインストールされたOracle製品のインベントリが作成されます。
oraInst.loc
ファイルを作成する手順は、次のとおりです。
/var/opt/oracle
ディレクトリが存在しない場合は作成します。
# mkdir -p /var/opt/oracle
# cd /var/opt/oracle
oraInst.loc
ファイルを作成します。
inventory_loc=ORACLE_BASE/oraInventory inst_group=
この例で、ORACLE_BASE
はOracleベース・ディレクトリのパス(/01/app/oracle
など)です。
oraInst.loc
ファイルの適切な所有者、グループおよび権限を設定します。
# chown oracle:oinstall oraInst.loc # chmod 664 oraInst.loc
この項では、サイレント・モードまたは抑制モードのインストール時に使用するレスポンス・ファイルを準備する方法について説明します。
この方法は、Enterprise EditionまたはStandard Editionインストール・タイプの場合に使用すると便利です。
Oracleには、製品、インストール・タイプおよび構成ツールごとに、レスポンス・ファイルのテンプレートが用意されています。これらのファイルは、インストール・メディアのdatabase/response
ディレクトリにあります。
表A-1に、Oracle Databaseで提供されるレスポンス・ファイルを示します。
レスポンス・ファイルをコピーして変更する手順は、次のとおりです。
$ cp /directory_path
/response/response_file.rsp local_directory
この例で、directory_path
はインストール・メディア上のdatabase
ディレクトリへのパスです。ソフトウェアをハード・ドライブにコピーしている場合、そのファイルは、response
ディレクトリで必要に応じて編集できます。
$ vi /local_dir
/response_file.rsp
Oracle Databaseインストール固有の設定を編集するのみでなく、FROM_LOCATION
のパスが適切で、インストール・メディア上のstage
ディレクトリにあるproducts.xml
ファイルを指していることを確認します。この変数は、絶対パスを指すように設定できます。次に例を示します。
FROM_LOCATION="/directory_path
/stage/products.xml"
パスワードなどの機密情報は、レスポンス・ファイル内ではなくコマンドラインで指定できることに注意してください。この方法については、「レスポンス・ファイルの機能」を参照してください。
レスポンス・ファイルを適切に構成しないと、Oracle Universal Installerまたはコンフィギュレーション・アシスタントは失敗します。失敗したサイレント・モード・インストールのトラブルシューティングの詳細は、「サイレント・モードでのレスポンス・ファイルのエラー処理」を参照してください。
注意:
$ chmod 700 /local_dir/response_file.rsp
Oracle Universal Installerを対話型モードで使用してレスポンス・ファイルを記録し、このファイルを編集してからサイレント・モードまたは抑制モードのインストールに使用できます。この方法は、カスタム・インストールまたはソフトウェアのみのインストールの場合に使用すると便利です。
レスポンス・ファイルを記録するときに、インストールを完了するか、またはOracle Universal Installerがシステムへのソフトウェアのコピーを開始する前に、「サマリー」ページでOracle Universal Installerを終了できます。
非対話型モードによるインストール中に記録モードを使用すると、Oracle Universal Installerでは、オリジナルのソース・レスポンス・ファイルに指定されていた変数値が新規のレスポンス・ファイルに記録されます。
レスポンス・ファイルを記録する手順は、次のとおりです。
レスポンス・ファイルを記録するためにOracle Universal Installerを起動すると、システムをチェックして、ソフトウェアをインストールするための要件を満たしているかどうかが検証されます。このため、必要なインストール前の作業をすべて完了してから、インストールの実行中にレスポンス・ファイルを記録することをお薦めします。
oraInst.loc
ファイルを作成します。
oracle
)に、Oracle Universal Installerの実行時に指定するOracleホーム・パスの作成または書込み権限があることを確認します。
$ /directory_path/runInstaller -record -destinationFile response_filename
各項目の意味は次のとおりです。
レスポンス・ファイルは、-destinationFile
オプションで指定した場所に保存されます。
レスポンス・ファイルの編集時には、参考としてファイル内の指示を使用します。
これで、作成したレスポンス・ファイルを指定してコマンドラインからOracle Universal Installerを実行し、インストールを実行する準備ができました。Oracle Universal Installerの実行可能ファイルrunInstaller
には、複数のオプションが用意されています。これらのオプション・セット全体のヘルプ情報を見るには、次のように-help
オプションを指定してsetup.exe
を実行します。
-help
少し後にウィンドウにヘルプ情報が表示されます。
レスポンス・ファイルを使用してOracle Universal Installerを実行する手順は、次のとおりです。
oracle
)としてログインします。
DISPLAY
環境変数を設定します。
$ /directory_path/runInstaller [-silent] [-noconfig] -responseFile
responsefilename
\
[-paramFile oraparamsilent.ini]
各項目の意味は次のとおりです。
directory_path
は、DVD上のdatabase
ディレクトリのパスまたはハード・ドライブ上のDisk1
ディレクトリのパスです。
-silent
は、Oracle Universal Installerをサイレント・モードで実行することを示します。
