Oracle Database プラットフォーム・ガイド
10gリリース2(10.2) for Microsoft Windows(x64) B25695-04 |
|
Oracle Database for Windowsでは、インスタンスが起動されるたびに、初期化パラメータを使用して各種データベース機能を使用できるようにします。
この章の項目は次のとおりです。
初期化パラメータ・ファイルは、パラメータを含むASCIIテキスト・ファイルです。初期化パラメータ・ファイル内のパラメータおよび値を変更することによって、たとえば次のことを指定できます。
それぞれのデータベース・インスタンスには、対応する初期化パラメータ・ファイルと、そのインスタンスのシステム識別子を指定するORACLE_SID
レジストリ・パラメータが含まれています。
初期化パラメータ・ファイル名の形式は、init.ora
です。1つのインスタンスに、複数の初期化パラメータ・ファイルがある場合もあります。その場合、各初期化パラメータには多少の違いがあるため、システムのパフォーマンスに影響をおよぼします。
データベースの起動時にオプションのPFILE
で別の初期化ファイルを指定しない場合、Oracle Databaseではデフォルトで次の場所にある初期化パラメータ・ファイルを使用します。
ORACLE_HOME¥Database¥init.ora
Oracle Databaseの機能をカスタマイズするために、初期化パラメータ・ファイルの編集が必要になる場合があります。このファイルの変更に使用できるのは、テキスト・エディタのみです。
Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成すると、サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)が初期化パラメータ・ファイルから作成され、初期化パラメータ・ファイルの名前が変更されます。Oracleは、名前変更されたファイルを初期化パラメータ・ファイルとして認識せず、インスタンスの開始後には使用しません。
Database Configuration Assistantで作成されたインスタンスを起動後に変更するには、ALTER SYSTEM
文を使用する必要があります。SPFILEは、テキスト・エディタを使用して参照または表示できないバイナリ・ファイルであるため、このファイル自体は変更できません。新規に作成されたSPFILEの場所は、ORACLE_BASE
¥
ORACLE_HOME
¥database
です。SPFILEファイル名は、spfile
SID
.ora
です。
Oracle Databaseには、注釈付きのサンプル初期化パラメータ・ファイルが、初期化パラメータに指定できる代替値とともに用意されています。このようなパラメータの値や注釈は、先頭にコメント記号(#
)が付いており、処理対象にはならないようになっています。特定のパラメータをアクティブにするには、先頭にある#
記号を削除します。特定のパラメータを非アクティブにするには、初期化パラメータ・ファイルを編集してそのパラメータにコメント記号を追加します。サンプル・ファイルの名前はinitsmpl.ora
で、次の場所にあります。
ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥admin¥sample¥pfile.
初期データベースをインストールした場合、初期化パラメータ・ファイルは、同じディレクトリにある初期データベースで使用されます。Oracle Databaseの初期化パラメータ・ファイルを新規に作成する場合、そのベースとしてinitsmpl.ora
または初期データベースのinit.ora
のいずれかを使用できます。
サンプル・ファイルinitsmpl.ora
をデータベース作成時に使用するには、次のようにします。
次に、代替パラメータのアクティブ化と非アクティブ化の2つの例を示します。3種類の値が指定された初期化パラメータがあり、それぞれ、小規模、中規模、大規模のシステム・グローバル領域を作成できます。最初の例では、小規模なSGAを作成するパラメータが有効です。
db_block_buffers = 200 # SMALL # db_block_buffers = 550 # MEDIUM # db_block_buffers = 3200 # LARGE
中規模のSGAを作成するには、SMALLのパラメータ定義をコメントにしてから、MEDIUMのパラメータ定義を有効にします。次の2番目の例のように初期化パラメータ・ファイルを編集します。
# db_block_buffers = 200 # SMALL db_block_buffers = 550 # MEDIUM # db_block_buffers = 3200 # LARGE
パラメータSGA_MAX_SIZE
には、特定のインスタンスのためのシステム・グローバル領域(SGA)の最大サイズが指定されます。Oracle9iリリース1(9.0.1)以上では、インスタンスの実行中にOracle DatabaseでSGA構成を変更できます。これにより、インスタンスを停止しなくてもバッファ・キャッシュ、共有プールおよびラージ・プールのサイズを変更できます。
