チュートリアル

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Oracle Service Bus チュートリアルの準備

Oracle Service Bus チュートリアルは、ビジネス サービスおよび適応性のあるメッセージ ルーティングのコンフィグレーションのために Oracle Service Bus を使用する一般的な Web サービスのシナリオを基にしています。この節では、チュートリアルで使用するビジネス ケースをデプロイするために、Oracle Service Bus と Weblogic Server 環境のコンフィグレーションに必要なタスクについて説明します。Oracle Service Bus のサンプル セットは、以下のチュートリアルでの説明の基礎として使用します (「Oracle Service Bus サンプル」を参照)。

このトピックは、以下の節で構成されます。

この節を終了すると、リソースの定義や Web サービスの設計を行うことができる、一般的な Oracle Service Bus 環境をデプロイする方法がわかります。チュートリアルを始める前に、この節のタスクをすべて完了してください。

 


チュートリアルでのシナリオ

チュートリアルでは、一般的な融資申し込みプロセスを記述する融資仲介業者のシナリオを使用します。主要な金融会社が、Oracle Service Bus を使用して、融資申し込みを適切なビジネス サービスにルーティングします。融資申し込みは、要求された金利や要求された元本などの条件に基づいて、各種のビジネス サービスにルーティングされます。元本が 2500 万ドルを超える場合、融資申し込みを完了するには申込者の信用格付け情報が必要になります。

最初のチュートリアルでは、メッセージ ルーティングや Web サービス リソースの作成など、Web サービスの仲介を容易にする Oracle Service Bus の基本機能を説明します。後続のチュートリアルでは、融資申し込みのルーティング、変換、および検証のための Web サービスの開発とカスタマイズを行います。

 


チュートリアルのセットアップ

チュートリアルを設定および実行するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Service Bus のインストール
  2. Oracle Service Bus ドメインの作成
  3. ドメインのコンフィグレーション設定の変更
  4. Oracle Service Bus の起動
  5. ビジネス サービスのビルドとデプロイ
  6. Oracle Service Bus Console へのログイン

チュートリアル ソリューションのビルドをサポートするファイル (ビルド済みのビジネス サービスを含む) は、次のディレクトリにあります。

BEA_HOME\osb_10.3\samples\servicebus\examples

チュートリアル ファイルには、チュートリアルを実行するために設定する必要のあるプロパティが含まれます。チュートリアルでは、4 つのビジネス サービスを使用できます。各ビジネス サービスにも、関連するファイルのセットがあります。各ビジネス サービスの構造は同じです。

表 2-1 に、ビジネス サービスの 1 つである NormalLoan ビジネスサービスのディレクトリ構造を示します。他のディレクトリの内容も確認してみてください。

表 2-1 チュートリアルのサポート用に提供されているサンプル ファイル
ファイル名/場所
説明
/src/setEnv.cmd
環境プロパティを設定するファイル。
/src/examples.properties
ビジネス サービスのビルドのプロパティとデプロイメント プロパティが含まれるファイル。
ビジネス サービスごと :
BEA_HOME\osb_10.3\samples\
servicebus\examples\src\
examples\webservices\
jws_basic\normal
normalLoan ビジネス サービスで必要なファイルが含まれるディレクトリ。このチュートリアルで使用される他の 3 つのビジネス サービス (ManagerLoanReview、LoanSaleProcessor、CreditRating) も同じファイル構造である。
SimpleBean.java
jws-181 Web サービス定義。
/client/LoanStruct.java
メッセージの定義。
build.xml
ant を使用した各サービスのビルドに使用されるビルド スクリプト。
*.wsdl
各サービスを定義する Web Service Definition Language (WSDL) ファイル。
/client/Main.java
各ビジネス サービスが対話する Java クライアント。

Oracle Service Bus のインストール

Oracle Service Bus をインストールします。インストール手順については、『Oracle Service Bus インストール ガイド』を参照してください。

