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Oracle Database インストレーション・ガイド
10g リリース2(10.2)for Microsoft Windows(x64)

B25689-04
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C レスポンス・ファイルを使用したOracle Databaseのインストールおよび構成

この付録では、レスポンス・ファイルを使用したサイレントまたは非対話型インストールの実行、ネットワーク接続の構成、Oracleデータベースの構成または起動について説明します。この項の内容は、次のとおりです。

レスポンス・ファイルの使用方法

Oracle Universal Installerの起動時にレスポンス・ファイルを指定することで、Oracleソフトウェアのインストールおよび構成を完全または部分的に自動化できます。Oracle Universal Installerでは、一部またはすべてのプロンプトに対する応答にレスポンス・ファイル内の値が使用されます。

通常、Oracle Universal Installerは対話モードで実行されます。つまり、Graphical User Interface(GUI)画面で情報の入力を要求されます。レスポンス・ファイルを使用してこの情報を入力する場合は、次のいずれかのモードでコマンド・プロンプトからOracle Universal Installerを実行します。

レスポンス・ファイルにリストされている変数に値を入力して、サイレントまたは非対話型インストールの設定を定義します。たとえば、Oracleホーム名を指定するには、次の例に示すように、ORACLE_HOME_NAME変数に適切な値を入力します。

ORACLE_HOME_NAME="OraDBHome1"

レスポンス・ファイルの変数の設定を指定する別の方法は、その設定をOracle Universal Installerの実行時にコマンドラインの引数として渡す方法です。次に例を示します。

SYSTEM_DRIVEsetup.exe_location> setup -silent "ORACLE_HOME_NAME=OraDBHome1" ...

この方法は、パスワードなどの機密情報をレスポンス・ファイルに埋め込まない場合に特に役立ちます。次に例を示します。

SYSTEM_DRIVEsetup.exe_location> setup -silent "s_dlgRBOPassword=binks342" ...

変数とその設定値は必ず引用符で囲んでください。

関連項目:

レスポンス・ファイルの形式の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』を参照してください。 

サイレントまたは非対話モードを使用する理由

表C-1に、Oracle Universal Installerをサイレントまたは非対話モードで実行する理由をいくつか示します。

表C-1    サイレントまたは非対話モードを使用する理由 
モード  使用方法 

サイレント 

次の場合にサイレント・モードを使用します。

  • アンアテンド・インストールを実行する場合

  • ユーザーとの対話なしで複数のシステムに同様のインストールを複数実行する場合

Oracle Universal Installerでは、起動に使用したウィンドウに進捗情報が表示されますが、Oracle Universal Installerの画面は表示されません。 

非対話 

類似したOracleソフトウェアを複数のシステムにインストールし、Oracle Universal Installerプロンプトのすべてではなく一部にのみデフォルトの応答を指定する場合は、非対話モードを使用します。

特定のインストーラ画面に必要な情報をレスポンス・ファイルに指定しない場合、Oracle Universal Installerでその画面が表示されます。必要な情報をすべて指定した画面は表示されません。 

レスポンス・ファイルの一般的な使用手順

レスポンス・ファイルを使用してOracle Databaseをインストールする一般的な手順は、次のとおりです。

  1. 自動ストレージ管理を使用する予定があり、新しいディスクを構成する必要がある場合は、次の手順を実行する必要があります。

    1. DASまたはSANディスク用のパーティションを作成します。

    2. asmtoolgまたはasmtoolユーティリティを使用して、ディスクを手動で構成します。

  2. 必要なインストール設定用にレスポンス・ファイルをカスタマイズするか、または作成します。

    レスポンス・ファイルは、次のいずれかの方法で作成できます。

    • 製品に同梱されているサンプル・レスポンス・ファイルを変更する方法

    • 記録モードを使用してコマンド・プロンプトからOracle Universal Installerを実行する方法

    レスポンス・ファイルをカスタマイズまたは作成する方法は、「レスポンス・ファイルの準備」を参照してください。

  3. このレスポンス・ファイルを指定して、サイレントまたは非対話モードでコマンド・プロンプトからOracle Universal Installerを実行します。


    注意:

    Windows VistaおよびWindows Server 2008では、コマンド・プロンプトの使用に管理者権限が必要です。 


    レスポンス・ファイルを使用してOracle Universal Installerを実行する方法は、「レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行」を参照してください。

レスポンス・ファイルの準備

この項では、サイレントまたは非対話モードのインストール時に使用するレスポンス・ファイルの準備に使用できる方法について説明します。

レスポンス・ファイル・テンプレートの編集

Oracleには、製品、インストール・タイプおよび構成ツールごとに、レスポンス・ファイルのテンプレートが用意されています。これらのファイルは、Oracle Databaseインストール・メディアのdatabase¥responseディレクトリにあります。

レスポンス・ファイル・テンプレートを使用してレスポンス・ファイルを作成する方法は、Enterprise EditionまたはStandard Editionインストール・タイプの場合に使用すると便利です。

表C-2に、使用可能なサンプル・レスポンス・ファイルを示します。

表C-2    レスポンス・ファイル 
レスポンス・ファイル名  サイレント・モードで実行する対象 

enterprise.rsp  

Oracle DatabaseのEnterprise Editionインストール・タイプ 

standard.rsp  

Oracle DatabaseのStandard Editionインストール・タイプ 

personal.rsp  

Oracle DatabaseのPersonal Editionインストール・タイプ 

custom.rsp  

Oracle Databaseの「カスタム」インストール・タイプ 

dbca.rsp  

Oracle Database Configuration Assistant 

netca.rsp 

Oracle Net Configuration Assistant   

emca.rsp 

Enterprise Manager Configuration Assistant 

レスポンス・ファイルをコピーおよび変更する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Databaseメディアにあるdatabase¥responseディレクトリから、適切なレスポンス・ファイルをハード・ドライブにコピーします。

  2. テキスト・ファイル・エディタを使用してレスポンス・ファイルを変更します。

    Oracle Databaseのインストール固有の設定を編集する以外に、FROM_LOCATIONパスが正しく、インストール・メディアのstageディレクトリにあるproducts.xmlファイルを指していることを確認します。この変数は、次に示すような絶対パスを指すように設定することもできます。

    FROM_LOCATION="¥¥myserver¥database¥stage¥products.xml"
    
    

    パスワードなどの機密情報は、レスポンス・ファイル内ではなく、コマンドラインから指定できます。この方法については、「レスポンス・ファイルの使用方法」を参照してください。

    関連項目:

    レスポンス・ファイルの作成方法の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』を参照してください。インストール済のOracle Databaseで、「スタート」「プログラム」「Oracle - HOME_NAME「Oracle Installation Products」「Universal Installer Concepts Guide」を選択します。このマニュアルはHTML形式で表示されます。 

  3. 「レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行」の手順に従って、レスポンス・ファイルを実行します。

レスポンス・ファイルの記録

レスポンス・ファイルを作成するには、記録モードを使用してOracle Universal Installerを対話モードで実行します。この方法は、カスタム・インストールまたはソフトウェアのみのインストールの場合に使用すると便利です。

レスポンス・ファイルを記録すると「サマリー」ウィンドウを完了した直後にレスポンス・ファイルが生成されるため、Oracle Databaseをインストールしてレスポンス・ファイルを作成する必要がなくなります。この方法でレスポンス・ファイルを作成した後は、必要に応じてその内容をカスタマイズできます。

非対話モードのインストール中に記録モードを使用する場合、Oracle Universal Installerは、元のソース・レスポンス・ファイルで指定された変数値を新規レスポンス・ファイルに記録します。


注意:

記録モードを使用して、基本インストール・タイプに基づくレスポンス・ファイルを作成することはできません。 


レスポンス・ファイルを記録する手順は、次のとおりです。

  1. レスポンス・ファイルを作成しているコンピュータが、第2章で説明した要件を満たしていることを確認します。

  2. コマンド プロンプトで、cdコマンドを使用して、Oracle Universal Installer実行可能ファイルsetup.exeが格納されているディレクトリに変更します。


    注意:

    Windows VistaおよびWindows Server 2008では、コマンド・プロンプトの使用に管理者権限が必要です。 


    setup.exeは、インストールDVDのdatabaseディレクトリにあります。あるいは、インストール・ファイルをダウンロードまたはコピーしたディレクトリにナビゲートします。