Oracle Databaseでは、不十分なサイズに構成されたインスタンスを起動し、SGAをSGA_MAX_SIZE
の最大値まで拡張することによってインスタンスがより多くのメモリーを使用できるようにすることが可能です。SGA_MAX_SIZE
値が指定されていない場合、Oracle Databaseでは、初期化時に指定された、またはデフォルトで選択されたすべてのコンポーネントの合計であるデフォルト値を選択します。初期化パラメータ・ファイルで指定されたSGA_MAX_SIZE
が、初期化時に指定された、またはデフォルトで選択されたすべてのコンポーネントの合計よりも小さい場合、初期化パラメータ・ファイルのSGA_MAX_SIZE
の設定は上限として使用されます。
Oracle Enterprise Manager(またはSQL*Plus)を使用する際、インスタンスのSGAに割り当てられたメモリーがインスタンス起動時に表示されます。SQL*PlusでSHOW
文をSGA句とともに使用して、現行のインスタンスのSGAサイズを表示することもできます。
『Oracle Databaseリファレンス』には、オペレーティング・システム固有の多くの初期化パラメータのデフォルト値が記載されています。ただし、オペレーティング・システム固有値を持つと説明されているパラメータでも、Windowsに影響しないものもあります。このような場合、Windowsでは、Oracle Databaseカーネルに設定されているデフォルト値を使用しているか、あるいはそのパラメータを使用していません。表13-1に、これらの初期化パラメータを示します。
Windows固有のパラメータ値を表示するには、テキスト・エディタで次の初期化パラメータ・ファイルを開きます。
ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥admin¥db_name¥pfile¥init.ora
初期化パラメータ・ファイルかOracle Databaseカーネルに設定されているパラメータ値をすべて表示するには、SQL*Plusのコマンド・プロンプトで次のコマンドを入力します。
SQL> SHOW PARAMETER parameter_name
parameter_name
は、特定の初期化パラメータの名前です。
新規データベースを作成するときは、表13-2の初期化パラメータを確認します。データベースを作成した後でこれらの初期化パラメータを変更することはできません。初期化パラメータの変更手順を含め、新規データベースの作成方法の詳細は、第3章「Windowsでのインストール後のデータベース作成」を参照してください。
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
使用するデータベースのグローバリゼーション・サポート・キャラクタ・セットを指定します。このパラメータを設定できるのは、データベース作成時のみです。 |
|
Oracle Databaseブロックの標準サイズをバイト数で指定します。 |
|
作成するデータベースの名前を指定します。データベース名は、8文字以下の文字列です。データベースの名前は変更できません。 |
1
これは、初期化パラメータではなく、CREATE DATABASE 文の句です。この句の使用例については、第3章「Windowsでのインストール後のデータベース作成」を参照してください。 |
この項に記載されているサイズのガイドラインを使用して、Oracle Databaseの制限を計算します。
タイプ | サイズ |
---|---|
最大ブロック・サイズ |
16,384バイト(16KB) |
最小ブロック・サイズ |
2KB |
ファイルごとの最大ブロック |
4,194,304ブロック |
ブロック・サイズが16Kの場合のファイル・サイズの最大値 |
64GB |
ブロック・サイズ | ファイル数 |
---|---|
2KB |
20,000 |
4KB |
40,000 |
8KB |
65,536 |
16KB |
65,536 |
タイプ | サイズ |
---|---|
FATファイルの場合の最大ファイル・サイズ |
4GB |
NTFSの場合の最大ファイル・サイズ |
16EB |
データベース・サイズの最大値 |
65,536×64GB(約4PB) |
最大制御ファイル・サイズ |
20,000ブロック |
リリース番号 | メモリー |
---|---|
Oracle9iリリース2(9.2) |
444KB |
Oracle9iリリース1(9.0.1) |
444KB |
Oracle8iリリース8.1.7 |
335KB |
Oracle8iリリース8.1.6 |
335KB |
Oracle8リリース8.0.5 |
254KB |
Oracle8リリース8.0.4 |
254KB |
|
Copyright © 1996, 2008 Oracle Corporation. All Rights Reserved. |
|