Oracle Service Bus ドメインの作成

Oracle Service Bus チュートリアルを作成して実行するには、Configuration Wizard を使用して Oracle Service Bus ドメインを作成する必要があります。Configuration Wizard は、グラフィカル モードまたはコンソール モードで起動できます。このチュートリアルでは、Configuration Wizard をグラフィカル モードで起動します。

  1. Configuration Wizard をグラフィカル モードで起動するには、次のように、Windows の [スタート] メニューから [Oracle WebLogic] グループの [Configuration Wizard] オプションを選択します。
  2. [スタート|すべてのプログラム|Oracle WebLogic|WebLogic Server 10gR3|Tools|Configuration Wizard]

  3. Configuration Wizard を使用して、次の製品のコンポーネントを選択します。
    1. [ようこそ] ページでは、[新しい WebLogic ドメインの作成] ラジオ ボタンがデフォルトで選択されています。デフォルトの選択をそのまま使用し、[次へ] をクリックします。
    2. 図 2-1 Configuration Wizard - ドメインの作成のオプション


      Configuration Wizard - ドメインの作成のオプション

    3. [ドメイン ソースの選択] ページで [Oracle Service Bus] チェック ボックスを選択します。[次へ] をクリックします。
    4. 図 2-2 Configuration Wizard - ドメイン ソースの選択


      Configuration Wizard - ドメイン ソースの選択

    5. [管理ユーザ名とパスワードのコンフィグレーション] ページで、新しい管理ユーザ名とパスワードをコンフィグレーションします。デフォルトの weblogic ユーザ名を使用できますが、ユニークなパスワードを作成する必要があります。[次へ] をクリックし、[サーバの起動モードおよび JDK のコンフィグレーション] ページに進みます。
    6. 図 2-3 Configuration Wizard - ユーザ名とパスワードの作成


      Configuration Wizard - ユーザ名とパスワードの作成

    7. [サーバの起動モードおよび JDK のコンフィグレーション] ページでは、WebLogic ドメインのデフォルトの起動モードとして [開発モード] が選択されています。デフォルト設定をそのまま使用し、[次へ] をクリックします。
    8. 図 2-4 サーバの起動モードおよび JDK のコンフィグレーション


      サーバの起動モードおよび JDK のコンフィグレーション

    9. [環境とサービスの設定のカスタマイズ] ページでは、環境とサービスの設定に対するデフォルトのカスタマイズ オプションは [いいえ] です。[はい] をクリックして、[管理サーバのコンフィグレーション] の [リスン ポート] を変更します。
    10. 図 2-5 環境とサービスの設定のカスタマイズ


      環境とサービスの設定のカスタマイズ

    11. [RDBMS セキュリティ ストア データベースのコンフィグレーション] ウィンドウで [次へ] をクリックします。
    12. [リスン ポート] の値を 7001 に設定します。
    13. 図 2-6 管理サーバのコンフィグレーション


      管理サーバのコンフィグレーション

    14. [次へ] をクリックして [管理対象サーバのコンフィグレーション] ページに進みます。次の設定のデフォルト オプションをそのまま使用します。
    • [管理対象サーバのコンフィグレーション]
    • [マシンのコンフィグレーション]
    • [JDBC データ ソースのコンフィグレーション]
    • [データベース スクリプトの実行]
    • [JMS ストアのコンフィグレーション]
    • [WebLogic ドメインの確認] で、[次へ] をクリックして [WebLogic ドメインの作成] ページに進みます。

    1. [WebLogic ドメインの作成] ページで、ドメイン名として ServiceBusTutorial を指定します。[作成] をクリックします。
    2. 図 2-7 Configuration Wizard - Weblogic ドメインの作成


      Configuration Wizard - Weblogic ドメインの作成

    3. ドメインが正常に作成されても、[管理サーバの起動] をクリックしないでください。[完了] をクリックして完了します。

Oracle Service Bus の起動

以下のいずれかの方法を使用して、Oracle Service Bus を起動できます。

Oracle Service Bus を起動すると、サーバ コマンド コンソール ウィンドウに WebLogic Server に関するステータス情報が表示されます。