  3. 次のコマンドを入力します。

    SYSTEM_DRIVEsetup.exe_location> setup -record -destinationFile response_file_name
    
    

    response_file_nameは、新規レスポンス・ファイルの完全パス名に置き換えます。Windows VistaおよびWindows Server 2008では、コマンド・プロンプトを使用する場合に管理者権限が必要です。次に例を示します。

    SYSTEM_DRIVEsetup.exe_location> setup -record -destinationFile 
    c:¥response_files¥install_oracle10_2.rsp
  4. Oracle Universal Installerが起動した後、インストールの設定を入力します。この設定はレスポンス・ファイルに記録されます。

  5. 「サマリー」ウィンドウが表示された後、次のいずれかを実行します。

    • 「インストール」をクリックしてレスポンス・ファイルを作成してから、インストールを続行します。

    • レスポンス・ファイルを作成するだけで、インストールを続行しない場合は、「取消」をクリックします。インストールは停止しますが、入力した設定はレスポンス・ファイルに記録されます。

    その後、Oracle Universal Installerは、コマンドラインで指定されたパスとファイル名を使用して新規レスポンス・ファイルを保存します。

  6. 新規レスポンス・ファイルを編集して、レスポンス・ファイルを実行するコンピュータの環境固有の変更を行います。

    Oracle Databaseのインストール固有の設定を編集する以外に、FROM_LOCATIONパスが正しく、インストール・メディアのstageディレクトリにあるproducts.xmlファイルを指していることを確認します。この変数は、次に示すような絶対パスを指すように設定することもできます。

    FROM_LOCATION="¥¥myserver¥database¥response¥stage¥products.xml"
    
    

    パスワードなどの機密情報は、レスポンス・ファイル内ではなく、コマンドラインから指定できます。この方法については、「レスポンス・ファイルの使用方法」を参照してください。

  7. 次の「レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行」の手順に従って、レスポンス・ファイルを実行します。

レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行

この段階では、作成したレスポンス・ファイルを指定してコマンドラインからOracle Universal Installerを実行し、インストールを実行する準備ができています。Windows VistaおよびWindows Server 2008では、コマンド・プロンプトを使用する場合に管理者権限が必要です。Oracle Universal Installer実行可能ファイルsetup.exeには、いくつかのオプションが用意されています。これらのオプションについてのヘルプ情報を表示するには、次のように-helpオプションを指定してsetup.exeを実行します。

SYSTEM_DRIVEsetup.exe_location> setup -help

新規のコマンド・ウィンドウが表示され、起動を準備中というメッセージが表示されます。すぐに、そのウィンドウにヘルプ情報が表示されます。

Oracle Universal Installerを実行し、レスポンス・ファイルを指定する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Databaseをインストールするコンピュータにレスポンス・ファイルを配置します。

  2. コマンド・プロンプトから、適切なレスポンス・ファイルを指定して、Oracle Universal Installerを実行します。Windows VistaおよびWindows Server 2008では、コマンド・プロンプトを使用する場合に管理者権限が必要です。次に例を示します。

    SYSTEM_DRIVEsetup.exe_location> setup [-silent] "variable=setting" [-nowelcome] 
    [-noconfig] [-nowait] -responseFile filename 
    
    

    各項目の意味は次のとおりです。

レスポンス・ファイルを使用したNet Configuration Assistantの実行

レスポンス・ファイルを使用してNet Configuration Assistantを実行する場合は、サイレント・モードで実行します。これによって、システムにおけるOracle Net Listenerの構成および起動、ネーミング方法の構成、およびOracle Netサービス名の構成が可能です。NetCAをサイレント・モードで実行するには、netca.rspレスポンス・ファイルを使用します。