-noconfig
を指定すると、インストール時にコンフィギュレーション・アシスタントの実行が抑制され、かわりにソフトウェアのみのインストールが実行されます。
responsefilename
は、構成したインストール・レスポンス・ファイルのフルパスとファイル名です。
-paramFile
オプションでは、サイレント・インストールの実行時に使用できる代替パラメータ・ファイル(oraparamsilent.ini
)を指定します。この代替パラメータ・ファイルには、Solaris用CDEまたはX Window Systemソフトウェア・パッチのチェックは組み込まれていません。root
ユーザーとしてログインし、root.sh
スクリプトを実行します。
$ su - root # /oracle_home_path/root.sh
NetCAをサイレント・モードで実行すると、システムにおけるOracle Net Listenerの構成および起動、ネーミング方法の構成、およびOracle Netサービス名の構成が可能です。NetCAをサイレント・モードで実行するには、レスポンス・ファイル・テンプレートをコピーおよび編集する必要があります。Oracleでは、DVDのdatabase/response
ディレクトリのresponse
ディレクトリに、netca.resp
というレスポンス・ファイル・テンプレートを提供しています。
レスポンス・ファイルを使用してNetCAを実行する手順は、次のとおりです。
netca.rsp
をコピーします。
$ cp /directory_path/response/netca.rsp local_directory
この例で、directory_path
はDVD上のdatabase
ディレクトリのパスです。ソフトウェアをハード・ドライブにコピーしている場合、そのファイルは、response
ディレクトリで必要に応じて編集できます。
$ vi /local_dir/netca.rsp
ORACLE_HOME
環境変数を設定して適切なOracleホーム・ディレクトリを指定します。
$ $ORACLE_HOME/bin/netca /silent /responsefile /local_dir/netca.rsp
各項目の意味は次のとおりです。
データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを非対話型モードまたはサイレント・モードで実行し、システムでOracle Databaseを構成および起動できます。データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを非対話型モードまたはサイレント・モードで実行するには、レスポンス・ファイル・テンプレートをコピーおよび編集する必要があります。Oracleでは、DVDのdatabase/response
ディレクトリにdbca.resp
というレスポンス・ファイル・テンプレートを提供しています。
この項の内容は、次のとおりです。
非対話型モードでは、レスポンス・ファイルで、またはコマンドライン・オプションとして指定した値がデータベース・コンフィギュレーション・アシスタントで使用され、データベースが作成されます。DBCAでデータベースを構成して起動すると、ステータス・メッセージおよびプログレス・バーを含むウィンドウが表示されます。表示されるウィンドウは、Enterprise EditionインストールまたはStandard Editionインストールで事前構成済データベースの作成を選択した場合に表示されるウィンドウと同じです。
データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを非対話型モードで実行するには、グラフィック表示を使用する必要があります。
サイレント・モードでは、レスポンス・ファイルで、またはコマンドライン・オプションとして指定した値がデータベース・コンフィギュレーション・アシスタントで使用され、データベースが作成されます。データベース・コンフィギュレーション・アシスタントでは、データベースの作成中に画面または情報は表示されません。
データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを非対話型モードまたはサイレント・モードで実行する手順は、次のとおりです。
dbca.rsp
をコピーします。
$ cp /directory_path/response/dbca.rsp local_directory
この例で、directory_path
はDVD上のdatabase
ディレクトリのパスです。ソフトウェアをハード・ドライブにコピーしている場合、そのファイルは、response
ディレクトリで必要に応じて編集できます。
$ vi /local_dir/dbca.rsp
ORACLE_HOME
環境変数を設定して適切なOracleホーム・ディレクトリを指定します。
$ $ORACLE_HOME/bin/dbca {-progressOnly | -silent} [-cloneTemplate] \ [-datafileDestination /datafilepath] -responseFile /local_dir/dbca.rsp
各項目の意味は次のとおりです。
-silent
オプションは、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントをサイレント・モードで実行することを示します。
-progressOnly
オプションは、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを非対話型モードで実行することを示します。
-cloneTemplate
オプションは、次のいずれかの事前構成済データベースを作成する場合に必要です。
-datafileDestination
は、データベース・ファイルを作成する親ディレクトリを指定します。このオプションを指定しない場合、データベース・ファイルの親ディレクトリは、ORACLE_BASE
環境変数が設定されている場合は$ORACLE_BASE/oradata
ディレクトリ、ORACLE_BASE
が設定されていない場合は$ORACLE_HOME/oradata
ディレクトリです。
local_dir
は、レスポンス・ファイル・テンプレートdbca.rsp
をコピーしたディレクトリのフルパスです。
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