注意 : プロダクション モードのドメインを使用する場合は、サーバの起動時に有効なユーザ名とパスワードが要求されます。ドメインの作成およびコンフィグレーションの詳細については、『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照してください。

クライアント アプリケーションのロード

テスト コンソールを使用して融資申し込みをテストするには、まず WebLogic Server Administration Console でクライアント jar ({BEA_HOME}\osb_10.3\samples\servicebus \examples\build\webservices にあります) をデプロイする必要があります。以下のクライアント jar が用意されています。

creditLoan_jws_basic_ejb クライアント jar をデプロイするには

  1. WebLogic Server Administration Console (http://localhost:7001/console) に移動します。
  2. [ホーム] ページで、[デプロイメント] をクリックして [デプロイメントの概要] ページに移動します (図 2-8 を参照)。
  3. 図 2-8 デプロイメントの概要


    デプロイメントの概要

    1. [インストール] をクリックします。
    2. BEA_HOME\osb_10.3\samples\servicebus\examples\build\webservices に移動します。
    3. creditLoan_jws_basic_ejb を選択します。[次へ] をクリックし、対象指定スタイルを選択します。
    4. [対象指定スタイルの選択] ページで、デフォルト値をそのまま使用します (アプリケーションとしてデプロイします)。[次へ] をクリックして [省略可能な設定] ページに移動します。
    5. [省略可能な設定] ページで、デフォルト設定をそのまま使用し、[完了] をクリックします。アプリケーションは自動的にデプロイされます。

前の手順を繰り返し、largeLoan_jws_basic_ejbmanager_jws_basic_ejb、および normalLoan_jws_basic_ejb を·WebLogic Server Console にデプロイします。

WebLogic Server Console でのクライアント jar のデプロイと起動の詳細については、『Administration Console オンライン ヘルプ』の「エンタープライズ アプリケーション」を参照してください。

Oracle Service Bus Console へのログイン

Oracle Service Bus Console は Web サービス管理ダッシュボードで、ここから Web サービスとサーバをモニタしたり、サービス管理タスクを実行できます。このコンソールを使用すると、プロキシ サービスやビジネス サービスのコンフィグレーション、セキュリティの設定、リソースの管理、トラッキングや規定の監査に使用するデータの取得などの操作を実行できます。サーバ、サービス、およびアラートに関する詳細な統計を表示することによって、Oracle Service Bus 環境の現在のヘルス状態をモニタするビューが用意されています。また、Oracle Service Bus Console を使用すると、企業のサービス指向環境への変更に対して迅速かつ効率的に対応できます。

Oracle Service Bus Console にログインするには
  1. ブラウザ ウィンドウを開き、次の URL を入力します。
  2. http://host:port/sbconsole

    URL http://localhost:7001/sbconsole をブラウザに入力して、Servicebustutorial ドメインの Oracle Service Bus Console を開きます。必要な場合、Oracle Service Bus チュートリアル ドメインの作成時に指定したユーザ名とパスワードで、Oracle Service Bus Console からログインします。

注意 : Windows の [スタート] メニューから次のオプションを選択して、Oracle Service Bus Console を開くこともできます。
注意 : [スタート|すべてのプログラム|Oracle WebLogic|User Projects|ServiceBusTutorial|Oracle Service Bus Admin Console] (Oracle Service Bus Admin Console の場合)

チュートリアルの開始

チュートリアルの設定に必要なタスクを完了したら、「チュートリアル 1. 融資申し込みのルーティング」に進むことができます。チュートリアル 1 では、融資申し込みのルーティング シナリオに必要なリソースを Oracle Service Bus にコンフィグレーションする方法について説明します。各チュートリアルには、Oracle Service Bus リソースの設計とコンフィグレーションの手順、および完了したコンフィグレーションのテストに使用できる手順があります。


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