Windows VistaおよびWindows Server 2008では、コマンド・プロンプトを使用する場合に管理者権限が必要です。

Net Configuration Assistantのレスポンス・ファイルを作成する手順は、次のとおりです。

  1. レスポンス・ファイルのディレクトリからシステム上のディレクトリに、レスポンス・ファイル・テンプレートnetca.rspをコピーします。

    netca.rspは、Oracle Databaseインストール・メディアのdatabase¥responseディレクトリにあります。

  2. テキスト・エディタでレスポンス・ファイルを開きます。

  3. ファイルに記述されている指示に従ってファイルを編集します。

    レスポンス・ファイルnetca.rspを適切に構成しないと、Net Configuration Assistantは正常に動作しません。

作成したレスポンス・ファイルを使用してNet Configuration Assistantを実行する手順は、次のとおりです。

  1. コマンド・プロンプトで、次のようにORACLE_HOME環境変数を設定して正しいOracleホーム・ディレクトリを指定します。

    c:¥> set ORACLE_HOME = c:¥oracle¥product¥10.2.0¥db_1
    
    
  2. 次のように、Net Configuration Assistantをサイレント・モードで実行します。local_dirは、編集済のレスポンス・ファイルnetca.rspを配置したディレクトリに置き換えます。

    c:¥> ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥bin> netca /silent /responsefile /local_dir¥netca.rsp
    
    

    次に例を示します。

    c:¥> ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥bin> netca /silent /responsefile /
    c:¥oracle_response_files¥mynetca.rsp

レスポンス・ファイルを使用したOracle Database Configuration Assistantの実行

Oracle Database Configuration Assistantをサイレント・モードまたは非対話モードで実行し、システムでOracleデータベースを構成および起動できます。Oracle Database Configuration Assistantをサイレントまたは非対話モードで実行するには、レスポンス・ファイルdbca.rspを使用します。

Windows VistaおよびWindows Server 2008では、コマンド・プロンプトを使用する場合に管理者権限が必要です。

Oracle Database Configuration Assistantのレスポンス・ファイルを作成する手順は、次のとおりです。

  1. レスポンス・ファイル・ディレクトリからシステム上のディレクトリに、レスポンス・ファイル・テンプレートdbca.rspをコピーします。

    レスポンス・ファイルdbca.rspは、Oracle Databaseインストール・メディアのdatabase¥responseディレクトリにあります。

  2. テキスト・エディタでレスポンス・ファイルdbca.rspを開きます。

  3. ファイルに記述されている指示に従ってdbca.rspファイルを編集します。

    レスポンス・ファイルdbca.rspを適切に構成しないと、Oracle Database Configuration Assistantは正常に動作しません。

作成したレスポンス・ファイルを使用してOracle Database Configuration Assistantを実行する手順は、次のとおりです。

  1. コマンド・プロンプトで、次のようにORACLE_HOME環境変数を設定して正しいOracleホーム・ディレクトリを指定します。

    c:¥> set ORACLE_HOME = c:¥oracle¥product¥10.2.0¥db_1
    
    
  2. 次の構文を使用して、Oracle Database Configuration Assistantをサイレントまたは非対話モードで実行します。

    c:¥ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥bin> dbca {-progressOnly | -silent} [-cloneTemplate] 
    ¥[-datafileDestination /datafilepath] -responseFile /local_dir/dbca.rsp
    
    

    各項目の意味は次のとおりです。

    • -silentは、サイレント・モードでOracle Database Configuration Assistantを実行します。

    • -progressOnlyは、非対話モードでOracle Database Configuration Assistantを実行します。

    • -cloneTemplateによって、次のいずれかの事前構成済データベースを作成できます。

      • 汎用目的

      • トランザクション処理

      • データ・ウェアハウス

    • -datafileDestinationは、データベース・ファイルを作成する親ディレクトリを指定します。デフォルトでは、このディレクトリはORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥oradataです。

    • /local_dirは、レスポンス・ファイル・テンプレートdbca.rspをコピーしたディレクトリのフルパスです。

次に例を示します。

c:¥> ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥bin> dbca -progressOnly -cloneTemplate -responseFile
         /c:¥oracle_response_files¥mydbca.rsp

レスポンス・ファイルを使用してデータベースを作成するかわりに、コマンドライン・オプションとして必要な情報をすべて指定することで、コマンドラインからdbcaを実行できます。サポートされるオプションのリストについては、次のコマンドを入力します。

c:¥> ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥bin¥dbca -help

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